書き方・テンプレート 物流管理・物流企画の職務経歴書
物流管理・物流企画(ロジスティクス)の職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。最新の採用事情に精通したキャリアアドバイザーのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
物流管理・物流企画の職務経歴書テンプレート
物流管理・物流企画の職務経歴書で重要なこと
物流管理・物流企画(ロジスティクス)の書類選考では「これまで扱ってきた商材(製品)やそのボリューム、業務範囲などが応募先とマッチするか」が、合否を分ける最重要ポイントです。
物流領域には荷主となる親会社やその物流子会社をはじめ、3PL企業や運送会社など、非常に多くの企業や職種が関わっており、同じ「物流管理」「物流企画」でも、扱う製品やそのボリューム、業務範囲は所属先やポジションによってまちまち。
そのため採用担当者は、応募者が「どこ向けの・どんな製品を・どれくらい扱っていたのか」、そしてそのなかで「どんな立場で・何の業務を担当していたのか」がわからないことには、「自社の物流関連業務を担える人材かどうか」を判断できず、不採用になってしまうのです。
よって物流管理・物流企画の職務経歴書では「職務経歴」欄を中心に、取り扱い商材(製品)や対応件数(出荷数量)、担当業務などについて、くわしく記載するのが鉄則です。
1)物流管理・物流企画の「職務要約」
重要度:★★★・・
応募先にマッチする経験を書く
「職務要約」欄には、応募先で求められている経験を中心に記載するのが鉄則。
例えば「在庫管理(発注業務、適正在庫の算出など)」「倉庫全体の最適な在庫配置と配送効率の向上」「オペレーション課題の改善企画や受注予測・収益改善」など、求人の「仕事内容」や「必須/歓迎条件」などに記載されているキーワードをそのまま盛り込むのがポイントです。
物流管理・物流企画(ロジスティクス)の書類選考で合否の決め手となるのは後述の「職務経歴」欄ですが、採用担当者が最初に目を通すのは、あくまで「職務要約」欄。
まずはここでザックリ「求めている経験・知識がありそう」と感じてもらわないことには、そもそもその先を読まれずに不合格になってしまうリスクがあるのです。
▼「職務要約」欄についてさらにくわしく
2)物流管理・物流企画の「職務経歴」
重要度:★★★★★
物流管理・物流企画(ロジスティクス)の職務経歴書において、「職務経歴」欄は最も重要な項目。ここの内容次第で合否が決まると言っても過言ではありません。
なぜなら採用担当者はこの欄から応募者の実務経験を確認し、その内容が「自社の物流関連ポジションとマッチするか」を厳しくチェックしているからです。
そのため、実務経験の内容が漏れなく・正確に伝わるよう、「職務経歴」欄には下記の項目を記載しましょう。
キャリア
アドバイザー
国際物流の経験は地域名(国名)も明記
国際物流では通関手続きが発生しますが、必要書類や輸送手段、法規制や安全基準などは、輸出先の地域や国によって異なります。
もし国際物流に関わるポジションに応募する場合、地域や国も親和性の重要なチェックポイントの一つになるため、必ず記載しておきましょう。
定量的成果+取り組み・工夫を伝える
「職務経歴」欄の下部には「取り組み・実績」といった項目を設け、下記のような物流KPIに対する定量的成果を示すのが鉄則です。
また、こうしたKPIの達成に向けて行った取り組み・工夫の内容についても記載しておくのもポイント。
結果だけではなく、その過程まであわせて書くことで、仕事に対するスタンスや思考パターン、周囲との関わり方などが伝わり、採用担当者に自社で働くイメージを持ってもらいやすくなるからです。
〈取り組み・工夫の具体例〉
- ゾーニングやSOP(標準作業手順書)の見直し→誤出荷率や作業効率の改善
- ハンディターミナルやTMS(配送管理システム)の導入→人件費やリードタイムの削減
- モーダルシフトの推進や共同配送の導入→輸送コストの削減
- パッケージデザインや梱包方法の見直し→輸送効率の改善
取り組み・工夫のうち特にアピールしたいことは、後述の「自己PR」欄でくわしく書いてもよいでしょう。
キャリア
アドバイザー
自動化やIT化(DX)の経験は高評価
「人手不足」×「取り扱い個数の増加」の影響を受け、効率化や省人化が叫ばれる物流領域においては、自動化やIT化(DX)に関する取り組み・工夫は、特に高評価につながります。
倉庫/倉庫管理システム(WMS/TMS)のほか、荷下ろし/ピッキングロボットや自動倉庫、自動仕分けシステムなどの導入経験がある場合、忘れずに記載しておきましょう。
▼「職務経歴」欄についてさらにくわしく
3)物流管理・物流企画の「保有資格」など
重要度:★★・・・
語学力があればアピールする
「職務経歴」欄における取り扱い品目やそのボリューム、業務範囲などが重視される物流管理・物流企画(ロジスティクス)の職務経歴書において、「保有資格」欄や「活かせる経験・知識・技術」欄が合否に影響することは考えにくく、重要度は低いでしょう。
ただし、特にグローバル企業や国際物流、輸出入に関わるポジションに応募する場合、語学力はアピール必須。TOEICなどの点数とあわせて、実務における使用頻度/場面について併記しましょう。
評価にはあまり影響しませんが、フォークリフト運転技能者や倉庫管理主任者、通関士といった物流・貿易関連の資格があれば記載してもOK。特にない場合、「保有資格・スキル」欄ごと削除しても問題ありません。
▼「保有資格・スキル(語学)」欄についてさらにくわしく
キャリア
アドバイザー
「活かせる経験・知識・技術」欄には何を書く?
物流管理・物流企画において、「活かせる経験・知識・技術」欄の内容は合否に影響しないケースがほとんど。時間がない場合などは、項目ごと削除しても問題ありません。
もし記載する場合、例えば「物流管理システム(WMS/TMS)の導入経験」「通関手続きや法規制などの国際物流の知識」など、自身の経験・スキルのうち特にアピールしたいものやほかの欄で書ききれなかったものをピックアップします。
先述の「職務経歴」欄に記載した経験・スキルを一言のフレーズに言い直し、箇条書きにするのもよいでしょう。
▼「活かせる経験・知識・技術」欄についてさらにくわしく
4)物流管理・物流企画の「自己PR」
重要度:★★★・・
「職務経歴」欄が重視される物流管理・物流企画(ロジスティクス)の職務経歴書において、「自己PR」欄が合否に大きく影響するケースはまれですが、加点につながるケースがあるため、必ず記載しましょう。
特に若手など、実務経験や実績がそれほどない場合は、「自己PR」欄で課題解決(作業効率や輸送コストの改善など)に向けた取り組み・工夫(過程)を伝えることで、ポテンシャルを評価してもらえるケースがあります。
物流管理・物流企画がアピールしたい2つの能力
物流管理・物流企画の「自己PR」欄では、下記の2つの能力をアピールするのがおすすめ。
第一に、物流管理や物流企画にはリーダーシップや調整力が強く求められます。物流領域には荷主企業や運送会社、現場スタッフなど多くの企業や職種が関わりますが、物流管理や物流企画はそのマネジメントや取りまとめを担う立場だからです。
第二に、課題発見/分析/解決力も重要なスキル。物流管理・物流企画は業務効率化やコスト削減に向けて課題を発見・分析し、改善策を提案・実行していく立場であることに加え、物流の現場では天候や渋滞による配送遅延、ヒューマンエラーによる誤出荷や紛失といったトラブルが珍しくないため、そうした事態に柔軟かつ冷静に対応することが求められるからです。
書く際は、これらの能力の裏付けとして「何の課題・業務に対し・どのような取り組みや工夫をして・どれだけの成果につながったのか」について、順序立てて説明しましょう。
▼エピソード例
- (リーダーシップ・調整力)現場スタッフとの定期MTGを実施し、意見を吸い上げた上で作業フローやゾーニングの見直しなどを行い、ヒューマンエラーの削減やリードタイム短縮につなげた経験
- (リーダーシップ・調整力)運送会社や荷主企業と配送スケジュール・ルートや荷物量、納期についてこまめに連携を行い、トラブル発生時の配送遅延を最小限に抑えたり、契約更新率の向上につなげたりした経験
- (課題発見/分析/解決力)ハンディターミナルやWMS(倉庫管理システム)の導入などにより、ピッキング作業時間や誤出荷率の削減につなげた経験
- (課題発見/分析/解決力)過去のデータを分析し、繁忙期の需要予測モデルを構築したり、フレキシブルなスタッフシフトや運送会社との契約提携などにより、納期遵守率やクレーム発生率の改善につなげた経験
…など
▼「自己PR」欄についてさらにくわしく
この記事の担当者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。