履歴書との違いは? 職務経歴書の職務経歴(職歴)記入ガイド
職務経歴書のなかでも重要な項目である職歴(職務経歴)欄ですが、具体的にどのような内容を記入すればいいのでしょうか?
履歴書の職歴欄との違いや、書き方のポイント解説を見ながら、欄を埋めていきましょう。
職務経歴書の「職歴」欄とは
職務経歴書の職歴(職務経歴)欄は、あなたがこれまでに担当してきた業務や実績を記入する欄です。
あなたの経験をまとめることで「あなたが何をできるのか」を企業に伝え、「入社後に活躍できそうか」を判断する材料になります。
履歴書の「職歴」との違いは?
職務経歴書の職歴は、より詳しく書くもの
履歴書の職歴は「入社・退社」の事実を古いものから順にまとめたもの。あくまで、応募者のプロフィールを簡単に把握するためのものです。
一方、職務経歴書の職歴は、経験・実績を通じて「あなたが何をできるのか」をくわしく伝えるもの。あなたの実績などを、エピソードなども交えて具体的に伝えます。
職務経歴書の職歴の書き方
職務経歴書の職歴欄には、勤務していた会社ごとに4種類の情報を記入していきます。
なお、記入するのは基本的に正社員・契約社員・派遣社員・業務委託の経験だけ。アルバイト・パート経験は書きません。
- 勤務先の会社概要
- 職務を担当していた期間
- その期間の職務内容
- その期間で上げた実績
【1】勤務先の会社概要
まずは会社の基本情報として、下記の5種類の情報を入力しましょう。
1. 企業名 | (株)などの略称を使わず、正式名称を記入する。 |
2. 事業内容 | 「〇〇の開発・製造」「〇〇の販売」など、勤務先の事業がイメージできる情報を記入する。 |
3. 売上高
4. 従業員数 5. 資本金 |
会社の規模をイメージできるよう、直近の売上高・従業員数・資本金を記入する。 |
会社のホームページがある場合「会社概要」のページからコピーすると楽に埋められます。なお複数社経験している場合は、会社ごとに5種類の情報をその都度記入してください。
【2】職務を担当していた期間
会社概要を記入し終えたら、職務内容の変わり目で期間を区切って、それぞれの期間ごとに職務内容を記載していきます。期間は「2020年4月~9月」「2020年10月~現在」といった形で記入しましょう。
なお、期間は古い方から順番に書くのが一般的です。直近の経験をアピールしたい場合には新しいものから書いてもOKなので、臨機応変に調整しましょう。
職務内容が変わるタイミングとは?
職務内容が変わるタイミングとして代表的なものは、下記の3つです。
- 部署異動したタイミング
- 新たなプロジェクトに参加したタイミング
- チームリーダー等に昇格したタイミング
部署異動などがなく、職務内容が現在まで変わっていない場合は、期間を区切らず「2019年11月~現在」と記入します。履歴書と異なり「在職中/退職予定」とは書かないので注意しましょう。
【3】職務内容
【2】で区切った期間でどんな仕事を担当していたのかを、期間ごとにそれぞれ箇条書きで記入します。下記の流れに沿って、業務内容を整理しましょう。
[1]その期間内の業務を、一文で説明する
読む人が拾い読みしやすくなるように「○○職として、××業務に従事」といった形で、職種・業務内容を簡潔に一文でまとめます。
[2]【主な業務】と見出しをつけ、具体的な職務内容を解説する
担当した業務・販売していた商品・対応件数などの情報を使って、職務内容を具体的に記載します。
〈記載すべき内容〉
- 業務範囲(担当した工程)
- 関わっていた人(どんな顧客が相手か/誰のアシスタントをしていたか等)
- 販売していた商品(営業職・サービス職の場合)
- 使用していた機器・技術・ソフトウェア(技術職の場合)……など
※複数の情報を伝えたい場合は、話題ごとに箇条書きにして伝えましょう。
【4】実績
職務内容の説明のあとに【実績】と見出しをつけて、得られた成果を書きます。
営業成績、社内順位、取引顧客の数など、数字で示せるものは必ず数字を入れましょう。
〈実績・成果として使いやすいもの〉
- 受注件数・対応した案件の数
- 営業成績・売上高
- 目標達成率
- 前年比の伸び率
- 職場改善の効果(不良品の発生率、削減できた作業時間)
- 携わった商品・成果物の名前、規模
- 第三者からの評価
- 取得したスキル(資格、ソフトウェア、言語の名前)……など
なお、ここで記入する実績は「あなた個人の成果」でも「チーム全体の成果」でも構いません。チームの成果を出す場合、あなたがどのように貢献したかを説明しましょう。
▼もっと具体的な例文を見たい場合は…
下記のページに、業界・職種別の職務経歴書のサンプル集を置いています。自分に近い業界・職種のサンプルを探して、職歴の具体的な書き方を見てみましょう。
職歴に空白期間がある場合は、どう書く?
職歴に空白期間(離職期間)がある場合、その期間について全く触れないのはNG。採用担当者に疑問を持たれる可能性があります。
必ず職歴が無い事情(病気・家庭の都合)や、その間に何をしていたのかを書きましょう。
よくある空白期間の理由と、それに対応する例文は下記の通りです。
転職活動をしていた場合
退職後に転職活動をしていた場合、ストレートにその事実を書きましょう。
病気療養していた場合
病気が原因で退職し、治療のために離職期間ができた場合も正直に伝えましょう。治療が完了しているようなら、現在は業務に支障がないことを必ず記入してください。
親の介護をしていた場合
親の介護で退職した場合も、理由を正直に伝えて構いません。復職できるようになった理由も添えると、入社後の業務に支障が出ないという安心感を持ってもらえます。
資格取得の勉強などをしていた場合
離職期間中に資格取得などのアピールにつながる活動をしていた場合、それについても触れるようにしましょう。前向きな姿勢を伝えることができます。
結果的に資格が取得できなかった場合も意欲は伝わるので、勉強していた事実を書いておくのがおすすめです。
職歴が多い場合はどうする? 省略してOK?
職歴が多くて文章が長くなってしまう場合でも、省略するのはNGです。すべての職歴を書きましょう。経歴に空白期間があることで、不信感を持たれかねません。
職歴が多い場合、まずはシンプルにすべての経歴を書きつつ、応募先に関係する経歴やアピールしたい経歴のみ詳しく書くようにしましょう。
職歴がまったくない場合、どうする?
職歴がまったくない場合、状況によって対応方法が異なります。下記のうち、当てはまる方法で対応しましょう。
正社員・契約社員・派遣社員・業務委託の経験がない場合
正社員・契約社員・派遣社員・業務委託としての経験がない場合、アルバイト・パート経験を職歴に記入しましょう。書き方自体は、前述の基本的な書き方と同様です。
評価を得るコツは、応募先の仕事とアルバイト・パート経験との共通点を強調すること。
たとえば接客業に応募する際は、接客経験・実績を具体的に書くことで、入社後に活躍するイメージを持ってもらえます。
働いた経験がまったくない場合
就職した経験が無い場合(アルバイト・パートも含めて働いた経験が無い場合)でも、企業から求められれば職務経歴書を用意する必要があります。
この場合、職歴欄には【職歴なし】と記入してください。
その後、フォローのために自己PR欄に就職への意気込みを記入しておきましょう。
「職務経歴書」のほかの欄の書き方は…
職務経歴欄の記入が終わったら、別の欄の記入も進めましょう。自己PR・職務要約といった自由記述欄は、ぜひ個別の解説記事も参考にしてください。
▼自己PRを書きたいときは…
▼職務要約を書きたいときは…
▼資格欄を書きたいときは…
▼完成間近!という人はこちらもチェック
▼職務経歴書の全体的な書き方の解説は…
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。