メリット・退職金・対象年齢 早期退職とは?徹底解説

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会社に早期退職ができる制度があると耳にし、気になっている方は意外と多いのではないでしょうか。

早期退職を検討している方のために、早期退職のメリットや退職金の割り増し金額、対象年齢など気になるポイントについて詳しく解説していきます。

早期退職とは?種類や対象年齢は?

早期退職は定年前に企業を退職すること

早期退職とは、60歳もしくは65歳の定年になる前に会社を退職することです。

早期退職を希望する人には、退職金などが優遇される「早期退職優遇制度」を用意している企業もあります。早期退職優遇制度には「選択定年」と「希望退職」の2種類があります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

選択定年:一定年齢以上が対象の人事制度

選択定年は一定以上の勤続年数の社員を対象とした常設の人事制度で、社員自らが退職時期を選べます

2017年度の中央労働委員会の調査では調査した320社中155社(全体の48.4%)が同制度を導入しています。

対象者の最低勤続年数は企業ごとに規定が異なりますが、同調査によると平均は14年となっています。

※参考→平成29年賃金事情等総合調査、調査結果概要内(表13)選択定年制の適用状況|中央労働委員会

希望退職:企業側が人員削減を目的に募集

業績不振による人員削減などを目的として、企業側が募集期限を決めて希望者を募る臨時の施策です。中には、リストラの前段階として企業が対象者に退社を促すケースもあります。

2017年には、東証一部上場企業のおよそ1.2%にあたる25社が希望退職者の募集を実施しています。

※希詳しくは→希望退職とは?拒否or応募の注意点も

※参考→2017年 主な上場企業「希望・早期退職者募集状況」調査|東京商工

早期退職は何歳から可能?

早期退職の対象は、一般的には40代~50代以降ですが、希望退職・選択定年共に30代での早期退職例もあります。

希望退職では企業が対象者の年齢を任意で設定しますし、選択定年では企業が対象者の最低勤続年数を15年程度とすることが多いため、30代からが早期退職の対象範囲と考えて良いでしょう。

ただし、30代の早期退職は再就職を前提とするのが現実的。定年前の早期リタイアが現実的になるのは50代以降の場合がほとんどでしょう。

コラム:公務員の早期退職制度「応募認定退職」

国家公務員の早期退職制度は「応募認定退職」といい、地方公務員もその制度に準ずるよう指導がなされています。

「応募認定退職」の対象は勤続年数20年以上で、定年まで15年を切った職員。大臣等から募集者全員に対象範囲や募集期間、人数などの募集要項が告知されます。

応募者は、公務運営上必要な人材である場合を除いて原則早期退職が認定され、認定通知書が交付されたのち退職手当が支給されます。

退職金の支給率は、勤続年数に応じて規定された通常のものに、定年まで6ヶ月を超えて退職日数が残っている退職者には、1年につき3%(上限45%)、定年前1年以内の退職者には2%の割増があります。

ただし、次官・長官や局長など役職が付いている場合は、割増が無かったり割増率が下がったりします。

早期退職でリタイアする場合のポイント【チェックリストつき】

早期退職のメリット・デメリット

まずは、早期退職でアーリーリタイアした際の、メリット・デメリットを確認してみましょう。

メリット
  • 自由な時間が増える
  • 定年退職するより体力的余裕がある
  • ストレスフリー
デメリット
  • 金銭的な不安
  • 人との繋がりが少なくなる
  • 社会的信頼度が減る

メリットは身も心も自由になること

メリットはやはり自由に使える時間が格段に増えること。

それまで平日の大半を費やしていた仕事の時間が無くなることで、やりたかった活動に専念することができます。残業、人間関係、通勤などのストレスもほとんどなくすことができるでしょう。

定年よりも体力的余裕がある早期退職では、余暇をアクティブに活用することができます。世間では「定年退職をして時間ができても足腰が弱って旅行に行けない」などと嘆く声も少なくありません。

まだ体力があるうちに、身も心も自由になれるところがアーリーリタイアの最大の魅力といえるでしょう。

デメリットは金銭的不安や人との交流が減ること

アーリーリタイアの最大のデメリットは、退職によりそれまで企業から得ていた収入が “なし”になってしまう点です。

退職したら今まで負担してもらっていた分の社会保険料や健康保険料も自分で払わなければなりません。さらに、無職になることで、クレジットカードの申請や賃貸物件の契約の際、不利になる場合も。

また、退職すれば、それまで会社で接していた人との交流は断たれてしまいます。一人もしくは家族だけの時間が急に増えることで、寂しさを感じる人も少なくありません。

早期退職前のチェックリスト

メリット・デメリットは把握した上で、早期退職の上リタイアしたいと考えている方は、以下のリストをチェックしてみてください。基本的には全ての項目を満たせている場合のみリタイアを決断しても大丈夫です。

チェックリスト

十分な貯金の額は家庭や今後の人生プランによって異なりますが、2人以上の世帯であれば、30~39歳で約26万円、40~49歳では約32万円、50~59歳では約34万円月々の支出が発生しています。

毎月それだけの金額を支払うとして、退職した月から年金が受給できる年までの年数×12ヶ月分程度は用意しておいた方が良いでしょう。

【年代別】1ヶ月間の平均支出額(2人以上の世帯)

世帯主の年齢

月々の支出

~29歳

23万1,439円

30~39歳

26万0,037円

40~49歳

31万5,189円

50~59歳

34万3,844円

60~69歳

29万0,084円

70歳~

23万4,628円

※参考→家計調査年報(家計収支編)平成29年(2017年)|総務省統計局

コラム:再就職する場合、面接で早期退職の理由はどう伝える

アーリーリタイアせず、希望退職後に再就職する場合、理由をどう伝えれば良いのかと迷うことになるでしょう。

その場合は前向きな理由で自主的に辞めた」という立場に立ってポジティブな自己アピールに転換することをおすすめします。

希望退職では「企業に戦力不足と判断された人員では?」とネガティブな印象を持たれないか不安に思う人もいるでしょう。

しかし、だからこそ「希望退職の機会を使ってキャリアアップを図った」などポジティブなイメージを面接官に与える必要があります。

〈例文〉

私が早期退職を決意したのは営業力を十分に発揮できる場でやりがいをもって働きたいと考えたからです。

以前の営業職では複数のクライアントを担当して仕事にやりがいを感じていましたが、業務規模縮小後の新体制では自分の能力を十分発揮できないと感じたため転職を決意しました。

早期退職後の成功パターン・失敗パターン

成功パターン:貯金のおかげで退職後は悠々自適の生活

在職中から入念に早期退職のシミュレーションをしていた、元大手メーカー勤務の50代後半のTさん。体力のあるうちにリタイアして余生を楽しみたい、と思い53歳で選択定年を決意しました。

退職時の金融資産は退職金を含めて2,800万円とやや少なめでしたが、既に住宅ローンは完済し子供たちも独立していたため、終身の個人年金保険や公的年金も含めれば、老後を妻と2人でのんびり暮らしてゆくには十分の資金がありました。

特別贅沢はしなくとも、年に2回の妻との国内旅行をはじめ趣味の山歩き、カラオケなどを楽しむ日々。「体力があるうちにリタイアして本当に良かった。足腰が弱ってからでは時間があっても旅行にも行けませんから」と充実した日々を送っています。

失敗パターン:勢いで希望退職してしまい、後悔の毎日

営業のハードな仕事内容に疲れを感じていた45歳独身のSさん。そんな折に会社で希望退職者の募集があり、退職金が割増でもらえることもあって深く考えず早期退職に応募

「切り詰めればなんとか暮らせるし、いざとなれば再就職すれば大丈夫」と楽観視して希望退職しました。退職時の貯金は2,500万円、退職金は1,200万円でした。

ところが、社会保険料や健康保険料が増額した上に、余暇ができたことで出費も増加。3年後には退職金分の金額を使い切ってしまいました。

焦ったSさんは就職活動を始めますが、3年のブランクがあることがネックとなり、再就職は難航

書類選考でことごとく落ち、面接に通してくれる求人はどれも前職の待遇をはるかに下回るものばかりです。「退職前にしっかり老後までの生活プランを立てるべきだった」と後悔の毎日を過ごしています。

まとめ

早期退職は人生における大きな決断です。退職後の資金のシミュレーション、綿密な貯金プランなど、事前リサーチや計画性が早期退職後の明暗を分けるようです。

早期退職をする際は可能な限り入念に事前リサーチすることをおすすめします。

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