通過率、不採用の理由を解説 転職の書類選考対策

転職の第一関門として立ちはだかる書類選考。ほとんどの転職では履歴書と職務経歴書の2つの提出を求められます。

通過率や面接官に見られるポイントをわかりやすく解説します。

通過率50%! 書類選考のデータと基本

まずは、通過率や目的、選考期間など書類を作成する前に知っておきたいデータや知見をご紹介します。

「書類選考を通過するためには?」・ざっと見て問題の無い書類を作成する。・履歴書には、氏名・転職先などの基本情報を過不足無く記入する。・職務経歴書には、経験・スキル・思いを書き。自己PRに力を入れる。

転職の書類選考通過率は?

書類通過率は50%

20~30代の正社員男女1,000人を対象にしたアンケートによると、転職の書類選考通過率は平均約50%です。アンケート対象者の平均応募社数は7.5社。

もし自身の書類選考通過率が50%を下回っている場合は、書類の書き方を見直す、応募社数を増やすといった対策を講じるべきでしょう。

※参考:リクナビNEXT「転職するときの適切な応募回数とは?」

書類選考の目的は?

書類選考通過率を表した図書類選考の目的は、大量の応募者をふるいにかけて、面接に進める人材を絞り込むことです。

採用担当者はたくさんの書類を読む必要があるため、履歴書や職務経歴書の確認にはあまり時間をかけられません。

そのため、まずはざっと見て問題点のない書類を作成することが書類選考を突破するためには不可欠です。そのラインを突破して初めて経歴や自己PRがじっくりと読まれるようになります。

履歴書と職務経歴書の違い

「履歴書」氏名・連絡先・住所・学歴・職歴などを記入。※応募者の基本情報を確認するため。※入社後の事務処理に使用するため。「職務経歴書」経験・スキル・自己PRを記入。※履歴書に書ききれない転職への思いや経験・スキルを把握するため。

履歴書と職務経歴書の違いは、採用担当者が何のために使うかです。

履歴書は氏名や連絡先、学歴や職歴など応募者の基本情報を確認したり、入社後に事務処理をしたりするために使われるので、フォーマットが決まっています。

それに対して職務経歴書は履歴書に書ききれない応募者の経験やスキル、転職にかける想いを把握するために使われるので、自由度は高いです。基本的に履歴書は経歴を伝えるものなので、職務経歴書で自己PRに力を注ぎましょう

書類選考にかかる期間は?

平均的な書類選考では、おおむね1~2週間の間に、合否がメールなど、所定の形式で伝えられることになります。もちろん、企業によっては数日で回答がもらえる場合もありますし、1ヶ月以上待たされる場合もあります。

ただし、選考に3週間以上かかる場合は事前に伝えられる場合がほとんどです。一般に応募者数の多い大手企業は選考期間が長く、中小企業では選考期間が短い傾向にあるといわれています。

3週間以上連絡が来ない場合は?

特に断りがあったわけでもないのに書類選考の結果が3週間以上来ない場合は、企業に問い合わせてみることをおすすめします。

ただし、やむを得ない事情で選考に時間がかかっている場合もあります。急かしているように取られると印象が良くないため、あくまで状況の確認という体で尋ねると良いでしょう。

■問い合わせ例

お世話になっております。

先日御社の求人に応募させていただいた転職太郎と申します。

お忙しい中大変恐縮ですが、現在の選考状況を確認させていただきたく、お電話させていただきました。

もしよろしければ、結果がいつ頃わかりそうかお教えいただけると幸いです。

【コラム】書類選考後の面接は形だけ?

書類選考を通過したら採用はほぼ確定しており、面接は形だけだと考えている方もいるようです。

しかし、それは間違った認識です。書類選考はあくまでも第一関門でしかなく、面接で人柄や会社への適性をさらに深く見られることになります。

書類選考の合格連絡が届いても油断せず、万全の準備を整えて面接に臨みましょう。面接のマナーやコツを確認したい方はコチラをご参照ください。

履歴書・職務経歴書で気になるポイントとその基準

「いったい何歳まで転職できる?」「転職の場でも学歴は必要?」「転職回数は何回までセーフ? 」

応募書類を書く中で自分の経歴を振り返っていると、さまざまな疑問が出て来るのではないでしょうか。一般的な見解をまとめてご紹介します。

「年齢」未経験業界への転職は20台が有利。「学歴」大卒という基準は重視されることが多い。「職歴」キャリアの一貫性はプラス評価。「転職回数」転職回数は多ければ多いほど不利。「ブランク期間」6ヶ月以上がひとつの目安。

年齢:未経験なら20代が有利

未経験の業界への転職は20代など年齢が若いほど有利です。特に異職種への転職は、30代以降はかなり厳しくなるでしょう。

DODAが2013年に行った調査によると、全転職のうち異業種転職の割合は24歳以下では約71%、異職種転職の割合は約48%です。この割合は年を取るごとに下がり、30~34歳では異業種転職が約54%、異職種転職が約29%まで低下します。

年代別異業種・異職種への転職者の棒グラフ。

(※小数点以下四捨五入)

※参考:DODA「未経験の業種・職種に転職できる可能性はどれくらい?

この背景には、30代は業務で得たスキルや経験が重視されるのに対し、20代はポテンシャルややる気が重視されるという事実があります。30代以降で異職種・異業種への転職を考えている場合は、年齢の不利を補うようなアピールポイントが必要となるでしょう。

学歴:金融や商社では重視されやすい

学歴については、「大卒」という基準は重視されることが多いようです。

DODAが約1万5,000件の求人情報を分析した結果によると、学歴を重視する求人は全体の約60%。

その内訳は、大卒以上が44%、6大学以上が7%、旧帝大・早慶クラスが6%、大学院卒以上が0.5%、その他が2.5%となっています。採用担当者は学歴を「地頭の良さ」を証明する指標として重視しているようです。

中途採用で求められる学歴を表した円グラフ。

(※小数点以下四捨五入)

※参考:DODA「採用担当者のホンネ-中途採用の実態調査│学歴は中途採用で求められる?−学歴と転職の関係−」

業界別に見ると「総合商社」「金融/保険」「教育」「コンサルティング/リサーチ」といった業種はその70%以上が大卒以上の学歴を希望しています。いずれも高い論理的思考力や分析力が求められる業界です。

反対に応募者にあまり学歴を求めない業種は「旅行/宿泊/レジャー」「小売り/外食」「IT/通信/インターネット」など。これらの業界ではコミュニケーション能力や技術力など、学歴では測れないスキルが重視されています。

職歴:キャリアの一貫性が重要

転職において、職歴はその職務経験やスキルの判断材料として重視されます。

例えばIT系の企業に応募する場合は、やはり前職もIT系や通信系など転職先と重なる業界であった方が、評価が高まります。また、エンジニアなど専門職を目指す場合は、当然ながら同様の職務を経験している必要があります。このように、キャリアを一貫して積み上げてきた事実は転職の書類選考で大きくプラスに働きます。

一方、前職の企業規模や知名度は、それほど重視はされません。ただし、事業内容や身に付いたスキルが想像しやすい、大企業の選考を突破した実績がある、といった点を評価する企業もあるそうです。

転職回数:企業によって20代で3社など

基本的には転職回数が多ければ多いほど転職は不利になります。その基準は企業によりますが、企業によっては20代で3社、30代で5社以上転職していると面接に進めない場合もあるそうです。

その理由は、転職回数が多いと「もしうちに来てもすぐに辞めてしまうかもしれない」という不安を与えてしまうから。そのため、在籍期間も重要で、3年間を1つの区切りとしてキャリアを見ている会社が多いようです。20代で3社など転職回数が多い場合は、その欠点を補う努力をしなければなりません。

その具体的な方法についてはコチラをご参照ください。

ブランク期間:6ヶ月以上が1つの目安

ブランク期間を表した図転職回数や在籍期間のほかに、採用担当者は前職からのブランク期間も重視しています。

転職サイトenが2010年に人事457名を対象に実地した調査によると、選考でマイナスになるブランク期間は1年~1年半・6ヶ月~1年未満・6ヶ月程度が30%・29%・28%とほぼ同じ程度の割合で並んでいます。

前職から6ヶ月以上のブランクがあると即戦力としての能力やセンスが鈍っていると判断されてしまうようです。また、ブランクの期間にほかの企業に応募したが良い結果が出せなかったのではないかと推測されてしまうこともあります。

※参考:en「エン人事のミカタ│アンケート集計結果レポート│第45回 中途採用時の応募者の転職回数や在籍期間について」

落とされない書類をつくるためには

2章で紹介した基準をクリアしていても、書類で伝わらなければ採用されません。落とされない書類をつくるために絶対に注意すべき5ポイントをご紹介します。

具体的な履歴書の作成方法については「履歴書の書き方大全<決定版>」を、職務経歴書の作成方法については「職務経歴書の基本の書き方と受かる秘訣【テンプレートあり】」をご参照ください。

「落とされない書対を作る5つのポイント」・書類に誤字脱字や不備が無いようにする。・証明写真は印象の良いものを使用する。・現職、前職を批判しない。・企業の求める人材であることをアピールする。・志望動機は企業ごとに作成する。

ポイント1:書類の誤字脱字・不備

誤字脱字がある書類や体裁が統一されていない書類を提出するのは、絶対にNGです。

1章で述べた通り採用担当者は書類を一読してふるいにかけるため、明らかな間違いがあれば内容も読まれず落とされてしまうかもしれません。必ず提出前には書類を読み返し、間違いがあれば破棄して新しく書き直してください。

ポイント2:証明写真の印象が悪い

証明写真の印象は、採用担当者に与える印象を大きく左右します。基本的にはきちんとした写真館で撮ったものを使用すべきでしょう。

服装はスーツが基本ですが、金融業界には地味でも堅実そうな濃紺のスーツを、アパレル業界やデザイナー職への応募にはしゃれたネクタイを選ぶなど、業界に合ったものを選ぶことが大切です。

ポイント3:現職・前職を批判している

退職理由などの欄で現職・前職を批判する内容を書くと、書類の通過率は低くなると言われています。組織で協調する能力に欠けていると判断されたり、入社後に会社の一員としてふさわしくない言動をするのではないかと疑われたりするためです。

現職・前職に不満があっても書類選考や面接では求められない限り言うべきではありません。

ポイント4:求める人材に合致していると伝わらない

書類選考では、自身がニーズに合致する人材だと企業に納得させなければなりません。それが伝わらないダメ履歴書・職務経歴書には以下のような傾向があります。

・要点が押さえられておらず、経歴がだらだらと書き連ねられている

・成果はアピールされているが、成功に導くためのプロセスが書かれていない

要点をしっかり押さえつつ、自身がいかに成果を上げてきたかをプロセスまで含めて論理的に説明してください。

ポイント5:熱意が表現されていない

スキル・能力が企業の求めるポイントに合致していても、入社に向けた熱意が伝わらなければ「志望度が低いのかも」と落とされてしまう可能性があります。

志望動機は使いまわさず、応募先の情報を調べたうえで感じた想いを自分の言葉で表現しましょう。なるべく具体的な情報を盛り込むことがポイントです。

【コラム】そもそも通過が難しい場合もある

中途採用の求人には、いわゆる「空求人」(採用する気がないのに出している求人)も含まれています。求人を出すことで企業の宣伝につながったり、ハローワークとの関係づくりに役立ったりするためです。

また、2章で紹介したような基準を下回っていればそれだけで落とされてしまうこともあります。ベストを尽くした書類で落ちてしまった場合は気持ちを切り替えて、ほかの企業に応募しましょう。

まとめ

中途採用者に向けて書類選考の基本事項をお伝えしました。書類のでき次第で、採用担当者の印象が大きく変わることもあります。

たかが書類選考とあなどらず、基本をしっかりと抑えた履歴書・職務経歴書を作成してください。

更新日:2018年11月6日
(公開日:2018年2月15日)

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