例文34選 履歴書の「趣味・特技」欄の書き方
履歴書に書く趣味や特技は、志望動機や自己PR以上に悩むものかもしれません。
この記事では履歴書に書くと好印象につながる趣味・特技のテーマと、書き方のポイントを解説します。
採用担当者は、履歴書の趣味や特技から何を見ている?
応募者の「人となり」を見ようとしている
採用担当者は直接業務に関係のない趣味や特技を見ることで、経歴やスキルからは知り得ない応募者の「人となり」を確認しています。
趣味や特技の話を通して、応募している職種の志向性がありそうか、職場の風土や雰囲気にあっているかを見ているのです。
評価には直接影響しない
履歴書に書かれた趣味・特技によって合否が決まることはありません。
中途採用を行う企業が重視するのは「応募者が自社にふさわしい人物かどうか」であり、合否はあくまで過去の経歴や業務実績をもとに判断していくものだからです。
その一方で、面接の場で趣味特技について掘り下げられたときに、うまく受け答えができないと「履歴書に自ら書いたのに語れないのか」と心象を悪くする可能性はあるでしょう。
面接のアイスブレイクで使われる
趣味や特技といった話題は、面接の序盤のアイスブレイクに使われるケースが多いため、ここで雰囲気が悪くなると、その後に影響が出ないとは言い切れません。
そのため、履歴書を書くときから面接での受け答えもイメージしておくと安心です。面接での答え方やNGについても、あわせて確認しておきましょう。
好印象につながる「趣味・特技」のテーマ5選
履歴書に書く趣味・特技に悩んでいる人は、下記の5つのテーマをヒントに自分だったら書けそうなものはないかを考えてみましょう。
好印象につながりやすい理由もあわせて紹介します。
【1】仕事に直接関係するもの
「趣味」や「特技」が志望企業の仕事内容に直接関連するものであれば、より志望度の高さや仕事への適性に納得感が出るでしょう。
志望動機を伝える際に、「もともと趣味だった◯◯がきっかけで…」などと話すこともできます。
例:
IT業界
→「PCを自作する」「オンラインゲーム」など
音楽業界
→「音楽鑑賞」「レコード屋めぐり」など
【2】自己PRにつながるもの
「特技」では、自分の長所や強みをアピールできる行動・特性を書くのもひとつです。
実際の業務でも活用できそうなものだと、採用担当者もあなたが職場で強みを活かしている姿をイメージしやすくなります。
例:「人の名前と顔を覚えられる」
「だれとでもすぐに打ち解けられる」
【3】志望職種のイメージに近いもの
志望している職種のイメージに通じる趣味や特技だと、「当社で働いている姿が想像できる」「配属部署でも馴染めそうだ」と採用担当者に思ってもらえる可能性があります。
例:
アウトドア系・スポーツ系の趣味
(旅行や登山、野球など)
⇒「アクティブな人」「フットワークが軽そう」と印象づけることができる
【4】ユニークなもの
マニアックな趣味や珍しい特技を書くことで、採用担当者が気になって質問をし、会話がはずむ可能性があるでしょう。
話がはずむことで緊張が和らぎ、リラックスした状態で面接に臨むことができます。
【5】見た目とのギャップがあるもの
見た目とのギャップがある趣味や特技も、採用担当者の印象に残りやすく、興味を持ってもらいやすいでしょう。
例:
一見おとなしそうな人
⇒趣味が「筋トレ」
体育館系の人
⇒特技が「フェルトマスコットづくり」
注意すべき「趣味・特技」やNG例
趣味や特技の中には、わざわざ履歴書に書くのは避けたほうがよいものや、面接官に詳細をたずねられたときに注意が必要なものがあります。
自分が書こうとしている内容に問題はないか、確認してみましょう。
人によって好みが分かれるものは要注意
人によって好みが分かれる趣味や特技は、履歴書でのくわしい記載や面接での説明に注意が必要です。
採用担当者が失礼だと思ったり、不快に感じたりしないか、慎重に判断しましょう。
▼注意すべき趣味の例
- スポーツ観戦
- 読書
- 映画鑑賞
- 音楽鑑賞
- アニメ
- ゲーム
- 寝ること
- 人間観察
例えば、趣味を「スポーツ観戦」と書いた場合、自分が好きな野球チームのライバルチームを採用担当者が応援している可能性もゼロではないので、あえてライバル関係にあることに触れたりチームの悪口を書いたりするのは絶対にNG。面接時で仮に和やかな雰囲気になっていたとしても、そういった話をすすんでするのは避けましょう。
趣味や特技の内容だけで採用を決める企業は少ないものの、わざわざリスクを取る必要はありません。応募先企業の年齢層や社風などを鑑みて、書いても問題なさそうか決めましょう。
履歴書に書くのはNGな「趣味・特技」3つ
わざわざ履歴書に書くべきではない趣味・特技は、以下の3つです。
- ギャンブル系
- 犯罪を想起させるもの
- 思想・政治・宗教系
ギャンブル系
金銭面のトラブルを予見させる可能性があるため、競馬、競輪、パチンコやパチスロなど、ギャンブル系の趣味は書かないようにしましょう。
ただし、公営競技やアミューズメント業界に応募する場合は、志望度の高さや熱意を伝えるアピール材料のひとつになり得るため、書いても問題ありません。
犯罪を想起させるもの
ハッキング、猟銃収集、劇薬収集や動物解剖など犯罪をイメージさせるようなものはやめましょう。
サバイバルゲームも企業によって好みがわかれるので、書かないほうが無難です。
思想・政治・宗教系
思想、政治、宗教の考え方は人それぞれ自由ですが、履歴書に書くメリットはありません。採用担当者から「考え方が偏っている人」と思われてしまう可能性もあります。
履歴書への書き方・ポイント
趣味や特技の書き方は、履歴書の欄によって異なります。
ここでは、下記の3つのパターンに分けて、趣味や特技の具体的な書き方を紹介します。
趣味・特技がまとまった記入欄がある履歴書
趣味・特技がまとまった記入欄の場合、趣味と特技を1つずつ書きましょう。
この際、「一言+詳しい説明」の2段階にわけて書くのがポイント。
まずは自分の趣味や特技を一言で端的に表し、その後ろにかっこ書きで具体的な内容や頻度、いつから続けているのか、どんなところが好きなのかなどを詳しく書くと、わかりやすく具体的な内容になるでしょう。
なお、まとまった記入欄の場合、趣味と特技の両方をそれぞれ書くのがベストですが、どちらかだけでも構いません。その場合は、どちらについて記載しているのか分かるようにすると丁寧です。
趣味・特技それぞれの記入欄がある履歴書
趣味と特技を記入する欄が別々になっている場合は、それぞれ1つ以上書きましょう。
スペースに余裕があれば「一言+詳しい説明」を記入しておくと詳細に伝わります。
志望動機などの他の項目とまとまっている履歴書
「志望動機、特技、好きな学科」「志望動機、特技、自己PR、アピールポイントなど」と、趣味・特技が他の項目と1つの欄になっている場合は、それぞれの項目を箇条書きで書きましょう。スペースが限られている場合、詳しい説明は書かなくても問題ありません。
ただ、他の項目と1つになっている場合、必ずすべての項目に触れないといけないわけではありません。どれを書くか迷うようであれば、企業が重視する「志望動機」や「自己PR」を優先的に書いたほうがよいでしょう。
※志望動機の書き方(例文12選)
※自己PRの書き方(例文25選)
コラム:趣味と特技の違いは?どう書き分ける?
広辞苑によると、趣味が「専門としてではなく、楽しみとしてする事柄」なのに対し、特技は「特にすぐれた技量。特別な才能」となっており、より自分をアピールできるものがふさわしいようです。
「趣味」と「特技」を書き分ける際は、趣味は純粋に好きなもの、特技は少しでもアピールできるエピソードがあるものだと考えるとわかりやすいでしょう。
【例文34選】履歴書に書ける趣味・特技
ここでは、履歴書に書く趣味・特技として、おすすめな例文をそれぞれ17個ずつ紹介します。
履歴書に書く「趣味」の例文
履歴書に書く「特技」の例文
趣味や特技が「ない」場合はどうする?
「特になし」はNG。ささいなことでも書いてよし
趣味や特技がパッと思いつかない場合でも、空欄にしたり「特になし」と書いたりするのは避けましょう。採用担当者によっては「無気力な人」「行動力がない人」と思う可能性があります。
趣味がないと悩んでいる人は、帰宅後や休日にどのようなことをしている時間が多いか、思い出してみましょう。家事や掃除など、日常的に行っている何気ないことも「趣味」として書くことができます。
特技が思いつかないという人は、自ら特技とするもののハードルを上げてしまっている可能性があります。まずは自分が好きだと言えるものや、頑張って取り組んでいると言えるものを思い浮かべてみましょう。
趣味・特技の記入欄のない履歴書を使うのもひとつの手
どうしても趣味や特技がないという人は、趣味・特技を記入する欄がない履歴書を使用するのもひとつの手です。
下記の記事では、趣味や特技を記入する欄がない履歴書のフォーマットをダウンロードできます。
履歴書の趣味・特技の記入が済んだら…
履歴書の趣味・特技の記入が済んだら、周辺の欄の書き方もあわせて確認しておきましょう。
さらに下記の「マネして作れる履歴書の書き方」では、「本人希望欄」や「扶養家族欄」なども含めた、履歴書にあるすべての欄の書き方をまとめて解説しています。
また、履歴書が完成したあとの企業への提出マナーについても紹介。封筒の書き方や送付状の作り方など、確認したい人は参考にしてください。
この記事の執筆者
ライター・編集者
柴田 栞
株式会社クイック
転職Hacks編集部のライター・編集者。履歴書の書き方などの転職に役立つノウハウや、キャリアに関する記事を多数執筆。
同世代の働き方や生き方に「寄り添い、共に悩み、考える」ことをモットーに、読者が「自分らしく」活躍できる仕事や職場を見つけられる助けとなることを目指して活動中。