書き方・テンプレート Webマーケティングの職務経歴書
Webマーケティングの職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。最新の採用事情に精通したキャリアアドバイザーのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
Webマーケティングの職務経歴書テンプレート
Webマーケティングの職務経歴書ではこの4つが見られる
転職活動では「自身の経験・スキルが応募先にどれだけマッチするか」が合否の判断基準になりますが、Webマーケティングの職務経歴書ではとりわけ「ターゲット層・担当業務・媒体・予算額」の4点の親和性が重視されます。なぜでしょうか?
言わずもがなですが、企業や商品・サービスによってターゲット層は異なります。
そしてターゲット層が違えば、Webブラウザ(オウンドメディアやECサイトなど)かSNSか、はたまたメールか、よく使う媒体も三者三様のため、必然的に企業が注力したいマーケティング施策(手法)や任せたい業務にも差が出てくるでしょう。
また、予算額によって実施できる施策も大小さまざまです。
そのため採用担当者は「誰向けに・何の媒体で・どのようなマーケティング施策(手法)を・どれくらいの規模感で行っていたのか」をくまなくチェックしており、その内容が「自社でやりたいWebマーケティングと親和性がありそう」と思ってもらえてはじめて、書類選考を通過できるのです。
よって、Webマーケティングの職務経歴書では「職務経歴」欄を中心に、これまで関わったターゲット層や媒体、担当業務や予算額などについてくわしく記載するのが鉄則です。

キャリア
アドバイザー
Webマーケターは会社名で判断されやすい!
Webマーケターは、よくも悪くも会社名だけで実務経験の内容やレベル感のイメージが付きやすい職種。
職業柄、トレンドのキャッチアップのために他社のマーケティング事例にもくわしい採用担当者が多く、例えば「●●社はSNSでよく話題になるから、SNSマーケティングの知見がありそう」などと、会社名によって印象が左右されやすいからです。
そのため、Webマーケティング界隈で名の知れた会社での経歴があれば「とりあえず会ってみて、経歴の詳細は面接で確認しよう」とされるケースもあるでしょう。
その反面、採用担当者が知らない会社だった場合は「よく知らない会社だし、経験内容の記述も曖昧だから不合格」とされてしまうリスクも。
よって、「何ができるのか」が正しく・漏れなく伝わるよう、基本的に実務経験はくわしく記載しておくのが安心です。
1)Webマーケティングの「職務要約」欄
重要度:★★★・・
応募先にマッチする経験を書く
「職務要約」欄には、応募先で求められている経験を中心に記載するのが鉄則。
例えば「オウンドメディアのアクセス解析/課題定義/改善策企画」「運用型広告の広告戦略策定やクリエイティブ作成、入札調整、LP改善」「コンテンツの企画立案や編集・SEO対策・ディレクション」など、求人の「仕事内容」や「必須/歓迎条件」などに記載されているキーワードをそのまま盛り込むのがポイントです。
Webマーケティングの書類選考で合否の決め手となるのは後述の「職務経歴」欄ですが、採用担当者が最初に目を通すのは、あくまで「職務要約」欄。
まずはここでザックリ「求めている経験・知識がありそう」と感じてもらわないことには、そもそもその先を読まれずに不合格になってしまうリスクがあるのです。
▼「職務要約」欄についてさらにくわしく
2)Webマーケティングの「職務経歴」欄
重要度:★★★★★
Webマーケティングの職務経歴書において、「職務経歴」欄は最も重要な項目。ここの内容次第で合否が決まると言っても過言ではありません。
なぜなら採用担当者はこの欄から応募者の実務経験を確認し、その内容が「自社のWebマーケティングポジションとマッチするか」を厳しくチェックしているからです。
くり返しになりますが、自身の実務経験が漏れなく・正確に伝わるよう、「職務経歴」欄には下記の4つの項目を必ず記載しましょう。
Webマーケティングの「職務経歴」欄で注意したい2つのポイント
Webマーケティングが「職務経歴」欄を記載する上で、特に注意したい2つのポイントを紹介します。
1)担当業務はすべて書き出す
「担当業務」の項目には、経験のある業務はどんなものでもすべて書き出しましょう。
一口に「Webマーケティング」といっても、その施策(手法)にはさまざまな種類があり、企業によって注力したい領域も異なります。
媒体/手段 | 施策(手法)の例 |
Webサイト
(オウンドメディアや ECサイト) |
|
Web広告
(Google広告など) |
|
SEO |
|
SNS
(X、Instagramなど) |
|
動画
(YouTube、TikTokなど) |
|
そのため、担当業務を漏れなく記載しておくことで、射程範囲が広がって応募先の選択肢が増える・自身と応募先の共通点が漏れなく伝わり、親和性をより感じてもらいやすくなるといったメリットがあります。

キャリア
アドバイザー
面接で聞かれても答えられるように!
「担当業務」の幅広さはアピールにもつながる一方、記載した以上は「問題なくできること」とみなされます。
面接で詳細を聞かれた際にボロが出ないよう、担当業務一つひとつについて「どのような状況で・何をして(どのような工夫をして)・どういった成果につながったのか」、具体的な事例をしっかり言語化しておきましょう。
2)施策の詳細・プロセスを伝える
担当業務について「広く」記載するのと同時に、「深く」記載する=つまり施策の詳細・プロセスを書くことも、重要なポイントです。
くり返しになりますが、企業によって任せたい業務はまちまちなため、単に「クリエイティブやキャッチコピーの改善(A/Bテスト)」「広告効果の分析・レポーティング」などと箇条書きするだけではやや情報不足。採用担当者は自社との親和性を判断しきれません。
そこで、「担当業務」の項目とは別に「主な施策(PJ)」(あるいは「取り組み・実績」)などの項目を設け、「どのような目的で(何をKPIに定め)、どのような施策を実施し、どのような結果になったのか」、具体的な事例を1~3個ほど記載しておきましょう。
〈施策の例〉
- (Webサイト)会員登録のCVR改善のため、登録フォームの入力項目の削減やデザインの改善を実施した結果、CVRが10%から20%に改善
- (Web広告)ユーザーの行動データに基づき、特定の地域や時間帯での配信を強化した結果、CPAを10%削減しつつ、CVRの5%改善を達成
-
(SEO)流入の少なかった「●●」系のキーワードで複数の記事を作成した結果、対象KWからの自然流入数が40%増加し、記事経由のCV数も10件発生
…など
担当していたオウンドメディアやECサイト、SNSアカウント、LPや記事などがあれば、そのURLもあわせて記載するのがおすすめです。
特に効果の大きかった施策については、後述の「自己PR」欄でさらにくわしく触れてもよいでしょう。
▼「職務経歴」欄についてさらにくわしく
3)Webマーケティングの「保有資格」欄など
重要度:★・・・・
「職務経歴」欄=実務経験が重視されるWebマーケティングの職務経歴書において、「保有資格・スキル」欄が合否に影響することは考えにくく、重要度は低いでしょう。
ただし、語学と使用可能ツール(Google Analyticsなど)については記載しておきましょう。
語学
Webマーケティングのポジションは海外のデータ分析チームやオフショア開発チームと連携するケースもあるため、TOEIC600~700点以上の語学力がある場合、記載しておくと好印象につながります。
英語を使った実務経験がある場合、例えば「海外支社スタッフとのメールや打ち合わせ(週2~3回)」など、使用頻度/場面についても併記します。
※TOEICなどを受験したことがない、点数が低いといった場合は、項目ごと削除しても問題ありません。
使用可能ツール
Webマーケティングの業務で頻繁に使用する下記のような各種ツールについては、「使用可能ツール」としてすべて書き出しましょう。
採用担当者が自社との親和性を判断するための大切な情報の一つです。
用途 | ツール名 |
アクセス解析 |
|
サイト改善 |
|
広告運用 |
|
SEO |
|
SNS |
|

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アドバイザー
若手はPCスキルをアピールするのも◎
若手で実務経験が浅い場合、Webマーケターとしての基礎能力やポテンシャルを伝える意味で、「PCスキル」の項目を設けてもよいでしょう。
データ集計・分析に使うExcel、資料作成に使うWordやPowerPointのほか、広告クリエイティブの制作などに使うIllustrator、Photoshopといったソフトを箇条書きにして、それぞれスキルのレベル感を簡単に記載しましょう。
▼「保有資格」欄についてさらにくわしく
4)Webマーケティングの「自己PR」欄
重要度:★★・・・
「職務経歴」欄が重視されるWebマーケティングの職務経歴書において、「自己PR」欄が合否に大きく影響するケースは稀です。
ただし、「職務経歴」欄と同じく施策の詳細・プロセスを記載することで、加点につながるケースがあります。
Webマーケティングがアピールしたい2つの能力
Webマーケティングの「自己PR」欄では、下記の2つの能力をアピールするのがおすすめ。
※30代以上の方は、プロジェクト管理能力やチームマネジメント能力などをアピールするのもおすすめです。
Webマーケティングではデータドリブンの考え方のもと、インプレッションやCTRなど各種データに基づく仮説立てや検証をするための課題発見/分析力は必要不可欠。
日々トレンドやテクノロジー、競合の状況が目まぐるしく変化し、ユーザー行動も多様化・複雑化するWebマーケティング領域において、こうした能力はますます求められるようになるでしょう。
また、分析内容をもとに、その改善・解決に向けた施策を考え実行する企画力・実行力も同じく重要なスキルです。
自己PRを書く際は、これらの能力を裏付けるエピソードとして「どのような課題に対して・どのような目的で(何のKPIを定め)・どのような施策を実施し・どういった成果につながったのか」を、順序立てて説明しましょう。
〈エピソード例〉
- (Webサイト)直帰率が高いサイトについて、Google Analyticsやヒートマップツールを活用し、ユーザーの視線誘導が不適切・ページの読み込み速度が遅いといった課題を特定。ファーストビューやCVボタンのデザインや位置を改善したほか、画像圧縮やコード最適化も行った結果、直帰率が70%から50%に改善し、平均セッション時間も30%向上。
- (Web広告)SNS広告において、CTRが業界平均を下回っており、ターゲットの行動データや興味関心を再分析の上、ペルソナを再設計。その内容をもとにコピーや画像のバリエーションを複数制作し、A/Bテストをくり返し行った結果、CTRが1%から3%に改善。
- (SEO)競合分析とキーワード調査の結果、ロングテールキーワードでの対策が不十分と判明。新規記事を20本作成し、関連度の高い記事同士で内部リンクの強化も同時に行った結果、月間オーガニック流入が30%増加し、直帰率も70%から60%に改善。
自己PRに使うエピソードは、前述の「職務経歴」欄の「主な施策」(「取り組み・実績」)で触れた内容と同じものでも問題ありません。詳細を肉付けするイメージで書いてみましょう。
▼「自己PR」欄についてさらにくわしく
履歴書の作成も忘れずに!
転職の書類選考では、職務経歴書とあわせて履歴書の提出を求められることが一般的。
まだ着手していない場合、まずは下記の記事から自分に合ったテンプレートをダウンロードしましょう。
ダウンロードできたら、下記の記事から書き方・ポイントを確認し、早速作り始めてみましょう。
この記事の担当者

「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。
