場所や準備も紹介 電話面接を受ける際のマナーは?
中途採用の選考で実施されることのある電話面接。
マナー違反にならないために準備すべきもの、電話面接ならではの注意すべきポイントを解説します。
電話面接で気を付けたいマナー・コツ4選
電話面接は対面の面接と異なり表情などが伝わらないため、言葉でハッキリと伝えることが重要です。
ここでは電話面接で気を付けておきたいマナーや注意点をご紹介します。
静かな場所で面接を受ける
電話面接は自宅やオフィスなど、静かな場所で受けましょう。
周囲が騒がしい状況では言葉が伝わりづらく、せっかくのアピール内容が面接官に伝わらない可能性があります。
また面接官の言葉も聞き取りづらくなるため、質問内容がわからずスムーズに答えられなくなる恐れも。
騒音が少なく、周囲を気にせず落ち着いて話せるような場所を選ぶことが重要です。
最初の自己紹介からハキハキ話すことを意識する
電話を介すことで声がこもってしまうため、ハキハキ話すことを意識しましょう。ボソボソと小さい声で話すと、面接官に言いたいことが伝わらず、損をしてしまいます。
電話面接では表情が見えないため、声や話し方だけで第一印象が決まります。対面の面接と同様にはっきり明るい声で話しましょう。
話し始めの「えー」「あー」を控える
話し始めの「えー」や「あー」といった無意味な言葉は控えましょう。
面接では質問に対して端的に答える能力が問われます。質問と関係のない回答や、伝えたいことがわかりづらい表現は評価に悪影響を与えます。
面接官からすぐに答えられない質問があった場合は「えー、あー」という言葉で間をつなぐのではなく、「少し考えさせていただいてよろしいでしょうか」と申し出ることも方法の一つです。
立ち歩きで話すと声が出やすい
絶対ではありませんが、電話面接は立ち歩きで話すのがおすすめです。
椅子に座りながら電話をしていると姿勢が崩れ、声がこもりやすくなるため、背筋を伸ばして立ち歩きながら話したほうがハキハキ話すことができるのです。
あわせて時折笑顔を作るようにすることで、声のトーンが上がり好印象を与えられます。
一方、立ち歩きだとメモを取りづらいという側面もあります。メモを取りたい場合は背表紙が固いノートやバインダーを使うのも良いでしょう。
電話面接の前にやるべき準備とは?
電話面接で用意しておくと役に立つものをご紹介します。
対面の面接と異なり、面接中に使えるものの自由度が高いため、できる限りの準備をして面接に臨みましょう。
電話面接中に使える5つのアイテム
1メモ・筆記用具
面接で聞き取った情報を記録するため、メモと筆記用具を用意しておきましょう。
逆質問の回答など、面接官から聞いた話をメモして見返すことで、応募企業の理解に役立ちます。
また、質問された内容をメモしておくと他の会社の面接対策にも利用できるため、余裕があれば実践してみてください。
2履歴書などの提出した書類のコピー
履歴書や職務経歴書など、応募先に提出した書類のコピーを用意しておくと、面接中に記載した内容が確認できるため役立ちます。
対面の面接では面接中にメモを見ることはできませんが、電話面接の場合は提出書類を見ても問題ありません。
提出書類を見なくても頭の中に入っている状況がベターですが、不安であれば手元に用意しておくと安心できるでしょう。
3想定される質問への回答をまとめたメモ
自己PRや志望動機など、想定される質問内容に対する回答をまとめたメモを用意しておきましょう。
メモを見ながらであれば、頭の中で回答を思い出す作業がなくなるため、より余裕をもって回答することができます。メモを確認しながら回答できるのは、電話面接ならではの利点といえるでしょう。
ただし、メモに書いた文章をそのまま読み上げるのは避けましょう。棒読みになって、不自然な印象を与えかねません。メモは伝えたい要点を箇条書きにする程度におさえましょう。
4面接官への逆質問をまとめたメモ
逆質問は事前に準備しておきましょう。
電話面接であっても、対面の面接と同様に応募者から面接官へ逆質問をする時間が設けられます。いくつかの逆質問をメモに書いて手元に置いておくと、慌てることなく質問ができます。
※詳しくは→転職の面接対策 よくある質問34例と、評価を高める逆質問
5スケジュール帳
次回選考の日程を電話面接の中で決めることもあるため、スケジュール帳を用意しておきましょう。
他の応募中の会社から選考日の連絡待ちなど、すぐに回答ができない場合は「◯◯日までにご連絡させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」と連絡する期日を伝えれば失礼に当たりません。
自己PRなどよくある質問に対する回答を用意
面接でよく聞かれる質問と回答をまとめておくと、本番で慌てることなく回答することができます。
ここでは、よく聞かれる3つの質問例と回答例をご紹介します。
(1)自己PRに関する質問と回答例文
質問例「あなたの自己PRをしてください」
私の強みはヒアリングを通じた課題解決力です。
私は食品メーカーで営業職に携わってきました。商品の差別化が難しいこともあり、お客様へのメリットのある提案が難しかったのですが、お客様の課題を見つけるため、ヒアリングの回数を重ねることで提案の質も上がり、目標の120%増の結果を残しました。
御社ではこうしたヒアリング力や課題解決力を生かし、即戦力として貢献したいと考えています。
答え方のコツは「前向きな姿勢を伝えること」と「論理的に話すこと」です。
「◯◯を生かして、御社に貢献したい」のように、前向きな表現にすると意欲の高さを伝えることができます。
※詳しくは→転職を成功させる!履歴書への自己PRの書き方&例文集
(2)キャリアプランが問われる質問と回答例
3年後の自分はどうなっていたいですか?
営業職のリーダーとして、御社の営業チームを引っ張っていきたいです。
1年目は営業サポート・同行に積極的に取り組み、実践を積むことで法人営業をやっていく上で重要なことを理解します。特に貴社の営業の仕事のなかでも基礎となるルート営業に注力していきたいと考えています。
2年目はコンサルの経験を生かして、企画営業の仕事に挑戦し全体のマネジメントにも加わることを目標とします。ルート営業、企画営業を経験することで3年目には営業チームのリーダーとして、会社に貢献できる人材となります。
答え方のコツは「具体的な仕事を例に挙げて話すこと」です。
仕事の規模や難易度を理解し、順序立てて説明できるようにしましょう。
(3)企業の理解度が問われる質問と回答例文
当社についてどのようなイメージをお持ちですか?
私は御社に対して、先進的で多様性があるイメージを持っています。
これは、個性のコラボレーションを重んじる企業理念が全社員に浸透しているからだと考えます。
AIアプリケーション開発の事業を展開している点にも、先進性や多様性を受け入れる企業文化を感じます。それは、私が御社に関心を持った点でもあります。
答え方のコツは「企業で働くイメージがついていることを伝えること」です。
応募企業のホームページや業界紙などに目を通し、事業内容や業務内容について理解を深めておきましょう。
※詳しくは→転職の面接対策 よくある質問34例と、評価を高める逆質問
コラム:電話面接はどんなときにするの?
外資系企業の海外で働くポジションに応募する場合、一次面接を電話で行うのが一般的です。
勤務地が遠方になる場合、対面での面接はコストがかかるため、実際に会うべきかどうかを判断するためです。
外資系企業の電話面接の内容は日経企業と大きくは変わらず、経歴、志望動機などについて質問を受けます。
面接官とのやり取りが英語であったり、英語能力についての質問を受けたりする場合もあります。英語を使う職種を受ける場合は、英語での面接に対応できるよう準備が必要です。
また、自動車工場などの期間労働では、遠方から応募する人も多いため、電話で面接を行うことがあります。
電話面接で使えるフレーズ
場面ごとのフレーズを覚えておくと、電話面接でも慌てることがありません。フレーズには以下のようなものがあります。
<担当者を呼び出すときのフレーズ>
「採用ご担当の◯◯様にお取り次ぎいただけますでしょうか?」
<話の内容を確認する場面のフレーズ>
「◯◯ということですね?」
<声が聞き取りづらい場面のフレーズ>
「電波の状態が悪いようですのでもう一度お願いできますでしょうか?」
「少々お電話が遠いようです。もう一度お願いできますでしょうか?」
<お礼を述べて電話を切る場面のフレーズ>
「本日はお忙しいなか、ありがとうございました。失礼いたします。」
※面接での電話の流れ・マナーについて詳しくは→面接の電話、応対方法総まとめ
まとめ
電話面接では面接を受ける場所や声のトーンなどに注意すれば、面接官からマナー違反と思われる心配はありません。
また、事前に用意したメモを見ながら受け答えすることで、対面の面接よりも落ち着いて面接を受けることができます。この記事を参考にして電話面接を有利に進めてください。