生活レベル・職業も紹介 月収40万円の手取り・年収はいくら?

会社員であれば、月収40万円をひとつの目標にしている人も多いでしょう。

月収40万円になると手取りはどれくらいになり、どのような生活を送ることができるのでしょうか。月収40万円の人の手取り額生活レベルについて、くわしく解説します。

月収40万円の手取り・年収はいくら?

ここでは、月収40万円の手取り額税金・保険料の天引き率ボーナスを含む年収額などを紹介します。

※「月収」はボーナスや残業代を含む年間の総収入を12カ月で等分した金額です。基本給と各種手当など毎月固定で支払われる「月給」とは異なります。

月収40万円の手取りは約31万円

毎月の総支給額が40万円である場合、税金や保険料を差し引いた手取り月収は約31万円になります。ただし、具体的な手取り額は養っている家族の人数や保険料などによって変わります。

例として、2世帯の手取り額や税金・保険料の天引き額を計算しました。

【▼東京都・35歳・独身の場合】手取り額:30万8,875円/天引き額:9万1,125円(天引き率:22.8%)/健康保険料:2万500円/厚生年金保険料:3万7,515円/雇用保険料:2,400円/所得税:1万1,610円/住民税:1万9,100円/【▼東京都・45歳・既婚・15歳以下の子ども1人の場合】手取り額:31万6,054円/天引き額:8万3,946円(天引き率:21.0%)/健康保険料:2万500円/介護保険料:3,731円/厚生年金保険料:3万7,515円/雇用保険料:2,400円/所得税:6,600円/住民税:1万3,200円|※利用ツール:ZEIMO「給与手取り額計算ツール」 月収40万円の天引き率は、総支給額の22%前後になると考えておけばよいでしょう。

妻や子どもなど扶養家族がいる人は配偶者控除や扶養控除が受けられるため、独身の人に比べると天引き率はやや低くなります。

給料の手取りの計算についてくわしく

月収40万円の手取り年収は372万円

月収40万円の場合、額面年収は480万円です。

毎月の手取りは約31万円であることから、手取りの年収はおおよそ372万円になります。

〈月収40万円の場合〉

額面年収
=毎月の額面月収40万円×12カ月
=480万円

手取り年収
=毎月の手取り月収31万円×12カ月
=372万円

月収40万円台の人の割合は?どれくらいいる?

月収40万円(年収500万円)台は全体の約10%

月収が40万円台である場合、年収は480万円以上600万円未満となり、年収500万円台の人が多いと考えられます。

国税庁の調査によると、年収が500万円超~600万円以下の人は全体の約10%でした。

給与階級別のくわしい割合は以下のとおりです。

 給与所得者の年収別構成比グラフ(男女計)。100万円以下は8.1%。200万円以下は13.3%。300万円以下は14.8%。400万円以下は17.4%。500万円以下は15%。500万円超~600万円以下は10.5%。700万円以下は6.7%。800万円以下は4.6%。900万円以下は2.9%。1000万円以下は1.9%。1000万円超は4.9%。

※出典:国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査

【男性】20代は1.6%だが30代になると約1割に

厚生労働省の調査によると、月収40万円台の20代男性は全体の1.59%しかいないことがわかりました。

月収では20万円台の人が67.28%と最も多い結果ですが、これは日本は年功序列制度により、会社における20代のポジションが低いことが多く、月収においても20万円台の人が67.28%と最も多い結果に。40万円以上となると上位2.32%に入ります。

一方で30代男性は全体の10%程度いることがわかりました。同世代の約8割が20万円台か30万円台で、40万円以上となると上位15%に入ります。

20代男性と30代男性を比較すると、月収40万円台の人の割合は1.59%から9.50%に上がっており、社会人として年次が上がるにつれて収入も増加しています。

※出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

【20代男性の所定内給与の階級別割合】10万円以下:0.06%/10万円台:19.86%/20万円台:67.28%/30万円台:10.48%/40万円台:1.59%/50万円台:0.31%/60万円台:0.17%/70万円台:0.11%/80万円台:0.08%/90万円台:0.02%/100万円以上:0.04%【30代男性の所定内給与の階級別割合】10万円以下:0.02%/10万円台:7.45%/20万円台:46.01%/30万円台:30.95%/40万円台:9.50%/50万円台:3.31%/60万円台:1.24%/70万円台:0.62%/80万円台:0.35%/90万円台:0.21%/100万円以上:0.35%

【女性】20代は1%だが30代になると4%に

厚生労働省の調査によると、月収40万円台の20代女性は全体の1.01%しかいないことがわかりました。同世代の9割以上が10万円台~20万円台で、40万円以上となると上位1.3%に入ります

一方で30代で月収40万円台の人は、20代よりもわずかに増えるものの、全体の3.96%です。同世代の約半数が20万円台で、月収40万円以上となると上位6%に入ります。

20代女性と30代女性を比較すると、月収40万円台の割合は1%と4%で、わずかですが年次が上がるにつれて収入も増加する傾向が見えます。

【20代女性の所定内給与の階級別割合】10万円以下:0.13%/10万円台:27.63%/20万円台:63.78%/30万円台:7.15%/40万円台:1.01%/50万円台:0.19%/60万円台:0.04%/70万円台:0.03%/80万円台:0.01%/90万円台:0.01%/100万円以上:0.01%【30代女性の所定内給与の階級別割合】10万円以下:0.18%/10万円台:22.86%/20万円台:54.06%/30万円台:16.85%/40万円台:3.96%/50万円台:1.20%/60万円台:0.30%/70万円台:0.18%/80万円台:0.13%/90万円台:0.06%/100万円以上:0.13%|※出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

男女で20代から30代への割合の上がり幅を比較すると、女性の割合の上がり幅が男性に比べて6%程度少なく、男女で収入の増え方に差があることもうかがえます。

これは、女性は結婚や出産などのライフイベントによって、キャリアを中断せざるを得ないケースがあることが要因の1つといえそうです。

月収40万円の生活レベルとは?

月収40万円の人は、実際にどのような生活を送っているのでしょうか?

ここでは、以下の2世帯を例に1カ月の家計簿をシミュレーションしてみました。

【▼東京都・35歳・独身の場合】/月収40万、手取り30万/・家賃:9万円(東京都心、築20年のマンション、1R)/・光熱費:2万円/・通信費:1万円/・食費:3万円/・日用品・服飾費:4万円/・保険料:1万円/・車代:2万円(必要なときだけレンタカーを借りる)/・交際・娯楽費:5万円/・貯金:3万円

【▼東京都・45歳・既婚・15歳以下の子ども1人の場合】夫の月収40万(手取り31万)、扶養内で働く妻の手取り8万円、夫婦の手取りの合計39万円/・住宅ローン:9万円(埼玉県、中古マンション、2LDK、2,800万円)/・光熱費:2.5万円/・通信費:2万円/・食費:7万円/・日用品費・服飾費:3万円/・車代:3万円/・保険料:3万円/・交際・娯楽費:2万円/・教育費:2万円/・夫の小遣い:3万円/・妻の小遣い:2万円/・子どもの小遣い:5千円/・貯金:0円(夫のボーナスを貯金にまわす)

【住居】家賃は約9万円、住宅ローンは2,400万円

一般的に家賃は手取り月収の3割が目安と考えられているため、月収40万円(手取り31万円)の場合は9万円程度を住居費にかけることができます

賃貸なら、都内のマンションの1LDKが借りられる程度の金額です。

家やマンションを購入する場合、住宅ローンは年収の5倍以内なら問題ないと言われているため、月収40万円(年収480万円台)なら2,400万円程度まで組むことができます。

東京都なら足立区・葛飾区などで2LDKの中古マンションを購入できるレベルです。

ただし、これはあくまで住居費の目安のひとつ。独身の場合は、既婚者に比べて結婚生活の費用や子どもの教育費などがかからないため、ほかにかけるお金を節約すれば9万円以上かけても生活していけるでしょう。

【結婚】片働きだと生活は厳しめ

月収40万円の場合、結婚して片働きになると生活は厳しくなるかもしれません。

総務省統計局の調査によると、2人以上の世帯の1カ月あたりの「消費支出」は平均29万865円で、年間にすると約350万円でした。

この調査データの「消費支出」に含まれている住居費は平均1万8,652円で、持ち家に住んでいる人も多く含まれていることが想定されるため、実際には月収40万円(手取り年収370万円程度)の場合はほとんど生活のゆとりがない計算になります。

将来的に子どもを持つことを検討するなら、節約を徹底して消費支出を減らしたり共働きを始めて世帯収入を増やしたりなど、経済的なゆとりをつくる工夫が必要です。

※出典:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要

【子育て】費用は節約やパートナーの収入で賄う

月収40万円(手取り年収約370万円)の場合、子育て費用を捻出するためには日頃から節約を徹底した生活を送ったり共働きにしてパートナーの収入でまかなったりする必要があるでしょう。

一般的に、子ども1人を0歳~大学卒業の22歳まで育てるとなると、国立・公立学校に通わせた場合でも養育費・教育費合わせて約3,000万円かかると言われています。22年で割ると年間約136万円です。

月収40万円で片働きの場合、子育て自体は可能ですが、生活をかなり切り詰めないと難しいでしょう。

【公立学校と私立学校の学費(総額)の目安】教育課程/公立の学費/私立の学費/私立と公立の差額/幼稚園/3歳/13万3,353円/30万9,170円/17万5,817円|4歳/14万838円/27万6,125円/13万5,287円|5歳/19万8,555円/33万9,341円/14万786円/小学校1年生/37万9,539円/213万6,449円/175万6,910円|2年生/28万3,211円/140万2,725円/111万9,514円/3年生/31万5,794円/151万9,595円/120万3,801円|4年生/32万9,198円/159万2,088円/126万2,890円|5年生/38万774円/168万3,972円/130万3,198円|6年生/42万3,506円/166万4,831円/124万1,325円|中学校/1年生/53万1,544円/180万6,991円/127万5,447円/2年生/44万3,848円/121万8,559円/77万4,711円|3年生/ 64万925円/127万8,255円/63万7,330円/高校(全日制)/1年生/62万9,459円/127万6,978円/64万7,519円|2年生/45万7,895円/94万1,873円/48万3,978円|3年生/45万5,762円/93万7,550円/48万1,788円/大学/4年制|253万6,757円/396万9,723円/143万2,966円|合計/828万958円/2,235万4,225円/1,407万3,267円|※大学は令和3年度の入学料+授業料(4年分)より算出

また、子どもを幼稚園〜大学まで私立に通わせる「オール私立」は現実的ではありません。「オール私立」となると養育費・教育費の総額は約4,400万円になります。22年で割ると年間200万円の出費です。

一方で高校までは公立校に通わせ、奨学金を借りた上で大学から私立校に通わせることは不可能ではないでしょう。

※出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査 調査結果の概要」「国公私立大学の授業料等の推移

【貯金】月4万5,000円以上が理想

一般的に貯金にまわす金額の目安は手取りの15%程度とされているため、月収40万円(手取り月収31万円)の場合は、月4万5,000円程度を貯金できると理想的です。

独身の場合は、外食中心の生活をする、高級車を買うなどのぜいたくをしなければ節約を意識しなくても十分貯められるでしょう。

子育て世代の場合は、特に子どもが小学生になってから養育費・教育費がかかるので、毎月数万円単位で貯金するのは難しい可能性があります。

貯金を増やしたい場合は、片働きであれば共働きをする、副業をして少しでも年収を増やすといった工夫が必要になるでしょう。

月収40万円以上稼ぐには?

今の会社で昇進していくことで月収40万円になる人もいますが、その一方で、転職して職種や業界を変えれば、より早い段階で月収40万円を超えられる可能性があります。

今後どのような行動をとれば月収40万円以上を稼ぐことができるようになるのか解説します。

月収40万円は40代が1つの指標

職種・職場を変えなくても、社内で年次を重ねれば役職が付いて月収40万円以上になることもあります。

厚生労働省の調査によると、役職別の賃金(税金控除前で残業代は含まない金額)は係長級で36万9,000円、課長級で48万6,900円、部長級で58万6,200円で、いずれも40万円前後の月収があることがわかります。

【役職別の平均月収】<役職/月給/年収>係長級/36万9,000円/590万4,000円/課長級/48万6,900円/779万400円/部長級/58万6,200円/937万9,200円|※年収は月収16カ月分で試算|※出典:厚生労働省「令和4年賃金基本調査 結果の概況 役職別」

また、役職者の平均年齢は係長級が45.4歳、課長級が48.8歳、部長級が52.7歳。このことから、40代後半以降になれば月収40万円になる可能性がグッと上がります。

厚生労働省の年代別の調査データを見ても、所定内給与が月40万円以上である人は40代が25.2%、50代が33.1%、60代が14.7%でした。

【月40万円以上の年収別割合】20代:1.9%/30代:12.2%/40代:25.2%/50代:33.1%/60代:14.7%/70代~:6.9%

30代と40代の割合を比較すると約2倍となっています。また、全体の約8割は40代以上が占めていて、50代が最も多いことがわかりました。

月収40万円以上稼げる仕事選びのポイント

20代、30代の若手のうちから月収40万円以上を目指すなら、給与水準が高い仕事を選ぶことが大切です。

ここからは、月収40万円以上を稼げる仕事の選び方を「職種」「会社規模」「業界」の3つの観点から解説します。

【職種】企画職や電気・通信系を選ぶ

これから就職・転職を考えている人は、平均月収が40万円を超える企画職や電気・通信系に関する職種を選択肢の一つとして考えてもよいでしょう。

厚生労働省の調査結果から、国家資格や高度な専門資格が必要ない平均月収40万円以上の職業をピックアップしたところ、企画職や電気・通信系に関する職種が多い傾向でした。

平均月収40万円台の職業

職種 平均月収
機械器具・通信・システム営業(自動車以外) 40.9万
企画事務 41.1万
ダム・トンネル掘削、採掘 41.2万
発電員、変電員 41.4万
システムコンサルタント 45.2万
著述家,記者,編集者 46.8万
大学講師・助教(高専含む) 47.9万

※企業規模計(10人以上)
※出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

なかでも電気・通信系の職種は、実務経験なしで受験できる専門資格を取得しておくと、就職・転職の選考で有利になることがあります。

たとえば、電気通信技術者であれば「工事担任者」「電気通信主任技術者」などの資格が該当します。

【企業規模】資本金が大きい企業に就職する

資本金が大きい企業は高収入者の割合が高い傾向があるため、転職時の企業選びでは「資本金」を一つの軸としてチェックしてみるのも方法のひとつです。

国税庁の調査結果を見ると、月収40万円台の人の多くが該当する「年収500万円以上」の給与所得者の割合が最も高いのは資本金10億円以上の企業

企業の資本金が大きければ大きいほど、年収500万円以上の人の割合も高くなっています

【企業規模別/年収500万円超の社員】2,000万円未満:21.3%/2,000万円以上5,000万未満:26.6%/5,000万円以上1億円未満:29.2%/1億円以上10億円未満:39.4%/10億円以上:58.5%

資本金が大きい企業は、全国に支店を持っているなど事業規模が大きく経営が安定しているため給与水準が高く福利厚生も充実している傾向があり、就職希望者も多いでしょう。

多くの候補者のなかから採用されるためには、その企業で活躍できることを証明する実績や過去の経験が必要になります。

【業界】インフラ、金融・保険、情報通信を選ぶ

月収40万円以上を目指す方法として、電気やガスなどのインフラ系業界、金融・保険業界、情報通信業界などを選ぶのも一つの手です。

国税庁の調査によると、月収40万円以上の人が該当すると考えられる「年収500万円以上」の給与所得者の割合が特に高い業界は「電気・ガス・熱供給・水道業」「金融業・保険業」「情報通信業」でした。

年収500万円以上の人の割合(業界別)

業界 割合
電気・ガス・熱供給・水道業 77.4%
金融業、保険業 57.0%
情報通信業 56.6%
複合サービス事業(郵便局、協同組合) 48.6%
製造業 43.3%
学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業 41.6%
建設業 41.1%
運輸業、郵便業 28.8%
不動産業、物品賃貸業 28.0%
卸売業、小売業 24.6%
サービス業 21.3%
医療、福祉 20.5%
農林水産・鉱業 13.7%
宿泊業、飲食サービス業 10.0%

給与所得者の割合が特に高い業界への転職を目指すなら、実際の業務で役に立ち、就職でも有利になりやすい資格を取得するのもひとつです。気になる人は調べてみましょう。

就職で有利になりやすい資格の例

  • インフラ業界
    …技術職を目指すなら危険物取扱者、電気工事士、ガス主任技術者など
  • 金融業界
    …証券外務員、証券アナリストなど

  • 保険業界
    …損害保険募集人、公的保険アドバイザーなど
  • 情報通信業界
    …ITパスポート、基本情報技術者など
    ※専門職を目指すならプログラミング、デザインなどの技術・経験も必要

コラム:今の仕事を続けながら副業を始めるのもアリ

いまの収入が月収20~30万円前後なのであれば、今の仕事を継続しながら副業で収入を増やせば、月収40万円を達成することもできます。

労働政策研究・研修機構の調査によると、副業をしている人の2割以上が毎月10万円以上の収入を得ています。

ちなみに副業している人が多い職種は、「専門職・技術職」「サービス職」「運搬・清掃・梱包等」「販売」「事務」などでした。

※出典:労働政策研究・研修機構「副業者の就労に関する調査

転職して年収アップを狙うには?

給料を上げる方法の一つとして「転職」がありますが、実際には、転職したからといって必ず年収が上がるわけではありません

転職で年収アップを狙うためには、まず給与が上がる仕組みを理解することが大切です。下記の記事では年収を上げる方法や、給与が高い業界・会社に転職する方法を紹介しています。

この記事の執筆者

「転職Hacks」編集部

株式会社クイック

株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。