対処法や注意点を解説 退職面談では何を話す?引き止められるの?
退職を決意した場合、まずは上司に退職の意思を伝える必要があります。
その後に改めて時間をとって面談することになりますが、「しつこく引き止められたらどうしよう」と不安になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、退職面談でよく聞かれる質問例や引き止められた場合の対処法などについて解説します。
そもそも「退職面談」とは?
退職意思・退職日までの流れを確認する場
退職面談は、直属の上司や人事担当者が、退職希望者の退職意思や退職日までの流れを確認する場です。
退職面談の主な目的は、会社との間で退職に関して合意することです。会社を辞めるにあたって、退職の意思を確認し、退職日や有給消化などの諸条件をすり合わせます。
また、会社側が退職を考え直すよう、引き止めるために面談を設けるケースも少なくありません。
退職面談でよく聞かれる質問例
退職面談でよく聞かれる質問例としては「どうして退職しようと思ったのか」「いつ退職する予定なのか」などが挙げられます。
面談にあたって、下記の質問をされると想定して回答を用意しておくと安心です。
1退職意思・理由について
- こちらとしては残ってもらいたいですが、本当に退職してしまうつもりですか?
- どうして退職しようと思ったのですか?
- もう転職先は決まっているのですか?
2退職日までの流れについて
- 退職日はいつにする予定ですか?
- 有給消化の日程に希望はありますか?
- 担当業務の引き継ぎはいつから行いますか?
3会社に対して感じていたことについて
- 職場環境や人間関係に不満・問題点は感じていましたか?
- あなたが思う会社の良い点・悪い点はどこだと思いますか?
- 退職するにあたって、懸念事項などはありますか?
会社側は今後の人材管理や組織運営に役立てるために、退職希望者からなるべく本音を引き出そうとすることがあります。
特に【1】と【3】について正直に答えるべきかどうかは、相手との関係性や状況に応じて判断しましょう。
退職面談で引き止めにあったらどうする?
退職面談の場で引き止められてしまった場合の対処法を紹介します。
退職面談中に引き止められた場合の答え方
退職面談で引き止めにあってしまった場合は、退職するという確固たる意思が伝わるように答えましょう。
〈引き止めに対する答え方の例〉
- 「キャリアチェンジして別の業種(職種)に挑戦し、そこで自分の知識やスキルを伸ばしていきたいと思っています。お気持ちは大変うれしいのですが退職の意思は変わりません。」
- 「将来やってみたいことができたため、その資格の勉強に専念したいと考えています。今までお世話になったのに申し訳ございません。」
- 「(転職先が決まっている場合)もう次の仕事や入社日が決まっていて、転職先にこれ以上待っていただくことはできません。◯日付けで退職いたします。」
少しでも優柔不断な態度を示すと、より強く引き止められたり「不満があるなら改善するから」と条件を提示されたりして、辞めづらくなってしまう可能性があります。
下記の記事では、退職の引き止めを断る方法を、よくある5つケースに分けて解説しています。
退職に応じてもらえない場合の対処法
固い退職意思を伝えても、かたくなに退職を拒否されるケースがあります。
その場合、下記の対応を検討しましょう。
- さらに上の上司や人事担当者に相談する
- 内容証明郵便で退職届を提出する
さらに上の上司や人事担当者に相談する
直属の上司が退職を拒否した時は、その上司よりさらに上の上司や人事担当者に相談するようにしましょう。
退職を拒否しているのが直属の上司の場合、その上の上司は退職願(退職届)を受理して、退職の事務手続きを進められるようにしてくれるでしょう。
また、人事担当者に直接掛け合うことで、退職の事務手続きを進めてくれたり、直属の上司との話し合いの場を設けてくれたりすることも。
上司から退職を認めてもらえない場合でも、諦めずに社内の別の人に相談してみましょう。
内容証明郵便で退職届を提出する
退職理由を話しても会社側がなにかしら理由をつけて認めようとせず、退職までのスケジュールの調整を試みても折り合いがつかない場合は、宛先を直属の上司にして内容証明郵便で退職届を提出しましょう。
民法では、退職の意思を伝えてから2週間で辞められると定められています。
退職届は「退職する」という意思を宣言して、労働契約を一方的に解約する告知書類です。直接渡そうとして受け取りを拒否されたとしても、内容証明郵便で送ることによって退職届を提出した事実が客観的に認められるため、会社は退職を拒否することができません。
しかし、内容証明郵便で退職届を提出するのは、あくまで最終手段とするのがいいでしょう。退職日までの間、会社で嫌がらせを受けたり、肩身の狭い思いをしたりする可能性があるため、できる限り穏便に退職交渉を進めるようにしましょう。
くわしい退職届の書き方・マナーは、下記の記事をチェックしてください。
退職面談に関する注意点
退職面談に臨む時に、注意しておくべきポイントを3つ紹介します。
- 愚痴になってしまう場合は本音を控える
- 退職までの流れを確認する
- トラブルの可能性があるなら録音する
愚痴になってしまう場合は本音を控える
退職理由が会社の評価体制や人間関係への不満である場合、本音を伝えるのは控えましょう。
退職理由が待遇面だけの不満であれば「配置転換や給与アップなど、条件を変更すれば退職は撤回してくれる?」という引き止めをされる可能性があります。もし、待遇の改善によって気持ちが変わり退職を撤回する場合は、その場だけの口約束で終わらせないように書面に残してもらいましょう。
また、会社への不満が愚痴と捉えられて相手を不快にさせることがあるため、円満退職が難しくなる可能性があります。転職しても前の職場とつながって人間関係が続くケースもあるため、心証を悪くしてしまうのはおすすめできません。
相手に納得してもらいやすいポジティブな理由をあらかじめ準備しておくのがベターです。
退職までの流れを確認する
退職理由を話した後は、退職日までのスケジュールや引き継ぎ、各種保険の手続きに必要な書類などを上司や人事担当者に確認しましょう。
聞き漏れがあったということがないように、確認することを事前にリスト化しておくと安心です。
- 退職希望日
- 担当業務の引き継ぎ
- 有給休暇の消化(日数、開始日)
- 公的な手続き(住民税の支払い変更、健康保険の切り替えなど)
- 会社に提出するもの(退職願・退職届、健康保険証、社員証など)
- 会社から受け取るもの(源泉徴収票、離職票、雇用保険被保険者証など)
退職時の手続きについて、詳しくは下記の記事で解説しています。
トラブルの可能性があるなら録音する
退職面談中に相手が「損害賠償を請求する」などと脅してくる可能性がある場合、後々起こりうるトラブル防止のために録音するのもひとつの手です。
その場では脅しを真に受けず、聞き流すようにしましょう。
録音は面談で退職の意思表示をした証拠にもなるため、「そんな話は聞いていない」といわれて揉めるのを防ぐことができます。スマートフォンの録音アプリなどを使って、相手に見つからないようにそっと録音しましょう。
まとめ
面談をセッティングされると緊張や不安で身構えてしまいますが、退職面談はその固い意思や今までの感謝を伝える場です。
引き止められることもあるため、相手が納得できる退職理由を考えておくと安心です。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。