書き方・テンプレート ITコンサルタント転職の職務経歴書
SE(システムエンジニア)やPM(プロジェクトマネージャー)からITコンサルタントに転職する場合の職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。IT業界の最新動向や採用事情に精通したキャリアアドバイザーのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
ITコンサルタントの職務経歴書テンプレート
顧客折衝経験とドキュメンテーション能力が見られている
SEやPMからITコンサルタントへ転職する場合、職務経歴書では特に下記の2点がチェックされています。
書類選考を通過するためには、これらの経験や能力が十分にあることを、職務経歴書全体をとおしてしっかりと伝えていく必要があります。
顧客折衝の経験/能力
大前提として、ITコンサルタントの書類選考では、SEやPMの「実務経験」が合否の大きな判断基準とされていますが、なかでも要求/要件定義をはじめ、ステークホルダーとの折衝経験の内容・レベル感が、特に細かくチェックされています。
というのも、ITコンサルタントは職業柄、顧客の重役・経営層相手のヒアリングやプレゼンテーションが多く発生するため、採用担当者はそうした業務への適性を見定めようとしているからです。
そのため職務経歴書の作成時は、特に「職務経歴」欄や「自己PR」欄のなかで、SEやPMとして「課題解決に向けて顧客とどのようにかかわっていたのか」について、具体的に記載するのがポイントです。
ドキュメンテーション能力
ITコンサルタントはプロジェクト期間中、企画書や議事録、提案書といったさまざまな資料を作成する必要があるため、「読み手にとってわかりやすく、ミスのない職務経歴書になっているか」という、ドキュメンテーション能力(文章力)もチェックされています。
見にくいレイアウトや誤字脱字は適性を疑われかねないため、職務経歴書の作成時は全体を通して表組みや枠線、塗りつぶしなどの機能を駆使してメリハリをつけつつ、主語・述語や「てにをは」の間違い、冗長な表現がないよう十分注意しましょう。
特に若手でポテンシャル採用の場合や、採用倍率が高い大手のコンサルティングファームに応募する場合、この傾向はさらに強まります。
各項目のくわしい書き方は、次の章から解説します。下記の画像にポイントを一覧でまとめたので、こちらも参考にしてください。
1)職務要約
重要度:★・・・・
端的でわかりやすい文章にする
ITコンサルタントの書類選考で主に見られるのは後述の「職務経歴」欄のため、「職務要約」欄が合否に影響することは考えにくいでしょう。
ただし、ドキュメンテーション能力を疑われないよう「読み手にとって端的でわかりやすい文章になっているか」をよく確認しましょう。
「どんなプロジェクトを中心に・どの立場で・どこのフェーズを担当してきたのか」について、簡潔に記載します。
▼「職務要約」欄についてさらにくわしく
2)職務経歴
重要度:★★★★★
プロジェクトや業務の内容を具体的に記載する
ITコンサルタントを志望する場合、「職務経歴」欄は合否に関わる最重要項目。
というのも、採用担当者はこの欄から応募者の実務経験を詳細に確認し、その内容やレベル感が「自社の募集ポジションや業務内容にマッチするか」を確認しているから。
よって実務経験についての記述が曖昧だったり不足していたりすると、他の項目の内容にかかわらず「よくわからないから不採用」になってしまうのです。
そのため「職務経歴」欄には、これまで関わったプロジェクトごとに、下記の項目を具体的に記載しましょう。
また、前述のとおり「多くの情報をいかにわかりやすく伝えられるか」というドキュメンテーション能力も見られているため、適宜表組みや枠線、塗りつぶし機能などを使って見やすいレイアウトを心がけてください。
顧客折衝について重点的に触れる
先述のとおり、採用担当者はITコンサルタントへの適性を判断しようと、「顧客折衝の経験/能力」を特に細かくチェックしています。
そのため、顧客折衝経験については「担当フェーズ(業務内容)」や「取り組み・実績」の項目を中心に、文字数を割いて具体的に記載するのがポイントです。
特に社長や役員といった顧客の上層部と直接対話した経験は、高評価につながります。
担当フェーズ(業務内容/役割)
「担当フェーズ(業務内容)」の項目では、単に「要求/要件定義」だけではなく、例えば「要件定義:新規事業イメージのヒアリング、アーキテクチャ検討やコスト調整」などと、具体的に何を行ったのかについて補足説明を追記します。
「取り組み・実績」
「取り組み・実績」の項目であれば、例えば「ERPシステムの導入時はPMO、経理、財務、IT、購買の各部門に要件ヒアリングを実施し、As-IsとTo-Beを定義した」など、どんなステークホルダーとどのように関わったのかについて、くわしく記載しておきましょう。
キャリア
アドバイザー
ERPパッケージや基幹系システムに関わる経験は◎
コンサルティングファームが扱う案件との親和性から、ERPパッケージや基幹系システムに関わる経験は評価につながりやすい傾向があります。
エンジニアとしての経験年数が長く、プロジェクト数が多くなる場合は、特にこうしたプロジェクトについてくわしく記載するとよいでしょう。
なかでも「SAP」は、昨今保証切れで刷新対応が必要な企業が多く、知識・技術の専門性も高いため、評価が飛躍的にアップします。経験があれば必ず記載しましょう。
▼「職務経歴」欄についてさらにくわしく
3)保有資格・スキル/活かせる経験など
ITコンサルタント志望の職務経歴書において、「保有資格・スキル」欄や「活かせる経験・知識・技術」欄はあまり重視されていないため、下記のポイントだけ押さえておけば問題ありません。
「保有資格・スキル」欄
「保有資格・スキル」欄にはIT分野の知識・技術の証明として、所持しているIT系の資格はすべて記載しておきましょう。
また、TOEICは700点以上であれば、記載することで加点要素になります。BIG4をはじめ、ITコンサルタントではグローバル案件が多かったり、オフショア開発を行うケースもあるからです。
記載時は例えば「オフショア先の現地エンジニアとのオンライン会議(週1回)」など、実務におけるレベル感や使用頻度についても併記します。
▼「保有資格(語学)」欄についてさらにくわしく
「活かせる経験・知識・技術」欄
「活かせる経験・知識・技術」欄には、「職務経歴」欄に記載した経験や、業務で発揮された/身につけた能力(知識・技術)を一言で表現し、箇条書きでまとめておきましょう。
▼「活かせる経験・知識・技術」欄についてさらにくわしく
4)自己PR
重要度:★★・・・
ITコンサルタントを志望する場合、「自己PR」欄はあくまで加点要素です。
特に、ITコンサルタントに求められる下記のような経験・スキルを、その根拠となる具体的なエピソードを題材にアピールできると、さらなる評価アップにつながるでしょう。
課題発見/解決力
ITコンサルタントはまさに顧客の課題を見つけ、分析して解決策を探る仕事ゆえに、課題発見/解決力があると高く評価されます。
具体的には、本質的な課題解決のために、顧客の課題や要望を整理しすり合わせをした経験や実装フェーズにおける工数の削減、運用フェーズにおけるコスト低減を自ら考え提案し、実行した経験を題材にするとよいでしょう。
リーダー・マネジメント経験
ITコンサルタントにはプロジェクトの納期やコストを管理することも求められるため、SEやPMとしてシステム開発のリーダー・マネジメントを担った経験(プロジェクト管理能力)も好印象です。
例えば「納期が厳しい場合は自分も手を動かす」「若手の育成によりコーディングのスピードを上げる」など、これまでのシステム開発において、リーダーやマネージャーとしてチームをまとめる上で工夫したエピソードを題材にアピールしましょう。
IT・システムに関する知識・技術
ITやシステムに関する経験・知識・技術のうち、専門性があり強みとなるようなものや、応募先で明確に求められているものを念押しでアピールするのもよいでしょう。ITの成熟度や応募先との親和性が伝わります。
記載時は単に「長年◯◯に関するシステム開発に携わってきたため、△△の知識がある」というだけではなく、「複数の顧客から安定稼働について評価されている」「社内で功績が認められ、◯年目にしてPMに抜擢された」など、専門性や強みが発揮された結果や成果についても記載しましょう。
▼「自己PR」欄についてさらにくわしく
コラム:実装経験やコーディング技術はどこまで必要?
昨今ノーコード・ローコードでの開発も増えるなか、上流工程やプロジェクト管理を担うITコンサルタントには、実装経験やコーディング技術は不要とするコンサルティングファームも増えています。
しかし、そのような考え方はまだ少数派。顧客のIT課題に対して本質的で効果的な解決策を考え提案するためには、一定の実装経験やコーディング技術も必要だとする考え方が依然として主流です。
応募先でどれくらい求められているかどうかは、求人の「必須条件」や「職務内容」を確認しましょう。
もし実装経験やコーディング技術を求められる場合は、そのレベル感について懸念されないよう、下記のような方法で知識・技術のアピールをするのがおすすめです。
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履歴書の作成も忘れずに!
転職の書類選考では、職務経歴書とあわせて履歴書の提出を求められることが一般的。
まだ着手していない場合、まずは下記の記事から自分に合ったテンプレートをダウンロードしましょう。
ダウンロードできたら、下記の記事から書き方・ポイントを確認し、早速作り始めてみましょう。
この記事の担当者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。