【どうしても書けない…】 履歴書に書く志望動機がない場合の対処法
履歴書の志望動機を書こうとして「書けるような内容がない・思いつかない」と悩んだり、「条件面や知名度で応募したので、本当のことを書けない」と手が止まったりしてしまう人は少なくありません。
この記事では、こうした「履歴書に書ける志望動機がない」場合にどうするべきかを紹介します。
履歴書に書ける志望動機がない場合、どうすればいい?
志望動機は「その企業に応募した理由(応募先のどこに魅力を感じたのか)」を伝えるものです。応募先ならではの理由を具体的に伝えられればベストですが、応募書類を提出するタイミングでは、それができるほど応募先のことを理解できている人はほとんどいないというのが実情でしょう。
この段階では、企業のHPや求人票といった限られた情報しか得られないわけですから、応募先企業のことを十分理解できていないのは仕方ないことですし、「その企業ならではの志望動機」が思いつかなくても何もおかしなことはありません。
「どういう企業を探しているのか」を整理してみよう
とはいえ、履歴書の志望動機欄を空白のままにはできません。
そこでおすすめするのが、履歴書の志望動機では「その企業に応募した理由」としてあなたが会社を選ぶ基準を伝えること。
会社を選ぶ基準とは、「何を重視して会社を選ぶか」「どんな会社で働きたいのか」ということです。それを具体的な言葉にして、「私は仕事で○○を重視しています。△△な貴社であれば私の希望が叶うと考え応募しました」といった形で志望動機として伝えればいいのです。
採用担当者は志望動機をとおして、(1)自社について十分に理解しているか、(2)仕事や会社に対してどういう価値観・考え方を持っているか、この2点を知ろうとしています。そこから志望度の高さや自社とのマッチングを見極めようとしているのです。
ただ、採用担当者も応募の段階で自社について十分に理解している人などほとんどいないということはわかっています。ですから、履歴書では(2)の「仕事や会社に対する価値観」を志望動機として伝えれば問題ないといえるでしょう。
「待遇改善」を目的に仕事を探している人は、要注意
ただし、給与や福利厚生など待遇面から応募先を選んだ場合は、それを正直に伝えるのは考えものです。
たとえば、「私は福利厚生が充実した会社で働きたいので貴社を志望しました」と履歴書に書いてくる応募者がいたら、採用担当者はどう評価するでしょう。マイナスの印象を持つことはあっても、「この人と会ってみたい」と思うことはないはずです。
応募のきっかけは給与などの待遇面であってもかまいません。ただ、志望動機を書く際は、待遇面以外に目を向けて、「顧客としっかり向き合える会社で仕事をしたい」「年次に関わらず、大きな案件を任せてもらえる会社がいい」など、自分がどんな会社で働きたいのかを整理してみてください。
「志望動機」欄が無い履歴書を使ってもいい
履歴書の志望動機が書けない場合は「志望動機欄が無い履歴書」を使うのも一つの手です。志望動機が空欄のまま提出したり、嘘の志望動機を書いて整合性が取れなくなったりした方が印象が悪くなるので、奥の手として覚えておきましょう。
ただし、未経験の職種に応募する場合や新卒の場合は、意欲を示すために志望動機を記入しておくのが無難です。
思いつかない・書けないときの履歴書の志望動機の考え方
履歴書の志望動機は「選社基準」を書けばいいとはいっても、自分がどんな会社で働きたいのかをはっきり整理できていない人も少なくないはず。
ここでは履歴書の志望動機の考え方を、3つのステップに分けてご紹介します。
1|「こんな会社で働きたい」を整理する
どんな会社で働きたいのか価値観は人それぞれです。自分はどんな会社で働きたいのか、自身の価値観を知るために、まずはこれまでの仕事を棚卸しして振り返ってみましょう。
できれば、「直近の6カ月間」「○○年×月から△月までの3カ月間」などと期間を区切って考えることをおすすめします。期間を区切ることで、より詳細な振り返りができるからです。
振り返りにあたっては、「誰」と「どんな業務」をして「どんな成果」を出したのかという事実だけでなく、その時の感情も思い出してみましょう。
たとえば、「顧客企業の担当者に『○○さんに頼んでよかった』と言われたことが何よりも嬉しかった」「あの難しい仕事をやり切ったときの達成感がたまらなかった」といった、その時その時の感情を掘り起こすことで、自分は仕事で何を大事にしているのか、仕事で何を得たいと考えているのかが見えてくるはずです。
▼仕事を棚卸しした例
具体例 | |
期間 |
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誰と |
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どんな業務を行ったのか |
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どんな成果を出したのか |
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どんな気持ち(感情)だったのか |
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感情を書き出してみた結果、「『○○さんに頼んでよかった』と言われたことが何よりも嬉しい」という人なら、「顧客との信頼関係を大切にする会社で働きたい」といえるでしょうし、「難しい仕事をやり切ったときの達成感がたまらない」という人なら「新しいことや難しい課題にチャレンジできる会社で働きたい」ということができるでしょう。
2|応募先の事業内容や理念について調べる
次にやるべきは、応募先の企業がどんな会社なのかリサーチすることです。事業内容や経営理念だけでなく、社風やどんな人が働いているのかもできる限り調べましょう。
その際には、応募先企業のHPや求人サイトなどの社員インタビューだけでなく、口コミサイトで実際に働いている人の評価も確認しておいてください。口コミサイトからは、会社の雰囲気や給与の実態、人間関係など会社情報や求人票ではわからない情報が集められるはずです。
また、転職エージェントを利用している場合は、応募先がどんな会社なのか話を聞いてみることをおすすめします。そのとき、ただ「どんな会社ですか?」と聞くだけでなく、「その会社を紹介してくれた理由」について質問してみましょう。「こういう点が○○さんの希望に合うと思ったから」といった具体的な話が聞けるはずです。
3|その会社で希望が叶いそうか照らし合わせる
応募先について調べてみて、その会社の特徴や価値観が見えてきたら、「こんな会社で働きたい」という自分の希望を照らし合わせてみましょう。
たとえば、「顧客企業の潜在ニーズにフォーカスした提案営業が強み」という会社であれば、顧客企業としっかり向き合っていると考えられるので、「顧客との信頼関係を大切にする会社で働きたい」という希望とマッチするといえるでしょう。
このように、応募先企業と自分の希望がマッチするポイントを見つけることができれば、そこを起点に志望動機を考えることができるはずです。
志望動機のくわしい書き方は、下記の記事でも解説しています。職種別の例文も用意しているので、こちらも参考にしてみてください。
【これはNG】志望動機で伝えてはいけないこと
志望動機は基本的に正直な内容を伝えるものですが、そのまま伝えると心証を損ねる内容もあります。
NGな内容と、当てはまってしまったときの対処法を紹介するので、確認しておきましょう。
〈志望動機で伝えてはいけない、4つの内容〉
【NG例1】待遇改善が志望動機になっている
給与や働き方などの待遇改善を理由に転職することは一般的ですが、前述のとおり履歴書や面接でそのまま伝えるのはNGです。「待遇がよければどの会社でもいいのでは?」「自分のことだけ考えて会社への貢献意欲が低いのでは?」と受け止められてしまい、好意的に評価されることはありません。
あくまでも、「もともとやりたい仕事だった」「現在の仕事のスキルを活かせる」といった待遇面以外の理由を伝えるようにしてください。
【NG例2】「製品が好き」など、憧れ応募になっている
「製品・サービスが好きなので応募した」と伝えるだけでは、ただ好きというだけで応募した、いわゆる憧れ応募と思われてしまうためNGです。
「好きだから応募した」と伝えるのではなく、製品・サービスの良さ・優れている点を客観的に説明しつつ、「その製品・サービスに、どう貢献したいと考えているのか」を伝えるようにしましょう。
【NG例3】「学びたい」が目的になっている
学んでいく姿勢をアピールすることは大切ですが、「学ぶために貴社に入りたい」など学ぶことがゴールになってしまうのはNG。企業は学校ではないため、あくまで仕事を通じて貢献していくことが求められています。
「学んだうえで、〇〇として貢献していきたい」など、応募先にとってメリットが感じられる未来のビジョンを、具体的に伝えていきましょう。
【NG例4】前職の悪口になってしまっている
前職の不満や悪口をそのまま伝えるのは、他責思考の人と思われて敬遠されてしまうためNGです。
「前職は〇〇してくれなかったので、転職する」というネガティブな表現ではなく、「前職では〇〇ができなかったので、業務の幅を広げるために転職する」など、やりたいことを伝えてポジティブな印象に変えていきましょう。
志望動機づくりで困ったら…
志望動機づくりを進めていくと、具体的な疑問や困りごとが浮かんできます。
困りやすいポイントごとに対処法をまとめた記事があるので、こちらもぜひ参考にしてください。
▼志望動機の書き方を、もっとくわしく説明してほしい…
▼志望動機がどうしても見つからないときの考え方
この記事の執筆者
ライター・編集者
久保田 敦大
株式会社クイック
転職Hacks編集部のライター・編集者。
大手求人メディアにて求人票や転職ノウハウ記事の制作を手掛けたのち、転職Hacks編集部に参画。自身の転職経験を活かした「実践的なノウハウ記事」が強みで、企業研究から入社の手続きまで、転職活動の全体をフォローしている。
転職時に自身も感じていた「わかりにくい!」というモヤモヤを解消すべく、どこよりも分かりやすい記事づくりに日々邁進中。