強みを活かす自己PRも解説 履歴書への派遣経験(職歴)の書き方
派遣社員として働いた期間を履歴書にどのように書けばいいのか、正しい書き方が分からず困っていませんか?
この記事では、職歴欄への派遣経験の基本的な書き方のほか、派遣元や派遣先が複数ある場合に見やすく書く方法や派遣経験を活かす自己PRの作り方も紹介しています。
派遣経験を職歴に書くときの5つのポイント
履歴書の職歴欄には、正社員経験だけでなく、派遣社員としての業務経験も必ず記載する必要があります。
この章では、派遣社員の職歴を書く際の基本的なポイントを5つ紹介します。
派遣経験の職歴欄への記入例も見ながら、基本の書き方を確認していきましょう。
1)派遣元は「入社」ではなく「登録」と書く
派遣経験について職歴欄に書く場合、1行目に「(派遣元の会社名)に登録」と記載します。
「(派遣元の会社名)+入社」と書かないのは、派遣元の会社には入社したわけではなく、派遣の登録をしている状態だからです。
年月の欄には、派遣元に登録した時期を書きましょう。
2)派遣先での業務内容と派遣期間を書く
派遣先については、派遣元の1行下に書き出しを1字右にずらして「(派遣先の会社名)に(職種・役割)として派遣」と書きましょう。
年月の欄には、派遣先で勤務を開始した時期を記入します。
行数に余裕があればさらに1行下に、配属先や担当していた業務などを記載してもOK。採用担当者に派遣先でどのような仕事をしていたのかイメージしてもらいやすくなります。
3)「派遣期間満了につき退職」と書く
派遣先の契約期間が終了し、退職した場合は「派遣期間満了のため退職」と書きます。この際、派遣元や派遣先の社名を改めて書く必要はありません。
年月の欄には、契約が終了した時期を記入しましょう。
契約期間の途中で辞めた場合は「一身上の都合により退職」と書きましょう。「派遣期間満了」で退職した訳ではないことが伝わります。
なお、派遣元の登録自体を解除しても、その旨を職歴欄に記載する必要はありません。派遣元にはあくまで「登録」しているだけなので、派遣元の会社名+「退職」と記載する必要もありません。
4)守秘義務がある場合は「記載できない」でOK
派遣先と派遣元が守秘義務を結んでいて、業務内容や社名を公表できない場合は、職歴欄に「守秘義務の都合上、記載できません」と書けばOKです。
ただし「某(業種)会社の事務」のように業務内容は記載できる範囲で書けると、イメージしやすくなります。
応募先も、守秘義務を結ぶ会社があることは認識しているので、印象が悪くなることはありません。むしろ、きちんと守秘義務を守る信頼できる人だと見てもらえるでしょう。
5)短期の派遣やアルバイトも省略しない
数カ月間の短期派遣や単発の派遣、アルバイト経験も職歴であるため、履歴書の職歴欄には省略せずに書きましょう。
転職活動時に書く職歴は、社会人以降の経験を伝えるものなので、学生時代のアルバイトについて書く必要はありません。
短期離職も必ずバレる! 職歴は隠さず書く
短期離職の経験があっても、職歴はすべて隠さずに書くようにしましょう。
面接で職歴について質問された際に、辻褄が合わずに印象が悪くなってしまったり、入社した後に雇用保険などからバレてしまったりすることも。最悪の場合、経歴詐称で解雇されてしまったりする可能性もあります。
【2パターン】派遣元や派遣先が複数の場合は?
ここでは、派遣元や派遣先が複数の場合のまとめ方と、見やすい職歴欄の書き方を紹介します。
派遣元が1カ所で派遣先が複数の場合
登録した派遣元が1カ所で派遣先が複数ある場合は、派遣先1社につき1行でまとめるのがおすすめです。
1行目に派遣元の企業に「登録」と記載し、その1行下から書き出しを1字右にずらして派遣先の企業を派遣された順に書きましょう。
退職については「(2021年3月まで)」など、派遣先ごとに1行に収まるように書きます。
職歴欄に余裕があれば、派遣先の部署や業務内容も書き、今までの経験が具体的に伝わるようにしましょう。
派遣元も派遣先も複数の場合
派遣元も派遣先も複数の場合は、派遣元ごとに派遣先の職歴をまとめればOK。
派遣先1社につき1行で収まるように調整しましょう。
欄の行数が足りない場合は?
記載する量が多く行数が足りない場合は、派遣元に登録した年月と社名のみ書き、派遣先については「※詳細は〇〇に記載しております」として履歴書の特記事項・自由記入欄や、職務経歴書などに書くのも一つの方法です。
特記事項・自由記入欄などには決められた枠がないため、応募先の人事担当者が見やすいように書くことが大切です。社名の書き出しの位置をそろえたり、1社ごとに改行したり、工夫しましょう。
派遣の経験が武器になる自己PR欄の書き方
派遣社員として得たスキルや経験は転職活動において大きな武器になるため、自己PR欄などでしっかりとアピールすることが大切です。
ここでは、派遣経験がある人におすすめなアピールポイントごとに自己PR欄の書き方を解説します。
「これまでの経験・スキル」をアピール
応募先の業界や職種がこれまで経験した内容と似ている場合は、業界での経験やスキルなどをアピールしましょう。
派遣社員はさまざまな会社で働く性質上、経験した業務内容やスキルがほかの業務でも活きる汎用性が高いものも多くなります。実績や具体的なエピソードを交えて自分の能力や得意なことを伝え、応募先の会社でも即戦力になれることをアピールします。
▼経験・スキルのアピール例
飲食業や家電販売、ホテルスタッフなどさまざまな業種で接客を行った経験があり、お客様が本当に欲しいものを見極めて売ることが得意です。
実際、家電販売店での接客では店舗の売り上げ1位を取ったこともあります。
「適応力」をアピール
派遣社員として、勤務先が変わっても柔軟に対応して働いてきた経験から「適応力」をアピールすることも効果的です。
応募先の会社の方針やスタイルにすぐになじんで働けること、部署異動や業務内容の変更が多い場合でもスムーズに対応できることをアピールしましょう。
▼適応力のアピール例
IT業界での事務、小売業でのカスタマーサービス、製造業での品質管理など、幅広い分野で経験を積み、それらのどの業務にも素早く順応してきました。
そのため、複数の事業を展開している貴社においては、どんな業務でも柔軟に対応が可能です。
「挑戦心と主体性」をアピール
派遣社員から正社員への転職を考えている人は、特に挑戦心と主体性をアピールすることも意識しましょう。
一般的に派遣社員は与えられた業務を高パフォーマンスで遂行することが求められますが、正社員は幅広い業務を裁量を持って働くことが求められます。そのため「今までよりも幅広い領域で活躍したい」「仕事や課題を自ら見つけて取り組んでいきたい」という挑戦心と主体性が必要です。
履歴書に書く際は、派遣社員として働くなかでも、自ら主体的・能動的に取り組んでいたことをエピソードを交えて伝えましょう。
▼挑戦心・主体性のアピール例
ホテルスタッフとして働いていた際、自分の接客はもちろん、スタッフの接客力を全体的に向上するにはどのようにすればいいかを常に考えて業務を行っていました。
例えば自分なりに実践していた接客法を共有するために、上司に自らマニュアル更新の許可をもらいました。その上で、チームでもほかに追加した方がいい内容がないかを精査して、マニュアルを一新した経験があります。
自分の業務の幅にとらわれず、お客様のためになる事を考えて積極的に工夫してきたと自負しています。
自分の強みを最大限に伝えるためには、自己PRの基本の書き方を押さえておくことも大切です。エピソードを交えた組み立て方やアピールポイント別の例文は、下記の記事で解説しています。
基本を押さえて好印象な履歴書を作ろう
転職活動において、転職者の第一印象は「履歴書」で決まります。基本の書き方を押さえて、見やすい履歴書を作ることが書類選考突破のカギです。
免許・資格欄や志望動機欄など、履歴書の基本的な書き方と証明写真の準備方法などは、下記の記事でくわしく解説しています。
また、書類作成での間違いは自分一人では見落としがちなものです。下記の記事では、よくあるミスとNG行為を紹介しているので、提出前にミスがないかチェックしましょう。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。