職歴・自己PR・志望動機など アルバイト経験は履歴書にどう書く?
履歴書を作成するとき、アルバイト経験も職歴の1つとして記入して問題ありません。
アルバイト経験を履歴書の「職歴」「志望動機」「自己PR」欄に記載するときの書き方とポイントを紹介します。
【職歴】欄へのアルバイト経験の書き方
アルバイト経験は正社員経験などと同様、職歴欄に記入してOK。ただし、新卒採用では書かないのが基本です。
「3ヶ月以内の職歴は記入しなくても良い」と言われることもありますが、書かないことで空白期間ができ、採用担当者に疑問を持たれる可能性も。短期間で辞めたアルバイトでも、職歴として書いておくのがベターです。
画像にある1~4のポイントについて、順番に解説していきます。
1)会社名+入社に続けて(アルバイト)と書く
入社年月を書いた行に、アルバイト先の本社名+入社と記入します。「入社」に続けて、アルバイトとして働いていたことが伝わるように(アルバイト)とカッコ書きで書いてください。
個人経営の飲食店などで働いていた場合は、本社名ではなく店名を書けばOKです。
2)簡潔に勤務先や業務内容を記入する
必須ではありませんが、入社年月を書いた1行下に、実際に勤務している店舗/支店名や簡単な業務内容を書いてもOKです。
業務内容は例えば、スーパーでレジ打ちや商品の品出しを担当していた場合は「販売・在庫管理業務」、カフェで接客を行っていた場合は「接客・レジ業務」などと表現できます。
ただし、具体的な業務内容やスキルのアピールは、職歴欄ではなく自己PR欄や志望動機欄に書きましょう。くわしくは次章以降で解説します。
3)会社名+退職と書く
アルバイトを辞めた年月を記入した行に、アルバイト先の会社名に続けて「退職」と書きます。「退職」のあとに(アルバイト)と改めて書く必要はありません。
退職理由を伝えておきたければ「配偶者の転勤により退職」のように、前半部分に補足してもOKです。
4)最後に右寄せで「以上」と記入する
職歴欄の最後の行は、右寄せで「以上」と書いて締めましょう。
職歴の前に書く学歴の書き方も合わせて確認する場合は、下記の記事をチェックしてください。
状況別・職歴欄へのアルバイト経験の書き方
「現在もアルバイトをしている」「掛け持ちしている」など、状況別に記入方法を紹介します。
現在もアルバイトをしている場合
アルバイトを掛け持ちしている場合
アルバイトを同時に2つ以上掛け持ちしている場合は、「入社」と「退職」のタイミングを時系列順に書けばOKです。
アルバイト経験が多すぎて書ききれない場合
アルバイト経験が多すぎて職歴欄に書ききれない場合、入社年月と同じ行に退職年月をカッコ書きしましょう。(20◯◯年◯月◯退職)と書けばOKです。
もしくは直近のアルバイト経験のみを記入し、最後の行に「※大学卒業後、○○○◯年◯月まで△社経験 詳細は職務経歴書に記載しております」などと書きます。職歴がアルバイトしかない場合、詳細は職務経歴書に記載すると良いでしょう。
職務経歴書の書き方について、くわしくは4章の「職務経歴書にアルバイト経験はどう書く?」で解説します。
単発派遣などのアルバイト経験を書く場合
1日きりの単発派遣やバイトは、すべてを細かく書く必要はありません。登録していた会社名を書き、その1行下にシフトに入っていた回数とメインの業務内容を記入しましょう。
正社員登用経験がある場合
アルバイトから正社員登用された場合は、正社員登用された年月を記入した上で「正社員として登用」と記入しましょう。
アルバイトから正社員になったことで業務内容に変更がある場合は、1行下に担当の業務内容を記載するのがおすすめです。
【自己PR】欄へのアルバイト経験の書き方
履歴書の自己PR欄に書く題材としてアルバイト経験を使う場合、そこで得た知識やスキルをアピールしましょう。
職歴欄に記載してあるため、自己PR欄で改めてアルバイトであることを明記する必要はありません。正社員同様に、責任を持って業務を行ってきたことが伝わると良いでしょう。
〈記入例〉
起きている問題に対して即行動できるのが私の強みです。飲食店の接客業務ではバイトリーダーを任されており、自分がホールの責任者である自覚を持ち、問題が起きたらすぐに行動することを意識していました。
例えば、初回オーダーではないお客さまを対応するスタッフの戻りが遅いときは、注文品が届いていないというケースで呼ばれている場合が多いので、キッチンに確認依頼を行うと同時にすぐに駆けつけてお声がけをしていました。お客さまを不安にさせないこと、1秒でも早い対応をすることが店舗の満足度につながると考えていたためです。
こうした行動力は貴社の営業職でも活かせると思っております。お客さまに寄り添う気持ちを忘れずに、自信を持って悩みや不安に対する解決策の提案をしていきたい所存です。
▼自己PRの具体的な組み立て方・例文集はこちら
【志望動機】欄へのアルバイト経験の書き方
履歴書の志望動機には「なぜその企業に応募したいのか」を記入します。アルバイトとして働く中で、転職して正社員として働きたいと感じた理由を伝えましょう。
「アルバイトよりも安定しているから」などは、その企業に応募する直接的な理由にはならないのでNG。数ある企業の中で、なぜその会社で働きたいのかを盛り込みましょう。
〈記入例〉
アパレルショップにて店長のサポートとして売上管理にも携わるうちに、大本であるアパレル卸業界に興味を持ちました。中でもスタートアップである貴社は、年次が若いメンバーが多く、オンライン展示会の開催など業界の傾向にとらわれない施策を数多く打ち出しておられ、その挑戦的な姿勢に共感いたしました。
また、Officeツールを使った作業や新人スタッフのサポートを行ううちに、メンバーを影で支える仕事をしたいという気持ちが強まったため、貴社の営業サポート職への応募を決意いたしました。販売員として様々な年代のお客様と関わった経験やコミュニケーション能力は、社内の様々な職種のメンバーを関わる貴社の業務でも活かせると考えております。
この度、未経験ではありますが、必要な知識を一から身に付け、積極的に取り組む所存です。精一杯頑張りますので、面接の機会をいただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。
▼志望動機の作り方・例文集はこちら
職務経歴書にアルバイト経験はどう書く?
職務経歴書には正社員経験を書くのが基本ですが、アルバイトとしての勤務年数が長い場合や、正社員としての経歴がない場合は、アルバイトの経歴を職務経歴書に書いても問題ありません。
採用担当者は職務経歴書から「どのようなスキル」を持っているのかを確認します。それはアルバイトだとしても同様です。自分が責任を持って業務を遂行してきたことを伝えましょう。
【職務要約】にはアルバイトの期間や業務内容、過去の実績をまとめ、【職務内容】【活かせる経験】は持っているスキルが伝わるように簡潔に書きます。社内表彰などの入賞歴などの実績があれば、忘れずにアピールしましょう。
また【自己PR】では、履歴書と同様にアルバイト経験を通して得た知識やスキルをアピールします。その際、応募企業が求めるスキルに関連したアピール内容にすると、より良いでしょう。
離職期間中のアルバイトは記載しなくてOK
正社員の仕事を辞め、次の会社に正社員として再就職するまでの離職期間中に一時的に行っていたアルバイトの経験は、職務経歴書には記入しなくてOKです。
ただしその場合でも、職務経歴に空白期間ができないよう、離職期間も記載の上、職務内容には「自己都合で退職後、転職活動。」などと書きましょう。
くわしい職務経歴書の書き方は、下記の記事で解説しています。
面接でアルバイト経験について聞かれたら?
応募する企業によっては面接で「なぜ正社員を目指して就職活動をしなかったのか?」「どうしてアルバイトを続けていたのか?」と聞かれる可能性があります。その場合は、正直に理由を答えましょう。
〈回答例1〉
◯◯の資格取得に向けて勉強をしていましたが、現役合格することができませんでした。1年ほどアルバイトをしながら資格勉強を続けていましたが、趣味だったゲームプログラミングをきっかけにIT業界に携わりたいという思いに変わり、就職活動を始めました。
〈回答例2〉
将来は飲食店を経営したいという夢があり、大学卒業後も企業で働くのではなくウェイトレスとしての経験を積みたいと考えたためです。ただ、接客スキルだけではなく、売上や経費の管理など、経営の基礎についても一から学びたいと考え、この度就職を決意しました。
「将来やりたいことがなかった」「正社員より楽だと思った」などの消極的な理由はネガティブな印象につながるため、そのまま伝えるのはNG。
その当時思い描いていたキャリアや将来像について簡潔に述べた上で、なぜアルバイトを辞めて就職活動を決意したのかを論理的に伝えるようにしましょう。
アルバイト経験が応募業界に関連していない場合は、応募企業に惹かれたきっかけもあわせて伝えるのがベターです。
このほか、下記の記事では面接でよく聞かれる質問と、回答例を網羅しています。あわせて確認しましょう。
下記の「履歴書の書き方ガイド」では、職歴・志望動機・自己PR欄以外の記入方法についても解説しています。テンプレートのダウンロードや企業に提出するときのマナーなど、履歴書作成に関するすべての情報をまとめているので、ぜひチェックしてください。