何を書けばいい? 職務経歴書の「活かせる経験・スキル」欄

職務経歴書の定番項目である「活かせる経験・スキル」欄。具体的にはどんな内容を、どのように書けばいいのでしょうか?

この記事では、定番のスキル・経験を例に、書き方を具体的にお伝えします。

そもそも「活かせる経験・スキル」欄の役割は?

職務経歴書の「活かせる経験・スキル」欄には、自分が持っている資格や知識を端的にアピールする役割があります。即戦力となるスキルや、入社後すぐに活かせる知識などが備わっていることを、箇条書きを使ってわかりやすく伝えましょう。

また未経験者であっても、応募先の業務に関連すると思われる資格・知識を書いたり、多くの資格を取得した(=努力できる)ことをアピールしたりすることで、採用担当者からの評価につなげられます。

【活かせる経験・資格・知識・スキル】■資格・普通自動車第一種運転免許(2016年3月取得)|■PCスキル・PowerPoint:図形やアニメーションを使ったプレゼン資料の作成が可能・Excel:ピボットテーブル・VLOOKUP関数・IF関数を使った表計算、グラフの作成が可能|■その他・TOEIC公開テスト スコア700点:文書読解、ビジネスメール、プレゼン資料作成が可能

なお、資格を書く場合はある程度決まったフォーマットがあります資格の書き方についてくわしくは、下記の記事にまとめてあるので、参考にしてください。

書いておきたい、定番スキル・経験の例

「活かせる経験・資格」欄には、具体的にどんな内容を書けばいいのでしょうか?

ここでは、多くの業種・職種で評価されやすい、定番の経験・スキルを5種類紹介します。

なお、定番の経験・スキルを書くのが難しい場合の対処法は、下記の章で紹介しています。

そちらも参考にしましょう。

1. PCスキル(パソコンスキル)

PCを使った事務処理能力のアピールに使える内容です。主に事務系職種に応募する際の定番スキルですが、基礎的な能力としてどの職種でもアピールできます

具体的には、下記の3種類のソフトウェアの使用経験を書くのが主流です。

  • Word(ワード)、Excel(エクセル)、PowerPoint(パワーポイント)
  • 会計ソフト
  • デザイン系ソフト(Photoshop、illustratorなど)

実際に記入する際は「使用していたソフト名+それを使って何ができるのか」を記載しましょう。

【記入例:PCスキル(パソコンスキル)】※下記のようなスキルを1~3個選んで書きましょう。【活かせる経験・資格・知識・スキル】■PCスキル:・Excel:IF関数、VLOOKUP関数、ピボットテーブル、グラフの作成/・Word:表作成やタブ揃え、段組み、ビジネス文書の作成/・PowerPoint:図表作成、アニメーション/・会計ソフト(○○○○、○○○○)の使用経験/・給与計算ソフト(〇〇○○)の使用経験/・勤怠システム(○○○○)の使用経験/・AdobePhotoshop(利用歴:2年6ヶ月)/・CSS(フルCSS対応可能)

2. 語学力

英語をはじめとした外国語を使う仕事に応募する際に使える内容です。

使える外国語について、語学検定の等級・スコアを伝えたり、以前の業務でどのように使っていたのか(メール作成・書類作成をしていた、など)を記載して、語学力のレベルをアピールしましょう。

【記入例:語学力】※下記のようなスキルを1~3個選んで書きましょう。【活かせる経験・資格・知識・スキル】■語学力・TOEIC公開テスト750点(20XX年XX月)・英語(ビジネス上のコミュニケーションが可能)・中国語(メール作成、契約書類の読解・作成が可能)

3. 専門的な業務の経験

応募する仕事に関連した経験・知識をアピールするための内容です。

応募する職業によって内容はさまざまですが、基本的な文章のフォーマットは決まっています。「どんな業務ができるか・どの業務範囲を担当できるか」について、具体的な業務名を並べて記載しましょう。

【記入例:専門的な業務の経験】※下記のようなスキルを1~3個選んで書きましょう。【活かせる経験・資格・知識・スキル】■業務の経験:・社会保険の各種手続き/・給与、賞与計算、年末調整(社員○○○名分)/・顧客へのヒアリング、商品仕様の折衝経験/・店舗経営にかかわるマネジメント経験(発注管理、予算管理など)/・新規製品の開発(試作から量産体制の構築まで経験)/・中長期的な生産計画の作成と、それにともなう工場生産体制の改善経験

4. コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、さまざまな業界・職種でアピールできる内容です。営業や接客業だけでなく、チームで連携する仕事・社風であれば活かせるスキルとしてアピールできます

記入する際は一言で「コミュニケーション能力」と伝えるのではなく、具体的にどんな相手やシチュエーションでのコミュニケーションが得意かを伝えるのがポイントです。

たとえば「どんな人と接してきた経験があるのか(年齢層・性別・立場など)」「どんなことが得意なのか(話をまとめるのが得意、初対面の人と打ち解けるのが得意など)」を具体化して伝えましょう。

【記入例:コミュニケーション能力】※下記のようなスキルを1~3個選んで書きましょう。【活かせる経験・資格・知識・スキル】■コミュニケーション能力:・主に20代~30代を女性を中心とした接客経験/・企業経営者との折衝経験/・保護者や生徒、学校関係者とのコミュニケーションによって培われた対人スキル/・不具合の原因を特定するためのヒアリング能力/・幅広い年齢層の方と打ち解けるための、言葉遣い・話題選び/・社内外を問わず、異なる意見をまとめるスキル

5. マネジメント経験

マネジメント職(役職採用)をはじめ、人をまとめたり、育成したりする仕事に応募する際に記載しておきたい内容です。

どんな人を何人くらい・どのようにマネジメントしてきたか」を端的に伝えて、応募先とのマッチングを図りましょう。

【記入例:マネジメント経験】※下記のようなスキルを1~3個選んで書きましょう。【活かせる経験・資格・知識・スキル】■マネジメント経験・チームリーダーとしてのマネジメント経験(メンバー5名、スケジュール管理・各種研修など)・人員配置やスケジュール調整などの、プロジェクト全体のマネジメント経験・外部プロダクションに対するディレクション経験

若手など、アピールできる経験・スキルが少ない場合は?

社会人経験の浅い若手や、応募先の業界の未経験者など、アピールできる経験・スキルが少ない場合は、ヒューマンスキルやビジネスマナーといった基礎的な能力をアピールするのがおすすめです。

「ビジネスの基礎が備わっている」「入社後、どのレベルから研修を行えばいいのか」といった情報を伝えられ、採用担当者に安心感を与えられます。基礎的な能力であっても、積極的にアピールしましょう。

〈アピールできる経験・スキルが少ない場合の内容例〉

ヒューマンスキル

ヒューマンスキルとは、協調性、責任感、柔軟性、忍耐力(粘り強さ)など、他者との良好な人間関係を構築するためのスキルを指します。

なお「協調性がある」とだけ伝えても客観的に評価しにくいため、伝える際は具体的なエピソードや周囲からの評価、成果もセットで伝えましょう。

【記入例:ヒューマンスキル】※下記のようなスキルを1~3個選んで書きましょう。【活かせる経験・資格・知識・スキル】■ヒューマンスキル|協調性:仕事をスムーズに進めるために、一緒に仕事をする仲間が何を求めているのかを考え、必要であれば準備や声掛けを行うようにしています。その結果、全体の業務漏れなども少なくなり、円滑に業務を進められるようになりました。|責任感:担当した顧客は責任を持って最後までフォローすることを心がけています。例えば顧客が希望した商品を用意できない場合でも代替案を必ず提案したり、アフターフォローまで定期的に行ったりしてきた結果、次の商談に繋がったケースも多々あります。|柔軟性:相手の意見を否定せず、まずは受け止めて考えるように心がけています。言葉通りに受け止めるだけでなく、その裏にある意図や真意を捉えた上で折衷案などを提案し、よりよいアイデアづくりに貢献してまいりました。|忍耐力(粘り強さ):業務量が多くても、粘り強く対応できる強みがあります。突発的に大量のデータ入力が発生した際も、可能な限り残業することで通常業務と並行して漏れなく対応してきました。

ビジネスマナー

社会人経験が浅い若手・第二新卒では、基礎的なビジネスマナーが身についているかが注目される傾向があります。

敬語や電話応対、報連相など、前職の業務や研修を通じてどんなマナーを学んできたかを記載しましょう。

【記入例:ビジネスマナー】※下記のようなスキルを1~3個選んで書きましょう。【活かせる経験・資格・知識・スキル】■ビジネスマナー|敬語、電話応対、守秘義務、報連相、ビジネス文書の書き方など、一通りの研修を受けています。顧客訪問における敬語の使い方や、事前の準備内容、メールでの折衝方法など、ロールプレイング形式の研修や実務を通じて学んでいます。

ビジネススキル

ビジネススキルとは、仕事を円滑に進めるための能力のこと。具体的には「論理的思考力」「プレゼンテーション能力」「タスク管理」といった能力を指します。

さまざまな仕事で共通して活かせるスキルなので、これまでの業務を振り返って何かアピールできないかを検討してみましょう。

記入する際は、他者からの評価や工夫したポイント、成果をあわせて伝えると、採用担当者に納得感をあたえやすくなります。

【記入例:ビジネススキル】※下記のようなスキルを1~3個選んで書きましょう。【活かせる経験・資格・知識・スキル】■ビジネススキル|論理的思考力:業務改善の提案を行う際は、常に論理的なアプローチを心がけ、課題・原因の調査や最も効果的な解決手段の提案を行っています。その結果、上司からの納得も得られやすく、スピーディーに業務改善を行うことができました。|プレゼンテーション能力:企画書の作成や、先輩社員のプレゼン資料の作成補助などを経験しています。また、より理解しやすい資料を作成するため、参考書を購入し独学でプレゼンテーション力を磨いています。|タスク管理:多くの業務を処理できるよう、自分のタスク状況を可視化するドキュメントを作成して管理しています。資料をもとに優先順位付けも行うことで、突発業務が発生しても納期の調整がしやすくなり、納期の超過を防げています。

どうしても経験・スキルが書けない場合は、どうする?

無理に書かなくてもOK

活かせる経験・スキル欄は、自由記述。そのため、書く内容がどうしても思い浮かばない場合は、項目を削除して構いません

その代わり、職務経歴や自己PR欄などで、あなたの経験・エピソードを手厚く語るようにしましょう。

勉強中のことについてアピールするのも◎

活かせる経験・スキル欄には、勉強中の内容を書いてもOKです。転職に向けて情報収集や、自発的な努力を行っていることがアピールできます。

取得に向けて勉強中の資格や、業務に関係するセミナーの受講経験などを記入して、意欲を伝えましょう。

【記入例:勉強中・取得予定の資格・知識】※下記のようなスキルを1~3個選んで書きましょう。【活かせる経験・資格・知識・スキル】■勉強中・取得予定の資格・知識|・日本商工会議所簿記検定2級(取得に向けて勉強中)/・マーケティングに関するセミナーを受講。基礎知識から分析方法のトレンドまで、幅広く情報収集を行っています。

活かせる経験・スキルを書き終えたら…

資格欄自己PRなど、職務経歴書の残りの欄の記入方法は下記の記事で紹介しています。例文を見ながら埋めていきましょう。

また、業界・職種別の解説・例文ページもあるので、ぜひご活用ください。

▼資格の書き方や、定番資格を知りたい場合は…

▼自己PRの書き方や、例文を見たい場合は…

▼業界・職種別の例文を見たい場合は…

ページ内の「業界・職種・状況別の例文ダウンロード」から、各種例文ページに移動できます。

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