メリット・デメリット、向いている人も紹介 体を使う仕事とは?具体的な職種8選
「体を動かすことが多い仕事」というと、具体的にどのような職種があるのでしょうか?
今回は、体を使う仕事の職種例やメリット・デメリットを紹介します。また、体を使う仕事に向いている人の特徴も解説します。
体を使う仕事とは?
体を動かす業務が多く体力・筋力が求められる仕事
体を使う仕事は、業務中に体を動かすことが多く、体力や筋力が求められる仕事のことを指しています。
体を使う仕事でも事務作業のようなデスクワークを行うことはありますが、ほかの仕事に比べるとその割合は少なめです。職種によっては、屋外での業務がメインとなるものもあります。
体を使う仕事の代表的な例【職種8選】
体を使う仕事の具体例として、よく挙げられる以下の職種8つを紹介します。
それぞれの職種について、仕事内容や業務に求められる体力などを解説します。
スポーツインストラクター
スポーツインストラクターは、ジムやプールなどのスポーツ施設で指導員として働く人のことです。
ダイエット目的でジムでのトレーニングやヨガ・ピラティスなどのレッスンに通う人も増えているため、男女ともに多くのインストラクターが活躍しています。
利用者に正しい運動方法を教えるために、自分が手本となって体を動かす必要があります。また、1日に複数のレッスンを受け持つケースもあることから、相当な体力が求められます。
販売職
販売職は、スーパーやショッピングモールなどで、商品の陳列や接客、レジ打ちなどを行います。販売の仕事はシフトの融通が利きやすいため、パート勤務で働く主婦やアルバイトの学生が多いでしょう。
休憩時間以外は基本的には立ちっぱなしで業務を行うため、こうした状況に耐えられる体力が必要な仕事です。人によっては、足が浮腫んだり筋肉痛になったりすることもあります。
建設作業員
建設作業員は、戸建て住宅やビル、インフラ設備などの建設工事で作業を行います。
一日中屋外で作業をすることが多く、重い建築資材や道具を運ぶことも頻繁にあることから、建設作業員として働くには相当な体力・筋力が必要になります。
危険が伴うこともあるため、建設現場で働く女性はかなり少なく、作業員のほとんどは男性という傾向があります。
介護職
介護職は、高齢者施設に通所・滞在する方の生活全般をサポートする職種です。
高齢者の入浴介助や歩行の補助などを行うため、大人1人分の体重を支えられる程度の筋力がなければ業務がスムーズにできません。
また、介護つき有料老人ホームや、特別養護老人ホームなどの入居型施設の場合は夜勤があるため、出勤前に仮眠を取ったり、夜勤明けでも日勤と同じ生活リズムで暮らすなど、体調を崩さないように工夫することが大切です。
介護労働安定センターが2021年に実施した調査によると、男性介護職員は19.8%で女性介護職員は71.1%であり、比較的女性が多い職種と言えます。
※参考:公益財団法人介護労働安定センター「令和3年度介護労働調査」
飲食店スタッフ
飲食店スタッフは、レストランやカフェなどの飲食店で、配膳や接客、キッチンでの調理、会計を行う人のことです。
業務内容は「お客様のテーブルに注文を取りに行く」「料理を作る」「料理を運ぶ」「レジ打ちをする」といった立ち仕事が多く、ランチの時間帯などは休むヒマがないほど忙しいこともあります。
配膳の際にはドリンクや食事を一度にまとめて運ぶため、腕力も必要になります。
飲食店スタッフは、主婦のパートや学生のアルバイトを含め、性別・年齢に関係なくさまざまな方が働いています。
警備員
警備員は、ビルなどの施設警備や交通誘導を行います。
業務中は走り回ったり、重たい物を運んだりすることはあまりありませんが、1日中立ちっぱなしであることがほとんどです。夜勤の求人もありますが、体を使う仕事の中では比較的体への負担が少ないため、高齢でも活躍している人が多い仕事です。
警察庁が2021年に実施した調査によると、女性は全体の6.7%しかおらず、警備員は男性が多く活躍している職種と言えます。
※参考:警察庁生活安全局生活安全企画課「令和3年における警備業の概況」
農家
農家は野菜や果物などの農作物を栽培して、市場に卸す仕事をしています。
種蒔き・農薬散布・草刈り・収穫・出荷作業など、屋外で身体を動かすことがメインとなります。猛暑や極寒、季節の変わり目でも体調を崩さず、健康な体を維持する必要があります。
年齢・性別問わず、家族経営のところも多く、総務省の調査によると2022年の農業従事者の男女比はおよそ6:4です。農業の機械化が進み、女性や高齢者も続けやすくなっています。
※参考:総務省「令和4年就業構造基本調査 全国版 人口・就業に関する統計」
漁師
漁師は、海で漁や養殖を行い、魚介類を獲って市場に卸しています。
仕事内容は遠洋漁業・沖合漁業・定置網漁など漁の方法によって異なりますが、いずれの方法でも船に漁具を積み込んだり、海中から魚介類がたくさん入った網を引き揚げたりするため、体力勝負の仕事です。
また、深夜や早朝など、日が登っていない時間帯に漁に出ることも多いため、冬は厳しい寒さに耐えながら働かなければならないこともあります。
総務省の調査によると、2022年の漁業従事者に占める女性の割合は約2割とあまり高くありません。しかし、水揚げ後の仕分けや水産加工など漁業全体で見ると、女性が活躍する場は多いようです。
※参考:総務省「令和4年就業構造基本調査 全国版 人口・就業に関する統計」
体を使う仕事のメリット・デメリット
体を使う仕事に就きたいと考えている方に向けて、体を動かすことが多い仕事のメリット・デメリットを紹介します。
体を使う仕事のメリット
体を使うことが多い仕事のメリットとして挙げられるのは、主に下記の2つです。
運動不足にならず、健康を維持しやすい
体を使う仕事は業務中に重い道具を運んだり、1日中歩き回ったりと体を動かす機会が多いため、デスクワークに比べて運動不足になりにくく、健康を維持しやすいと言えます。
また、体を動かした方が気分をリフレッシュできるという人にとっては、ストレスを溜め込みすぎずに働くことができます。
未経験からでも挑戦しやすい
体を使う仕事は、働きながら経験を積むことが重要であるケースが多いため、就職前に資格や専門的な知識が必要とされるケースが少なく、未経験でも挑戦しやすいでしょう。
なかには未経験で入社した後に、実務経験を積むことで資格取得を目指せる職種もあります。
例えば介護職であれば、未経験で入社した場合でも3年以上働き、研修を受けることで、国家資格である「介護福祉士」の受験資格を得ることができ、自身の努力次第でキャリアの選択肢を広げることができます。
体を使う仕事のデメリット
体を使うことが多い仕事のデメリットとして挙げられるのは、主に下記の2つです。
ルーティン業務が多く、スキルアップしにくい
体を使う仕事は効率的に業務を進めるために、ルーティン化されていることが比較的多いでしょう。そのため、同じ作業を繰り返し行うような業務を続けているだけでは、将来的なスキルアップにつながりにくい場合があります。
体を使う仕事をしながら自分のスキルを上げるためには、業務内容の幅を広げられる資格を取得したり、実践経験を多く積んで独立したりして、自分自身でキャリアを築いていく姿勢が重要になります。
例えば、農家なら農業法人で実務経験を積んだ後に自営業として独立する、介護職なら介護福祉士として働き、ケアマネージャーの資格取得を目指すなどが、キャリアパスの例として考えられます。
怪我や高齢化で働けなくなる可能性がある
体を使う仕事は、危険な業務や体の負担が大きい作業があると怪我を負うリスクが高まり、怪我の程度によっては仕事を続けられなくなる可能性があります。
よくあるのは介護職で、高齢者を介助している際に腰を強く痛めてしまい、ドクターストップがかかって仕事を続けることが難しくなるケースです。
また、高所での業務がある建設作業員や、危険人物に出会う可能性がある警備員などは、仕事中に命に関わるような大怪我を負う可能性がゼロとは言えません。
さらに、高齢になり体力・筋力が衰えると、若いときと同じように業務をこなすことが難しくなります。そのため例えば、現場を離れて事務職や管理職などデスクワーク中心の職種に移るなど、場合によっては年齢に合わせたキャリアチェンジが必要になります。
体を使う仕事に向いている人の特徴
体を使う仕事に向いている人の特徴としては、主に下記の2つが挙げられます。
体が強く体力に自信がある
体を使う仕事は、風邪や感染症にかかりにくい強い体を持っていて、体力・筋力に自信がある人に向いています。健康な心身を維持できなければ、体を使う仕事を続けることは難しいからです。
ただし、体力に自信がない場合でも、就職に向けて筋力トレーニングをしたり、規則正しい生活を心がけたりするなど、少しずつ努力を重ねれば、体力が必要な仕事を行うことはできるでしょう。
じっとしているのが苦手
同じ場所でじっとしているのが苦手な人は、体を使う仕事に向いていると言えます。
体を使う仕事は、机に何時間も向かって作業したり、1日中パソコンの前で業務を行ったりするようなデスクワークが比較的少なく、動き回ったり立ちっぱなしだったりすることがほとんどだからです。
反対に、体を動かすと疲労が溜まる、一人で黙々と考えながら過ごす方が気分が良いという方は、体を使う仕事はかえってストレスを感じやすいでしょう。
今後のキャリア・仕事選びで悩んだら…
体を使う仕事といっても幅広い職種があり、求められる能力や知識はさまざまです。
「どのような仕事に転職・就職したら良いのかわからない」「今後のキャリアについて悩んでいる」という人は、以下の記事をチェックしてみましょう。
自分に合った仕事を探す上で、参考になるでしょう。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。