そもそも会社に郵送していい? 退職届を会社に郵送する手順・封筒の書き方
怪我や病気などの事情で退職届を手渡すことが難しい場合、「本当は手渡しすべきだけど、郵送で提出してもいいのかな」と悩む人もいるのではないでしょうか?
この記事では「退職届を郵送で提出しても問題ないのか?」と、封筒の選び方や宛名の書き方など、郵送するときの手順を解説します。
退職届は郵送できるが、封筒の色や宛名などマナーに注意
退職届は直属の上司に直接手渡しするのがマナーとされていますが、怪我や病気などのやむを得ない事情がある場合は郵送で提出しても問題ありません。
民法上では「退職の意思を14日前までに伝えればよい」と定められており、退職の意思の伝え方に関する決まりはないためです。
ただし、退職届を郵送する場合は特に、書類の不備などで再提出にならないためにもミスなく作成することが大切です。さらには、上司と顔を合わせない分、失礼な印象を与えないようにマナーをより意識して作成する必要もあります。
郵送する場合の封筒の色やサイズ、宛名の書き方などのマナーについて、くわしくは次の章で解説します。
【4ステップ】退職届を郵送するための封筒の作成方法
この章では、退職届を郵送するときの封筒の作成方法を4つのステップで解説します。
封筒の種類や色、宛名の書き方など、郵送する封筒のマナーについて確認していきましょう。
なお、退職届自体のくわしい書き方は「見本・テンプレートつき 正しい退職願・退職届の書き方」で解説しています。退職届をまだ作成していない人は上記の記事を参考にしてください。
ステップ1:郵送用の封筒を用意する
退職届を郵送する場合、まずは退職届を入れる封筒よりも一回り大きな郵送用の封筒を用意してください。
退職届は機密性の高い重要な書類なので、退職届を入れた封筒に直接宛名を記載して郵送するのはマナー違反です。
郵送用の封筒の色は白
郵送用の封筒は、退職届を入れた封筒と同様に白色のものを準備しましょう。茶封筒は事務的な用途で使われることが多いため、重要書類である退職届を入れる封筒としてはふさわしくありません。
また、郵送用の封筒は郵便番号の枠があるものにしましょう。退職届を入れる封筒は郵便番号枠がないものを使用します。
封筒のサイズは長形3号・角形5号が基本
郵送用の封筒のサイズは、退職届を入れた封筒が長形4号(90mm×205mm)であれば長形3号(120mm×235mm)、退職届を入れた封筒が長形3号(120mm×235mm)であれば角形5号(190mm×240mm)、を使用するのがおすすめです。
ステップ2:封筒に宛名・住所を書く
次に、郵送用の封筒の表面に、宛名と送付先である会社の住所を書きましょう。
封筒の裏面には、左下に自分の住所と名前を記入すればOKです。
宛名は必ず個人名にする
退職届を郵送する場合、事前に人事部や上司に確認をした上で、個人宛に送りましょう。会社宛や部署宛にすると他の人が開封し、思わぬトラブルに発展する可能性があります。
誰宛てに送ればいいのか確認が取れなかった場合は、直属の上司に送りましょう。
表面の左下に「親展」と書く
郵送用の封筒の表面の左下に赤字で「親展」と書き、四角い線で囲みましょう。
「親展」は「宛名の本人が開封してほしい」という意味であるため、ほかの人が開けてしまうことを防ぐ役割があります。
ステップ3:送付状を準備する
退職届を郵送する場合、送付状も準備しましょう。基本的には手書きではなくPC作成がおすすめです。
もし、保険証を同封するように事前に指示があった場合は、忘れずに記載しましょう。
以下の無料テンプレートをダウンロードして、送付状を作成しましょう。
そもそも送付状とは封筒の中身を一覧で記載した書類のこと。挨拶文と作成日、宛名、自分の所属と氏名、同封物の内容を記載します。
ビジネスシーンにおいて、郵送する書類に送付状を同封することは一般的なマナーとされています。退職届を受け取った人への挨拶や説明書きがなければ、誰が何のために送った書類なのかわからず、事情を知らない人が受け取ったときに困らせてしまう可能性もあります。
ステップ4:封筒に退職届・送付状を入れる
最後に、郵送用の封筒に退職届が入った封筒と送付状を入れます。
郵送用の封筒はのり付けし、裏面のフタの中央に〆印をつけましょう。
退職届の上に送付状を重ねて入れる
ステップ3で作成した送付状は退職届の上に重ねて、郵送用の封筒に入れましょう。
退職届が入った封筒の表面に送付状を乗せることで、中身が透けにくくなり退職届だとわかることはありません。
退職届が入った封筒のおすすめの郵送方法
郵便局から内容証明で送るのが安心
退職届は郵便局から配達証明付き「内容証明」で送ると安心です。
内容証明とは日本郵便が「差出日、文書の内容、送り主、送り先を証明してくれる」サービスで、配達証明とは「配達した事実を証明してくれる」サービスのこと。
いつ、誰に、どんな内容の文書を郵送したかの証拠となるため、郵送中の紛失などの事故や、会社側が退職を引き止めるために「受け取っていない」「退職届は入っていなかった」と主張をされるような退職届がらみのトラブルを避けられます。
なお、内容証明は、追跡番号がわかり、万が一の時に実損額を賠償してくれる「一般書留」とあわせて利用する必要があります。郵便局の窓口では、基本的な切手代に加えて1,310円の追加料金(一般書留480円と内容証明480円+配達証明350円)がかかるので注意してください。
※料金は2024年3月現在
※すべての郵便局から送ることができるわけではありません。最寄りの郵便局に事前に確認しましょう
※参考:内容証明について|日本郵便株式会社
※参考:配達証明について|日本郵便株式会社
退職で必要な手続きもあわせてチェック!
退職届を提出した後は、退職に伴う様々な手続きを進める必要があります。
1日でも離職期間がある人やしばらく失業状態が続く人は、公的な切り替え手続きが必要です。下記の記事でくわしく解説しているので、事前に確認しておくと安心です。
また、転職先に提出するために、会社から受け取らなければならない書類があります。退職時に受け取る書類については、以下の記事で解説しているので、あわせてチェックしてください。
この記事の執筆者
「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。