転職が多い時はどうする? 職務経歴書の「職務要約」の例文・書き方

【職務要約】欄は、職務経歴書でアピールしたい内容のダイジェスト版・つかみの文章です。

ポイントや例文、記載すべき情報の集め方を見ながら、職務要約を書いてみましょう。

職務要約とは?

職務要約は、経歴をシンプルにまとめたもの

職歴要約の項目は、あなたの経歴をシンプルにまとめる欄です。応募先の企業とのマッチングを意識して、目を引く実績や入社後に活かせそうな経歴をピックアップして書きましょう。

なお、採用担当者が短い時間で書類をチェックできるよう、簡潔に3~4行程度(200~300文字前後)で書くのがいいとされています。

職務要約に書くべき3つのポイント

職務要約に書くべきポイントは3つ。「1)いつから、何を経験しているか?」「2)具体的に、どんな仕事に携わったか?」「3)どんな成果を上げてきたか?」を順番に書いていきましょう。

【職務要約の流れ・例文】1.いつから、何を経験しているか?2.具体的に、どんな仕事に携わったか?3.どんな成果を上げてきたか?以下、職務要約例

1)いつから、何を経験しているか?

まずはこれまで経験した職種と経験期間を、一文目でシンプルに伝えます。これから何について話すのか、宣言するつもりで記入しましょう。

〈記入例〉

  • 入社から5年間にわたり、営業事務としてアシスタント業務に従事しています
  • 営業として入社し、直近の3年間はプロジェクト管理者として商品企画に携わっています ……など

2)具体的に、どんな仕事に携わったか?

次に、過去の担当業務を詳細に書くことで「どんな仕事を、どこまで担当できるのか」を伝えます。応募先で任される仕事と自分の経験が一致していることをアピールするつもりで記入しましょう。

〈記入例〉

  • 営業:商品・サービスの企画から営業活動、顧客のアフターフォローまで担当
  • 事務:社内資料の作成や電話対応、役員のスケジュール調整などを担当
  • 経理:現金の出納管理、預金管理、月次決算まで担当 ……など

3)どんな成果を上げてきたか?

最後に、担当業務でどのような成果を上げてきたか、必ず伝えるようにしましょう。転職先でも「同じように成果を上げてくれそう」という印象を与えることができます。

なお、成果を書くときは具体的な数字や情報を盛り込むのも忘れずに。「取引先を月5件開拓した」など、具体的に書くことで成果を客観的に評価してもらえるようになります。

〈記入例〉

  • 取引先を月5件、新規開拓した
  • 不良品の発生率を、従来の10%にまで改善した
  • ○○業務の対応時間を1/3に削減することで、チームの作業効率アップに貢献した

書く内容は、どうやって集める?

職務要約に書く内容を集めるには、下記の流れで経歴を振り返り、情報を整理するのがおすすめです。

職務経歴を書くための情報収集の流れ|1、これまでの経験を書き出す|2、メインで担当した業務を抜き出す|3、2の中から応募先との関連性が高そうな経験を抜き出す|4、具体的な実績・数字を洗い出す

情報収集のポイントは「なにをメインに担当してきたか」「そのうち応募先と関連性が高そうな業務はどれか」を意識すること。

まず「1)これまでの経験を書き出す」で自分が経験した業務をすべて書き出してから、職務要約の軸になる「2)メインで担当した業務」を抜き出します。その中から、応募先との相性をアピールするために「3)応募先との関連性が高そうな経験」を抜き出してください。

もしもメインで担当した業務の関連性が低い場合は「前職では○○をメインに担当。加えて△△(応募先の業務に関係すること)も経験しました」といった形で、補足的にアピールできるものがないか検討しましょう。

メインで担当した業務・応募先と関連性が高そうな業務を抜き出したら、最後に「4)具体的な実績・数字」を洗い出します。ノルマの達成率や受賞歴など、客観的な成果が無いか探してみてください。

具体的には、下記のようなものが挙げられます。

【成果に盛り込みたい情報・数字】 ■営業売上/■成約件数・作業件数/■ノルマの達成率/■社内表彰などの受賞歴/■改善活動の実績(不良品を0にした、など)/■マネジメントした人数/■ランキング順位/■取得した資格名・技術名 …など

【職種別】職務要約の例文・サンプル

ここまでに紹介した流れ・ポイントを押さえた職務要約の例文を、代表的な職種で5つ(営業職・事務職・経理・販売職・エンジニア職)用意しました。

アレンジして自分の職務要約を作成してみましょう。

※上記5つ以外の職種のサンプルは、下記のページにある「業界・職種・状況別の例文ダウンロード」から確認できます。

営業職

〈例文〉
法人向け不動産会社で3年間、医療機器メーカーで4年間、営業職として新規の顧客開拓に取り組んでおります。1社目では年間30件の新規契約を締結。2社目では売上目標を36ヵ月連続で達成いたしました。

現在はチームリーダーとして、部下6人のマネジメント・タスク管理・育成を手掛けています。

営業職のポイント

  • 目標達成などの営業実績は、必ず盛り込む。
  • 目標達成し続けている期間や、社内順位などもアピールポイントになる。
  • マネジメント経験がある場合は、部下の人数までしっかりと書く。

▼営業職の職務経歴書のポイント・例文をくわしく
【営業職】職務経歴書の書き方ポイント&サンプル集(5種)

事務職

〈例文〉
新卒で入社してから5年間、一般事務職として社内の資料作成や電話応対、役員のスケジュール調整などを担当しています。業務効率化の提案にも力を入れており、属人化していた作業のマニュアル化や、経費精算・発注の情報入力の自動化などを推進。3年連続で備品管理ミス0件の達成といった成果を上げています

また、20種類以上の社内文書のフォーマットを作成し、全社員の業務効率化・残業削減にも貢献しました。

事務職のポイント

  • 具体的な業務内容を書いて、どんな作業を担当できるか伝える。
  • 事務に求められる細かい着眼点や機転、提案力を入れる。

▼事務職の職務経歴書のポイント・例文をくわしく
【一般事務・庶務・総務職】職務経歴書の書き方ポイント&サンプル
【営業事務】職務経歴書の書き方ポイント&サンプル

経理

〈例文〉
2014年から株式会社ABCの経理課で5年間にわたり、立替経費精算業務や現金の出納管理、帳簿や伝票などの管理を担当してまいりました。

2019年より主任補佐として、日次業務や月次業務と並行して年次決算業務も担当。予算実績管理や取引先への請求・支払い業務、株主総会での開示資料の作成を行いました。

経理職のポイント

  • 経験した業務内容は、一般的な用語(通称)を使って具体的に書く。
  • 業務範囲を正しく伝えるために、日次業務・月次業務・年次業務は分けて書く

▼経理職の職務経歴書のポイント・例文をくわしく
【経理】職務経歴書の書き方ポイント&サンプル

販売職

〈例文〉
新卒で入社して以来7年間、アパレルブランド『◯◯』の販売店にて靴・バッグの販売を担当しました。お客様の声を聞く姿勢を大切にした接客・提案を徹底しており、3年目には売上前年比130%を達成。社内表彰を受けています。

その後の3年間は本社の接客研修で講師を担当。昨年店長に昇格し、新入社員から入社5年目まで計5名の店舗スタッフをまとめ、育成カリキュラムの作成なども手掛けております。

販売職のポイント

  • 売上目標の達成率などの数字を入れて、具体的な実力や成果が伝わるようする。
  • 店長候補や店長職に応募する際は、自分の成果だけでなく、教育やマネジメントの経験も盛り込むと好印象に。

▼販売職の職務経歴書のポイント・例文をくわしく
【販売職】職務経歴書の書き方ポイント&サンプル

エンジニア職(SE)

〈例文〉
大学院を修了し入社してから5年間、金融機関向けの顧客管理システムの開発を担当しております。主に○○や○○など複数言語でのアプリケーション開発に携わり、セキュリティ対策、法的な知識の習得にも取り組みました。

その後、部署異動で社内SEを経験し、社内システムの要件定義・設計から携わっています。

エンジニア職(SE)のポイント

  • 担当したプロジェクトの内容や、取得スキルをまとめる。
  • 具体的な言語やソフト名は長々と詳しく書きすぎず「職務経歴の職務内容」「活かせる経験・資格」などの欄に記入する(職務要約で羅列すると読みにくいため)。

▼SEの職務経歴書のポイント・例文をくわしく
【ITエンジニア(SE)】職務経歴書の書き方ポイント&サンプル

転職支援のプロいわく、職務要約は職務経歴書の中でも特に重要な項目とのこと。

下記の記事では、採用担当者が職務要約をどう見ているのかや、簡単に作成できる穴埋め式の職務要約フォーマットを紹介しています。あわせてチェックしましょう。

転職回数が多い場合は、どう書く?

転職回数が多く、複数社経験している場合は、2~3社の経歴をピックアップして記入しましょう。

ピックアップする経歴は「(1)応募する企業・職種に関係があるもの」「(2)経験が長いもの」「(3)特にアピールしたい経歴」から選ぶのがおすすめです。

【転職回数が多い場合にピックアップすべき経歴】1. 応募する企業・職種に関係があるもの/2. 経験が長いもの/3. 特にアピールしたい経歴

職務要約に盛り込みたい経歴が決まったら、会社ごとに内容を区切って書くか、共通の業務内容・成果ごとにまとめて書きましょう。

【会社ごとに区切って書くパターン】職務要約例(1社目、2社目で文章を分ける)【共通の業務内容・成果ごとにまとめて書くパターン】職務要約例(共通の業務を担当した「3社」の経歴をまとめて書く)

職務要約の書き方Q&A

ここでは、職務要約の書き方に関する、よくある疑問にお答えします。

Q. アルバイト経験は書くべき?

職務要約に限らず、職務経歴書では基本的にアルバイト経験は書きません。正社員・契約社員・派遣社員・業務委託で経験した業務から、話題をピックアップしましょう。

ただし「数年単位の長期アルバイトかつ、業務内容が応募先と関連している」「アルバイトから社員登用された」といった場合は、書いても構いません。

書く場合は「アルバイトとして○○業務に従事」など、アルバイトとわかるように記入してください。

Q. 自己PRとの違いは?

職務要約が「これまでの職歴・成果をダイジェスト的にまとめたもの」であるのに対して、自己PRは「特にアピールしたい内容を、エピソードも交えて詳しく伝えるもの」です。

職務要約では職歴を簡潔に伝えることが大切なので「何をやって・どんな成果を残したか」に要点を絞りましょう

【職務要約と自己PRの違い】 職務要約:職歴・成果をダイジェストにまとめたもの |自己PR:職歴の中で最もアピールしたい内容を、エピソードも交えて詳しく伝えるもの

職務要約を書き終わったら…

職務要約欄を書き終えたら、次の項目の記入に移りましょう。それぞれの書き方は、各種解説ページでくわしく紹介しています。

職務経歴(職歴)欄を書きたい場合は…

資格欄を書きたい場合は…

自己PRを書きたい場合は…

完成間近!という人はこちらもチェック

この記事の執筆者

「転職Hacks」編集部

株式会社クイック

株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。

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