企業の本音は?面接で聞かれる? 履歴書への空白期間の書き方

職歴に空白期間があると「転職に不利なのか?」「履歴書にはどのように書けばいいのか?」といった不安や疑問を感じる人も多くいるでしょう。

ここでは、応募先の企業に空白期間をマイナスに捉えられないための履歴書の書き方を解説します。病気療養や資格取得など、離職していた理由別の例文も紹介しています。

企業は空白期間(ブランク)をどう見ている?

企業が転職者から知りたいと思っていることは「今までどのような経験をしてきて」「転職(入社)してどのようなことを実現したいのか」ということです。

このため、職歴に一定の空白期間(ブランク)があったとしても、離職した理由やその間にどのようなことをしていたのかしっかりと説明できれば特段問題はありません

その説明が企業を納得させるものであれば、空白期間自体が合否に影響する可能性は低いでしょう。

嘘はNG。退職理由は正直に書こう

空白期間を隠すために、退職時期をわざと後ろにずらしたり、実際には取り組んでいないのに「資格勉強のため」など、自分を良く見せるための虚偽の退職理由を記載したりすることは避けましょう。

嘘だとバレてしまったときに信用を失うだけではなく、最悪の場合、経歴詐称で内定を取り消される可能性もあります。

空白期間(ブランク)があっても履歴書の職歴欄は正しく記載しましょう。働く意欲を伝えるためには、空白期間中の過ごし方を振り返りその経験を踏まえて「転職後にどのように活躍していきたいと考えているのか」を自己PRや志望動機の欄で具体的に伝えるのがポイントです。

また、面接で空白期間に関する質問をされる可能性が高いので、自分の状況を整理して回答を準備しておきましょう。

面接での空白期間の答え方についてくわしく

コラム:空白期間が3カ月程度なら離職理由は不要

空白期間が3カ月程度であれば、一般的には転職活動にかかった一時的な離職期間と認識されるため、職歴欄には「一身上の都合により退職」とだけ記入すればOK。離職していた理由を詳細に記載する必要はありません。

ただ、面接では「その期間に何をしていたのか」「なぜ一度離職する選択を取ったのか」など聞かれる可能性があるので、答えられるように準備しておきましょう。

空白期間が半年や1年など長期間に渡る場合、応募先の企業に「働くモチベーションが低いのではないか?」「転職活動が長引くということはスキル不足なのではないか?」と懸念される可能性も。そのため、離職していた理由や空白期間中の取り組みについては、職歴欄や自己PR欄などに記載しましょう。

【理由別】履歴書の空白期間の書き方・例文

ここでは、空白期間が生まれた理由別に、職歴欄と自己PR欄の例文を紹介します。

記入時のポイントもあわせてチェックしましょう。

特別な理由がない場合

「転職活動に集中する目的で離職した」「退職後にリフレッシュ期間を設けていた」など、空白期間自体に特別な理由がない場合、職歴欄には退職した年月+「一身上の都合により退職」と書けばOKです。

職歴欄(記入例)

職歴/2020/4|株式会社△△△入社/2023/3/一身上の都合により退職|以上

履歴書の他の欄で離職していた理由に無理に触れる必要はありません。自己PR欄では前職で得たスキルや、スキルを活かした今後のキャリアプランなどをアピールしましょう。

自己PR欄(記入例)

自ら学び、コツコツ取り組むことが得意です。前職では3年間、総務部で経理を担当していました。所属部署では経理ツールのマニュアルが整備されていなかったため、「誰が見てもわかりやすい」を心がけてマニュアルを作成していました。

また、前職を退職してからは、より専門的スキルを習得したいと考え、日商簿記2級も取得いたしました。これらのスキルや資格を活かし、マニュアル整備や仕組みづくりを通して、貴社の総務の業務に貢献したいです。

病気療養のために離職した場合

病気療養のために離職した場合、職歴欄には退職した年月+「病気療養のため退職」と理由を書きましょう

その1行下には、離職期間で治療・療養したこと現在の健康状態を「※」で書いても構いません。

入社後も定期的な通院が必要で、応募時に伝えておきたい場合は、履歴書の職歴欄や本人希望欄などにその旨を書いてもOK。ただ、業務に影響しない範囲であれば、わざわざ記入する必要はありません

職歴欄(記入例)

職歴/2020/4|株式会社△△△入社/2023/3/病気療養のため退職|※入院と通院で治療に専念していました。現在は回復し、健康状態は良好です。|以上

自己PR欄で空白期間について触れる場合は、職歴欄に書いた内容と同様にやむを得ず離職し、治療に専念していたことを再度伝えます。その上で前職で得たスキルや、スキルを活かした今後のキャリアプランなどをアピールしましょう。

自己学習など療養中に取り組んでいたことがあれば、合わせて記載することで業務に対する熱意を伝えられます。

自己PR欄(記入例)

前職では◯年間、ITソリューションの営業職として勤務していました。持病のために約1年間ほど治療に専念するために離職しましたが、現在は回復し、健康状態は良好です。

体調の回復後はスキル習得のためにマーケティングの学習に取り組んでいました。前職の経験と離職中に学んだことを活かし、売上に貢献できる存在になりたいと考えています。

資格取得や留学などで離職した場合

資格取得や留学のために離職した場合、職歴欄には退職した年月+「一身上の都合により退職」と書きましょう

資格取得の場合は、その1行下に「※」で資格取得に向けた学習内容や、実際に取得した資格名・取得年月などを補足します。

留学の場合は「※カナダに1年間語学留学していました」のように、留学先と期間を書きましょう。

職歴欄(記入例)

職歴/2020/4|株式会社△△△入社/2023/3/一身上の都合により退職|※社会保険労務士の資格取得のため、1年間通学して講座を受講。2023年10月に資格を取得しました。|以上

自己PR欄では、新たなキャリアを築くための前向きな退職・空白期間であったことが伝わると良いでしょう。離職期間中に学習していたことや、その経験が業務にどのように活かせるのかを記載します。

自己PR欄(記入例)

大学時代は法学部を専攻していました。新卒では製造業界に入りましたが、もともと興味のあった分野で再チャレンジしたいと考え、社会保険労務士の資格を取得するために1年間専門学校に通学し、勉強に専念していました。

業界は未経験ですがこの期間で学習したことをもとに実務に携わり、いち早く貴社に貢献できる存在になりたいと考えております。

コラム:アルバイトをしていても空白期間になる?

社会人になってからのアルバイトは空白期間に当たらず、短期間であっても職歴として記載できます

職歴欄に書く際は、会社名の横に(アルバイト)とカッコ書きしましょう

職歴欄(記入例)

自己PR欄では、アルバイトをした目的や理由を明確に書きましょう

例えば「転職先の業界について経験し学ぶため」「目標としていた資格の学習時間を確保するため」など、次のキャリアにつながる選択だったことが伝わる内容にしてください。

自己PR欄(記入例)

前職は物流関係の仕事をしており、主に小売店との取り引きが多くありました。そこでお客様と真摯に向き合う店員の皆さんの姿を見て、お客様と直接関われる接客業を志すようになりました。

接客業の現場で通用するスキルを身につけるために、前職を退職し、小売店でアルバイトを経験しました。職場では前職の経験を買われ、在庫管理なども任せてもらっております。これらの経験を活かして貴社に貢献したいと考えています。

アルバイト経験について、履歴書へのくわしい書き方は下記の記事でも紹介しています。

面接で空白期間について質問されたら?

履歴書の職歴にブランクがあれば、面接時に「なぜ空白期間が生まれたのか?」「その期間、何をしていたのか?」といった質問をされる可能性が高いでしょう。

いざ面接で聞かれたときに焦らないよう、前もって回答を用意しておく必要があります。

ここでは、面接で空白期間について質問された際の答え方を紹介します。

空白期間中の学習や経験をアピールする

離職していた理由を聞かれた際に、空白期間の経験や学習をアピールにつなげられそうな場合は、それらが業務にどのように役立つのかを関連づけて話しましょう

また、「今後どのような業務を経験したいのか」「どのようにスキルアップをしていきたいのか」といったキャリアプランを語るのも大切です。面接官に「働くことへの熱意」が伝わるでしょう。

次のキャリアアップに向けて必要な時間だったことを伝えるのも一つの手です。

「次の仕事に向かうためのリフレッシュ期間として過ごしていた」「旅行や読書などやりたかったことを存分に行い、インプットに時間を使っていた」など、空白期間を前向きに捉えていることが分かると良いでしょう。

自信を持って受け答えすることが大切

面接で空白期間について聞かれた際は、どんな理由であっても自信を持って受け答えすることが大切です

空白期間を自分自身がマイナスに捉えていると、後ろめたさから無意識のうちに声が小さくなったり、面接官と目を合わせられなくなったりすることも。このような態度では、面接官に「自信がない人」とマイナスの印象を与えかねません。

まずは空白期間は「自分のキャリアの中で必要な期間だった」と考えるように心がければ、自然と前向きに捉えられるようになります。回答を声に出して練習しておくことも自信につながるのでおすすめです。

下記の記事では、ブランクの理由別に面接での答え方を紹介しています。あわせてチェックしてください。

好印象な履歴書で書類選考を突破しよう

職歴に空白期間があっても、履歴書でその理由と働く意欲を伝えられれば問題ありません。自分の状況に応じて職歴欄と自己PR欄を活用し、好印象な履歴書を作成しましょう。

自己PRの作り方については、下記の記事で解説しています。アピールポイント職種別の例文とともにくわしく解説しています。

職歴と自己PRのほか、志望動機や免許・資格など他の記入欄の書き方については、下記の記事を参考にしてみてください。

この記事の執筆者

「転職Hacks」編集部

株式会社クイック

株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。

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