【例文25選つき】 書類選考で通る、履歴書の自己PRの書き方

自己PRは応募先企業に自分をアピールする大切な場。企業に好印象を与えるため、履歴書の自己PR欄では、どんなことを伝えればいいのでしょうか?

この記事では、書類選考を通過できる自己PRの書き方を解説するほか、「アピールポイント別」「職種別」の例文を25種類紹介。20年以上にわたり転職支援に携わり、企業の採用戦略についても熟知している結城賢治さんに解説してもらいます。

履歴書の自己PRで伝えるべきことは?

採用担当者は、履歴書の自己PRから「これまでの経験・スキルが自社にマッチしているかどうか」を見ています。そのため、ただ単に自分のよいところや強みを伝えてもアピールにはなりません

応募先の企業・職種で何が求められているのかを、求人票の「応募要件」や企業ホームページの「社員紹介」などから読み取ったうえで、「この人は自社にマッチしている」と感じてもらえるような経験・スキルをピックアップして伝えましょう。

応募先企業が求めている能力や経験を読み取る方法について、くわしくは「思いつかない場合はどうする?アピール内容の探し方」の章で紹介します。

結城賢治さん

自分が強みや長所だと感じている点であっても、それが相手のニーズや求めている要素に合致していなければ、魅力的に映らないことがあります。

応募先の企業の特徴応募要件に焦点を当て、そのなかで自分の強みを引き立てるようなアピールを心がけましょう。相手に「この人は、私たちの求める要素にピッタリ合っているんだ」と伝えるために、相手が何を求めているかを理解し、それに基づいたアピール内容を構築することが重要です。

 

職務経歴書の自己PRとの違いは?

履歴書の自己PRは「要点を絞ってアピール内容を伝える」ためのもの、職務経歴書の自己PRは「具体的にアピール内容を伝える」ためのものという役割の違いがあります。

話題や内容は同じで構いませんが、職務経歴書ではエピソードや実績も交えて話を膨らませましょう

▼職務経歴書の自己PRの書き方・例文はこちら

3つの要素で完成!自己PRの書き方

履歴書の自己PRに書くべきことは、ある程度決まっています。

「(1)業務経験をもとにした自分の強み」→「(2)根拠となるエピソード」→「(3)自分の強みをどう活かせるのか」の3つの要素を、順番に書いていきましょう。

なお要点が伝わりやすくなるように、文字数は200~350文字に収めるのがおすすめです。

〈履歴書の自己PRの例文〉

(1)
お客様の潜在的な要望を汲み取り、それに応える姿勢が強みです。

(2)
成約に繋がる営業活動を行うには、お客様が伝えてくださる直接的なニーズを満たすだけでなく、潜在的な要望も汲み取り、その目的を達成できる提案をすることが大切だと考えております。そのためにはビジネスの背景を知ることが必要だと考え、毎日業界紙を読み、競合他社の売れ行きや開発動向等の情報収集を行っておりました。

情報をもとにお客様が抱えている課題と解決策を整理し、提案も丁寧に行ったことで、お客様との信頼関係の構築にも成功しております。その結果、昨年度は60件以上の受注に成功し、毎年対前年比115%前後で売上を達成してきました。

(3)
業績の達成には、こうしたお客様に満足いただける選択を後押しすることが重要だと考えております。お客様の潜在的な要望に寄り添う姿勢を貴社でも活かし、貢献していきたいと考えております。

(1)業務経験をもとにした自分の強み

自己PRの結論として、強みを宣言するパートです。「〇〇が強みです」と言い切るか「前職では△△を担当しておりました。その経験から〇〇が強みです」と、簡潔に説明しましょう。

自己PRでアピールするスキル・強みで定番のものは、下記のとおり。応募先が求める人物像にマッチしそうなものを選んでアピールしてください。

〈定番のスキル・強み〉

協調性 / 責任感 / 向上心 / 傾聴力 / コミュニケーション能力 / リーダーシップ / 業務の効率化 / チャレンジ精神 / 主体性 / 柔軟性 / 集中力 / 計画性 / 忍耐力 …など

(2)根拠となるエピソード

(1)で宣言した強みの根拠となるエピソードを伝えることで、納得感を高めるパートです。

応募先の企業でも活かせる経験やスキル・能力を持っていることが伝わるように、自分がどういった考えで行動してどんな結果が得られたかをくわしく書きましょう。

〈エピソードを書くときのポイント〉

  • エピソードの流れは「自身やチームが抱えていた課題に対して」→「どういった考えで行動して」→「どんな結果が得られたか」の3段構成にすると、読みやすくなる。
  • 得られた結果は「◯◯件の受注に成功した」「売り上げを◯%改善した」など、数字で表現できるとベター

(3)自分の強みをどう活かせるのか

自己PRの締めとして、自身のスキルや強みを発揮してどのように応募先企業に貢献できるかを伝えるパートです。

下記の例文のように「(エピソードで紹介した強み)を活かして」+「転職後にどうしていきたいか」をまとめましょう。

〈自己PRの締め方の例〉

「こうした経験を貴社の△△業務でも活かし、貢献していきたいと考えております」

「強みである〇〇を活かしながら、貴社でも△△を目指していきたいと考えております」

結城賢治さん

自分にとっては「できて当たり前」と思えるスキルや経験も、応募先が求めている要件であれば、相手にとって魅力的な要素になります。

目立つ実績である必要はなく、企業が重視しているスキルや経験があるかどうかを振り返り、それに基づいたエピソードを収集していきましょう。「できて当たり前」のなかにも、求められている要素が潜んでいる可能性があります。応募先の期待に応える経験を具体的に示すことが、アピールをより効果的にするポイントです。

社会人基礎力を「自分の強み」のヒントに!

経済産業省が提唱している「社会人基礎力」を自己PRで押し出す強みに使うのも一つの方法です。社会人基礎力では「主体性」や「計画性」などの12の能力要素を定義しているので、どれかを強みに選んでエピソードを考えてみるのも良いでしょう。

社会人基礎力についてくわしく

また、転職Hacksでは「社会人基礎力のうち、どの能力を転職希望者に求めているのか」を調査しました。企業が求める能力を理解するために、あわせてチェックしてみてください。

自己PRの例文集(定番アピールポイント/職種別)

ここでは、履歴書の自己PRの例文を、一言ポイント解説とあわせて紹介します。

定番のアピールポイント別と職種別に、主要なものを25種類を用意しているので、自分の状況に近いものを確認してみましょう。 

〈定番アピールポイント別〉

1.協調性

〈例文〉

(1)
社内SEの業務を通じて培った、協調性が強みです。

(2)
前職では、Webサイトやアプリケーションを開発するエンジニアと、実際の利用者と接する営業社員との連携がうまくいっておらず、開発側がユーザーニーズを的確に捉えられていない課題がありました。

そこで私は開発側と営業の連携を強化すべく、プロジェクトに関わるメンバーがフランクに話し合いをできる場を設けたり、双方から意見を積極的に集めて共有するといった改善活動を行いました。その結果、さまざまな意見が出始め、開発のためのすり合わせ工数の削減や新サービスの品質向上といった成果に繋がりました。

(3)
周囲のメンバーを引き合わせ、巻き込んでいくような協調性を活かし、貴社の開発業務でもユーザーニーズを捉えた製品の開発に貢献したいと考えております。

〈ポイント〉

  • 協調性は、伝え方によっては「主体性がない(まわりに同調する)」「受け身だ」と思われてしまう可能性があるため注意。
  • そのため「自分から周囲との関係性を作っている」「周囲を巻き込んでいる」といった主体性が感じられる内容にするのがポイント。

2.責任感

〈例文〉

(1)
ここ3年間で取り組んだ後輩育成のなかで培った責任感が、私自身の強みです。

(2)
3年前、私の担当エリアは事業拡大のため中途社員や新入社員を多く採用していたものの、マネジメント人材の不足により教育にパワーが割けず、成果が出せないという課題がありました。そこで私は3人の新人の教育担当を買って出て、毎日ミーティングの時間をとって不安・悩みのヒアリングを行い、それらの解消方法を模索しました。

また、自身の担当だけでなく、ほかの新人のサポート体制構築にも取り組みました。具体的には営業チームのメンバーをグループ分けし、複数人で一人の新人をサポートする体制を上長に提案。教育ノウハウも共有し、チーム全体で新人育成できる環境を整備しました。その結果、新人の早期戦力化に繋がり、直近半年で入社したメンバーの8割は営業目標を達成しています。

(3)
こうした、課題解決のために行動し、必ず成果に繋げていく責任感は、貴社の業務でも活かせるものと考えております。

〈ポイント〉

  • 責任感とは、言い換えれば「引き受けた業務や役割を、最後までやりきる力」のこと。
  • そのため、課題解決や目標達成までに立ちはだかるさまざまな困難に対し、めげずに立ち向かい成果を出した経験・エピソード(試行錯誤を繰り返したエピソード)をアピールするのが効果的。

3.向上心

〈例文〉

(1)
労務担当としての知識習得や資格取得のなかで培った向上心が、私の強みです。

(2)
前職の食品加工会社では、労務関連の業務を外部の社会保険労務士に委託していました。しかし3年ほど前、事業拡大にともなう部署の新設や従業員の増加があったことで、諸手続きの対応や従業員への説明が増え、対応のスピード感に課題が見られるようになりました。

私自身の知識不足で対応できなかったことも原因の一つだったため、よりスピーディかつ的確に労務関連の業務に対応するために、社会保険労務士の資格取得を決意しました。終業後の勉強はもちろん、業務を通して外部の社会保険労務士にも積極的に教えを請うことで、無事試験に合格することができました。

(3)
資格取得や実務を通して習得した知識やスキルはもちろん、足りないものを補い習得する向上心も活かし、貴社の業務に貢献していきたいと考えております。

〈ポイント〉

  • 向上心をアピールする場合「自分に足りないものを自覚し、それを補うために努力して成果を出したエピソード」を伝えるのが効果的。
  • 資格取得営業成績◯%アップなど、具体的な成果物や数字で示せる成果があると説得力が増すので必ず伝える。

4.傾聴力

〈例文〉

(1)
百貨店の販売員として5年間勤務したなかで、傾聴力を身につけることができました。

(2)
店舗に立ったはじめの頃、ご試着いただいたお客様でもご購入にまで至らないケースが多々ありました。その原因が一方的なセールストークにあると考え、お客様ひとりひとりの声に耳を傾けて「何がネックで購入を決めきれないのか」を考えて提案するように、接し方を変えました。

たとえば「どんな服に合わせればいいのかわからない」というお客様にはコーディネート例も併せて紹介し、「イメージと違った」というお客様には類似アイテムをご紹介するなど、お客様の不満や不安に寄り添う接客を徹底しています。その結果、お電話でのお問い合わせやリピートでご来店いただけるお客様も増え、売上も年間5~10%アップしました。

(3)
こうした傾聴力を活かして、貴社の営業職においてもお客様に寄り添ったご提案をしていければと考えております。

〈ポイント〉

  • 傾聴力をアピールする場合「ただ相手の話に同調し、機嫌をとることが得意」といった印象にならないように注意
  • 相手の話に耳を傾けることで本音を聞き出し、その解決や改善に向けて実際に行動して成果を出したエピソードを伝えるのが効果的。

5.探究心

〈例文〉

(1)
WebマーケターとしてWebサイトの改善に取り組むなかで発揮した、探究心が強みだと考えております。

(2)
前職で担当していたECサイトはリリースから5年以上経過しており、改善すべき箇所も多かったのですが、担当者が何度も変わっていたことでサイトの仕様や設計の資料が残っておらず、手を付けられない状態が続いていました。

そこで私は社内の関係者にヒアリングを行い、サイトの仕様や設計、そもそもの目的といった根幹から情報の整理を行い、課題の優先度を決めて対応を行いました。仮説を立てては効果検証を行い、書籍などで知識を学びながら成果が出るまでさまざまな施策を行ったことで、サイトのコンバージョン率を半年で30%、1年で70%ほど改善させることに成功しています。

(3)
課題の改善に向けて情報を集め、打ち手を模索できる探究心は、貴社のマーケティング職でも活かせるものと考えております。

〈ポイント〉

  • 探究心をアピールする場合、課題解決のために主体的に情報収集や知識のインプットを行ったエピソードを伝えるのがセオリー。
  • 課題を解決するには、膨大な量のリサーチや試行錯誤が必要になるもの。どんなに小さなことでも面倒に思わず、積極的に動いた経験があればアピールに繋がるので、探してみるのがおすすめ。

6.コミュニケーション能力

〈例文〉

(1)
システム開発業務に関わるなかで発揮したコミュニケーション能力が、自分の強みだと捉えております。

(2)
現職のチームは派遣や出向で携わるメンバーが多く、人の出入りも激しかったため、関係が希薄になりがちでした。連絡不足が原因でトラブルが発生したこともあり、気軽にコミュニケーションを取れるチーム作りが課題となっていました。

そこで私はメンバー同士が気軽に発言できる雰囲気を作るため、業務用チャットツールの雑談用ルームやメンバーとのランチといった交流の場を増やし、自ら積極的に発言するようにしてコミュニケーションを促しました。その結果、業務外の会話も増え、些細な疑問や不安点も気軽に相談できる雰囲気を作ることができ、重大なトラブルにつながるミスの削減に成功しています。

(3)
こうした周囲を巻き込んでコミュニケーションを活発化するスキルは、貴社での業務を円滑に進める際にも活かせるものと考えております。

〈ポイント〉

  • コミュニケーション能力をアピールする場合、自分からどのようなアクションを取り、どのような成果に繋がったのかがわかるエピソードを選ぶ。
  • また、どのような相手とのコミュニケーションが長けているのかを具体的にイメージできるように「顧客」「初対面の人」「チームメンバー」など相手を明確にする。

7.リーダーシップ

〈例文〉

(1)
前職ではマーケティングの部署で大型案件のプロジェクトリーダーに任命されており、そこで培ったリーダーシップが強みです。

(2)
プロジェクトチームは、新入社員から年上まで合わせて5名で構成されていましたが、これまで接点が無かったためコミュニケーションの活発化が課題でした。そこで気軽に意見を交わせる空気の醸成を目的に、週1回の朝礼を新設。チャットツールも導入し、進捗状況をこちらから積極的に尋ねることで、報連相の活発化も行いました。

また、報連相の結果、メンバーが業務で悩んでいる際には個別にフィードバックの時間を取り、フォローにまわるよう徹底しています。こうした働きかけや行動により、プロジェクトは無事成功に至り、社内ではチームMVPをいただくこともできました。

(3)
貴社でもこうしたリーダーシップを発揮してメンバーとの信頼関係構築を行い、目的に向けてチーム一丸となって進めるように努めたいと考えております。

〈ポイント〉

  • リーダーシップをアピールする場合、どのくらいの規模のチームをまとめていたのか、イメージがつくように具体的な人数などを記載する。
  • リーダーの役割として、メンバーのフォローなど裏方的な行動も重要。メンバーの課題を把握し、解決に向けた助言などを行ったエピソードを盛り込むのも効果的。

8.業務の効率化

〈例文〉

(1)
業務効率化に向けて積極的に取り組む姿勢が強みです。

(2)
前職の経営促進室の対応業務のひとつとして、メールマーケティングの企画立案から原稿依頼、効果検証がありました。その際、普段の業務に加えてリサーチや執筆を行う現場社員の負担が大きいという課題を感じ、効率化を図るために業務改善を提案・実施しました。

具体的には、対応スピードの改善を目的として、検索エンジンの機能を利用したテーマ収集の仕組みづくりを提案し、校閲校正ツールの利用を検討。実際に導入しました。結果として現場社員の対応時間の短縮と、リード獲得数アップに寄与しました。

(3)
貴社でもこうした課題解決の経験を活かし、積極的に業務効率の提案と実行をしていきたいと考えております。

〈ポイント〉

  • 業務の効率化をアピールする場合は「課題→解決するための行動」が伝わるように簡潔に流れをまとめることが重要。
  • 盛り込むエピソードは、課題の解決に向けて自分自身の頭で考え、主体的に行動したことが伝わるものを選ぶのがベター。
  • どのくらい効率化されたのか、データなどを使って具体的に成果を伝えられると効果的。

9.チャレンジ精神

〈例文〉

(1)
なにごとにも積極的にチャレンジする姿勢が強みです。

(2)
現職の人事部では、業務外でも上司に業務改善の提案を行っていました。採用されなかったものも多かったのですが、提案を続けた結果「新入社員の内定辞退率低下」の提案がとおり、プロジェクトリーダーとして20XX年の新卒採用を推進しました。

本プロジェクトは「人事部だけでなく、募集している部署の社員も説明会や面接に参加することで現場の雰囲気を伝え、内定辞退率の低下につなげる」というものであり、推進にあたって全社へのプレゼンや説明なども経験しています。

大きな変革のため混乱もあったのですが、自身の考えを積極的に発信した結果、社員の共感を得られ、採用活動に快く協力してもらえる関係構築に成功。学生に現場の雰囲気を的確に伝えられたことで、狙いどおり内定辞退率も過去最低となりました。

(3)
こうした業務で培ったチャレンジ精神と推進力は、貴社の人事部でも活かすことができると考えております。

〈ポイント〉

  • チャレンジ精神をアピールする場合、自発的に行動していたことを伝えることが重要。「業務外でも提案を行っていた」「応募が集まらなかったものに手を挙げた」など、状況設定を明確にすると自発的な姿勢が伝わるのでおすすめ。
  • エピソードを伝える際は、挑戦した経験を述べるだけではなく、必ず「結果」も伝える

10.主体性

〈例文〉

(1)
現職の営業経験で培った主体性が強みです。

(2)
営業経験が浅かった頃は、お客様と話しているその場で判断できないなど、業務スピードが課題でした。そのため、すぐに自分で調べたり上司に確認したりと、そのときにできることを行動に移し、スピード感を持って対応するよう取り組んでまいりました。

その結果、社内だけではなく、担当したお客様からも「レスポンスが早くて助かる」などとお褒めの言葉を数多くいただけるようになり、営業成績の向上にも繋がっております。

(3)
今回志望したマーケティング職は未経験ではありますが、主体的に業務にあたることで知識やスキルを習得し、少しでも早く戦力になれるよう努めたいと考えております。

〈ポイント〉

  • 主体性をアピールするのは、職歴が浅い人や第二新卒の人におすすめ
  • スキルや知識に課題があっても自発的に行動することでカバーできる点や、仕事に対する熱意・前向きな姿勢を伝える。
  • 数字で見える実績がない場合は「周囲から評価されていた」といったエピソードを使って成果をアピールするのが効果的

11.柔軟性

〈例文〉

(1)
介護の現場において、さまざまな状況に合わせて柔軟に対応する力が強みだと考えております。

(2)
現在勤務している介護施設では、基本的に、利用者の方への対応は研修内容やマニュアルをもとに判断していました。その一方で、個人の特性にあわせた対応も必要だと考え、利用者それぞれの特性と対応をまとめた資料も自発的に作成しております。

たとえば「一度決めたことを変えづらい」という特性を持った利用者の方を説得する場合、こちらの意見を押し付けるのではなく本人の意思を尊重することが大切だと考え、複数の選択肢を提示しご本人に選んで頂くようにして、その後の行動がスムーズになるように対応しておりました。

このように、利用者ごとに適切な対応を考え、実行する柔軟性を評価いただき、2年目からは新人メンターを任せていただきました。

(3)
利用者の方に寄り添った施設運営を目指す貴社でも、こうした柔軟性は活かせるものと考えております。即戦力として活躍できるように、精一杯努めてまいります。

〈ポイント〉

  • 柔軟性をアピールする場合「当初の予定とは異なるトラブルがあったが、臨機応変に対応したエピソード」や「対人関係を円滑にするための行動や取り組み」を伝えるのが効果的。
  • ただまわりの意見に合わせるだけでは「自分の意思がない」「流されやすそう」と誤解される可能性があるため、「こういった経緯で、こんな選択をすべきだと考えた」といった自分の思いや考えを必ず伝える。

12.集中力

〈例文〉

(1)
データの集計業務や、事務処理業務などを通して培った、集中して実行する力が強みです。

(2)
たとえば、現職では業務システムの改修にあたり、サポート職3名で10営業日中に6,000件の個別情報を仕分ける業務を担当しました。「○時までに○○○件」など、時間を区切って効率的に対応するように心がけたことに加えて、絶対にミスをしないという意識のもと、自ら2段階に分けてチェックする手法を考えて実行しました。

その結果、チェック品質を保ちつつ、元々の締切を3営業日ほど前倒しで対応することに成功。ほかのメンバー分のタスクにも着手することができ、全体のスケジュールを早めることにも繋がりました。また、仕事ぶりを評価され、それ以降同様の案件ではチームリーダーを2回担当しております。

(3)
こうした集中力や、効率的に業務を遂行する能力を発揮して、貴社の業務にも貢献していきたいと考えております。

〈ポイント〉

  • 集中力をアピールする場合、長時間なにかに取り組んだ経験を伝えるだけでは不十分。必ず「自分の取り組みによる成果」や「解決された課題」を伝える。
  • 一人で黙々と取り組んだ経験」はルーチンワークがメインの職種では評価されるものの、複数のメンバーと関わり合いながら、状況に合わせて臨機応変に対応するような職種では評価されにくいので注意。

13.計画性

〈例文〉

(1)
編集アシスタントとして4年間勤務してきたなかで培った「計画的に業務を進める力」が強みです。

(2)
現職では3つのWebメディアの校正・校閲と、記事の投稿・公開作業を担当しております。各メディアは公開曜日もタイミングも異なるため、それぞれのタスクに必要な時間をあらかじめ計算して、実現可能な公開スケジュールを立てるようにしました。また、その月と週の初めに先の予定を確認することで、随時スケジュールの微調整を行えるような仕組み化を進めています。

また、以前は無理なタスクを抱え込むこともありましたが、編集部とのこまめな連絡も心がけることで業務を平準化でき、効率化も実現しました。

(3)
貴社でもこうした計画性や効率化の取り組み経験を活かして、一日も早く戦力として貢献できるように努めてまいります。

〈ポイント〉

  • 計画性は、納期や締め切りまでの対応が重要な職種や、決められた時間内で効率よく業務を進めていく職種のアピール材料として効果的。
  • アピールする場合は「どんな期間で、どのような行動計画を立てたか」を具体的に伝えるのがポイント。
  • 加えて「予定どおりに進まなかった」といったトラブルが起きたときに、どのように対処し解決したのかまで盛り込めると、対応力もアピールできて効果的。

14.忍耐力

〈例文〉

(1)
私の強みは、前職で培った忍耐力だと捉えております。

(2)
たとえば前職では、先輩から引き継いだ取引NGの企業との取引を、数年がかりで再開しています。過去のクレームにより3年ほど取引NGとなっている状態でしたが、関係を徐々に改善するため、月に2回ほど業界傾向の共有と相手の現状や要望を聞く形でコンタクトを取り続けるようにしました。

その結果、初回コンタクトから1年半ほど経った頃に先方から連絡があり「次の案件の発注先として、〇〇さんの話を出しておいた」とチャンスをいただくことができました。その案件は価格等を3度交渉した後、無事成約いただいております。

(3)
成果に繋がるまで粘り強く対応する力は、小学生から現在まで続けている野球を通じて培ったものであり、それが仕事にも活きていると感じております。貴社の業務においても、取引先企業の課題解決に向き合ってきた経験を活かし、貢献したいと考えております。

〈ポイント〉

  • 忍耐力をアピールする場合「粘り強く対応した経験」や「長い時間(期間)かかったが、途中で投げ出さずに対応した経験」のエピソードが効果的。
  • 経験が浅い若手や、第二新卒の場合は、学生時代の部活動などの経験も絡めて語ることで説得力を高められる。

〈職種別〉

15.営業

〈例文〉

(1)
営業職として5年間勤務してきたなかで培った、周囲から知識やスキルを貪欲に吸収するキャッチアップ力が強みだと認識しております。

(2)
新人時代、なかなか営業成績が上げられずにいたとき、上司から「経験がないのに自己流でやろうとするな」と指導を受けたことをきっかけに、どんなことでもまずはプロや熟練者の考え方ややり方を見よう見まねで再現してみることを心がけました。

積極的に商談に同行してトーク術を学んだり、社内で公表されているノウハウ資料をすべて読み込んだり、録音された電話面談を何度も聞き返したりなど、成果を上げている社員のいいところを学び、再現しているうちに、徐々に自分自身のスキルとして習得することができました。

その結果、3年目には年間目標に対して200%超えの売上を達成でき、今ではチームリーダーとして3人の新人指導も任されております。

(3)
こうしたキャッチアップ力を活かしながら、貴社でも早期に戦力となれるよう努めてまいります。

〈ポイント〉

  • 営業職は、数ある職種のなかでも成果を出す能力をシビアに判断される傾向が強い。そのため、どれほどの成果を出していたのかを伝わりやすくするために、実績を数字で示すのがベスト。
  • 自己PRでアピールする内容を選ぶ際は、エピソードで扱う事例や考え方が「応募先でも活かせそうなもの」「再現性が高いもの」を選ぶ。

▼職務経歴書の「自己PR」も作成する際は、下記の記事の例文・解説をチェック!

16.事務

 〈例文〉 

(1)
私は現職で総務担当として4年間、主に機器・備品および施設の管理を行ってまいりました。

(2)
備品の残数や購入時期などはミスがないよう、Excelで徹底管理しておりましたので、関数などひととおりの機能はマスターし、マイクロソフトオフィススペシャリストの資格も取得しております。

また、私が席を外していたりほかの業務に手を取られていたりといったときのために、誰が見ても理解できるわかりやすいマニュアルを作成した経験もあります。そうした仕事を評価していただいた結果、直近では社内行事の運営などの業務も任せていただき、業務の幅を広げることができました。

(3)
Excelを使用した各書類の作成や、より快適なオフィス環境にするために創意工夫してきた経験は、貴社でも活かせるものと考えております。

〈ポイント〉

  • 総務や経理、営業アシスタントなどの事務職の場合、経験やスキルがそのままアピールポイントになる。そのため、どんな経験をしてどんなスキルや強みを得たのかを、具体的に説明することが重要。
  • 説明のなかで「作業の正確さ」や「スピード感」「周囲のメンバーと連携する調整力」「コミュニケーション能力」をアピールできると、さらに効果的。 

▼職務経歴書の「自己PR」も作成する際は、下記の記事の例文・解説をチェック!

17.販売・接客

 〈例文〉

(1)
4年間勤めてきたアパレル販売の経験から、自分の強みは関係構築力だと考えております。

(2)
前職では接客単価が2万円以上と、高単価商品を扱っていたこともあり、オケージョンや体型に関する悩みについても気軽にご相談いただけるよう、常に丁寧で心地よい接客を心がけておりました。

また、独自に顧客リストを作成し、その方の状況にあわせてDM送付や電話でのご案内を行いました。その結果、私を指名して下さるお客様もでき、関西エリアの店舗で個人顧客が最も多い販売員として評価を頂きました。

(3)
今後はより一層、丁寧な接客と地道な個別対応によって、お客様との関係構築力に磨きをかけ、貴社でもエリアトップの販売員を目指していきたいと考えております。

〈ポイント〉

  • 販売・接客の場合、顧客とのエピソードを取り上げるのが王道
  • 成果を伝える際は、実際にあったトラブルとその解決方法や、実際にかけられた感謝の言葉などをエピソードに盛り込むのがベター。予算達成期間表彰歴など、具体的な成果を伝えるのも効果的。
  • 店舗でほかのスタッフと協力して成し遂げた実績をアピールする場合は、自分の貢献度がわかるように、その結果に至るまでに自分がどう関わったのかを伝える。

▼職務経歴書の「自己PR」も作成する際は、下記の記事の例文・解説をチェック!

18.製造・技術系

〈例文〉

(1)
生産部門のリーダーとして、納期厳守とコスト削減達成を意識し業務にあたっています。

(2)
現職では製造リードタイムの短縮に力を入れており、協力工場への原料発注計画の見直しや、人員の再配置など、さまざまな施策を実施しました。

また、現場の対応力の変動要因をキャッチアップすべく、定例会議を開いて進捗をこまめに確認する仕組みづくりも実施。こうした取り組みの結果、リーダーに着任してから現在に至るまで納期遵守率は100%、平均生産計画達成率も高水準をキープしております。

(3)
こうした業務効率化の取り組み経験を活かし、貴社の生産管理においても即戦力となれるよう努めてまいりたいと考えております。

〈ポイント〉

  • 製造・技術系では、転職先の業務に直結するスキル・実務経験が備わっていて、即戦力になれることをアピールするのがポイント。
  • コスト削減や業務効率化への取り組みミスやクレームを削減するためのアクションを伝えるのも効果的。行動の結果がどのような改善に繋がったのか、具体的なデータを示せると説得力が高まる。

▼職務経歴書の「自己PR」も作成する際は、下記の記事の例文・解説をチェック!

19.看護・医療、介護系

〈例文〉

(1)
回復期リハビリテーションでの看護を通して、患者様とじっくり向き合いながら丁寧なサポートを行う姿勢を身につけることができました。

(2)
患者の生活の中心は療法士とともに行うリハビリではありますが、早く自宅に帰りたい、もとの身体に戻りたいという思いから、無理をしてしまう方や、ご自身の不安を隠してしまう方も多くいました。そこで私は、看護師として日常生活のサポートやバイタルチェックを行うだけではなく、患者が気兼ねなく相談できるような関係づくりを意識しました。

リハビリの様子についてこまめに伺ったり、ささいな日常動作の変化にもこまめに声をかけたりすることで不安を取り除き、前向きにリハビリに取り組めるような意識付けを行いました。結果、多くの方が笑顔で入院生活を送れるようになり、退院時にも感謝のお言葉をいただけるようになりました。

(3)
こうした心遣いを忘れず、貴院での看護に取り組んでまいります。

〈ポイント〉

  • 看護師は働く施設によって関わる患者や業務内容が異なるため、応募先の施設に合ったスキル・能力をアピールすることが重要。
  • 応募先の施設の看護観や求められる資質などは、ホームページや求人票を使って必ず確認しておく。

看護師の自己PR例文15選はこちら(外部サイト)

▼職務経歴書の「自己PR」も作成する際は、下記の記事の例文・解説をチェック!

20.保育・教育

〈例文〉

(1)
6年間保育士として働いてきたなかで、さまざまな業務を計画的に進める力が身に付いたと感じております。

(2)
保育士の業務は多岐にわたる上、園児同士のケンカやケガ、体調不良などの急なトラブル対応も多くあるため、目の前の課題に都度対応しているだけでは対応漏れが発生したり、予定どおりに業務が終わらなかったりと、効率的に動くことができません。そこで私は常に中長期的なスケジュールを意識しながら働くように心がけておりました。

各種イベントや日々のルーティン業務など、事前に把握できるものはそこに必要な業務量や時間を洗い出し、計画表にすることで、イレギュラーな事態が起きてもすぐに調整して計画どおりに業務を進められるようにしました。その結果、職員全体の残業時間の削減や、声をかけあってチームで効率化を考えていくような体制づくりにもつなげることができました。

(3)
こうした計画性は貴社の業務でも活かせるものと考えております。

〈ポイント〉

  • 保育士の業務は多岐にわたるため、それらを的確にこなす計画性や業務遂行能力をアピールするのがセオリー。
  • 加えて、WordやExcelなどを使って作業ができる場合は、何のソフトで何ができるのかを具体例にアピールするのも効果的。

▼職務経歴書の「自己PR」も作成する際は、下記の記事の例文・解説をチェック!

21.IT系

〈例文〉

(1)
社内業務システムの改修作業を通じて発揮した、課題をキャッチアップする力と粘り強さが強みだと認識しております。

(2)
現職では、15年ほど前から社内で使われているレガシーシステムに、たびたび不具合が発生していたことから、上長に再構築の提案を行いました。提案した当初は改修作業の理解が得られなかったのですが、半年ほどかけてシステムの課題とその解決方法、結果の検証手法など詳細を説明したことで、正式なプロジェクトの発足にこぎつけています。

プロジェクト発足後は、関係各所に協力を仰ぎ、現状のトラブル・課題の把握に努めました。その結果、有効な改善策が提案でき、システムを使った業務の効率を平均18%アップさせることができました。

(3)
こうした粘り強さとキャッチアップ力は、貴社の社内SEの実務でも活かせるものと考えております。

〈ポイント〉

  • IT系職種では、関係者との連携をアピールできるような「コミュニケーション力や、プロジェクトの納期厳守をアピールできる「スケジュール管理力にまつわるエピソードが効果的。
  • 技術的なトレンドや、注目される事業の移り変わりが早いため、最新の情報や知識を積極的に習得しようとする姿勢もアピールポイントになる。

▼職務経歴書の「自己PR」も作成する際は、下記の記事の例文・解説をチェック!

22.クリエイター系

〈例文〉

(1)
プロダクトの質を高めるために、主体的に行動する力が強みだと認識しております。

(2)
現職ではWebデザイナーとして、オウンドメディアの新規立ち上げとデザイン作成に携わりました。経験の浅かった時期には、社内の先輩デザイナーに積極的に相談してノウハウを吸収するよう心がけ、業務が軌道に乗り始めてからは、外部のセミナーや同業者との交流の場にも参加して最新の情報を収集するよう努めております。

また、Webディレクターとの連携を強めるために、週1回のミーティングを設定。ユーザーテストの結果やGoogle Analytics等のツールのデータから分析した課題をもとに、改修案の提案と実装、効果検証を行いました。

(3)
こうした主体的に情報収集や提案を行う姿勢は、納期内で品質を最大限まで高めるために必要不可欠なものだと認識しております。これまでの経験を活かし、貴社でも即戦力として貢献できるよう努めたいと考えております。

〈ポイント〉

  • モノづくりを行うクリエイターの場合、納期と完成品の質の両立をアピールする。
  • 業務を通じた成果に加えて、業務外で情報収集や創作活動を行い知識や技術を習得していることも題材として効果的。
  • ディレクターや進行管理を担当している場合は、課題解決力やスケジュール管理能力をアピールするのがおすすめ。その際は、課題の抽出~解決までの経験や、メンバーを巻き込みながら業務を推進した経験を伝えるようにする。

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23.未経験職種(営業から転職)

〈例文〉

(1)
広告代理店の営業職で培った傾聴力と、提案力が強みです。

(2)
前職ではSNS広告の新規営業を担当していましたが、お問い合わせいただいた顧客のニーズを深掘りすると、必ずしもSNS媒体が効果的ではないケースが多々ありました。こうしたケースではSNS広告をそのまま提供するのではなく、顧客に状況を正直に説明したうえで別の広告媒体の提案を行い、成約に繋げてまいりました。

また、商談・成約に繋げる工夫として、問い合わせを頂いた顧客に対し、現在の課題などを深堀りするアンケートを独自に作成して送付しています。その回答を踏まえた施策を提案した結果、9割以上という高い割合で、打ち合わせ時に受注をいただくことができました。

(3)
このように顧客の本来のニーズや課題を聞き出し、それに最も効果的な施策を考え提案する力は、貴社でも活かすことができると考えております。

〈ポイント〉

  • 営業職から未経験職種に応募する場合、応募職種の業務内容と共通点がありそうであれば、営業職の経歴をそのままアピールしてOK。
  • 営業職との共通点が少ない応募職種の場合は、元営業職に期待される「前向きさ」「貪欲さ」「コミュニケーションスキル」などが伝わるようなエピソードを選ぶのがベター。

24.未経験職種(事務から転職)

〈例文〉

(1)
現職では営業事務として2年間、PCツールを使った書類作成や顧客管理、メールや電話での顧客への個別対応を行ってきました。

(2)
なかでも、顧客対応力は評価していただいており、「最後まで気持ちのいいやり取り」を意識して対応してきた結果、お客様満足度アンケートのアシスタントに関する項目で常に高評価をいただいておりました。加えて、社内の優秀者表彰も2度受賞しております。

(3)
未経験ではありますが、PCツールを使った業務の経験と顧客対応力を活かし、一日でも早く貴社に貢献できるよう努めてまいります。

〈ポイント〉

  • 事務職から未経験職種に応募する場合、応募先で活かせそうな事務の経験やスキルをアピールするのがセオリー。
  • 受け身と思われないように、「自分から業務改善の提案をした」といった行動力や主体性が伝わるエピソードもあわせて伝えるのがベター。

25.未経験職種(販売・接客から転職)

〈例文〉

(1)
飲食店のホールスタッフとして5年間勤務した結果、トラブルへの対応力や、コミュニケーション能力が身に付きました。

(2)
前職の勤務先が繁華街の居酒屋だったこともあり、夜は客数が多く、お酒に酔ったお客様同士のトラブル等の問題も日々発生しておりました。

入社当初はただ謝ることしかできなかったり、適切な対応ができずクレームをいただいたりすることが多かったものの、徐々に対処法をその場で冷静に考える力や、お客様の気持ちに寄り添う力が身に付き、適切に問題を解決できるようになりました。現在では、トラブル発生時には積極的にフォローにまわり、ほかのスタッフからも対応ぶりを評価されています。

(3)
医療事務の業務も、医師や看護師の方、患者様など多くの方々に関わるものと認識しております。こうした対応力やコミュニケーション能力を発揮して、貢献できるよう努めてまいりたいと考えております。

〈ポイント〉

  • 販売・接客業から未経験の職種に応募する場合は、接客などで培われたコミュニケーション能力をアピールするのがおすすめ。
  • 作業の正確性やスピードも評価されやすいので、強みとしてアピールしてOK。

思いつかない場合はどうする?アピール内容の探し方

自分の強みのうち、何をアピールすべきかわからない」「エピソードが思いつかない」という人は少なくありません。かといって、焦って過去の経験・エピソードを書き出そうとしても、なかなか思い出せないものです。

そんなときは、下記の3つのステップにそってアピール内容を探してみましょう

結城賢治さん

アピールポイントを見つける際は、まず「応募先が求めている人物像」を理解しておくと、アプローチが効果的になります。相手が特に求めている特徴やスキルに焦点を当て、それに合致する自分の経験や能力を見つけることを意識しましょう。

アピール内容を見つけるのは難しいように感じるかもしれませんが、手順を押さえることでハードルが下がります。具体的には、下記のアプローチで進めるといいでしょう。

ステップ1:企業が求める人物像をリサーチする

繰り返しになりますが、自己PRの目的は転職先が求めている人物像と、自分の経験・スキルがマッチしていると伝えること。

そのため、まずは企業が何を求めているかをリサーチするところから始めましょう。

主な情報源は下記の5種類。求人票の応募要件で書かれているスキルや、ホームページなどに書かれている企業理念から、どんな人物が求められているかを読み取りましょう。

情報源 読み取れる情報・ポイント
求人票などの「応募要件」「応募要項」
  • 業務に必要なスキル・経験が、明確に書かれている。基本的には「必要なものが自分に備わっている」とアピールすることになるため、必ずチェックする。
  • 必須とされているスキル・経験以外にも「〇〇がある人は歓迎・優遇」と書かれている場合もある。もし自分が該当すれば強力なアピールポイントになるため注目。
求人票などの「業務内容」
  • 業務に必要なスキル・経験が読み取れる。中途採用の場合は即戦力採用の傾向があるため、応募先の業務内容と近い業務の経験が求められることが多い。
  • 業務内容を読んでどんな業務なのかを把握することはもちろん、業務のなかでどんなスキルが必要そうかも想像しておく。
応募先のホームページなどの「企業理念」「行動規範」「企業の文化・風土」「社員紹介」
  • 求められる人柄・考え方が書かれており、どんな人が活躍できるか・評価されるかが読み取れる。
  • 「挑戦が歓迎される風土がある」「ユーザー目線での企画に力を入れている」といった企業が大切にしていることに自身の考えや価値観がマッチしていると、アピールポイントになる。
  • また、実際に「活躍している社員の紹介」があった場合、その人物像がそのまま求められる人物像であるケースも多いため、チェックしておく。
企業や在籍社員のSNS
  • 採用や広報の一環として、企業の社風・特徴を発信していることがある。
  • 若手向けの採用活動に力を入れている企業の場合、X(旧Twitter)やInstagramを活用していることも多いので、チェックしておく。
人材支援サービス(転職エージェント)
  • 応募先の企業が求める人物像や、具体的に何をアピールすればいいかを、直接聞くことができる。求人票などから読み取るよりも、具体的かつリアルな情報を聞ける可能性が高い。
  • 転職エージェントによっては、自分のスキル・経験をもとに何をアピールすればいいかの相談にも乗ってくれる。

ステップ2:アピールポイントを決める

ステップ1で調べた「企業が求める人物像」を参考に、どんな経験・能力をアピールしていくかを決めます。

もしスキル・経験が抽象的だったり、数が多かったりした場合は、繰り返し言っている強調しているといった部分をヒントにして最も求められていそうなことを絞り込んでいきましょう。

企業が求めていそうなことを言語化する際は、下記の「よくあるアピールポイント」の例を参考にしてみてください。 

〈よくあるアピールポイント〉

  • 協調性
  • 責任感
  • 向上心
  • 傾聴力
  • コミュニケーション能力
  • リーダーシップ
  • 業務の効率化
  • チャレンジ精神
  • 主体性
  • 柔軟性
  • 集中力
  • 計画性
  • 忍耐力

ステップ3:根拠となるエピソードを集める

自己PRのアピールポイントが決まったら、アピール内容の根拠となるエピソードを集めましょう。

エピソードは、基本的に「自身やチームの課題を、どんな行動によって、改善・解決したか」を伝えるのが鉄板です。納得感のあるエピソードになるように、下記の6つの情報を集めておきましょう

〈アピール内容の根拠として集めたい、6つの情報〉

  1. 今までの業務内容やスキル
  2. 自身やチームが抱えていた課題
  3. 仕事のスタンス・考え
  4. 解決・改善のための行動
  5. 結果
  6. 入社後にどのような影響を与えられそうか

たとえば「主体性」が求められている企業の場合は、下記のように主体性を発揮した際の情報を集めてみましょう。 

 1.今までの業務内容やスキル
  • 精密機械の生産管理として、8名のチームで動いていた。
 2.自身やチームが抱えていた課題
  • 急なトラブルに迅速に対応できる体制が整っておらず、欠員発生時などに混乱が生じていた。
 3.仕事のスタンス・考え
  • 現状を放置せずに、トラブルに対応できる体制を整えるべきだと考えていた。
  • トラブルへの対応力を上げるためには、チームワークが大切だと考えていた。
 4.解決・改善のための行動
  • 過去のトラブルとその対応策を自発的にまとめ、共有した。
  • チームメンバーへ自分から積極的に声をかけて、コミュニケーションの促進を図った。
 5.結果
  •  (自分が主体的に動いたことで)トラブル発生時の対応フローが決まり、対応時間の短縮を実現した。
 6.入社後にどのような影響を与えられそうか
  • 業務改善への取り組みを提案することができる。
  • チームワークを円滑にする動きができる。

情報が集まったら「3つの要素で完成!自己PRの書き方」の章や例文を参考に、自己PRの文章形式でまとめ直しましょう。

自分では普通だと思っていることも、アピールに使える!

「自分の強み」「根拠となるエピソード」と言われても、具体的なイメージがつかないという人もいるでしょう。「自分にはアピールできるような強みやエピソードはない」と思ってしまう人も多いかもしれません。

ただ、実際のところ自己PRに書くのは「普通のこと」で問題ありません

下記の記事では、若手キャリア支援のプロから聞いた、企業に刺さる「強み」の考え方や盛り込むエピソードの洗い出し方を紹介しているので、チェックしてみましょう。

【Q&A】履歴書の自己PRに関する、よくある疑問

この章では、履歴書の自己PRに関するよくある質問に回答します。

Q. 面接では、履歴書の内容をそのまま伝える?

A. 面接も内容は同じでOK。長さは1分程度で

面接で自己PRを聞かれたときも、応募書類に記入した内容と同じものを答えてOKです。

ただし、話す時間の目安は1分程度のため、文字数だと300字ほどにまとめる必要があります。

履歴書に記入した内容をコンパクトにまとめつつ、面接の場では「どのような思いで仕事をしていたのか」といったスタンスや意気込みなど、マインド面の内容を補足すると説得力が増すので意識してみましょう。

▼面接での自己PRの答え方について、くわしくは…

Q. 志望動機や特技、長所との違いは?

A. 伝える内容・役割が異なるので注意

志望動機や特技、長所は、いずれも自分の強みなどをアピールする欄ですが、下記のように伝える内容・役割が異なります。

▼各欄で伝える内容・役割の違い 

 自己PR
  • 企業が求めていることに対して、これまでの経験・スキルが応募先にマッチしているかどうか(=入社後に活躍できそうか)を伝える。
 志望動機
  • 入社意欲の高さや、入社する明確な理由があるかどうか(=納得感があるか)を伝える。
 特技
  • 業務には直接的に関係ない内容から、自分の「人となり」(=企業の社風と合うか)を伝える。
 長所
  • 企業からは求められていないが、業務に活かせそうな自分の優れている点を伝える。

特に違いがわかりにくいのが、自己PR長所です。

自己PRは「企業が求めていることを、自分が満たしているとアピールする」もの。それに対して長所は「企業からは求められていないが、自分の優れている点を売り込む」ものです。

自己PRには書けなかった強みをアピールする欄として、長所欄を活用するといいでしょう。

▼長所の書き方と例文について、くわしくは…

履歴書のほかの欄の書き方もチェック!

自己PR以外の欄書き方・例文を下記の記事にまとめています。まだ記入していない場合は、こちらもチェックしてみてください。

▼「志望動機」の書き方

▼「趣味・特技」の書き方

また、下記の「履歴書の書き方ガイド」では、「本人希望欄」や「扶養家族欄」なども含めた、履歴書にあるすべての欄の書き方を解説しています。封筒の書き方や送付状の作り方など、企業への提出マナーについても紹介しているので、よければ確認してみてください。

(文:転職Hacks編集部 久保田敦大)

この記事の監修者

キャリアアドバイザー

結城 賢治

株式会社クイック 最高人事責任者/上席執行役員

株式会社クイックに新卒入社。20年以上にわたりキャリアアドバイザーとして転職支援に携わり、企業の採用戦略にも精通している。コーチングの手法を取り入れ、求職者と伴走しながら個人の可能性を引き出すキャリアコンサルティングが強み。求職者からの信頼も厚く、転職後のキャリア相談の依頼も多い。現在は最高人事責任者として、自社の採用・育成・評価制度を牽引。新卒・中途採用の面接官も務める。キャリアコンサルティング技能士の資格も保有している。

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