採用担当者に聞いた本音も紹介 最終面接のお礼メールは必要?

転職の「最終面接」。志望度の高い企業に、お礼メールを送るべきか悩みますよね。お礼メールによって合否にどれくらい影響があるのかも気になるところです。

この記事では、転職Hacks編集部がヒアリングした採用担当者の本音も紹介しながら、最終面接後のお礼メールの必要性送る場合の注意点などについて解説します。

最終面接のお礼メールは送ってもよいが合否には影響しない

結論から述べると、最終面接後のお礼メールは送っても問題ありませんが、採用の合否には影響しないでしょう

面接後のお礼メールをとおして、面接官や採用担当者に選考への感謝の気持ちを伝えることで、丁寧な印象を持ってもらえる可能性はあります。しかし、採用の合否の判断基準はあくまで面接の内容です。

したがって、お礼メールを送っても不合格がくつがえるほどの効果はないと考えましょう。実際のところ、転職の最終面接のあとにお礼メールを送る人は少数派のようです。

採用担当者の本音

最終面接後にお礼メールを送ってくる人は、体感ですが全体の1割くらいです。

お礼メールが送られてきたら、文章の内容にもよりますが「礼節を重んじるタイプなんだな」「面接の感触がよかったのかな」といった印象を持ちます。

「面接のあとにメールを送ってくれた人」程度の記憶なら残りますが、お礼メールは合否にはさほど影響しません。

(マーケティング・40代・人事歴10年)

お礼メールを送ることで不安が軽減されることもある

最終面接後のお礼メールは送らなくても特に問題ありませんが、メールを送ることで「できることはすべてやった」という気持ちになり、自分自身の不安が軽くなる効果はあります

特に、面接でうまくいった感触がなかったり入社したい気持ちが強かったりすると、合否に対する不安が大きく、結果連絡まで居ても立っても居られない気持ちになるかもしれません。

「今からでも何か自分にできることをしたい」と思う場合は、企業への感謝を伝えるためだけでなく、自分の気持ちを落ち着かせるためにも、お礼メールを送る意義はあるでしょう。

送る場合はお礼メールが逆効果にならないように注意

最終面接のお礼メールを送る場合は、かえって自分の印象を下げてしまわないように内容の確認を徹底して行いましょう

たとえば、誤字・脱字が多かったり文章構成が整っていなかったりすると、「普段から不注意が多そう」「実際の業務にも支障が出るのでは?」とビジネスパーソンとして頼りない印象に繋がってしまう恐れがあります

メールのミスが原因で合格から不合格に変わる可能性は低いですが、入社前から印象を下げないためにもメールのマナーや文面に注意して作成しましょう。

最終面接のお礼メールを送るときのポイント

最終面接のお礼メールを送る場合は、次の3つのポイントに注意しましょう。

〈最終面接のお礼メールを送るときの3つのポイント〉

  1. 面接当日か翌日の午前中までに送る
  2. 本文で熱意を長く語りすぎないように注意する
  3. 誤字・脱字や初歩的なミスがないか確認する

それぞれのポイントについて、以下でくわしく解説します。

1.面接当日か翌日の午前中までに送る

最終面接のお礼メールは、面接終了後の当日か、遅くとも翌日の12時頃までに送りましょう。

ビジネスに関係する連絡は、できるだけ早めに対応したほうが印象がよいでしょう。また、送信を先延ばしにしていると、お礼メールを送るよりも先に企業から面接結果の通知が来てしまう可能性もあります。

最終面接からしばらく日が空いてしまった場合は、お礼メールを送らないほうが無難です。面接から日数が経ってから送ると、採用担当者に「なぜわざわざこのタイミングで連絡してきたのだろう?」と不自然に思われてしまう可能性があります。

2.本文で熱意を長く語りすぎない

最終面接のお礼メールで、仕事に対する熱意や入社への意欲を長々と書くのは避けましょう

「せっかく送るなら、企業に自分の熱意を伝えきりたい」と考える人もいるかもしれませんが、お礼メールの目的から考えても、面接の機会をもらえたことに対するお礼をシンプルにまとめることが重要です。

また、「貴社に入社できた場合、3年後にマネージャーに上がることは可能ですか?」など、お礼メールに返信を求めるような質問を書くのも避けましょう。お礼とあわせて質問を送ると、かえって返信の負担を増やしてしまいます。

入社前にどうしても企業に聞きたいことがある場合は、選考結果が届いたあとにまとめて質問しましょう

3.誤字・脱字や初歩的なミスがないか確認する

最終面接のお礼メールを作成したら、漢字の変換ミスや送り仮名の付け間違いなどの誤字・脱字がないか確認しましょう

また、メール末尾の署名が抜けていたり現職のメールアドレスで送ってしまったりなど、初歩的なミスがないかも必ずチェックしてください

〈お礼メールのチェックリスト〉

特に、応募先の企業名や採用担当者の名前・漢字を間違えるととても失礼なので、送信前に必ず確認しましょう。

最終面接のお礼メールの例文・書き方

最終面接のお礼メールでは、面接の機会をもらえたことに対する感謝の気持ちを書いた上で、面接で話した内容を踏まえて「入社後にどのように会社に貢献したいか」を簡潔に伝えると、よりポジティブな印象に繋がります。

以下のメール例文を参考に作成してみましょう。

〈最終面接のお礼メールの例文〉

件名:〇月〇日の最終面接のお礼(氏名)

本文:
株式会社〇〇〇
人事部 △△様

お世話になっております。[氏名]と申します。

本日はご多忙の中、最終面接の機会をいただき、
誠にありがとうございました。

面接官の〇〇様のお話を伺うことで、
貴社のビジョンや経営方針をより深く理解することができ、業務をとおして、
成長分野である観光事業で顧客体験の向上に貢献したいという気持ちが強くなりました。

貴社とのご縁がありましたら、
ご期待に沿う活躍ができるよう日々精進いたします。

面接をしていただきました◇◇様に、
くれぐれもよろしくお伝えくださいませ。

本日はありがとうございました。


氏名:○○○○
メールアドレス:○○○○@○○○○
電話番号:○○○○
住所:〒○○○-○○○○
(都道府県から市区町村、番地、建物名、号室を正確に記載)

メールの基本的な書き方について「件名」「宛先」「本文」「署名」の4つの要素に分けて解説します。メールのマナーに関して不安がある場合は改めて確認しておきましょう。

1.件名

件名は「◯月◯日の最終面接のお礼(氏名)」と書くのがベストです。

件名を見ただけで、何の用件なのか、誰からのメールなのかがわかるようにしましょう。

2.宛先

宛先は、日程調整などのやり取りをした採用担当者にします。会社名、部署名、役職名は正式名称で記入してください。

採用担当者の名前がわからない場合は「採用ご担当者様」と記載すれば問題ありません。

3.本文

本文の流れは「挨拶・名乗り→面接のお礼→面接の感想・入社への意気込み→面接官へのお礼→締め」が基本です。本文が長くなりすぎないように、面接の感想や入社への意気込みは1〜2文でまとめましょう。

もしお礼メールで遅刻や緊張に対するお詫びを伝えたい場合は、面接へのお礼を述べたあとに、以下のように一言付け加えてください。

▼遅刻したとき

本日は貴重なお時間をいただいたにもかかわらず面接に遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした。貴社を第一志望にしておりますので、柔軟なご対応で面接の機会をいただけたことに対し、誠に感謝しております。

▼緊張したとき

面接中は緊張のあまり、ご質問に十分な回答ができず、大変お見苦しい点がございましたことをお詫び申し上げます。

4.署名

最後の署名部分は、自分の氏名・メールアドレス・電話番号・住所を正確に記載しましょう。

最終面接の場で内定が出たらお礼メールは送るべき?

最終面接で面接官から直接「内定」をもらった場合、その後の対応について戸惑ってしまいますよね。

ここでは、面接の場で内定を伝えられたときのお礼メールの必要性について解説します。

トラブルを防ぐためにメールは送ったほうがよい

もし最終面接の場で口頭で内定と言われた場合は、企業への感謝を伝えるためだけでなく、本当に内定が確定したのかを改めて確認するためにもメールを送ったほうがよいでしょう

口頭での内定通知は法的には有効ですが、あとで企業との「言った・言わない」のトラブルに繋がる可能性があります。トラブルを未然に防ぐためには、内定の通知を受けたことを念のためメールに記載し、テキストとして記録を残したほうが安心です。

最終面接の場で内定が出た場合のメール例文

内定を承諾する場合、お礼メールでは「内定に対するお礼の言葉」と「内定を承諾する意思」を明確に記載しましょう。

メール本文は以下の例文を参考にしてください。

件名:〇月〇日の最終面接のお礼(氏名)

本文:
株式会社〇〇〇
人事部 △△様

お世話になっております。
[氏名]と申します。

本日はご多忙の中、最終面接の機会をいただき、
誠にありがとうございました。
貴社を第一志望にしておりましたので、嬉しい限りでございます。

これまでに培ってきた経験を活かし、
成長分野である観光事業で顧客体験の向上に貢献したいと考えております。

一日も早く貴社の戦力となれるよう精進してまいりますので、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


氏名:○○○○
メールアドレス:○○○○@○○○○
電話番号:○○○○
住所:〒○○○-○○○○
(都道府県から市区町村、番地、建物名、号室を正確に記載)

内定保留・辞退を検討している場合は?

最終面接の場で内定をもらったものの、保留・辞退を検討している場合は、企業から正式に内定の連絡が来てから対応すれば問題ありません

返信内容や例文については、以下の記事で解説しています。

最終面接の結果が来るまで不安なときは…

最終面接後は、結果が来るまで不安が大きいですよね。

企業からいつ連絡が来るのか気になる」という方は、以下の記事を読んでみてください。気持ちを落ち着かせることができるでしょう。

また「面接で他社の選考状況を聞かれたら合格」「面接時間が予定より短いと不合格」といった面接にまつわるウワサを耳にすると心配になりますよね。このような「合否フラグ」は本当に正しいのでしょうか? 以下の記事で解説します。

この記事の担当者

「転職Hacks」編集部

株式会社クイック

株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。

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