履歴書と面接どちらで使う? 「貴社」と「御社」の違い
履歴書の作成時や面接時に「貴社」と「御社」のどちらを使えば良いのかわからなくなる人は多いでしょう。
この記事では「貴社」と「御社」の違いと実際の使い方を解説します。
「貴社」と「御社」の違いとは?
貴社は履歴書で、御社は面接で使う
「貴社」と「御社」はどちらも相手の会社を意味する敬語表現ですが、一般的には書き言葉と話し言葉という違いのもと、使い分けられます。
広辞苑(第六版)では両者の明確な違いは記載されていませんが、一般的には「貴社」は履歴書やメールなど文字として書くときに、「御社」は面接や電話など直接話すときに使います。
それぞれを使用する場面は、以下の通りです。
「貴社」の使用例
… 履歴書にある志望動機の欄などで使用。
御社の使用例
… 面接中の会話で使用。
面接官「〇〇さんの志望動機をお聞かせください」
応募者「はい。私は御社がブランドコンセプトとして掲げておられる一人一人のお客様を大事にする販売方針に大変共感しております。私自身も……」
なお、履歴書を書く際に「御社」を使用しても厳密には間違いではありませんが、ひとつの書類で「貴社」と「御社」を混在させて使うのは、公的な書類マナーとしてNG。
1枚の履歴書内で「貴社の経営方針に……」と書いておきながら、「これまで培ってきた経験を御社で発揮できれば……」と、2つの言葉を使用することがないよう注意しましょう。
「弊社」や「当社」との混同に注意しよう
「弊社」と「当社」は自分の会社を示す敬語表現です。「弊社」は相手に対して自分の会社をへりくだって使う謙譲語、「当社」は自分の会社を示す丁寧語になります。
両者の使い分けは、以下の通りです。
- 弊社…商談など、社外に対して自分の会社を表現するときに使用
- 当社…身内同士で話す際や、クレーム対応時などのときに使用
相手の企業を表す「貴社」や「御社」を、自分の会社を表す「弊社」や「当社」と間違って使ってしまうと、意味合いがまったく変わる上に失礼にあたるので、注意してください。
なお「弊社」「当社」はそもそも、就職・転職活動ではあまり使わない表現です。自分の会社を言い表したいときは、在職中の場合は「今の勤め先」「現職」、すでに離職している場合は「前職」と表現すると良いでしょう。
覚えておくと必ず役立つ敬称マナー
就職・転職活動の面接時に役に立つのが敬称のマナーです。
敬称とは相手や第三者に対して敬意を表す言葉のこと。誤ったまま使っている人も多いので、今一度確認してみましょう。
銀行、病院、市役所、学校は「御社」以外の敬称で
先に述べた「御社」「貴社」はあくまで一般的な企業に対して用いる言葉であり、その他の言葉で表現するのが正しい機関もあります。
以下に間違いやすい例を示しましたので、自分がどんな仕事に応募するのかに合わせて使い分けましょう。
「〇〇社」+「さん」「様」はNG?
面接で「ほかにどんな会社を受けましたか?」と質問された場合は、「◯◯社」などと呼び捨てにしてかまいません。むしろ会社名に「さん」「様」を付けるほうが不自然です。
賛否両論ありますが、ビジネスマナーの視点から見ると「〇〇会社さん」や「○○会社様」といった表現は過剰とされています。会社名を呼び捨てにすることに抵抗があるかもしれませんが、この場合は決して失礼にはあたりません。
同様に「○○社長様」「○○課長さん」と役職にも「様」や「さん」を付けるのはタブー。
役職名には「様」「さん」と等しく相手を尊ぶ意味合いがすでに含まれています。「〇〇社長」だけでも相手を不快な気持ちにさせることはありません。
「貴社」と「御社」の違いを理解したら…
履歴書を記入するときに使うのは「貴社」です。主に自己PRや志望動機などの自由記述欄で使用するので、実際に記入しようとしている場合は、下記の記事も参考にしてください。
このほかの履歴書の書き方や郵送方法について、下記の記事でまるっと解説しています。
一方、面接では「御社」を使います。面接の質問対策は下記の記事で解説しています。よく聞かれる質問の回答例や答え方のポイントなど、確認してみましょう。
下記の記事では、面接前に確認しておきたい、当日の身だしなみやマナーについても解説しています。あわせてチェックしてください。