メリットや民間サービスとの違い ハローワークをつかった転職ガイド

更新

ハローワークで転職活動をしたい場合、どのように利用したら良いのでしょうか。

ハローワークを利用した場合の転職活動の流れや、利用するメリット・デメリット、民間の転職支援サービスとの違いなどを紹介します。

基礎知識|ハローワークの利用方法

まずはハローワークを初めて利用する方のために、ハローワークとはどのようなところなのか、利用する時の流れなどを紹介します。

ハローワークとはどんなところ?

ハローワークとは、職業の紹介事業を行う行政機関のこと。国によって運営されており、正式名称は「公共職業安定所」といいます。利用は無料で、全国の求人情報を閲覧できます。

ハローワークは、仕事を探す求職者と、働き手を探す企業の間に立ち、就職困難者を支援するセーフティネットの役割を果たしています。

ハローワーク経由で応募するときの流れ

ハローワークでは、以下のおおまかな流れに沿って転職活動を行います。

ハローワーク経由で応募する時の流れ (1)求人申込書を記入し、ハローワークカードを発行 (2)応募したい求人を見つけたら職員に連絡 (3)応募書類を作成し、面接を受ける (4)内定したら、就職する前日にハローワークに行く

1求人申込書を記入し、求職申込書を記入

初めてハローワークに行く時は、まずは受付で初めての利用であることを伝えて、ハローワークカード(ハローワーク受付票)を発行してもらいましょう。

設置されたパソコンで求人申込書に記入し、受理されると、ハローワークカードが渡されます。自宅のパソコンからでも、仮登録することができます。

2回目以降は、このハローワークカードを持参して利用します。

〈ハローワークカードサンプル〉

ハローワーク受付表(ハローワークカード)サンプル

求人申込書には氏名や住所、仕事の希望といった基本項目のほか、今までの実務経験内容や将来のプランなどを具体的に書きます。

そうすることで、ハローワークの職員もどのような条件を求めているのか把握しやすく、相談した時に仕事探しがスムーズになることもあります。

〈求人申込書サンプル〉

求人申込書サンプル

2応募したい求人を見つけたら職員にすぐに連絡する

貼り出されている求人票やハローワークインターネットサービスで応募したい求人を決めたら、すぐにハローワークの職員に伝えましょう。その場で職員が企業に応募の連絡をしてくれて、面接の日程を調整の上、紹介状を発行してくれます。

あるいは、応募の連絡後に求職者が紹介状や履歴書といった提出書類を郵送し、それから改めて面接日程を決めることもあります。

〈紹介状サンプル〉

ハローワークからの紹介状見本

紹介状について詳しくはこちら

3応募書類を作成し、面接を受ける

面接日程が決まったら、履歴書などの必要書類を準備します。ハローワーク経由の応募では紹介状が必要になるため、企業へ履歴書・職務経歴書を郵送するときには忘れずに同封しましょう。

4内定をもらえたら、就職する前日にハローワークに行く

面接の結果、無事内定をもらい就職が決まった場合は、就職日の前日にハローワークへ行く必要があります。

ハローワークの窓口にて、失業認定申告書採用証明書を提出し、就職開始日までの失業認定を受けるようにしましょう。

〈失業認定申告書サンプル〉

失業認定申告書のサンプル

失業認定申告書の書き方について詳しく

〈採用証明書サンプル〉

採用証明書サンプル

コラム:若者・女性向けのハローワークもある

ハローワークには特定の利用者に特化した施設が設けられていて、それぞれの利用者にあったサービスを提供しています。

中でも、学生向けの「新卒応援ハローワーク」が56ヶ所、新卒ではない45歳未満の人向けの「わかものハローワーク」が25ヶ所設置されています。

社会人経験が浅い人や、内定がないまま高校や大学を卒業してしまった人(いわゆる既卒)は、利用を検討してみましょう。

また、出産や子育てをきっかけに転職活動をする人には、キッズコーナーが設置されているマザーズハローワークが適しています。

子どもを連れて相談することができ、仕事と家庭を両立しやすい求人情報を探すこともできます。

ほかにも、在職中のために平日に時間が取れない人は、ハローワークインターネットサービスや、土曜日に開いているハローワークを利用しましょう。求職申込書を登録することで、現職が忙しくて転職活動の時間を割くことができない人も、家にいながら全国の求人情報を検索することができます。

※参考:
わかものハローワーク・わかもの支援コーナー一覧
新卒応援ハローワーク一覧
ハローワークインターネットサービス – よくあるご質問(仕事をお探しの方)

ハローワークで転職するメリット・デメリット

ハローワークで転職する場合のメリットとデメリットを紹介します。

〈◯メリット〉

  • 地元の求人が多い
  • 無料で相談ができる
  • 失業手当を受給できる可能性も

〈✕デメリット〉

  • 求人内容と実態が異なる場合がある
  • 職員の対応に差がある
  • 自分から行動する必要がある

メリット1:地元の求人が多い

ハローワークでは職業安定法に基づいて、地元企業の求人を多く掲載しています。

下記の表は、人口が最も多い東京都と最も少ない鳥取県の求人数を、ハローワークと転職エージェント(マイナビ)でまとめたものです。島根県の求人数は約30倍もの差があります。(※令和3年5月時点)

 

東京都

島根県

ハロワ

71,997件

8,825件

転職サイト

4,627件

299件

ハローワークでは民間の転職支援サービスと違い、求人を掲載する企業側も利用料金がかかりません

そのため、採用活動に費用が割けない中小企業も求人情報を出しやすく、中にはハローワークにしか求人を出していない企業もあり、他の求人サイトにない企業に出会える可能性が高いでしょう。

特に地方の場合は、民間の転職エージェントよりも選択肢が広がります。

メリット2:無料で相談ができる

ハローワークでは、就職支援や職業訓練のほかにも、事前にまとめた職務経歴や職業能力の情報をもとに、無料のキャリアカウンセリングを受けることができます。

キャリアカウンセリングでは、職業選択の相談はもちろんのこと、キャリアプランの作成や職業能力アップに向けた指導も行ってくれます。

また、子育て女性や若者、高齢者といった特定の求職者に特化した窓口やサポートサービスも用意されています。

より専門的な知識を持ったハローワークの職員と相談しながら、自身に適した求人を探すことができるでしょう。

メリット3:失業手当を受給できる可能性も

次の転職先がなかなか決まらず、離職期間が長引く場合、条件を満たせば失業保険(雇用保険の基本手当)を受給できる可能性があります。

失業保険とは、無職で収入がない人に対して、国から一定期間支給されるお金のことです。

また、失業保険の受給中、早期に転職先が決まった場合は、再就職手当を受け取ることもできます

ちなみに、失業保険や再就職手当をもらいたい場合、必ずしもハローワーク経由で転職活動を進める必要はありません。

民間の転職エージェント等を利用した場合でも、それが「厚生労働大臣の許可を受けた職業紹介事業者」であれば、受給条件を満たします。

ただし、離職後に一度はハローワークに訪れ、求職の申し込みや離職票の提出をしない限り、これらの手当はもらえません。離職期間ができる場合は、離職票を持って速やかにハローワークに行きましょう。

失業保険について詳しくはこちら
再就職手当について詳しくはこちら

デメリット1:求人内容と実態が異なる場合がある

ハローワークでは、求人情報の掲載時に内容の審査が丁寧に行われないため、求人票の内容と実際の労働条件が異なる場合があります。

この背景には「募集時の労働条件と、労働契約を結ぶ時点での労働条件が同じでなくても良い」という制度上の抜け穴があります。

そのため、募集内容では残業なしと書かれていたのに、いざ雇用契約を結んでみたらサービス残業があるといったケースが起きてしまうのです。

そうした悪質な事例は年々減少しているものの、2018年の厚生労働省のデータによると「ハローワークの求人票の記載内容と実際の労働条件に相違がある」と申し出があった6,811件のうち、約43.6%にあたる2,967件が、実際に求人票の情報と異なっていたとされています。

【求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に関する申し出件数と、実際の相違件数】(実際の相違件数/申し出件数/割合) 2015年/3,926/10,937/35.9% |2016年/3,608/9,299/38.8% |2017年/3,362/8,507/39.5% |2018年/2,967/6,811/43.6%

ハローワーク経由で応募するときだけに限らず、労働契約を結ぶ前には、雇用契約書や労働条件通知書の内容を確認し、企業と労働条件や待遇についての認識をきちんと合わせることが大切です。

※参考:
平成30年度求人票の記載内容と実際の労働条件の相違|厚生労働省

労働条件通知書について詳しく

デメリット2:職員の対応に差がある

ハローワークの職員は、それぞれの職業や業種に関しての専門知識は持ち合わせていないため、対応にばらつきを感じやすく、不満を抱きやすい場合があります。

例えば、次は未経験の業種・職種の仕事に挑戦しようと思って、面接で有利になる資格やスキルなどの取得について相談しても、相談員がその業界に精通しておらず、十分な選考対策が取れないというケースです。

相談員が合わないと感じた場合は、担当を変えてもらうか日を改めて訪れるようにしましょう。

デメリット3:自分から行動する必要がある

ハローワークでは、面接練習や履歴書作成のレクチャーの相談、求人探しなどを主体的にこなす必要があります。

相談員から希望に合いそうな求人情報を紹介してもらえることもありますが、民間の転職サイトなどとは違い、企業からオファーやスカウトの連絡が来ることはないため、受動的な姿勢ではいつまでたっても転職先は決まりません。

ハローワークは求人数が多い一方で、その膨大な情報から自分に合った企業を自分で探さなければならないため、仕事を続けながら転職活動をしている時間のない人にとっては大変です。

ハローワークと転職支援サービスの違い

最後に、ハローワークと民間の転職支援サービスの違いを示した表を用いて、ハローワークでの転職が向いている人・向いていない人について解説します。

 

ハローワーク

民間の転職サービス

掲載求人の特徴

地元密着・特定地域の求人に強い

大手やハイクラスの求人も扱っている

求人の探しやすさ

検索画面がやや使いづらい

検索機能が充実している

未経験・非正規からの転職

問題なし

職歴によっては応募候補が見つからない場合も

相談スタッフの質

職員によってまちまちな場合も

転職市場に詳しいことが多い

サポート体制

面接練習や職業相談などを利用できる

面接日程の調整や年収交渉もしてもらえる

ハローワークに向いている人とは

  • 地元で転職したい人
  • すでに退職してしまっている人
  • 自力でスピーディに転職活動を進めたい人

ハローワークの最大の利点は地元密着企業の求人が多いことであり、地元で働きたいという人には最適です。

地方でもたくさんの求人情報があるため、幅広い選択肢から選ぶことができます。

また、すでに退職してしまっている人は、失業保険の給付金を受け取りながら、無料の職業訓練が受けられるため、ブランクの時間を最大限活用して、ステップアップすることができます。

職業訓練校について詳しく

ハローワークの求人は倍率が低いことも多いため、条件にこだわらずに早期に就職したいという人にもおすすめでしょう。

ハローワークに向かない人とは

  • 全国規模の大企業や専門職へ転職したい人
  • ざっくり情報を探したい、または転職のイメージが漠然としている人
  • 業界に精通している人のアドバイスが欲しく、給与交渉や面接のセッティングも頼みたい人

さまざまなサポートを受けながら転職活動を進めたい人は、ハローワークではなく、転職サイトや転職エージェントなど民間のサービスを利用する方が効率的です。

応募前の企業への連絡、応募後の面接の日程調整や給与交渉などといったサービスの質の面では、ハローワークよりも民間の転職関連サービスの方が充実しています。

また、転職エージェントによっては特定の業界や職種に詳しいキャリアアドバイザーが在籍していることもあります。

専門知識を持っているアドバイザーによるカウンセリングを利用すれば、転職に関してまだ具体的なイメージができていない人でも、キャリアビジョンの相談から始められます。

より高い年収を求めて転職する場合も、エージェントが給与交渉を代行してくれるでしょう。

まとめ

ハローワークを利用した転職活動では、多くの求人に出会えるメリットがある一方で、自分で情報の取捨選択をしなければならないデメリットがあります。

さまざまなサポートを受けながら転職活動を進めたい人や、自分から求人を探すことが苦手な人は、ハローワークよりも転職エージェントなどの民間サービスを利用した方が良い場合もあります。

自分の転職スタイルに合った方を選択し、転職活動を成功させましょう。

ハローワーク経由の転職活動について詳しく
求職者支援制度について詳しく

  • HOME
  • ハローワークをつかった転職ガイド|メリットや民間サービスとの違い