転職するときのポイントとは? 「定時で帰れる仕事」特徴と職種10選
プライベートを大切にしたい方にとって「定時で帰れる仕事かどうか」は重要なポイントですよね。
今回は、定時で退社しやすい仕事の特徴や具体的な職種、残業が少ない会社の見極め方などを紹介します。
「定時で帰れる仕事」なんて、そもそもあるの?
なくはないが定時退社には自分なりの工夫が必要
時間単位で働く「派遣」や「パートタイム勤務」であれば、定時で退社することも可能なため、残業をせず定時で帰れる仕事は、必ずしもないわけではありません。
ただし、どのような働き方であっても、残業をせず定時で退社するためには、自分自身で仕事の取り組み方を工夫する必要があります。
たとえ業務量がそれほど多くなくても、自分の仕事のスピードが遅ければ残業になってしまいますし、効率的に働いていても急なトラブルが発生すれば、対応せずに帰宅することは難しいからです。
定時で帰るためのコツとは?
定時で帰るためのコツとしては、たとえば以下のような取り組みが考えられます。
- その日の仕事内容をリストアップする
- 不要なタスクは取り除く
- 時短スキルを身に付ける など
それぞれのくわしい対応方法は、下記の記事で紹介しています。
ちなみに、定時とは「就業規則に書いてある勤務時間」のことであり、一般的には業務開始時刻8~9時、終了時刻17~18時を指します。
定時で帰れる仕事の特徴
勤務時間や業務内容によっては、正社員でも「定時で帰れる可能性が高い仕事」はあります。
定時で退社できる仕事の特徴は、以下のとおりです。
それぞれの特徴について「定時で退社できる可能性が高い」と言える理由を解説します。
シフト制で勤務する
シフト制の仕事は、指定された勤務時間が終われば次の担当者に業務を交代することになるため、定時で帰りやすいと考えられます。
例えば、24時間体制での業務が必要な「介護施設」や「コールセンター」などの職場では、シフト制が採用されています。
1日の業務があらかじめ決まっている
業務がルーティン化している仕事や、計画的に進める必要がある仕事は、1日の業務や流れがあらかじめ決まっているため、残業になりにくいです。
例えば、掃除する場所や方法が決まっている「清掃員」、数カ月単位の長期的な計画にもとづいて1日の作業内容が決められている「建設作業員」などが当てはまります。
緊急の業務が発生しにくい
緊急で対応しなければならない仕事が発生しにくい仕事は、1日のスケジュールが変わることが少ないため、計画通りに進められた場合は定時で帰ることができます。
例えば、トラブル対応の時間があらかじめ業務に組み込まれている「ビル管理・メンテナンス」や、近隣の病院の診察時間に合わせて店舗の営業が終わる「薬局薬剤師」などが当てはまります。
1人で業務を進められることが多い
1人でコツコツと業務を進められる仕事であれば、自分の仕事の進め方や効率化するための工夫次第で定時で退社することができます。
例えば、データ入力や書類作成などの対応がメインとなる「事務職」、箱詰めやピッキングなど特定の作業を繰り返し行う「工場作業員」などが当てはまります。
定時で帰れる仕事10選
定時で帰れる仕事の例として、残業が比較的発生しにくいと考えられる10職種を紹介します。
それぞれの職種について、具体的な仕事内容や定時で帰れる可能性が高い理由、向いている人の特徴を解説します。
定時で帰りやすい仕事を探すときの参考として、役立ててください。
事務職
事務職は、書類の作成・管理やデータ入力、電話対応、来客対応などを行います。
ルーティンワークが多く、緊急の業務が発生しにくい職種です。自分のペースで業務を進めやすいパソコン作業がメインであることから、比較的定時に帰りやすいと考えられます。
事務職はほかの社員を裏方としてサポートする仕事であるため、ホスピタリティや協調性がある人に向いています。また、地道な作業が多いことから、細かな作業を正確にこなせる人も事務職向きです。
受付・フロント
受付・フロント職は、オフィスビルやホテルの受付で来客の案内・情報登録、会社・代表宛ての電話・メール対応などを行う職種です。
受付時間はあらかじめ定められているため、定時を大幅に超えて残業になることはほとんどありません。
受付・フロント職は企業や施設の第一印象を左右する存在のため、ビジネスマナーが身に付いている礼儀正しい人や、笑顔で常に明るく対応できる人が向いています。
販売職
販売職は、店舗でレジ打ちや接客を行い、商品を販売する職種です。
シフト制であることがほとんどで、お盆休みや年末年始など特別に忙しい時期以外は定時に退勤できる可能性が高いです。
販売職は顧客とのコミュニケーションが重要な仕事であるため、相手の気持ちを汲み取り、一人ひとりに合わせて柔軟な対応ができる人が向いています。
コールセンター
コールセンターのオペレーターは、商品やサービスに関して顧客から電話で問い合わせがあった場合の回答や、サービスの案内を担当します。
勤務時間がシフトで決まることが多く、終業時刻の直前に問い合わせが来ない限り、残業が発生することは少ないでしょう。
コールセンターの仕事は、顧客の問い合わせ内容を正確に把握する必要があるため、相手が伝えたいことを素早く理解する力がある人が向いています。さまざまな質問に対して、その場で的確に答えられる臨機応変さも求められます。
ときにはクレームを受けることもあるため、気持ちを早く切り替えられる力も必要です。
警備員
警備員は、ビルや公共施設などの巡回や交通誘導、身辺警護などを行う職種です。
勤務形態はシフト制が採用されているケースがほとんどです。自分が担当している時間帯に大きなトラブルがなければ、次の担当者に仕事を引き継いで定時で帰ることができます。
警備員はトラブルを未然に防ぎ施設の安全性を守る立場であるため、責任感や使命感を持って仕事に臨める人が向いています。また、巡回や誘導などの立ち仕事がメインであることから、1日中動き回れる体力も必要です。
工場作業員
工場作業員は、工場で製品の組み立てや検品、出荷準備などを行います。
工場では生産性を上げるために作業がルーティン化されていることが多く、人為的なトラブルがなければ緊急の業務はあまり発生しません。また、1人で黙々と業務を進められることが多く、定時で退勤しやすい職種です。
工場作業員の仕事は、ものづくりが好きで手を動かす仕事がしたいという人に向いています。また、1日に同じ作業を何度も行うことがあるため、繰り返し作業が苦にならない人にもおすすめです。
建設作業員
建設作業員は、住宅やビルなどの建設現場で建物の組み立てや塗装などを行います。
建設現場の1日の業務内容は、長期的な建設計画に基づいてあらかじめ具体的な工程が定められています。そのため、作業中に予期せぬトラブルが発生しない限りは、大幅に定時を超えることはそれほどありません。
建設現場の仕事はクレーンやショベルカーといった重機を扱うことが多いため、重機操作に興味がある人におすすめです。また、危険な作業が多いことから、集中力・注意力の高さは大切な素養となります。
外での業務が続くこともあるため、屋外での長時間の作業が苦にならない人にも向いています。
ビル管理・メンテナンス
ビル管理・メンテナンスは、商業施設やオフィスビルで空調や電気、給排水などの設備を点検する仕事です。
定期点検を目的とした作業がメインになるため、1日の業務内容はルーティン化されていることが多く、大きな不具合が見つからない限りは定時で帰ることができます。
ビル管理・メンテナンスの仕事は、電気設備・防火設備などの各設備に合わせた資格が必要になるため、資格取得のために勉強できる人に向いています。
また、点検作業では、不具合を見つける大事な役割を担っているため、注意力も大切です。ビルの管理者と交渉したり苦情を受けたりすることもあるため、コミュニケーション能力も求められます。
介護職
介護職は、介護を必要としている高齢者などの生活全般をサポートします。
日曜・祝日も営業している通所施設や、24時間稼働の入所施設などもあるため、シフト制の場合が多く、自分の担当時間の業務を時間内に終わらせることができれば、基本的には定時で帰ることができます。
介護職は高齢者とコミュニケーションを取ることが多い仕事であるため、人の話を聞くのが好きな人に向いています。また、入居者によってはスムーズな意思疎通が難しくトラブルが起こることもあるため、自分の感情をコントロールする力も重要です。
高齢者の怪我や事故を防止するために、職場全体を俯瞰的に見る力や、危険な箇所や行動を把握する力がある人も向いています。
薬局薬剤師
薬局薬剤師は、調剤薬局に所属し、医師が作成した処方箋に基づいて患者に薬の処方を行う職種です。
季節性の病気が流行して急激に患者が増える時期を除けば、業務量は比較的一定であるため、長時間の残業が発生することはそれほどありません。
薬の処方は患者の命や健康に大きく関わる仕事であるため、薬局薬剤師には責任感の強さや几帳面さがある人が向いています。
また、業務では患者から症状をヒアリングしたり服薬指導を行ったりするため、コミュニケーション能力も重要です。
「定時で帰れる仕事」に転職するためのポイント
定時で帰れる可能性が高い会社・職種に転職するためには、求人票や面接などで以下のポイントをチェックして、残業が常態化している企業を避けることが大切です。
- 求人で残業代にまつわる制度をチェックする
- 面接で職種の残業時間について質問する
それぞれのポイントについて、具体的な取り組み方を以下で解説します。
求人で残業代にまつわる制度をチェックする
企業の求人をチェックするときは、残業代や給与に関する項目に「みなし残業代」「固定残業代」「裁量労働制」といった表現がないか確認しましょう。
これらの制度は、ある一定の期間で○時間残業したとあらかじめ仮定して、残業代を定額で支払う仕組みです。
もし仮定されている時間が、法律に基づいて許される残業時間の上限である「1カ月で45時間、年間で360時間」に近い企業は要注意です。日頃から残業が多い可能性が高いため、定時で帰りたいと考えている場合は応募を避けた方が良いでしょう。
求人票を見るときのポイントや役立つ情報について、下記の記事でくわしく解説しています。
面接で職種の残業時間について質問する
残業が常態化している仕事を避けるためには、面接で希望職種の平均的な残業時間について質問をしましょう。
求人票に書かれた残業時間が募集している職種のものとは限らず、会社の経営状態や人員の状況、閑散期・繁忙期によっても業務量は変化するため、直接聞いた方が実態に即した残業時間を知ることができます。
面接の逆質問などで尋ねるときには、現在の残業時間を具体的に話し、残業に対する拒否感が伝わりすぎないように注意しましょう。
〈質問の例〉
今の職場では月20時間ほど残業しているのですが、今回応募した職種で働かれている方々は、通常何時頃までお仕事をされていますか?
面接での残業に関する質問や定番質問について、下記の記事で例文やポイントをくわしく解説しています。
このまま本当に転職するのか迷ったら…
「定時で上がれる仕事に転職したいけれど、今の会社を本当に辞めていいのか」と迷っている人もいるかもしれません。
転職のタイミングや理由について迷ったら、以下の記事をぜひ参考にしてください。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。