履歴書の郵送マナー 履歴書を簡易書留で送るのは失礼?
履歴書を企業に送るとき、簡易書留や速達など、さまざまな郵送方法があります。一体どれがふさわしいのでしょうか。
採用担当者に悪印象を抱かれないための履歴書の郵送マナーを解説します。
履歴書を簡易書留で送るのはNG?
簡易書留ではなく普通郵便が無難
履歴書を郵送する際は、簡易書留などは使わず普通郵便(定形外郵便)で送るのが無難。
「特に郵送方法は気にしない」という企業もありますが、簡易書留では受取人が受領印を押すという手間がかかるため、忙しい企業では迷惑に思われるリスクはあります。
転職Hacks編集部が実際に人事担当者に話を聞いたところ、「正直なところ一概にはいえない。社風や職種によってはマイナスの印象を与えるかもしれない」という声も。
たしかに、秘書・総務などの事務職や、礼節を重んじる企業に簡易書留で履歴書を送れば「一般常識に欠けている」と思われる可能性もあります。
履歴書の郵送方法に迷う場合は、簡易書留ではなく普通郵便で送りましょう。
すでに履歴書を簡易書留で送ってしまっていたら?
「既に簡易書留で送ってしまった」と後悔している方もいるかもしれません。しかし、郵送方法だけを理由に採用の可否が決まることは通常ありません。応募書類自体はしっかりと作成できているなら、必要以上に悔やむことはないでしょう。
そもそも簡易書留とはどんなときに使うの?
簡易書留とは、重要書類を届けたいときに最適な郵便サービス。主に以下のような特徴があります。
- 日曜・祝日も配達してもらえる
- 引き受けと配達の記録が残る
- 郵便物は手渡しなので安心
- 万が一荷物が紛失・破損しても5万円まで補償される
履歴書を普通郵便で送るときのポイント
(1)封筒は「白・A4サイズ」
履歴書を送る封筒は白色・A4サイズ(角形2号)がおすすめ。
色は白・茶のどちらでも構いませんが、白い封筒の方がよりオフィシャルな印象を与えられます。また、A4サイズ(角2号)の封筒なら、履歴書を折らずに入れられます。
(2)書類を順序を揃えて入れる
応募書類は、上から「1.送付状(添え状/カバーレター)→2.履歴書→3.職務経歴書→4.その他書類」の順で重ねて入れましょう。
書類が折れたり雨に濡れたりしてもダメージが少なく済むように、クリアファイルに入れることもポイントです。
送付状のテンプレートは、下記の記事でダウンロードできます。
(3)宛名は太めの黒ボールペンで書く
太めの黒ボールペンで宛名を書きましょう。細めのものだと字が読みづらくなってしまいます。また、宛名は個人宛なら「◯◯様」、会社・部署宛なら「◯◯会社(部)御中」としましょう。
(4)「履歴書在中」は表面左下に赤字で
重要書類であることがひと目でわかるよう、封筒表面の左下に赤字で「履歴書在中」と書き、定規で四角く囲みます。「履歴書在中スタンプ」を使えばスタンプを押すだけで済むため簡単です。スタンプは100円ショップや文房具店で販売されています。
「履歴書在中」が必要な理由・書き方について、くわしくは下記の記事をチェックしてください。
(5)履歴書は郵便局から送る
料金不足による返送を防ぐため、履歴書は郵便局の窓口から送ると安心です。万が一料金不足が発覚した場合、郵便物は自分のもとに返送されるか、受取人が不足金額を支払った上で受け取ることになります。
企業の担当者に不足金額を支払わせては失礼なので、履歴書はできる限り郵便局に持参し、重さを測ってもらいましょう。
また、土日・祝日・夜間など、郵便窓口の営業時間外に履歴書を提出したいときは「ゆうゆう窓口」を利用すると便利です。なお、ゆうゆう窓口を設けているのは一部の郵便局のみで、営業時間も窓口ごとに異なります。
※近くのゆうゆう窓口を探すときはこちら→ゆうゆう窓口・集荷に関する連絡先を調べる|日本郵便
(6)切手の料金は140円が一般的
履歴書を普通郵便で送るとき、切手料金は140円(100g以内)になることが多いようです。
履歴書1セット(履歴書1枚、職務経歴書1枚、送付状1枚、クリアファイル1枚、角2封筒1枚)の重さは約60~70gになるからです。
日本郵便のサイトで詳しい料金計算ができます。
※詳しい切手料金はこちら→手紙(定形・定形外)の料金計算|日本郵便
切手料金や切手の貼り方について、くわしくは下記の記事で解説しています。
履歴書の郵送にまつわるQ&A
履歴書を郵送する際に気になるポイントをQ&Aでお答えします。
普通郵便で送った場合、何日で届く?
通常2~3日(※日曜・祝休日の配達はなし)で届きます。
居住地域や投函時間によって異なりますが、通常2~3日で届きます。
普通郵便では日曜・祝休日の配達を行っていないため、より早く届けたい場合は速達にすると良いでしょう。通常料金プラス290円で土日祝日も対応可、半日~1日程度早く届けることができます。
また、配達日指定では、平日指定ならプラス32円、休日指定ならプラス210円で利用可能です。
配達日指定は、差出日の翌々日から10日間(例えば4月1日に差し出した場合は4月3日から12日まで)指定できます。
※正確な配達日数の計算ツールはこちら→お届け日数を調べる|日本郵便
企業から受け取った連絡がない場合は?
連絡が来ないのが一般的。どうしても不安なら追跡サービスを利用しましょう。
履歴書を送ったあと、企業から何も連絡がないときちんと受け取ってもらえたか不安になるかもしれません。
しかし、特に大企業ともなれば何百通もの履歴書を受け取っており一人ひとりに返信する時間がないため、連絡を行わないことが普通です。書類選考が終わるまで連絡を待ちましょう。
それでも不安な場合、受取時に受領印のいらない特定記録郵便を利用してインターネットで追跡確認することをおすすめします。
履歴書を速達や特定記録で送るのはOK?
履歴書は普通郵便で送るのがキホン。
速達や特定記録郵便など、簡易書留以外の郵送方法はどうでしょうか。
- 速達…締切が近いなど、急いでいるときならOK
- 特定記録郵便…配達状況が気になるならOK
- ゆうメール・宅急便…ポストに届くとは限らないのでNG
【速達】急いで届けたいときはアリ
提出の締切が近く、履歴書を急いで届けたいときは速達を使ってもOK。
距離や投函時間にもよりますが、速達を使えば基本的には翌日中に届けることができます。速達は、通常の郵送料金プラス260円で利用でき、土日祝日も配達してくれます。
速達を使ってできる限り履歴書を早く届けるポイントは以下の2つです。
- ポストではなく郵便局から出す(できれば本局で)
- 朝一番に出す
速達はポストではなく郵便局に直接持ち込むのがおすすめ。
ポストから送ることもできますが、集荷・振り分け作業の手間が生じるため、投函した時間帯によっては若干のロスがあります。
また、朝一番に郵便物を提出すると良いでしょう。普通郵便では1日1回の配達ですが、速達であれば1日3~4回配達されます。持ち込むタイミングが早いほど、届くタイミングも早くなります。
速達をポストから送るときは?
ポストから速達で履歴書を送る際は、封筒の右上に赤い線を入れればOK。赤い線だけでは心もとない方は、封筒左下に「速達」と書き、四角く囲んで目立つようにしましょう。
そもそも期限ギリギリで送らない
履歴書を速達で送るのはNGではないものの、そもそも履歴書を期限ギリギリに送るのは避けましょう。
期限が迫り、気持ちの余裕がなくなると、宛名の書き損じや書類の入れ忘れなどのミスが生じやすくなります。
また、雑に文字が書かれていたり書類の入れ方が正しくなかったりすると社会人としての資質不足を疑われる可能性もあります。履歴書はなるべく余裕を持って郵送しましょう。
速達で送ることに対して採用担当者が抱く印象や、くわしい配達日数については、下記の記事で解説しています。
【特定記録郵便】配達状況が不安ならOK
「履歴書がきちんと届いたか心配…」など、配達状況が不安な場合、受取人の受領印が必要ない特定記録郵便を利用しても良いでしょう。
インターネット上で配達状況を確認でき、通常の料金にプラス160円で利用可能です。ポスト投函はできず、郵便窓口からのみ送ることができます。
特定記録郵便と簡易書留の主な違いは、以下の表の通りです。
簡易書留は350円、特定記録郵便は160円と料金に差があることからもわかるように、簡易書留の方が特定記録郵便よりもきめ細かいサービスを受けられます。ただし前述の通り、簡易書留では受取人に直接手渡しになるので企業にとって手間になることも。履歴書を郵送する際には使わないようにしましょう。
【メール便や宅配便】ポストに届くとは限らないのでNG
履歴書をメール便や宅配便で送るのはやめましょう。多くの人が普通郵便などで郵送する中、メール便や宅配便で送ると、企業によってはポストに投函されないこともあり、採用担当者があなたの履歴書に気づかないままになってしまう可能性があるからです。
そもそも履歴書などの「信書」は法律上、メール便や宅配便で送ることができないとされているため、メール便や宅配便で送るのは非常識と取られる恐れもあります(郵便法第4条)。
履歴書は普通郵便(定形外郵便)で送りましょう。
まとめ
履歴書を簡易書留で送るのは、送り先の担当者の手間になる可能性もあるので避けましょう。
普通郵便で郵便局の窓口から送るのが一般的ですが、必要に応じて速達や特定記録郵便を使っても良いでしょう。
履歴書の郵送は、就職・転職活動において内定というゴールを掴むまでの“最初の一歩”です。郵送マナー次第で採用担当者の印象が変わる可能性もあるため、マナーを守って就職・転職活動を進めましょう。
この記事の担当者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。