交渉するときのメール例文も紹介 転職の入社日はどう決める?交渉方法は?

内定先への入社日は、自分の希望にそって決められるものなのでしょうか?

この記事では「そもそも転職の入社日は交渉できるのか?」という疑問に答えつつ、自分の希望通りに入社日を決めるための「交渉の流れ・例文を紹介します。

そもそも、転職の入社日は交渉できる?

入社日の交渉は可能

基本的に、入社日の交渉は可能です。転職の入社日は企業が一方的に決めるものではなく、自分の希望も伝えた上で、企業側と自分の双方が納得できるようすり合わせていきます

ただし、企業側にも「このプロジェクトに参加してもらうために、○○月までに入社してほしい」といった要望があるため、自分の希望が通るとは限らない点には注意しましょう。

また、一度入社日を決めた後で再度入社日を交渉しようとした場合、トラブルに発展する可能性があります。こちらについて、くわしくは「入社日を遅らせると、内定取り消しに繋がる?」で解説します。

入社日はどのくらい先まで待ってもらえる?

通常、内定から1~3カ月後までは待ってもらえる

転職の入社日は、内定から1~3カ月後までは待ってもらえるのが一般的です。退職交渉や引き継ぎに時間がかかることは企業側も理解しているため、この期間内であればトラブルなく入社日を調整することができます

ただし、急募の求人や、募集の時点で入社日が指定されている求人は例外です。指定された時期に入社できることが採用の条件になっているため、入社を待ってもらえるのはその期間内だけとなります。

離職中の場合、待ってもらえる期間は短くなる

離職中の場合、業務の引き継ぎなどの手続きが無い分、入社を待ってもらえる期間は短くなります。目安として、内定から1カ月程度が一般的です。

基本的には、できるだけ早く入社できるよう最短で入社可能な日程(数日間~1週間ほど)を伝えて、調整していくことになります。

もちろん、家庭の事情などがある場合には、入社までの期間を延ばしてもらえないか交渉することも可能です。事情・理由を伝えたうえで、企業側と自分が納得できるよう入社時期をすり合わせていきましょう。

【例文つき】入社日交渉の流れと、交渉方法

転職の入社日が決まるまでの流れには、大きく分けて2つのパターンがあります。

内定先から日程を指定されるケース」と「自分から希望日を伝えるケース」に分けて、入社日を決める流れと、交渉の例文を紹介します。

内定先から、日程を指定されるケース

入社日に関する連絡は、内定先からメールで届くことが一般的です。

メール内で「○○月××日に入社可能ですか?」といった形で入社日を指定された場合は、その日程で入社可能かどうかを返信しましょう。

指定された日程に入社できる場合は、その旨を返信した時点で入社日が決定するのが一般的です。入社が難しい場合は、自分の希望日その理由を伝えて、交渉を進めていきましょう。

返信の例文は、下記のとおりです。

指定された日程で【入社可能】な場合の例文

件名:Re: 入社日のご案内

本文:

○○○○株式会社
△△様

お世話になっております。
先日内定をいただきました【氏名】です。

入社日のご連絡をいただき誠にありがとうございます。
いただいた日程での入社が可能ですので、ご報告させていただきます。

つきましては、○○月○○日の入社で、お手続きを進めていただけますと幸いです。
貴社の一員になれる日を、心より楽しみにしております。
引き続き、何卒よろしくお願いいたします。

――――――――――――
署名
――――――――――――

返信のポイント

  • 内定先から提示された日程で問題ないことを、明確に伝える
  • 確認のため、提示された日程をメール内にあらためて記載しておく。
  • 印象が良くなるので、前向きな気持ちを伝える一言を添えるのがベター。

指定された日程で【入社が難しい】場合の例文

件名:Re: 入社日のご案内

本文:

○○○○株式会社
△△様

お世話になっております。
先日内定をいただきました【氏名】です。

入社日のご連絡をいただき誠にありがとうございます。
現職の都合となり恐縮ですが、業務の引き継ぎや手続きのため
○○月○○日の入社が難しい状況です。

対応に2カ月ほどかかる見込みのため、
××月××日以降の入社にてご対応いただくことは可能でしょうか。

お手数をお掛けしてしまい恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。

――――――――――――
署名
――――――――――――

返信のポイント

  • 指定された日程の入社が難しい旨を伝えた後に、自分の希望日を具体的に伝える。
  • 希望日を伝える際は、必ず理由もセットで伝える。
  • ただし、希望日の理由で「有給消化のため」と伝えるのは、心証を損なうためNG。有給消化したい場合は「現職の業務引き継ぎの兼ね合いから…」といった、別の理由を伝える
  • 調整をお願いする側なので、丁寧な返答を心がける。
  • 内定先から調整が難しいと返答があった場合は、できる限り自分の条件を譲歩できないか検討するのがベター。

自分から希望日を伝えるケース

入社日に関する連絡は、内定先からメールで届くことが一般的です。

メール内で「いつ頃入社できますか?」など希望日を聞かれた場合は、理由を添えて自分の希望日を伝え、日程の交渉を進めましょう。

この際、内定先が検討しやすくなるようにできるだけ明確な日程を答えるようにしてください。

件名:Re: ○○様の入社日について

本文:

○○○○株式会社
△△様

お世話になっております。
先日内定をいただきました【氏名】です。

ご連絡をいただき誠にありがとうございます。

入社可能な日程について、業務の引き継ぎや手続きが完了する
○○月○○日以降であれば勤務開始が可能です。

こちらの日程で入社日を設定いただくことは可能でしょうか?

お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。

――――――――――――
署名
――――――――――――

返信のポイント

  • 自分の希望日を伝える際は、必ず理由もセットで伝える。
  • ただし、希望日の理由で「有給消化のため」と伝えるのは、心証を損なうためNG。有給消化したい場合は「現職の業務引き継ぎの兼ね合いから…」といった、別の理由を伝える
  • 希望日は「○○月○○日の入社を希望」「○○月○○日以降なら入社可能」といった形で、具体的に伝える
  • もし面接で入社日の話をしていた場合は「面接でご相談させていただいたとおり、○○月○○日以降に入社可能です」など、あらためてお願いする形にすると丁寧

内定先から入社日の連絡が無い場合は…

内定後、入社日に関する連絡が来なかった場合は、企業が連絡を忘れていたり、メールの送信トラブルが起こっていたりする可能性があるため、自分から質問しておくのが安心です。

目安として、最後の連絡から1週間以上経ったタイミングで、内定先の担当者に「入社日はいつ頃になりそうでしょうか?」など質問しておきましょう。

もしまだ内定承諾前であれば、メールのやりとりにかかる時間も考慮して、承諾の返答期限が来る前に早めに質問しておくと安心です。

入社日を遅らせると、内定取り消しに繋がる?

内定取り消しになる可能性があるので注意

入社日を決めた後に再度入社日を遅らせる場合、状況によっては内定取り消しになる可能性が捨てきれません

たとえば「○○月○○日までに人手が必要」というケースでは、あなたの入社日が遅れることで業務に支障が出てしまいます。この場合、あなたの採用を取り消して別の候補者を採用するといった判断もあり得るため、基本的には一度決めた入社日は守るのが安全です。

どうしても入社日を遅らせる必要がある場合は、内定先へ速やかに電話で連絡してください。

電話では「(1)謝罪の言葉」+「(2)入社日を延期したい旨」+「(3)延期の理由」の3点を伝え、企業からの指示を仰ぎましょう。

〈連絡のやりとり例〉

内定者

お忙しいところ、失礼いたします。

先日内定をいただきました【氏名】です。入社日についてご相談させていただきたいことがあり、お電話させていただきました。いまお時間よろしいでしょうか?

お世話になっております。大丈夫です。

どのようなご用件でしょうか?

採用担当者

内定者

(1)ご迷惑をお掛けすることになり恐縮なのですが、(2)入社日を××月××日から、○○月○○日以降に変更させていただけないでしょうか?

(3)業務の後任者が急遽変更されることになり、引き継ぎ時間を確保するため退職日をずらしてほしいとの要望がありました。

誠に勝手なお願いとなり大変恐縮なのですが、入社日の延期をご検討いただけないでしょうか?

なるほど。こちらとしても調整が必要になりますので、少々お待ちください。また対応が確定次第、折り返させていただきます。

採用担当者

内定者

ありがとうございます。

これ以上後任者が変わることはないと上司に確約をもらえたため、○○月○○日の日程については確実に厳守させていただきます。

お手数をお掛けして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

~折り返し~

お世話になっております。

先日ご相談いただいた入社日程の件ですが、○○月○○日に入社いただく形で対応可能です。

採用担当者

内定者

お世話になっております。ご検討いただき、ありがとうございます。

○○月○○日で入社可能とのこと、承知いたしました。こちらの日程は厳守いたします。 

この度はこちらの都合でお手数をお掛けしてしまい、申し訳ありませんでした。今後とも、何卒よろしくお願いいたします。

ポイント

  • 交渉の際は「(1)謝罪の言葉」+「(2)入社日を延期したい旨」+「(3)延期の理由」の3点を必ず伝える。
  • 延期の理由で「有給消化のため」と伝えるのは、心証を損なうためNG。有給消化したい場合は「現職の業務引き継ぎの兼ね合いから…」といった、別の理由を伝える
  • 今後は入社日の延期が無いことも約束するのがベター。

転職の入社日に関する、よくある疑問

ここでは、転職の入社日に関するよくある疑問にお答えします。

どちらも手続きや金銭に関わる内容なので、目を通しておくのがおすすめです。

Q. 退職日と入社日のあいだに空白期間ができてしまうとどうなる?

退職日と入社日のあいだに、1日でも空白期間(離職期間)ができてしまうと、税金や健康保険に関する手続き・支払いを自分で行う必要が出てきます。

役所での手続きや、まとまった金額の出費が発生してしまうため、基本的には空白期間を作ることはおすすめしません。

退職日の翌日が入社日になるように、有給消化も上手く使ってスケジュールを調整しましょう。

▼空白期間(離職期間)がある場合、どんな手続きが発生する?

Q. 月の途中に入社することは可能?

月の途中に入社できるかどうかは、企業によって異なります。自分の希望日に入社できる企業もありますが、「入社日は、毎月1日のみ」など、決まった日にしか入社できないケースもあるため、交渉の際に確認しましょう。

なお、月の途中で入社するとデメリットもあります。たとえば「満12カ月在籍した人のみ、4月の決算賞与を支給する」というケースでは、4月1日入社の人には賞与が支給されても、4月の途中で入社した人には支給されないといった差が生まれることも。

そういった状況を理解した上で入社日を決めるようにしましょう。

退職日は、現職とどう調整すればいい?

内定先との交渉と並行して、現職との退職日の調整も必要です。上司に退職を切り出す際に、退職日の希望も伝えていきましょう

具体的な退職日の伝え方は、下記の記事で紹介しています。



                                        

この記事の執筆者

ライター・編集者

久保田 敦大

株式会社クイック

転職Hacks編集部のライター・編集者。

大手求人メディアにて求人票や転職ノウハウ記事の制作を手掛けたのち、転職Hacks編集部に参画。自身の転職経験を活かした「実践的なノウハウ記事」が強みで、企業研究から入社の手続きまで、転職活動の全体をフォローしている。

転職時に自身も感じていた「わかりにくい!」というモヤモヤを解消すべく、どこよりも分かりやすい記事づくりに日々邁進中。

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