病気・結婚などの例文付き 確実に退職できる3つの理由
なるべく引き止められることなく、退職交渉を穏便に済ませたいという人は多いのではないでしょうか。
この記事では、会社から引き止められにくい、確実に退職できる理由を例文付きで紹介します。
例文|確実に退職できる理由3つ
確実に退職できる理由=会社が関与できない個人的な事情です。3つの例文を紹介します。
理由1:家庭の事情で転居するため
家庭の事情で引っ越しする必要があるという理由は、確実に退職できる理由の1つです。
<例文>
お忙しい中、時間を割いていただき、ありがとうございます。大変申し訳ないのですが、家庭の事情により◯月で退職させていただきたいと考えております。
会社の状況を考えると退職すべきではないと思い、家族とも相談したのですが、○○という理由で引っ越す必要があり、やむなく会社を辞める決意をいたしました。
大変自分勝手な決断となり、誠に申し訳ありません。何卒、よろしくお願いいたします。
○○に入る理由の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 配偶者の転勤についていく
- 親の介護をするために地元へ帰る
- 高齢の両親に代わって家業を継ぐ
- 家族が病気になり近くで看病する
こうした理由から「引っ越しせざるを得ない」という転居の必要性を念押ししましょう。
ただし、全国展開しているような大きな会社では、引っ越し先に近い職場への異動を持ちかけられる可能性があるため、確実に退職したい場合は他の選択肢を参考にしましょう。
理由2:結婚・出産を機に家庭に入るため
結婚や出産をきっかけにして家庭に入るという理由も、退職できる可能性が高いでしょう。
<例文>
お忙しい中、お時間をいただき、ありがとうございます。大変申し訳ないのですが、結婚(出産)を機に家庭に入るため、◯月で退職させていただきたいと考えております。
ここまで育てていただいたご恩もあるため、仕事をどうにかして続けられないか考えましたが、家庭に専念したい(専念せざるを得ない)ため、やむなく会社を辞める決意をいたしました。
大変自分勝手な決断となり、誠に申し訳ありません。退職まで、引き継ぎなどご迷惑おかけすることになりますが、何卒よろしくお願いいたします。
結婚や出産を退職理由にする場合、家庭に入るという点がポイントです。本人の意思だけでなく、家族の意向も含んでいるため、会社としても退職を引き止めにくくなります。
出産後の復職やパート勤務を勧められたときは「配偶者に専業主婦(主夫)になることを求められている」と伝えましょう。
理由3:病気になり療養しなければならないため
病気によって療養しなければならないという理由も、確実に退職できる理由として挙げられます。
<例文>
お忙しい中、時間を割いていただき、ありがとうございます。大変申し訳ないのですが、ここ数ヶ月ほどずっと体調が悪く、一度仕事を離れてしっかり療養したいため、◯月で退職させていただきたいと考えております。
ここまで育てていただいたのに、このような形になってしまい、大変申し訳ございません。退職日までご迷惑はかけないようにいたしますので、何卒よろしくお願いいたします。
病気を退職理由にする場合「症状のせいで今まで通りに仕事ができない」「仕事を続けながらでは病状が良くならない」などと、就業に支障が出ている旨を伝えると、引き止められにくくなります。
ただし、会社によっては診断書を提出するよう命令されるケースがあります。
本来、退職するために診断書の提出義務はありませんが、就業規則に「病気による退職を申し出る場合は、医師の診断書を提出すること」と定めている会社もあります。このような会社の場合、提出しないことで退職交渉がスムーズに進まない可能性も。
病気療養を理由に退職したい場合は、事前に就業規則を確認しましょう。
コラム:引き止められるNG理由例とは?
給与や休暇などの待遇面での不満や、上司と折り合いが悪いなどの人間関係のトラブルを退職理由にすると、引き止められる可能性があります。それが本当の退職理由だとしても、確実に退職したい場合は伝えるのを避けましょう。
待遇面の不満は、昇給や昇格などの条件改善を提示されてしまい、人間関係のトラブルだと部署異動を提案されてしまいます。これをカウンターオファーと言います。
※カウンターオファーについて詳しくは→カウンターオファーとは|意味や引き受けるときの注意点を解説
その結果、退職理由として挙げたことが、その提示された内容で解決されてしまい、より辞めづらくなってしまいます。
また、引き止めにあわないために「退職交渉よりも前に転職先を決め、もう内定が出てしまったと伝える」という手もあります。
しかし、転職先についてしつこく聞かれたり、転職先よりも良い労働条件を提示されたりするなど、それでもなお強く引き止められる場合もあります。
確実に退職するための伝え方
確実に退職するためには、どのタイミングでどのように上司に伝えればいいのでしょうか。
伝えるタイミングは辞める1.5~3ヶ月前
退職を伝えるタイミングは、退職希望日の1.5~3ヶ月前が目安です。退職交渉や後任への業務の引き継ぎ、有給消化などを考慮すると、退職日は1.5ヶ月以上先に設定するのが安心でしょう。
また、就業規則に「退職意向を伝えるときは、希望日の1ヶ月前までに退職届を提出すること」などと定められている場合は、基本的にはそれに従うようにしましょう。
ただし、退職のことを伝えた1ヶ月後に退職しようとしても、退職届が提出されておらず、1ヶ月で退職できなかったというケースも。退職の相談をした後、退職届の提出も忘れないようにしましょう。
※退職届について詳しくは→【見本つき】退職届・退職願の書き方まとめ|退職理由の書き方も
確実に退職するための伝え方、3つのポイント
退職を伝えるときに気をつけるべきポイントを3つ紹介します。
- 直属の上司に切り出す
- 2人きりの個室で話す
- 毅然とした態度で退職の強い意志を示す
直属の上司に切り出す
退職の意思を最初に伝えるのは、あなたの直属の上司です。
直属の上司以外の人に退職を先に伝えると、そこから話が漏れてしまったときにトラブルになる可能性があります。
ただし、直属の上司が話をどうしても聞いてくれない場合は、その上の上司や人事担当者に、退職しようと思っていることと、直属の上司が退職交渉に取り合ってくれないことを相談しましょう。退職の手続きを進められるよう、取り計らってくれる可能性があります。
2人きりの個室で話す
退職を切り出すときは、他の人に聞かれないように個室で行うのがベターです。上司のデスクで話すのではなく、会議室をとっておきましょう。
上司を呼び出すときは「退職についてお話したいことがあります」など、相談内容を露骨に伝えるのではなく「今ちょっとお時間よろしいでしょうか」と声がけして、警戒心を持たれないようにしましょう。
毅然とした態度で退職の強い意志を示す
確実に退職するためには「退職させていただきたいと考えております」と、毅然とした態度で伝えましょう。
「退職しようか迷っているのですが…」と、悩んでいるような伝え方だと、引き止めの余地があると思われ、退職交渉が滞る可能性があります。
「今まで育ててやったのに辞めるのか」などと相手が逆上して退職を認めてくれない、といった状況でなければ、退職意向を伝えた後に退職希望日の話に切り替えて良いでしょう。
後任探しや引き継ぎなどのため、できる範囲で退職日を調整しようという協力的な姿勢を見せると、退職交渉がこじれにくくなります。
退職を認めてくれない場合は退職届を出す
退職までの期間に余裕を持たせたり、後任への引き継ぎに協力的な姿勢を見せたりしても、上司が退職を頑なに認めようとしない場合は、退職届を提出しましょう。
退職届は、従業員側から一方的に労働契約を解約するための書類です。退職届を提出すれば、会社側が退職を認めていなくても2週間で法的に退職が成立します。
直接受け取ってくれない場合は、内容証明郵便で退職届を上司宛てに郵送すれば、退職の意向が受理されたことになります。
ただし、円満な退職は望めないため、どうしても辞めさせてもらえない場合にのみ使える最終手段と考えておきましょう。
※2週間での退職について詳しくはこちら→退職は2週間前の申告でできるって本当?退職日設定や有給消化も解説
コラム:上司に退職を認めてもらった後の流れ
上司に退職が認められた後の、退職までのステップは以下の通りです。
1退職日の決定、退職届の提出
退職交渉が終わった後は、上司と相談しながら退職日を決めましょう。自分にどれくらい有給が残っているか、業務の引き継ぎにどれくらいかかりそうか確認しながら、ゆとりを持って退職日を決めます。
同時に、退職届の提出方法についても上司と相談して決めましょう。
2後任への業務の引き継ぎ、有給消化
自分が辞めた後も後任が滞りなく業務を進められるよう、丁寧で詳細な資料などを作って引き継ぎをしましょう。
引き継ぎが終わったら、退職日まで残っていた有給休暇を消化します。
3事務手続き
次の会社に入社するまで離職期間がある場合、自分で健康保険や失業保険などの各種保険の手続きをする必要があります。
手続きには、会社に発行してもらう書類(退職証明書や離職票など)が必要になるため、退職日までに対応してもらいましょう。
※退職交渉後の流れについて詳しくはこちら→もう迷わない!退職時・退職後の手続きガイド【完全版】
まとめ
確実に退職したい場合「家庭の事情により転居する」「結婚・出産によって家庭に入る」「病気により療養する」といった、会社が関与できない個人的な理由を退職理由にすると引き止められにくくなります。一方で、給料などの待遇面への不満や人間関係のトラブルだと引き止められることもあるでしょう。
確実に退職したいような状況であっても、職場の人にはなるべく迷惑をかけないよう、退職日までの期間は余裕をもち、引き継ぎをしっかりと行う姿勢を見せましょう。