面接でやっちゃダメ! 「一発NG」につながる3つの言動

転職の面接で「一発NG」になってしまうことはあるのでしょうか?

中途採用の面接官を担当したことのある300人に、アンケートを行いました。

▼「一発NG」とは?
面接中の特定の要素・行動などによって、不採用(不合格)が決まること

転職の面接でも「一発NG」になるの?

8割の企業で「一発NG」がある

300人の面接官にアンケート調査を行ったところ、中途採用面接で「一発NG」になった候補者がいた企業の割合は、約8割にのぼりました。

ほとんどの企業の面接で「一発NG」が存在していることになります。

【転職の面接で「一発NG」になった人はいた?】かなりいた(2人に1人以上)/15.3%/よくいた(3~4人に1人):19.1%/たまにいた(5~10人に1人):23.9%/まれにいた(10人に1人未満):21.0%/1人もいなかった(0人):20.7%

※回答人数:314人(全国の70歳未満の正社員/経営者・役員2,000人のうち、5年以内に中途採用の面接官を担当したことがある人の中で、回答に応じた人数)
※質問文:「これまで担当した中途採用の面接で、『一発NG』になった候補者はいましたか?」
※調査期間:2023年9月6日~11日
※調査方法:ネットリサーチ

どれくらいの頻度で「一発NG」の候補者がいたのかを見ると、「たまにいた(5~10人に1人)」が23.9%で最多。次に多かった「まれにいた(10人に1人未満)」とあわせると約45%でした。

一方、15.3%の企業で「かなりいた(2人に1人以上)」という結果に。

「一発NG」になるリスクが低い企業もあれば高い企業もあるため、ことさらに心配しすぎる必要はありませんが、油断は禁物でしょう。

「一発NG」が多いのは対面の一次面接

何回目の面接で「一発NG」になったのかを見ると、対面の一次面接が最多でした。一次面接は候補者の「アリ・ナシ」をざっくりと分ける「足切り」の場であることが、大きく影響しているのかもしれません。

一次面接に次いで「一発NG」が多いカジュアル面談も、同様の理由でしょう。

一方、二次面接、最終面接と選考が進むにつれ、企業にマッチした候補者が残るため、「一発NG」になることは少なくなっていくようです。

【「一発NG」の候補者がいたのは、どの面接?】<対面/Web>カジュアル面談/88/50|一次面接/125/58|二次面接/56/18|最終面接/21/6

※回答人数:249人(5年以内に中途採用の面接官を担当したことがある全国の70歳未満の正社員/経営者・役員314人のうち、担当した面接で「一発NG」になった候補者がいたと回答した人数)
※質問文:「『一発NG』になった候補者がいたのは、どの面接でしたか?」
※調査期間:2023年9月6日~11日
※調査方法:ネットリサーチ

また、どの面接においても、Web・オンライン形式に比べ、対面形式で「一発NG」になる候補者が多くを占めました

これは、Web・オンライン形式の面接では情報量が限られることが原因だと考えられます。面接官から見える候補者は「カメラに映る上半身だけ」という状況になるため、「一発NG」につながる要素が少なくなるのかもしれません。

▼Web面接でも油断は禁物!よくある落とし穴

面接で「一発NG」になる理由・ポイントは?

「態度や言葉遣いのマナー」が大多数

転職の面接で「一発NG」になった理由・ポイントとしては「態度や言葉遣い・立ち居振る舞いなどのマナー」が最も多くなりました

面接では「何を言うか」以前に、「社会人としての一般的なマナーが守れるか」が大きな判断基準になっていることがうかがえます。

【「一発NG」になった理由・ポイント】"態度や言葉遣い・立ち居振る舞いなどのマナー/182|質問に対する回答内容/134|服装や身だしなみ/82|その他/2

※回答人数:249人(5年以内に中途採用の面接官を担当したことがある全国の70歳未満の正社員/経営者・役員314人のうち、担当した面接で「一発NG」になった候補者がいたと回答した人数)
※質問文:「候補者のどのような点が、『一発NG』の理由・ポイントになりましたか?」
※調査期間:2023年9月6日~11日
※調査方法:ネットリサーチ

「一発NG」につながる3つの言動

具体的には、どんな言動が「一発NG」につながるのでしょうか?

アンケートの中から、多くの面接官から声が上がった3つのNG言動を紹介します。

【面接で一発NGにつながる3つの言動】タメ口だった・敬語が使えない/不誠実で無礼な態度/面接らしからぬ服装・身だしなみ

1)タメ口だった・敬語が使えない

面接官にタメ口を使っている求職者のイラスト

転職の面接で「一発NG」につながった言動のうち、最も目立ったのは「タメ口を使ったこと」や「敬語が正しく使えないこと」でした。

転職は社会人経験があることが前提になるため、一般的なビジネスマナーは身に付けてるものとみなされます。言葉遣いに対する面接官の目は、就職活動のとき以上に厳しいものだと心得ておきましょう。

面接は商談と同じくビジネスの場であり、ましてや初対面です。面接官が明らかに年下であったり、年齢が近いように見えたりしても、タメ口を使うのはNG。面接中は正しい敬語を使いましょう

下記の記事では、間違いやすい10の敬語表現を紹介しています。敬語の使い方に自信のない方は、ぜひチェックしてみてください。

▼面接官の声

ところどころでタメ口を使っていた。

(情報通信業/50歳男性)

言葉使いが敬語ではない上に「タバコを吸っていいですか?」と聞かれた。

(サービス業/58歳女性)

2)不誠実で無礼な態度

遅刻をしているのにも関わらず、悪びれる様子もなく面接官に挨拶する求職者のイラスト

無断で遅刻の上、謝罪しない」「挨拶ができない」といった不誠実・無礼と感じられる態度も、面接の「一発NG」理由になるようです。

企業(面接官)と候補者に上下関係はありませんが、面接はあくまで選考の場。必要以上に気を遣う必要はないものの、最低限のマナーは守らなければなりません

「面接の機会をいただいたこと」に対する感謝や、面接官への敬意を忘れないようにしましょう。

▼面接官の声

連絡もなく遅刻してきた上に、それについて触れない。入社後の勤務態度もそうなるのでは? と感じた。

(その他/34歳女性)

「面接に来てあげている」という感じの態度だった。

(商社・卸売り・小売業/54歳女性)

3)面接らしからぬ服装・身だしなみ

金髪で面接に臨む求職者のイラスト

サンダルや半ズボン、金髪といったカジュアルすぎる服装のほか、「汗臭い」「シャツがヨレヨレ」など、清潔感のなさも「一発NG」につながる大きなポイントです。

服装や身だしなみは、TPOをわきまえるのが鉄則。面接はフォーマルな場なので、清潔なスーツとシャツ(ブラウス)、傷や汚れのない靴を用意しましょう。

下記の記事では、面接にふさわしい服装・身だしなみマナーを男女別で解説しています。

▼「私服」で面接を受ける場合はこちら

不採用につながりやすい4つの言動

アンケートでは、「一発NG」レベルではないものの、大きく評価を下げる言動があることもわかりました。具体的には下記の4つです。

【面接での評価が大きく下がる言動】落ち着きがない/後ろ向き・やる気がない/回答内容が曖昧・辻褄が合わない/言葉のキャッチボールができない

1)落ち着きがない

面接官を前に、挙動不審になっている求職者のイラスト

面接官と目を合わせなかったり、挙動不審であったりと、落ち着きがない雰囲気は評価を大きく下げる原因になるようです。

面接官からすれば、候補者は「将来的に同じオフィスで一緒に働くかもしれない人」。あまりにもおどおどとした態度だと、面接官にそのイメージを持ってもらうことは難しくなります

面接はたしかに緊張するものですが、貧乏ゆすりや指・顔周りを頻繁に触るといった癖は、できる限り抑えるようにしましょう。面接官の目を見て話すのがベストですが、難しければ鼻の頭を見るのでもOKです。

下記の記事では、面接の緊張をほぐす方法を紹介しています。緊張しやすい方は、面接前にチェックしておきましょう。

2)後ろ向き・やる気がない

面接で後ろ向きな発言を連発する、暗い様子の求職者のイラスト

面接の受け答えの中で、あまりにも後ろ向きな発言・やる気のない態度が目立つと、マイナス評価につながることがあるようです。自信のなさから、小さな声でボソボソと話すのも印象が良くありません。

企業は採用活動を通して、自社に貢献できるスキル・能力のある人材を探しています。ネガティブな発言・態度ばかり取っていると、入社後に活躍できるイメージを持ってもらうことはできません

面接に呼ばれたということはすなわち、履歴書や職務経歴書の内容は問題がなかったということ。自信を持って胸を張り、明るくはっきりとした声で話すようにしましょう。

下記の記事では、ボイストレーナーに聞いた「いい声」の出し方を紹介しています。面接直前でも実践できるので、話すことに苦手意識がある方はぜひチェックしてみてください。

3)回答内容が曖昧・辻褄が合わない

質問に対する回答が曖昧だったり、他の回答内容と辻褄が合わなかったりするのも、面接官からの評価を下げる一因となるようです。

面接官は、候補者が自社にマッチする人材かを見極めるために、さまざまな角度から質問を投げかけます。その際、お茶を濁してあやふやな回答をしたり、回答内容に一貫性がなかったりすると、場合によっては「後ろめたいことがあるのでは?」「嘘をついているのでは?」といった不信感につながってしまいます。

退職理由をはじめ、誰しも言いづらいことはありますが、嘘をつくのはおすすめできません。一度切り抜けられても、掘り下げられるうちにボロが出て、結果的に不採用になってしまうことがほとんどだからです。

いざ聞かれた際にきちんと言語化できるよう、面接当日にツッコまれそうなことは事前に対策しておきましょう

▼面接で嘘をつくのはダメなの?

▼言いづらい退職理由の伝え方

▼面接官の声

具体性のない内容に終始していて、明らかに虚偽だと判断できた。

(教育業/42歳男性)

質問に対する明確な受け答えが出来ず、本音で話していないというのがわかった。話の辻褄が合わなかった。

(情報通信業/52歳男性)

4)言葉のキャッチボールができない

面接官の質問に対して的外れな回答をしたり、事前に準備した内容以外には対応できなかったりと、言葉のキャッチボールができない場合は評価が下がってしまうことがあるようです。

実際の仕事と同様、面接では「面接官の質問意図を正しく理解し、的確な回答をする」という、基本的なコミュニケーション能力が求められます。

的外れな回答をしたり、対策した質問以外には答えられなかったりすると、理解力や論理的思考能力が低いと判断されてしまうでしょう。

砕けすぎるのは良くありませんが、気の知れた現職の同僚と話すときのように、落ち着いて自然な会話を意識してみましょう

▼面接官の声

緊張しているとしても、こちらの質問に対してあまりにも的外れな返答ばかりの方は、NGになることがあります。

(サービス業/41歳男性)

こちらの質問内容を理解せず、用意してきたであろう返答ばかりだった。

(製造業/27歳女性)

下がった評価は面接中に挽回できる?

挽回できる企業が過半数!

面接中、何かしらの言動によって評価が下がってしまっても、その後のやり取りで持ち直し、合格できた候補者がいた企業は5割を超えました

下がった評価を挽回できた候補者の割合は「よくいた(3~4人に1人)」が最多。「かなりいた(2人に1人以上)」と合わせて約25%と、決して低くない確率です。

評価を下げるような言動をしたからといって、それだけであきらめるのは早いでしょう。

【下がった評価を挽回できた候補者はいた?】かなりいた(2人に1人以上)/8.4%/よくいた(3~4人に1人):16.1%/たまにいた(5~10人に1人):15.7%/まれにいた(10人に1人未満):15.7%/1人もいなかった(0人):44.2%

※回答人数:249人(5年以内に中途採用の面接官を担当したことがある全国の70歳未満の正社員/経営者・役員314人のうち、担当した面接で「一発NG」になった候補者がいたと回答した人数)
※質問文:「『一発NG』になった候補者・あるいはそれに近いマイナス評価を受けた候補者のうち、面接中に評価を挽回して合格(採用)になった人はいましたか?」
※調査期間:2023年9月6日~11日
※調査方法:ネットリサーチ

挽回できた理由・ポイントは主に2つ

転職の面接において、下がった評価を挽回できた理由・ポイントは、主に下記の2つです。

【転職の面接で下がった評価を】挽回できた理由・ポイント/スキル・能力が合格ラインだった/やる気・熱意が感じられた

たとえ一度評価を落としてしまっても、その後のやり取りの中で、スキル・能力が企業の求めるレベルをクリアしていることが伝われば、マイナス面に目を瞑ってもらえることがあるようです。

また、受け答えの中で自己PRや仕事に対する熱意を一生懸命に語ることで「やる気はありそうだから、仕事を任せてみよう」などと、面接官に思い直してもらえることもあるでしょう。

たとえ第一印象が悪くなってしまったとしても、あきらめずに「スキル・能力のレベルや応募先への適性」「応募先の仕事に対するやる気・熱意」をアピールすることが大切です。

▼面接官の声

スキルはあるものの、説明の仕方があまり上手ではなかった。しかし、技術の話になると一生懸命話してアピールできていたので、働く場所はありそうと判断した。

(情報通信業/67歳男性)

見た目とは裏腹に、社会問題に対して大変関心を持っている方だった。

(製造業/43歳男性)

面接の準備を始めよう

転職の面接対策のキホンは「質問対策」「服装・身だしなみ」「当日マナー」の3つ。不安なところから、少しずつ始めてみましょう。

▼質問対策

▼服装・身だしなみ

▼当日マナー

▼Web面接の場合はこちら

この記事の執筆者

ライター・編集者

金子 龍介

株式会社クイック

転職Hacks編集部のライター・編集者。面接対策の記事を中心に、転職ノウハウやキャリアに関する記事を手がける。

「人前で話すことが苦手」という自らの課題意識を原動力に、同じように悩む方に向けて、声や表情、伝え方といったコミュニケーションにまつわるテーマにも注力している。

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