メリット・デメリット、向いている人も紹介 頭を使う仕事とは?具体的な職種7選
「頭を使うことが多い仕事」というと、具体的にどのような職種が当てはまるのでしょうか。
今回は、頭を使う仕事と言われる職種について、具体的な例やメリット・デメリットなどを紹介します。頭を使う仕事に向いている人の特徴も解説します。
頭を使う仕事とは?
専門的な知識や思考力、創造性が求められる仕事
頭を使う仕事とは、主に専門的な知識や思考力、創造性などが求められる仕事のことを指します。
例えば「経営コンサルタント」は、世間一般的にも頭を使う仕事だと認識されている職種のひとつです。経営に関する専門的な知識や、事業の方向性を導き出すための思考力が必要だからです。
また、世の中にある潜在的なニーズを見つけ出し、価値ある商品をつくる「企画職」も、既存の考え方に囚われずにアイデアを出す創造力が求められることから、頭を使う仕事だと言えるでしょう。
職種によっては知識を証明する資格や免許が必要
頭を使う仕事では、職種によって、就職する際に専門的な知識やスキルを証明する資格や免許が必要です。
例えば、頭を使う仕事としてよく挙げられる「弁護士」になるには、法に関連する十数科目を勉強し、司法試験に合格して弁護士資格を取得する必要があります。
頭を使う仕事の代表的な例【職種7選】
ここでは、頭を使う仕事の代表的な例として以下の7職種を紹介します。
それぞれの職種について、主な仕事内容や必要な知識・資格などを解説します。
医師
医師は、患者の状態から病気や怪我の状態を診断し、手術や投薬などによる治療を行います。
業務では、患者の検査結果を見て病気を特定したり、過去の治療事例を調べて患者の治療方針を決定したりします。
さらに、病院での勤務だけでなく、学会や研究会に参加し、新しい知識や技術を学び続けなければなりません。比較的大きな病院では、回診のため、多くの入院患者を医師が巡回して診療しなければいけないこともあります。
医師になるためには免許が必要です。大学の医学部に進学して6年間医療について学び、国家資格に合格する必要があります。
弁護士
弁護士は、法律の専門家として依頼者に助言や法廷での弁護を行い、依頼者の権利や利益を守る人のことです。
例えば、
- 事務所で裁判所に提出する書面の作成
- 依頼者からの法律相談へのアドバイス
- 過去の裁判例の調査
を行います。
弁護士も資格が必要な職種です。
まず法科大学院に進学するか、予備試験に合格した後に、司法試験に合格しなければなりません。司法試験合格後は、司法修習を積んだあとに最終試験に合格することで、弁護士になることができます。
コンサルタント
コンサルタントは、企業の相談役となって現状の課題の発見や分析、解決方法の提案などを行います。専門分野によって「経営コンサルタント」「ITコンサルタント」などに分かれています。
日々の業務では、依頼主である企業に関連する情報収集や、次の訪問で顧客企業に見せるための提案資料の作成などを行います。
コンサルタントになるために資格は必要ありませんが、活躍するためにはコンサルティングファームに入って経験を積む方法が一般的です。コンサルティングファームの新卒・中途採用では、論理的思考力やコミュニケーション能力などを重視される傾向があります。
企画職
企画職は、自社の商品・サービスの調査やデータ分析などを行い、マーケティング戦略に基づいた企画を立案する職種のこと。
「商品企画」「営業企画」「広告企画」など、専門分野や領域が細かく分かれていることもあります。
企画職の仕事内容としては、
- 企画に関連するデータを集めてまとめる
- データをもとに企画を立てる
- 経営者や上層部に納得してもらえるようなプレゼン方法を考える
- プレゼン資料を作成する
などがあります。
企画職になるために資格は不要ですが、就職・転職で企業の企画部門やマーケティング部門に入る必要があります。中途採用の場合、分析ツールの使用経験や営業経験などを求められるケースが多いでしょう。
研究者
研究者は、自身の専門分野について研究テーマを設定して研究を実施・管理する人のこと。
日々、大学の研究室や民間企業の研究施設などで研究や実験を行い、学会に発表するための論文を執筆しています。
研究者になるには、自身が強い関心を寄せている分野で博士号を取り、研究者として大学や研究機関に所属するルートが一般的です。
クリエイター
クリエイターの仕事は、依頼主の要望に基づいて制作物の企画やプランニング、制作を行うことです。
制作物の違いによって「映像クリエイター」「ゲームクリエイター」「webクリエイター」などに分かれています。
例えばゲームクリエイターの場合、1日の業務としては
- 制作チームでの打ち合わせ
- 制作作業
- 完成品チェック
- 新規案件の仕様書作成
などがあります。
クリエイターになるには、映像編集やアニメーション作成など、制作物に関連した技術を身に付けられる専門学校に通い、制作会社に就職するのが一般的です。
クリエイターの仕事は業務連絡も制作もオンライン上で完結させることができ、ネット環境さえ整っていればどこでも働くことができるため、フリーランスとしてリモートで活動するケースもあります。
システムエンジニア
システムエンジニアは、システムやソフトウェア、アプリケーションなどの設計・開発・保守・運用サポートを行います。
企業や担当する制作物によっては「ソフトウェアエンジニア」「アプリケーションエンジニア」などの呼称になることもあります。
システムエンジニアの1日の業務としては、進行中のプロジェクトについて
- クライアント企業や自社の担当者とミーティング
- 担当案件のプログラムを組む
- 開発中のシステムのバグを修正する
などを行います。
システムエンジニアになるには、スクールなどに通ってエンジニアに関する知識と技術を身に付け、企業に就職する方法が一般的です。
システムエンジニアの仕事は業務連絡もオンライン上で完結させることができ、ネット環境さえ整っていればどこでも働くことができるため、フリーランスとしてリモートで仕事をしている人もいます。
頭を使う仕事のメリット・デメリット
頭を使う仕事に就きたいと考えている方に向けて、頭を使うことが多い仕事のメリット・デメリットを紹介します。
頭を使う仕事のメリット
頭を使うことが多い仕事のメリットとして挙げられるのは、主に下記の2つです。
給与が比較的高い
頭を使う仕事をするための専門的な知識・スキルは、相当な労力をかけなければ身に付けられないことから、給与は比較的高い傾向があります。
資格試験に合格できる人数も限られていて、労働力としての希少価値が高いことも関係しています。
特に医師や弁護士は、高収入なイメージがある職種でしょう。
〈「頭を使う仕事」の平均収の例〉
職種 | 平均月収 |
医師 | 109万6,100円 |
弁護士 | 56万5,500円 (検察官や裁判官などの法務従事者全体の平均) |
システムコンサルタント | 45万2,100円 |
※日本全体の平均給与は約31万1,800円
※引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(EXCEL閲覧用参照)
長く働き続けられる
頭を使うことが多い仕事は、体を動かすことが多い仕事に比べてデスクワークの割合が高いため、高齢になって筋力が衰えても続けやすい傾向があります。
また、頭を使う仕事では、思考力や創造力といった「ポータブルスキル(=業界や職種問わず活かせる汎用的な能力)」を鍛えられることから、転職・昇進などで仕事内容やポジションが変わっても柔軟に対応でき、長期にわたって活躍することが可能です。
例えば企画職は、ターゲットのニーズに合わせた商品開発の経験で培われた発想力を活かし、新規事業開発部門で新しいターゲットに刺さるブランドづくりや事業戦略策定などに携わることができます。
頭を使う仕事のデメリット
頭を使うことが多い仕事のデメリットとして挙げられるのは、主に下記の2つです。
運動不足になり健康維持が難しい
頭を使うことが多い仕事はデスクワーク中心であるため、プライベートで積極的に体を動かす機会を設けないと運動不足になってしまいます。
運動不足が続くと体力が落ちて体調を崩しやすくなったり、ストレスが溜まったりするなど、健康維持が難しくなります。
頭を使う仕事をしながら健康を維持するためには、社会人スポーツクラブに入る、定期的にジムに通うなど自分に合った運動習慣を作ることが大切です。
業務時間が長くなりがち
頭を使うことが多い仕事や、その職種が属する業界は、限られた人材(リソース)に仕事が集中しがちです。
専門的な知識がないと業務が進められないことも多く、一人ひとりの業務量や責任が重くなったり、業務時間が長くなったりすることがあります。
業務時間が長くなると、プライベートの時間が減って生活の満足度が下がったり睡眠時間や休息を十分に取れず体調を崩したりと、私生活にも悪影響が出ることもあります。
頭を使う仕事をする上では、なるべく業務時間が長くならないように「職場全体でタスク分配を見直す」「自分の担当業務の優先順位を決める」「自動化のツールを使うことで単純作業にかかる時間を短縮する」などして、効率的に働くことが重要です。
頭を使う仕事に向いている人の特徴
頭を使う仕事に向いている人の特徴としては、主に下記の3つが挙げられます。
勉強が苦にならない
知的好奇心が強く勉強が苦にならない人は、頭を使う仕事に向いています。
頭を使う仕事は専門的な知識を求められることが多い上に、世の中の変化に合わせて新しい知識を絶えず学び続けなければならないためです。
「一度勉強したからもう学ばなくていい」と考えず、常に自らの専門性を高める姿勢が求められます。
仮説検証が好き
結果が予測できる作業を繰り返すよりも、仮説検証を繰り返して自分で答えを探し出す作業が好きな人は、頭を使う仕事に向いていると言えます。
頭を使う仕事は多くの場合、明確な正解が存在せず、収集した情報をもとに最適解を検討する必要があります。
さらに「最適解をもとに実行すれば良い」というわけではなく、新たな課題が生まれた場合は、その都度改善することも求められます。
思考が柔軟で創造力がある
柔軟な思考ができて創造力がある人は、頭を使う仕事に向いています。顧客の課題解決のためにさまざまな角度から物事を捉え、効果的なアイデアを出すことが求められるためです。
例えば、弁護士なら弁護の方向性を複数検討して、あらゆる観点から主張を固める努力をします。
企画職なら、消費者の反応や過去の販促データなどから、売れる新商品を次々と考え出す必要があります。
創造力は弁護士や企画職といった文系職種だけではなく、医師や研究者などの理系職種にも必要な力です。既存の思考に囚われず新しい視点や手法で取り組むことで、画期的な技術や成果が生み出されることがあるためです。
今後のキャリア・仕事選びで悩んだら…
頭を使う仕事といっても幅広い職種があり、求められる能力や知識はさまざまです。
これからどのような仕事に転職・就職したら良いのかわからず、将来的なキャリアに悩んでいる場合は、以下の記事をチェックしてみましょう。
自分に合った仕事を探す上で参考になるでしょう。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。