未経験・新卒・経験者向け例文あり 経理の志望動機の書き方
履歴書や面接で必ず聞かれる志望動機。応募先企業や職種に関する理解度・志望度の高さをきちんと伝える必要があります。
この記事では、「経理」に応募するときの志望動機の書き方を解説。経理未経験者、経理経験者、新卒者向けにそれぞれ例文も紹介します。
経理の志望動機の書き方
まず、すぐにできる経理の志望動機の書き方を紹介します。志望動機を組み立てるには、下記の3つの要素が必要になります。
それでは、志望動機に盛り込む3つの要素について詳しく見ていきましょう。
※履歴書に書くときは貴社、面接で答えるときは御社を使います。例文や具体例は履歴書・面接のどちらにも対応しています。状況に応じて貴社・御社を使い分けてください。
1.志望理由(結論)
志望動機の冒頭にはまず「なぜ経理志望なのか」「なぜこの会社で働きたいのか」という志望理由を、結論として簡潔に書きます。
記載内容を決めるためには、志望先企業のホームページや採用サイトなどにある「経営理念」「求める人物像」などをチェックし、力を入れている取り組み・事業、求められる資質や能力を調べます。
応募先の企業の特色について書く際は、その企業の商材を例に出すと具体的な内容になり説得力が増します。
〈具体例〉
- 食品メーカー最大手の貴社で、経理としてさらにスキルアップしたいと思い志望しました。
- 人材業界で最も幅広い事業展開をされている貴社で経理として働きたいと思い、志望しました。
志望動機の書き出しに迷ったときは、下記の記事を参考にしてください。
経理は「なぜこの会社なのか」が特に重要
経理はどんな会社にもある職種のため、志望動機では「なぜこの会社を選んだのか」が特に重要です。
下記を参考にしながら、魅力を感じた点を明確にしましょう。
〈例〉
- ○○という企業理念に共感した
- 独自の展開をしている
- 外国の企業との取引が多い
- 若く発展中の会社である
なお、志望理由はなるべく具体的に書くことを心がけましょう。
例えば「貴社のグローバルな仕事内容に惹かれ」と書くよりも「貴社は○○や○○など、海外の企業との取引にも力を入れており、国内外を視野に入れた働き方に惹かれ」と書く方が、熱意やその企業について研究していることが伝わります。
2.その結論に至った具体的なエピソード
冒頭で志望理由の結論を述べたあとは、その結論に至った具体的なエピソードを書きます。理由・背景を説明することで、志望動機の説得力が増します。
その企業を知った・興味を持ったきっかけとなるエピソードや、仕事に対する価値観など「自分ならでは」の要素を組み合わせて「たくさんの企業がある中でなぜ応募先を選んだのか」を説明しましょう。
〈具体例〉
- 現在は地方の食品メーカーで総務と経理事務を担当しています。中小企業のため幅広い業務ができることにやりがいを感じていたのですが、転職を意識し自分のスキルを見直した際に、監査法人対応や決算業務など経理に特化して経験を積みたいと思うようになり、経営規模が大きく専門的な知識や経験が求められる環境で成長したいと思いました。
また、幼少期は病弱で健康食に助けられ、人々の健康を支える食という分野に関わり続けたいという思いもあったため「美味しさと健康の両立」を理念とし、食品メーカーの中で最大手である貴社を志望しました。 - 前職では私立大学の事務職として施設の管理や職員の給与計算、研究補助金申請など幅広い業務を行っていました。中でも給与計算や補助金などのお金が絡む業務はミスが許されず、専門的な知識が必要だったため、プロフェッショナルとして組織経営に貢献できる経理の業務に興味を持つようになりました。
貴社は「総合人材サービス企業」として、派遣にとどまらず教育・介護・保育など幅広い事業を展開されており、経理としてもさまざまな領域に携われる点を魅力に感じております。
3.採用後の意気込み
志望動機の締めは、これまでの経験やスキルを応募先でどのように活かせるのかを説明します。
経験者の場合は前職で得たスキルや経験の活かし方を記載すると、入社後にどんなポジションでどのように働けるのか、採用担当者が想像しやすくなります。
新卒や未経験者の場合は大学生活やアルバイト、ゼミやサークル活動で得たスキルや経験の活かし方を具体的に伝えるとよいでしょう。
〈具体例〉
- 前職では会社の全体的なお金の動きを見る視点や財務会計の知識を身につけ、コスト削減の取り組みを推進していたこともあります。貴社ではこのスキル・経験を活かし、経営を支える人材になりたいと思っています。
- 現在は転職活動をしながら簿記資格の勉強も進めています。前職でのバックオフィス経験を活かしながら経理としていち早く一人前になれるよう努力しますので、よろしくお願いいたします。
コラム:経理に興味を持った理由が書けないときの対処法
経理に興味を持った理由が思いつかないときは、以下の2つに取り組んでみましょう。
- 自分の性格や過去の経験から経理への適性を示す
- お金にまつわる過去の経験を思い出す
1)自分の性格や特徴から経理への適性を示す
経理は会社のお金を管理する仕事であるため、ミスをしない正確性・丁寧さが求められます。また、会社のあらゆる部署・立場の社員と関わることになるため、どんな人ともうまく話せるコミュニケーション能力が大切です。
例えば「几帳面な性格で部活の会計などを任されることが多く、自分も細かな計算が苦ではないため、経理職に向いているかもと興味を持つようになった」など、自分の性格や特徴と経理との共通点があれば、志望動機に盛り込みましょう。
2)お金にまつわる過去の経験を思い出す
経理に興味を持ったきっかけとして、経理やお金にまつわる過去の経験がないか洗い出しましょう。
例えば「大学のサークルで会計担当をした」「アルバイトで売上金の管理を任された」などの経験から、経理や金銭の管理がなぜ重要だと思ったのかを考えてみるとよいでしょう。
「経理未経験者」の志望動機の例文
ここからは中途の経理未経験者向けの志望動機例文を「営業から転職する場合」「販売から転職する場合」など、前職の職種別に紹介します。
営業から転職する場合
〈例文〉
- 貴社の事業方針に共感し、経理職として働きたいと思い志望しました。
- 前職では精密機械のルートセールスをしていました。商品の導入効果をわかりやすく説明するため、導入すると顧客企業がどのくらいコストを減らせるか、日常的に計算する機会がありました。その中で予算管理や資金計画の大切さを感じるようになり、経理を志すようになりました。
転職活動を始めて求人を探している際に貴社の求人を見つけ、「製品を通してさまざまな企業のコスト削減、利益率の向上に貢献する」という事業方針に大変共感し、この度応募させていただきました。 - 営業で身に付けたコミュニケーション能力やコストに対する意識の高さを活かして、貴社に大きく貢献したいです。
営業の場合は、コストに対する高い意識や営業で培われたコミュニケーション能力を盛り込むと、アピール力がある志望動機を書くことができるでしょう。
販売から転職する場合
〈例文〉
- 環境に配慮した斬新なビジネスモデルを実践する貴社で経理として働きたいと思い、志望しました。
- 前職では大型商業施設でアパレル販売員をしていました。その経験から、高い売上実績を築くためには、自分の売上だけではなく、仕入れ値との兼ね合いや他の販売スタッフの売上など、店舗全体のお金の動きを考慮する必要があると学びました。その過程で予算管理や資金計画の大切さを感じるようになり、経理を目指すようになりました。
また、前職では大量生産・大量廃棄が問題となっていました。貴社は「一着も在庫にしない・廃棄しない」をモットーに完全予約販売のビジネスモデルを確立しており、無駄のない経営スタイルに惹かれ、応募した次第です。 - 販売職ではお客様目線の丁寧で誠実な対応を心がけておりました。そうした経験を社内コミュニケーションでも活かすことで、貴社の経理に貢献できると思います。
販売の場合は、売上に対する高い意識や販売で学んだ接客態度をコミュニケーションに活かすことを盛り込むと、自分の能力・適性をアピールできる志望動機になります。
一般事務から転職する場合
〈例文〉
- 前職の知識や英語力を活かして働きたいと思い、貴社の経理職を志望しました。
- 前職では広告関連の中堅企業の一般事務として、営業社員のサポートや電話応対、Excelを使用した売上集計やPowerPointを使用した資料作成、加えて伝票処理や経費精算管理など金銭に関係する仕事も行っていました。その中で、経理の専門的な知識を身に付け、そのスキルをさらに極めた経理職に就きたいと考えるようになりました。
貴社は海外商品の広告も扱っており、前職での知識や経験に加え、学生時代から培ってきた英語力も活かせる場だと感じております。 - 広告業界では納期を守ることが第一であるため、前職ではスケジュール管理を徹底し、営業担当とも積極的にコミュニケーションを取って案件が問題なく進むようにサポートしていました。
貴社でもこの姿勢を忘れず、持ち前の英語力も活用していち早く貢献できるよう頑張ります。
一般事務の場合は、同じ事務職のため経理との共通点を活かしましょう。
前職で身に付けたスキルを志望動機に盛り込むことで、説得力のある文章を書き上げることができます。
公務員から転職する場合
〈例文〉
- 前職の知識と語学力をフルに活かして広い世界で仕事をしたいと思い、貴社を志望しました。
- 前職では市役所の納税課で、お客様の手続き対応や市の独自システムへの入力などの事務作業をしていましたが、税に関する書類を取り扱う中で予算管理や資金計画が会社を支えていると知り、経理に興味を持ちました。
前職では○○市という地域に限られた業務でしたが、貴社は業界内でも特に海外の企業との取引に力を入れているため、より広い視野での仕事にチャレンジできると思い、志望させていただきました。 - 学生時代にアメリカへ留学経験があるため、英語を話すことができます。またより幅広い海外企業にも対応するため、中国語も現在勉強中です。前職の事務経験と語学の知識をフルに活かし、足りない部分は仕事をしながら覚え、貴社の経理に貢献したいと考えています。
公務員からの転職であっても、過去の業務から経理にまつわる経験・知識をアピールできるエピソードを記載します。
また、志望先の企業で外国語など専門的なスキルが必要な場合は、それに向けて勉強する姿勢を示すことで、よりアピール度の高い志望動機が作成できるでしょう。
「経理経験者」の志望動機の例文
ここからは中途の経理経験者向けの志望動機例文を「同業種から転職する場合」「異業種から転職する場合」など前職の業種別に紹介します。
同業種から転職する場合
〈例文〉
- より大きな規模の仕事がしたいと思い、貴社の経理職を志望しました。
- 前職では20人ほどの小規模な食品会社で、月次と年次決算をメインに経理事務を行っていました。そこでの仕事ぶりが認められたことで、固定資産の管理や税務会計など広い範囲の仕事を任せられるようになり、事務次長も務めました。
日商簿記2級取得を機に、より大きな数字を扱う業務に携わって資格を最大限に活かしたいと思い、同じ○○地方に拠点を持ちながらも全国展開する商品を多く販売する同業の貴社に応募させていただきました。 - 経理として5年間培ってきた知識と経験を活かし、即戦力として貴社の経理に貢献したいと思っております。
同職種内での転職に踏み切った理由を「○○きっかけに」など、わかりやすく説明するのがポイントです。
また、即戦力としてどのような業務を行えるのかが分かるように、過去の業務経験や取得している資格も記載しましょう。
異業種から転職する場合
〈例文〉
- これまでの知識・経験を活かしながら医療に関わる仕事がしたいと思い、貴院の経理職を志望しました。
- 前職では7年ほどイベント会社で経理事務を担当し、簿記の資格を取得してからは入出金の管理から月次、年次までほぼ全般的に任されていました。昨年末に家族が入院したことをきっかけに医療保険に関わる仕事に興味を持ち、医療・福祉分野の用語や経理についても勉強し始めました。
貴院は○○地域で最も病床数が多い総合医療病院であるため、病院経理として幅広い業務を経験できると考え、志望しました。 - 前職での経験と簿記の資格はもちろん、これまで営業の方々とのやりとりで培ってきたコミュニケーション能力を活かし、経理の面から貴院や患者さんのサポートがしたいと思っております。
異業種へ転職する場合は「なぜその業界に転職したいのか」を明確にするのがポイントです。その業界に興味を持つきっかけとなった出来事を具体的に記載しましょう。
また、専門的な知識が必要な業界であれば、資格を取得しておくとより有利になります。例えば病院経理に転職する場合は、少なからず医療用語の知識が必要になるため、医療事務の資格があれば、より知識のアピールになるはずです。
「新卒で経理に応募する」場合の志望動機の例文
ここでは新卒の経理志望者向けの例文を紹介します。
〈例文〉
- 財務会計の知識や日商簿記2級などのスキルを活かしながら、挑戦を恐れない社風の会社で働きたいと思い、貴社を志望しました。
- 私は幼少期から高校生までそろばんを習っていました。それをきっかけに経理に興味を持ち、大学では経営学部で財務会計を専攻し、簿記や経理を学びました。
在学中に日商簿記2級やワープロ検定1級を取得し、小売店でのアルバイトでレジ係を担当した経験もあり、経理職を志すようになりました。貴社の「飲食業界の常識を変えるために挑戦し続ける」という社風に惹かれて参加した会社説明会や社員の方々との交流会でも、失敗を恐れず新しいことにチャレンジしたエピソードを数多く聞き、自分もそのような環境で働きたいと感じています。 - 学生時代の経験や学業で得た知識を活かし、経理として貴社に貢献したいと考えています。よろしくお願いいたします。
新卒の場合は、「学生時代の経験をどう活かすか」や「将来の展望」について、具体的に説明することがポイントです。
社会人経験がない分、学生時代の経験を活かしてどんな風に働きたいかを説明し、ポテンシャルややる気を示しましょう。また、志望先企業の「どんな点に惹かれているのか」が伝わる志望動機を作成しましょう。
志望動機が完成したあとは…
志望動機が完成したあとは、履歴書の提出マナーを提出方法別におさらいしておきましょう。
▼郵送するとき
▼メールで送るとき
▼面接に持参して手渡しするとき
下記の「履歴書の書き方ガイド」では、印刷の仕方やよくある疑問についてもまるっと解説してるので、ぜひチェックしてみてください。
