分野別の職業例や働き方を紹介 社会貢献度の高い仕事とは?
「社会貢献につながる仕事がしたい」と思っても、具体的にどのような職業があるのかわからないですよね。
この記事では、一般的に社会貢献度が高いと言われる仕事について、具体的な職業例や働き方などを紹介します。
社会貢献度の高い仕事とは?
人々の暮らしや自然環境を守るために欠かせない仕事
一般的に「社会貢献度が高い仕事」というと、暮らしや自然を守るために必要不可欠な仕事を指します。
特に、生死・健康・人生を左右する仕事や、大きな社会課題の解決に役立つ仕事は「社会貢献度が高い」と認識されやすいでしょう。
例えば、病気や怪我をしたときに診察や治療を行う「医師」は、生死・健康に関わる仕事の代表格でしょう。社会にとって必要不可欠な職業なため、社会貢献度が高いと認識されています。
また、道路工事などの開発計画を自然保護の観点から審査する「自然保護官(レンジャー)」も、社会貢献度が高い仕事と言えます。もし仮に自然環境への影響を検討せず、開発が進んでしまうと、地域の生態系を維持できなくなる可能性があるためです。
すべての仕事は社会に貢献している
社会貢献度の高い仕事は、一般的に「人々の暮らしや自然環境を守るために欠かせない仕事」と定義されますが、世の中に存在するすべての仕事は、何かしらの形で誰かの役に立っているため、社会に貢献していると言えます。
また、厳密に言うと、社会貢献度に「高い」「低い」はないでしょう。ひとりひとりの価値観の違いによって、仕事の価値や重要度が違って見えるだけです。
次章の「【分野別】社会貢献度が高い仕事の職業例」で紹介するものは、あくまで一般的に社会貢献度が高いとイメージされる仕事です。
具体的な職業例を見ることで「自分がイメージする社会貢献度の高い仕事はどういうものか」を考えるヒントにしてください。
【分野別】社会貢献度が高い仕事の職業例
ここでは、一般的に社会貢献度が高いとイメージされる仕事の分野として、暮らしや自然を守るために必要不可欠な「医療」「社会福祉」「教育」「環境保護」「保安」を挙げています。
これらの分野に属する職業は、人の生命や暮らしに大きく関わるため、資格や免許、試験の合格が必要になることが多いのが特徴です。
5つの分野別に、具体的な職業を紹介します。
医療系
社会貢献度が高い「医療系」の職業には、医師のほかに看護師や薬剤師、理学療法士などがあります。
社会貢献度が高い「医療系」の職業〈例〉
- 医師
- 歯科医師
- 看護師
- 救急救命士
- 助産師
- 保健師
- 薬剤師
- 臨床検査技師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
医療関係の仕事は人の生死や健康に大きく関わるため、世間一般でも社会貢献度が高いと考えられています。
責任が大きい業務を担うことから、高い専門性が求められます。
社会福祉系
社会貢献度が高い「社会福祉系」の職業例としては、社会福祉士や介護福祉士、生活相談員、公認心理士などが挙げられます。
社会貢献度が高い「社会福祉系」の職業〈例〉
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 児童福祉司
- 生活相談員
- 手話通訳者
- 公認心理士
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
社会福祉に関わるこれらの仕事は、高齢者や障がい者といった、生活に困難や支障のある人達の相談・支援を行います。総称して「福祉ソーシャルワーカー」と呼ばれることもあります。
困難やトラブルを解消する仕事であるため、社会貢献度が高いと認識する人は多いでしょう。
教育系
社会貢献度が高い「教育系」の職業には、保育士、幼稚園〜高校の教諭、大学教員、学芸員などがあります。
- 保育士
- 幼稚園~高校教諭
- 大学教員
- 養護教諭
- 特別支援学校教諭
- 学芸員
- 司書
- 法務教官
教育に関わる仕事は、次世代を担う子どもたちを育てる役割を担っています。
「未来の社会をつくる仕事」と捉えることもでき、社会貢献度が高い仕事であると言えます。
環境保護系
社会貢献度が高い「環境保護系」の職業の例として、自然保護官、環境コンサルタント、ビオトープ管理士、樹木医などが挙げられます。
社会貢献度が高い「環境保護系」の職業〈例〉
- 自然保護官(レンジャー)
- 環境コンサルタント
- 環境保全エンジニア
- 環境計量士
- 環境アセスメント調査員
- ビオトープ管理士
- 環境再生医
- 自然観察員
- 環境分析技術者
- 樹木医
環境保護に関わる仕事は、地球温暖化や自然災害といった全人類が直面している課題や問題に向き合っていると言えるでしょう。
地球規模の社会課題の解決に向けて活動するため、社会貢献度の高い職業だと認識されています。
保安系
社会貢献度が高い「保安系」の職業には、警察官や海上保安官、救急救命士、自衛官などがあります。
社会貢献度が高い「保安系」の職業〈例〉
- 警察官
- 消防官(消防士)
- 海上保安官
- 刑務官
- 自衛官
- 入国審査官
保安に関わる仕事は、人々の安心・安全な暮らしを守っています。
ときには命の危険を伴う仕事をすることもあるため、社会貢献度が高い職業だと言えるでしょう。
社会貢献を仕事にできる組織・働き方5つ
一般的に「社会貢献度が高い」とされる分野の職業に就くだけでなく、社会貢献を主な目的とした組織・働き方を選択することで社会貢献に携わることもできます。
社会貢献を主な目的とした組織・働き方の例として、以下のようなものが挙げられます。
社会貢献を主な目的とした組織・働き方
それぞれの組織・働き方について、組織に就職する方法や求められるスキルなどを解説します。
国際機関で働く
国際機構に勤めてグローバルに活躍することも、社会貢献できる働き方の一つです。
国際機構の代表例は、以下のとおりです。
国際機構の代表例
分野 | 組織 |
医療系 |
|
教育系 |
|
環境保護系 |
|
国際機関で働くためには、自分の専門性に合ったポストに空席が出たタイミングで応募し、書類選考や筆記試験、面接などを経て採用となるルートが一般的です。基本的に修士号以上の学位や応募するポストでの勤務経験、ビジネスレベルの英語力が必要になります。
空席の情報は、外務省の国際機関人事センターの「空席情報ページ」や、各国際機関のホームページに随時掲載されます。また、年齢や取得学位などの一定の条件を満たせば、以下の組織などを経由して就職することも可能です。
国際機関での働き方や就職方法について具体的に知りたい場合は、各組織の採用情報ページを確認してみましょう。
〈国際機関での働き方や就職方法を調べる〉
- 国連広報センター「国連で働く」
- 文部科学省「ユネスコ勤務を希望される方へ」
政府機関・政府関連機関で働く
政府機関・政府関連機関で働くことも、社会貢献度が高いと言えるでしょう。
例えば、以下のような組織があります。
1つ目に挙げた「外務省」に入るためには、主に以下の2つのパターンがあります。
- 人事院の「国家公務員採用総合職試験」に合格した上で、外務省の面接試験に受かる
- 外務省の「外務省専門職員採用試験」に合格して採用される
2つ目・3つ目に挙げた「JICA(国際協力機構)」「JICA海外協力隊」に社会人採用の枠で就職するためには、職務経験とビジネスレベルの英語力が応募条件となっています。さらに、金融や財務・会計、情報システムなどの分野において、JICAの組織運営の強化につながるような経験も求められます。
4つ目に挙げた「JBIC(国際協力銀行)」に社会人採用の枠で入るためには、職業経験が求められます。書類選考と適性検査受検後に、小論文を提出して複数回の面接を経て採用となります。
政府機関での働き方や就職方法について具体的に知りたい場合は、各組織の採用情報ページも確認してみましょう。
NPO・NGOで働く
NPO・NGOの組織や団体に所属することも、社会貢献のひとつのあり方と言えます。
NPO・NGOの代表的な例は、以下のとおりです。
NPO・NGOの代表例
分野 | 組織 |
医療活動を行う |
|
紛争・災害支援を実施する | |
保育・教育系の活動を行う |
NPO・NGOに入るための応募資格や歓迎条件などは団体によって異なりますが、活動や理念への共感・理解を重視している組織が多いです。
NPO・NGOの求人は、欠員が発生したときや事業拡大のときに限られているケースが多いため、求人掲載サイトを確認し、希望の求人があったらすぐに応募したほうがよいでしょう。
〈NPO・NGOの求人を掲載しているサイト〉
- 国際系…「国際協力キャリア総合情報サイト PARTNER」
- NPO…「DRIVEキャリア」「activo(アクティボ)」
- 環境保護系…「環境らしんばん」
各自治体のボランティアセンターのサイトに掲載されていることもあるので、合わせてチェックしてください。
社会的企業で働く
社会貢献のために、社会的企業(ソーシャルエンタープライズ)に勤めるのも一つの手段です。
社会的企業とは、社会問題の解決を目的にビジネスを行う会社のこと。例えば以下のような企業があります。
- ソーシャルビジネスのプラットフォームとして事業展開する「ボーダレス・ジャパン」
- 障がいのない社会を目指す「LITALICO」
- 途上国発のブランドづくりを行う「マザーハウス」
社会的企業で働くためには、ほかの民間企業と同様にその企業の選考を受ける必要があります。
入職してから担当する業務が決まる政府機関と異なり、店舗スタッフやデザイナーなど特定の職種で採用が行われていることが多いのが特徴です。
社会起業家やフリーランスとして活動する
社会貢献を仕事にする働き方として、社会起業家として社会課題の解決につながるビジネスを立ち上げたり、フリーランスでNPO・NGOや社会的企業と業務委託契約を結んで運営に参加したりする方法もあります。
社会起業家やフリーランスになるために必須となる資格やスキルはありません。しかし、仕事として継続していくためには、マネジメント能力やマーケティング能力、専門的な知識・技術、仕事を見つける営業力・人脈などが重要になります。
コラム:会社員でもプロボノとして社会貢献できる
一般の会社員として働いても「プロボノ」として社会貢献に携わることができます。
プロボノとは、社会人が職業経験やスキルを生かしてNPO・NGOなどで無償の社会貢献活動を行うこと。参加者が活動に役立つ何かしらのビジネス経験・スキルを持っている点で、「ボランティア」と位置づけが異なります。
例えば、企業の広報担当者がNPOの広報活動に協力するなどは、プロボノとしての活動と言えます。
プロボノとしての活動を始めるためには、NPOや社会的企業の求人を扱う「プロボノ募集 | activo(アクティボ)」などで求人を探すと良いでしょう。
「社会貢献度の高い仕事」に応募するときの志望動機
社会貢献度の高い仕事に応募するときは、志望動機に「社会貢献に携わりたいと思うようになった経緯」「就職後に活かせそうな過去の経験」の2点を必ず入れるようにしましょう。
社会貢献度の高い仕事を志望している背景や思いの強さ、就職後の活躍イメージを伝えることができます。
志望動機の例文
ここでは志望動機の具体例として、虐待防止に取り組むNPO法人に転職する場合の例文を紹介します。志望動機を考えるときの参考にしてください。
虐待防止に取り組むNPO法人に転職する場合
私は教員として、子どもたちの成長に立ち会えることにやりがいを感じてきましたが、あるとき生徒の家庭内での虐待の問題に直面し、教育現場に限らず家庭や地域も巻き込んだ包括的なアプローチで解決したいという思いが生まれました。
どのような手段があるかを探しているなかで、親子のカウンセリングや家庭の定期訪問、地域に向けた広報・イベント活動などを行っている貴社の存在を知りました。
子どもたちは社会の未来を担う存在であり、彼らが安心して学び、成長できる環境を提供することは大人の大切な役割だと考えています。
子どもたちへの虐待をなくそうとさまざまな取り組みを積極的に実施している貴社で、私の教育現場での経験や専門知識、コミュニケーションスキルを活かし、子どもたちに寄り添いながら、彼らの安全と幸福を守るために活動していきたいです。
志望動機の書き方やエピソードの探し方については、下記の記事で解説しています。あわせてチェックしてください。
「本当にやりたい」と思える仕事を見つけるには…
社会貢献度が高いやりがいのある仕事をしたいと思っても、具体的にどのような仕事がいいのかわからないこともありますよね。
下記の記事では、本当にやりたいと思える仕事の見つけ方を紹介しています。今後のキャリアに悩んだら、ぜひチェックしてみてください。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。