書き方・テンプレート 商品企画の職務経歴書
商品企画の職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。最新の採用事情に精通したキャリアアドバイザーのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
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商品企画の職務経歴書テンプレート
※自動車部品メーカー・食品メーカーの2つの職歴を併記しています。内容を確認し、使いやすい方をご利用ください。
商品企画の職務経歴書で最も大切なこと
商品企画の職務経歴書では、これまで担当してきた「商品・サービス」や「業務範囲」が、合否の大きな判断材料として重視されます。なぜでしょうか?
言わずもがなですが、商品・サービスが違えば、ターゲットや価格帯はもちろん、業務の進め方や必要知識などが大きく異なります。
また、一口に「商品企画」といっても、例えば市場調査は支援会社に外部委託していたり、はたまたサプライヤー選定などの購買関連業務まで担っていたりと、その業務範囲は企業によって実にさまざま。
そのため採用担当者は、応募者が「誰向けのどのような商品・サービスを企画し、その中で何の業務を担当していたのか」がわからないことには、「自社の商品企画ポジションを担える人材かどうか」を判断できず、不採用となってしまうのです。
よって商品企画の職務経歴書では「職務経歴」欄を中心に、これまで関わった商品・サービスや業務範囲についてくわしく記載するのが鉄則です。
キャリア
アドバイザー
応募先の募集背景にマッチする経験・スキルを伝える
転職は企業が求める経験・スキルと応募者の経験・スキルのマッチングであり、職務経歴書(書類選考)でもそれは同じ。
内定を得るためには、応募先のポジションでは「どのような理由・背景から、何を求められているのか」を正しく理解した上で、「その期待に応えられる経験・スキルが備わっていること」を明確に伝える必要があります。
特に商品企画は、”企業の収益の源泉かつ存続理由”とも言える商品・サービスを生み出す重要ポジションのため、マッチングの基準は厳しい傾向にあります。
よって職務経歴書の作成時は、応募先ごとに求人の募集背景や仕事内容、必須条件などをくまなくチェックし、それらにマッチする経験・スキルを中心に記載するよう心がけましょう。
ただ、すべて自力で調べるのは手間がかかる上に、募集背景まで公開していない企業も。転職エージェントは企業研究や書類作成のサポートはもちろん、一般に公開されていない情報まで教えてもらえるケースもあるため、迷ったら相談するのもおすすめです。
1)商品企画の「職務要約」
重要度:★★★・・
※食品メーカーの例
応募先にマッチする経験を書く
「職務要約」欄には、応募先で求められている経験を中心に記載するのが鉄則。
例えば「商品コンセプト/商品名/価格/ターゲット選定などの企画立案」「OEMとの折衝」「量産立ち上げ」など、求人の「仕事内容」や「必須/歓迎条件」などに記載されているキーワードをそのまま盛り込むのがポイントです。
商品企画の書類選考で合否の決め手となるのは後述の「職務経歴」欄ですが、採用担当者が最初に目を通すのは、あくまで「職務要約」欄。
まずはここでザックリ「求めている経験・知識がありそう」と感じてもらわないことには、そもそもその先を読まれずに不合格になってしまうリスクがあるのです。
▼「職務要約」欄についてさらにくわしく
2)商品企画の「職務経歴」
重要度:★★★★★
※食品メーカーの例
商品企画の職務経歴書において、「職務経歴」欄は最も重要な項目。ここの内容次第で合否が決まると言っても過言ではありません。
なぜなら採用担当者はこの欄から応募者の実務経験を確認し、その内容が「自社の商品企画ポジションとマッチするか」を厳しくチェックしているからです。
そのため、自身の実務経験が漏れなく・正確に伝わるよう、「職務経歴」欄には下記の項目をくわしく記載しましょう。
商品企画の「職務経歴」欄で注意したい3つのポイント
商品企画が「職務経歴」欄を記載する上で、特に注意したい3つのポイントを紹介します。
1)商品・サービスのサイトURLを併記する
※食品メーカーの例
担当していた商品・サービスの名称に加え、ブランドサイトがあれば、そのURLも併記しましょう。忙しい採用担当者が、商品・サービス名を一つずつ丁寧に調べてくれるとは限りません。
また、サイトURLを記載することで、その商品・サービスをよく知らない採用担当者に対しても、商品のパッケージデザインや価格はもちろん、コンセプトや仕様といった多くの情報を同時に伝えることができます。
結果、「この●●という商品は、ターゲットや配合成分が自社製品の▲▲と似ているから、経験や知識が活かせそう」などと、応募先との親和性を見つけてもらいやすくなるというメリットもあります。
2)担当業務はすべて書き出す
「担当業務」の項目には、経験のある業務はどんなものでもすべて書き出しましょう。
企業によっては、市場調査やコンセプト立案といったメイン業務のほか、例えば下記のような業務まで担うところも。
- サプライヤー選定(購買関連業務)
- OEM企業や研究開発・製造部門との折衝・調整業務
…など
こうした周辺業務も漏れなく記載しておくことで、(まさにそうした周辺業務を担うポジションを含め)応募先の選択肢が広がったり、採用担当者により強く親和性を感じてもらえたりといったメリットがあります。
キャリア
アドバイザー
面接で聞かれても答えられるように!
「担当業務」の幅広さはアピールにもつながる一方、記載した以上は「問題なくできること」とみなされます。
面接で詳細を聞かれた際にボロが出ないよう、担当業務一つ一つについて「どのような状況で・何をして(どのような工夫をして)・どういった成果につながったのか」、具体的な事例をしっかり言語化しておきましょう。
3)実績+企画プロセスを伝える
※食品メーカーの例
「職務経歴」欄の下部には「取り組み・実績」といった項目を設け、下記のような定量的成果を示すのが鉄則です。
また下記のように、こうした数値目標を達成するまでの企画プロセス(課題の分析→取り組みの内容)についても併記するのがポイント。
〈企画プロセスの具体例〉
- (課題発見・分析)業界リサーチやSNSのトレンド分析により、健康志向の高まりから低糖質食品市場が成長していることを発見
→(アクション)自社商品のうち低糖質対応が不十分な分野を特定。競合製品の成分分析を実施の上、自社独自の付加価値(例:自然由来の甘味料使用)を付けて製品化
→(実績)発売後Xカ月で売上目標に対し120%を達成
社会情勢の変化が激しく、消費者ニーズも多様化する昨今、商品企画ポジションにはシェアの確保・拡大に向けたタイムリーな情報のキャッチアップや、自社の商品・サービスへの影響や解決策について主体的に考え実行する情報収集/分析力や課題解決能力が不可欠です。
よって結果だけではなく、その過程まであわせて記載することで、そうした能力や豊富な周辺知識(法規制や技術など)が備わっていることが伝わり、評価につながります。
▼「職務経歴」欄についてさらにくわしく
3)商品企画の「保有資格」など
重要度:★・・・・
実務経験(担当商品・サービス、業務範囲など)が重視される商品企画の職務経歴書では、「保有資格・スキル」欄が合否に影響することは考えにくく、重要度は低いでしょう。
ただし、海外のサプライヤーや協力会社とのやり取りが発生する企業も多いため、TOEIC600~700点以上の語学力がある場合は、必ず記載しましょう。加点要素になります。
英語を使った実務経験がある場合、使用頻度/場面についても併記しておきましょう。
キャリア
アドバイザー
若手はPCスキルをアピールするのも◎
若手で実務経験が浅く、実績もあまりない場合、商品企画としての基礎能力やポテンシャルを伝える意味で、「PCスキル」の項目を設けてもよいでしょう。
データ集計・分析に使うExcel、プレゼンに使うWordやPowerPointのほか、パッケージデザインなどに使うIllustrator、Photoshopといったソフトを箇条書きにして、それぞれスキルのレベル感を簡単に記載しましょう。
▼「保有資格」欄についてさらにくわしく
4)商品企画の「自己PR」
重要度:★★・・・
※食品メーカーの例
「職務経歴」欄が重視される商品企画の職務経歴書において、「自己PR」欄が合否に大きく影響するケースはまれです。
ただし、「職務経歴」欄の「取り組み・実績」と同様、KPI達成までの企画プロセスを詳細に記載することで、加点につながるケースがあります。
商品企画がアピールしたい2つの能力
商品企画の「自己PR」欄では、下記の2つの能力をアピールするのがおすすめ。
書く際は、これらの能力を裏付けるエピソードとして「どのような課題に対して・どのような取り組みや工夫をして・どれだけの成果につながったのか」を、順序立てて説明しましょう。
巻き込み力・推進力
第一に、商品企画には巻き込み力・プロジェクト推進力が強く求められます。
企画した商品を製品化するまでには、開発部門や製造部門と技術・コスト面での実現可能性やスケジュール、設備投資やコストカットなどについて協議したり、経営層に対して競合優位性や収益性などに関するプレゼンテーションを行ったりなど、社内外の関係者との折衝が多く発生します。
そのため商品企画には、旗振り役として周囲を巻き込み、プロジェクトを推進していく能力が不可欠なのです。
▼エピソード例
- (自動車)新興国向けの低コスト・高級耐性の新型車企画
海外拠点のマーケティングチームを巻き込んで、消費者ニーズや規制要件に関する情報をヒアリングし、開発・製造部門とも共有。予算や販売計画をクリアする設計や生産ライン、スケジュールを立案した経験 - (食品)主力商品の若年層への訴求力向上に向けたパッケージリニューアルPJ
パッケージ変更にかかるコスト抑制に向け、既存設備で対応可能なデザイン案について製造部門と協議。また、消費者アンケートの結果に関して経営層へのプレゼンを行い、予算の追加を実現した経験
…など
企画力(情報収集/分析力・課題解決力)
第二の企画力(情報収集/分析力・課題解決力)については、繰り返しになりますが、商品企画には自社を取り巻く市場環境を素早くキャッチ・分析し、それをふまえた商品・サービスを企画することが求められます。
▼エピソード例
- (自動車)EVのシェア拡大に向け、各国の補助金制度や規制変更、競合他社の発表内容を日々モニタリング。また、コストカットに向けて消費者アンケートを行い設備・機能を見直し、競合他社製品と同等の価格設定を実現した経験
- (食品)市場調査データやSNSのトレンド分析、健康食品を専門とする小売業者からのフィードバックを通じて、消費者が求める具体的な商品特徴(例:グルテンフリー、砂糖不使用)を特定。また、開発部門と原材料について協議し、製品化につなげた経験
…など
▼「自己PR」欄についてさらにくわしく
商品企画の志望動機もあわせてチェック
職務経歴書が完成したら、悩みがちな志望動機の書き方や例文についても、下記の記事から確認しておくのがおすすめです。
特にメーカーの場合、志望動機は面接で必ずと言っていいほど聞かれる質問であり、答え方によっては合否に影響することもあるでしょう。
書類作成のタイミングで準備しておくと、のちのちの面接で回答に困らずに済みます。
履歴書の作成も忘れずに!
転職の書類選考では、職務経歴書とあわせて履歴書の提出を求められることが一般的。
まだ着手していない場合、まずは下記の記事から自分に合ったテンプレートをダウンロードしましょう。
ダウンロードできたら、下記の記事から書き方・ポイントを確認し、早速作り始めてみましょう。
この記事の担当者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。