【例文4つ】受かる志望動機 化学メーカーの生産技術・プロセス開発
化学メーカーの生産技術・プロセス開発に転職する際、企業に評価される説得力ある志望動機をまとめるにはどうしたらいいのでしょうか。
化学メーカーの生産技術・プロセス開発の志望動機の書き方のほか、すぐに使える例文などを紹介します。
評価される生産技術・プロセス開発の志望動機とは?
生産技術・プロセス開発の志望動機が評価されるかどうかは、大きく次の2点にかかっています。
〈評価される志望動機のポイント〉
- 「転職理由」と「応募した理由」に一貫性がある
- これまでの経験とキャリアビションを踏まえた貢献イメージが描けている
「転職理由」と「応募した理由」に一貫性があるか?
志望動機に説得力を持たせるには、「なぜ転職を考えたのか」という転職理由と一貫性がある応募理由を伝えることが大切です。つまり、採用担当者に「その理由で転職を考えたなら、自社を選んだことに納得できる」と感じてもらう必要があるのです。
仮に、「幅広い経験をしたいから転職を決意した」という人が「専門性を高めたいから」という理由で応募してきたらどうでしょうか。おそらく、ほとんどの採用担当者が「自社のことをわかっていないのでは?」「本気で入社したいのかわからない」といった評価をすることでしょう。
貢献イメージが描けているか?
採用担当者は、自社について理解したうえで、「この会社でこんな仕事をしたい」という明確な意思を持った人を採用したいと考えています。そのため志望動機では、「その会社に応募した理由」に加えて、「入社後はどのように貢献したいのか」という具体的なイメージを伝えることが大切です。
ポイントは、あなた自身のこれまでの経験とキャリアビジョンを踏まえた貢献イメージが描けているかどうか。そこがクリアできていれば、「なんとなく」とか「単なる憧れ」ではなく、募集ポジションと自身の経験・スキルとの親和性をしっかり考え、熱意を持って応募したことが伝わります。
志望動機を書くために必要な2つのこと
上記のポイントを押さえて、説得力ある志望動機を作るためには、次の2つを整理しておくことが大切です。
「転職を考えたきっかけ」を「応募理由」に変換する
「転職理由」と「応募理由」に一貫性を持たせるため、まずは、今までの業務経験を振り返り「転職を考えたきっかけ」を洗い出しましょう。
きっかけは現職に対する不満でもかまいません。現職の不満を面接で口にするのはNGですが、不満をきっかけに転職を考えるのは何もおかしなことではないからです。
大切なのは、その不満を前向きな転職理由に変換すること。不満を感じるということは、何か叶えたいことがあるはず。自分が何を不満に思っていて、本当はどうしたいのか、つまり「転職で叶えたいこと」が何なのか考えてみましょう。
たとえば、「業務範囲が限られていて幅広い経験を積めない」のであれば、「幅広い製品の生産に携われる環境で経験を積みたい」といった前向きな転職理由に変換できるはずです。
(例)生産技術・プロセス開発への転職のきっかけ→叶えたいこと
- (経験者)大量生産の体制が敷かれており、技術者1人の業務範囲が限られていて幅広い経験を積めない→多品種・少量生産で幅広い製品の開発に携わりたい
- (未経験者)現職は製造現場と遠くやりがいが感じられない→ものづくりの現場に近い生産技術職として働きたい
…など
応募先企業のどんなところが希望とマッチするのか
「転職で叶えたいこと」が明確になったら、応募先企業のどんなところが自分の希望とマッチするのか整理してみましょう。求人票や採用ページはもちろん、口コミサイトなどもチェックして、あらかじめ応募先の特徴や強みをつかんでおくとスムーズです。
「幅広い製品の生産に携われる環境で経験を積みたい」なら、「特殊製品を含めて◯◯種以上の製品ラインナップがある点に魅力を感じた」といったように、「転職理由」と「応募した理由」に一貫性を持たせることができます。
活かせる経験/スキル・資格
次に、入社後に「活かせそうな経験/スキル・資格」を整理しましょう。
職務経歴書とは違い、志望動機では経験や資格の有無が問われるわけではありません。これまでの業務経験や身につけたスキル・資格と、応募先で叶えたいことに一貫性があるか、経験やスキルを踏まえた具体的な活躍イメージを描けているかが評価のポイントとなります。
「○○の経験を活かして貢献したい」といった形で、志望動機を通して過去の経験/スキル・資格もアピールできると「自社に入社しても活躍してくれそうだ」と評価される可能性が高まります。
(例)化学メーカーの生産技術・プロセス開発職で活かせる経験
- 化学系の学科・学部卒
- 生産量アップに貢献した経験
- 製造コスト削減に貢献した経験
…など
(例)化学メーカーの生産技術・プロセス開発職で活かせるスキル・資格
- 危険物取扱者の資格
- QC(品質管理)検定
- 生産技術者マネジメント認定
- CAD利用技術者試験
- 情報処理技術者試験
- ビジネスレベルの英語力(目安:TOEIC750)
…など
応募先の採用ニーズに合った経験・スキルを伝える
入社後の貢献イメージを具体的に描くためには、まず応募先企業の業務内容や、そこで求められるスキル・経験を理解することが必要です。
求人票などから「具体的な仕事内容」「必須/歓迎要件」をよく確認して、企業の採用ニーズに合う経験・スキルを踏まえて貢献イメージを伝えましょう。
化学メーカーの生産技術・プロセス開発の志望動機の書き方
ここでは、化学メーカーの生産技術・プロセス開発の志望動機の書き方を解説します。
まず、生産技術・プロセス開発の志望動機の基本構成と、その構成にしたがって作成した例文を確認してみましょう。
〈生産技術・プロセス開発職の志望動機の例文〉
- 貴社を志望したのは、多種多様な製品の開発に携われる点に魅力を感じたからです。
- これまで化学メーカーで生産技術職として約4年間、◯◯のプロセス開発に携わってきました。現職は、特定の製品の大量生産がメインで、開発に携われる製品が限られているため、幅広い製品プロセス開発を積みたいと考えて転職を決意しました。貴社は特殊製品の開発に力を入れており、他社では見られない製品を含めて◯◯種以上の製品ラインナップがあることに加え、多種製品の特殊な反応器や製造プロセスを扱えることに魅力を感じております。
- 現職では、製品の触媒活性を向上させることで製造コストの◯%削減に貢献しました。この経験を活かして貴社でもコスト削減や生産力アップに貢献したいと考えておりますので、面接の機会をいただけると幸いです。
(344文字)
それでは、この基本構成にしたがって、志望動機の作り方を具体的に見ていきましょう。
1.応募した理由(結論)
志望動機の書き出しではまず、応募した理由を結論として一言で述べます。「○○に魅力を感じた」「○○に携わりたい」などと、応募先に惹かれたポイントを端的に伝えるのがおすすめです。
〈応募した理由(結論)〉
- 貴社を志望したのは、多種多様な製品の開発に携われる点に魅力を感じたからです
志望動機の書き出しに明確なルールはありませんが、表現に迷う場合は、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。
2.その背景やエピソード
次に、なぜ転職しようと考えたのか(転職理由)と、その企業のどんなところに魅力を感じたのか、応募した背景や裏付けとなるエピソードを記載します。
転職理由と応募した理由に一貫性があるか、ここで改めて確認しておきましょう。
〈転職理由〉
- 幅広い製品プロセス開発に携わりたいと考えて転職を決意しました
〈魅力を感じた点〉
- 他社では見られない製品を含めて◯◯種以上の製品ラインナップがあることに加え、多種製品の特殊な反応器や製造プロセスを扱えることに魅力を感じております
3.入社後の意気込み
最後に、入社後の意気込みを語って締めます。現職(前職)での経験を活かしていきたいという姿勢をアピールするとよいでしょう。あわせて、応募先の採用ニーズとマッチする業務経験と身につけたスキルを記載できると、入社後の活躍イメージを抱いてもらうことができるでしょう。
締めくくりの表現に迷う場合は、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。
【4パターン】化学メーカーの生産技術・プロセス開発職の志望動機の例文
ここでは化学業界の生産技術・プロセス開発職の志望動機の例文を、4つのパターンに分けて紹介します。
化学メーカーに転職する場合
〈例文〉
- 貴社を志望したのは、少数精鋭で製品プロセス開発に携われる点に魅力を感じたからです。
- 現職の化学メーカーでは生産技術職として約4年働いており、現在は農業用薬品を開発するプラントのプロセス開発に携わっています。今の職場は◯人規模の大人数で1プロジェクトを担当するため、個々の業務範囲が限られています。自身のキャリアを考えたときに、将来的には製造工程全体を管理する立場として活躍したいと思い、技術者一人ひとりの業務範囲が広い企業への転職を決意しました。貴社の生産技術部門は少数精鋭の体制で入社3年目からプロジェクトの管理者として活躍できると伺い、そのような環境で経験を積みたいと考えております。
- 現職では、製品の乾燥工程を細かくデータ分析して改善し、単位時間あたりの生産量○%アップに貢献しました。この経験を活かして貴社でも生産性の向上に貢献したく存じます。
(377文字)
〈おさえておきたいポイント〉
- 現職で身につけたスキルや経験のうち有用なものを記載し、即戦力になれることをアピールする
- 応募先の企業でどのようなキャリアを実現したいのか説明し、同業種から転職する背景に説得力を持たせる
自動車部品メーカーから化学素材メーカーに転職する場合
〈例文〉
- 貴社を志望した理由は、多種多様な有機化学製品の生産に携われるためです。
- 現職では自動車部品メーカーで約5年間、内外装部品のプロセス開発を担当しています。現職で合成樹脂の部品を数多く扱った経験から化学素材そのものに興味を持ち、「樹脂に限らずさまざまな化学素材のプロセス開発を経験したい」と考え、転職を決意しました。貴社は業界のなかでも合成樹脂やバイオマス素材など幅広い化学素材を開発・製造していることに加え、作業負荷が少ない独自の生産技術体制を構築して業界トップクラスの生産性を実現していると伺い、魅力を感じております。
- 現職ではプロジェクトの主担当として製造工程の改善に取り組み、◯%の省力化に貢献しました。貴社でもこの経験を活かして生産工程のコスト削減や生産量向上に貢献したく存じます。
(345文字)
〈おさえておきたいポイント〉
- 志望動機の納得感を出すために、異業種に挑戦することにした理由を具体的に説明する
- 異業種で培ったスキルや知識をどのように活用して応募先の企業に貢献したいかを説明する
化学メーカーの品質管理から生産技術に転職する場合
〈例文〉
- 貴社を志望した理由は、品質管理の経験を活かして製造現場に近い仕事ができる点に魅力を感じたからです。
- 現職では、塗料系メーカーで品質管理職として約2年半働いています。品質管理としての経験を積むうちに、「塗料の製造工程により直接的にかかわりたい」「ものづくりの現場に近い仕事がしたい」という思いが強くなりましたが、現職では職種変更が難しいため転職を決意しました。貴社は同じ塗料系メーカーのなかでも製造現場に近い生産技術職へのキャリアチェンジが可能で、現職での経験を活かして働けるのではと考えております。
- 現職では品質管理検定を取得し、原材料メーカーへの問い合わせや顧客対応なども経験しました。生産技術職の経験はありませんが、貴社でもこの幅広い業務経験を活かして効率的な製品生産に貢献したいと考えております。
(352文字)
〈おさえておきたいポイント〉
- 生産技術の業務に興味を持ったきっかけや理由について伝える
- 異業種で培ったスキルや知識をどのように活用して応募先の企業に貢献したいかを伝えられるとよい
設計開発から生産技術に転職する場合
〈例文〉
- 貴社を志望した理由は、製造工程の最終段階に携わり品質の向上に貢献したいと考えたからです。
- 現職の化学メーカーでは約4年間、化学反応を用いた自動車安全装置の設計開発を担当しています。設計段階でよい結果が出せたとしても、製造過程の課題で理想のものづくりができない状況に悔しさを感じたことから、生産技術職へのキャリアチェンジを考えるようになりましたが、現職では異動が難しいため転職を決意しました。貴社は化学工学を活用した安全装置の製造を数多く行っているため、未経験でも現職の経験を活かせると考えております。
- 現職では自主的にPDCAを回して業務改善を行い、開発期間の◯%短縮に成功しました。貴社でもこの向上心を忘れず、いち早く生産技術の知識・スキルを身につけて貢献したいと考えておりますので、面接の機会をいただけますと幸いです。
(361文字)
〈おさえておきたいポイント〉
- なぜ生産技術に興味を持ったのか、その理由と、現職では異動が難しいことを伝え、説得力を持たせる
- 未経験職ではあるものの、活かせる能力や経験、意気込みをアピールする
志望動機の不安を解消するには?
志望動機は合否に関わる大切な質問項目。一度書き終えたからといって気を抜かず、採用担当者の印象に残る内容になっているか、時間を置いて読み直しましょう。
下記の記事では、志望動機を書く上での大切なポイントや、効果的なアピールにつなげるためのコツなどについて解説しています。
こちらもあわせてチェックしておきましょう。
この記事の担当者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。