書き方・テンプレート 購買・調達の職務経歴書
購買・調達の職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。最新の採用事情に精通したキャリアアドバイザーのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
購買・調達の職務経歴書テンプレート
職 務 経 歴 書
20XX年XX月XX日現在
氏名 転職 一郎
【職務要約】
大学卒業後、自動車用部品メーカーの株式会社●●に入社し、営業部●●課にてX年間勤務。20XX年に購買部●●課に異動し、約X年間、自動車、自動二輪向けのエンジンECU、パワーコントロールユニット、制御ユニットに使用される電子部品、機構部品を購買・調達業務を担当。開発購買に関わるプロジェクトにおける仕様含めた開発への部品提案や決定、機種目標コストの立案、進捗管理の実務対応に従事。量産購買に関わる原価管理や部門目標原価低減の立案、進捗管理、部品供給、BCP検討、部品終息や環境対応などによる部品切り替え提案から終息までの購買業務を一貫して経験。また、日本側がマザー拠点として業務推進しているため、海外拠点(アメリカ、中国、タイ、インドネシア、インド)に対する同様の業務も担当。
※購買業務について、対象製品や担当品目、業務範囲などを3~5行程度で端的に記載してください。関係各部署との連携経験やマネジメント経験があればあわせて書きましょう。求人の「仕事内容」や「必須/歓迎条件」などに記載されているキーワードをそのまま盛り込むのがポイントです。
【職務経歴】
XXXX年XX月~現在 株式会社●●
事業内容:自動車部品の研究・開発・設計・製造・販売
資本金:XXXX円 売上高:XXXX円 従業員数:XXX名
期間 |
業務内容 |
XXXX年XX月~ |
購買部●●課に異動 役職:●● [対象製品] [担当品目] ※()カッコ内 年数は実務経験年数 [アイテム数]常時XX品目以上(X万部品程度) [取引社数]担当XX~XX社のうち主要X社 [年間購入金額]約XXXX百万円/年 (20XX年度) [主な業務] ■開発購買業務 ■購買管理業務 [プロジェクト規模・役割] [実績・取り組み] |
XXXX年XX月~ |
営業部●●課に配属 役職:●● [担当製品] [担当顧客] [主な業務] [実績・取り組み] |
※これまでの実務経験について、対象製品(顧客)、担当品目、アイテム数、取引社数、年間購入金額、業務内容、(原価低減の)実績について、できる限りくわしく・定量的にご記載ください。各業務については、経験年数も記載することでレベル感が伝わりやすくなります。新規開拓の経験、海外調達の経験、システム開発・導入の経験は高評価につながるため、忘れずに記載しましょう。
【保有資格・スキル】
・20XX年XX月 普通自動車第一種運転免許(AT車に限る) 取得
【語学】
20XX年XX月 TOEIC XXX点
実務経験:英文仕様書の読解、海外子会社とのメール交換
※より高度なビジネスレベルの英語を身につけるべく、Web英会話講座を継続して受講しています。
※語学力についてアピールする場合、TOEICなどの点数とあわせて、使用頻度や使用場面などについても記載してください。勉強中の方はその旨も記載してください。特になければ項目ごと削除しても問題ございません。
【活かせる経験・知識・技術】
・新機種開発プロジェクトを通じて習得した社内調整力
・原価低減活動やリードタイム短縮など現状分析や改善計画立案のための数値分析能力
・電子部品、原材料、EMSなど多種にわたる市場情報(民生/車載)含めた部品知識
・取引先、関連部門(開発/生技/生管など)を含めた各種調整や業務経験
・管理業務の経験及び各種分析/算出誤りの防止やスピーディーな算出技術
・Microsoft Excel、PowerPoint、Word、Accessを活用した算出、分析、報告
・Microsoft Visio を活用した統制/フローの作成
※特にアピールしたい経験・スキルや、「職務経歴」欄や「自己PR」欄で書ききれなかった経験・スキルがある場合、ここに記載しておきましょう。特にない場合、項目ごと削除するか、先述の「職務経歴」欄に記載した経験・スキルを一言のフレーズに言い直し、箇条書きにしておくのもおすすめです。
【自己PR】
■社内・顧客・仕入先との間を取り持つ高い調整能力
生準業務を推進していくなかで、社内の製造、品質管理部門や顧客、仕入先などさまざまな関係者の要望がぶつかり合う場面が少なからずありました。そういった場面において、各関係者と密にコミュニケーションを取り合い、現実的かつ最善の落とし所に着地させることに努めて参りました。
特に新規部品の荷姿設定業務においては、社内・仕入先は1pcでも多く箱に収容したいという要望に対し、顧客は作業性・品質面を重視したいという真逆の要望をお持ちであることが多くありました。そういった場合は、お互いの要望に合わせて複数パターンの荷姿案を実際に検討し、各案のメリット/デメリットを抽出。それに基づき各関係者への影響度などで優先順位をつけることで、関係者全員が公平かつ最善の荷姿と納得できる形で設定することができました。
このように関係者の意見が対立する場面でも、各方面の意見を聞き、パターン化・優先順位をつけることで客観的かつ論理的に調整することを心がけております。
■コスト削減に向けた高い情報収集/分析力
私は購買業務において、情報収集と分析を基にした課題解決を得意としています。前職では、海外サプライヤーとの取引条件を最適化するプロジェクトに携わり、Xカ月間で調達コストをXX%削減しました。具体的には、各国の原材料価格動向、為替リスク、物流コストを綿密に調査し、複数のサプライヤーと条件を比較。さらに、社内需要予測データを基にした最適な発注タイミングを提案し、全体のコスト削減に成功しました。
また、情報を収集するだけでなく、その分析結果を具体的なアクションプランに落とし込むよう心がけており、現地市場の情報をリアルタイムで収集するデータベースの構築や、サプライヤー別のコスト構造分析を実施し、従来の調達プロセスでは見逃されていた改善機会の発見につながりました。
今後はこうしたスキルを活かし、貴社においても効率化とコスト削減を実現し、競争力強化に貢献したいと考えております。
※購買・調達ポジションでは調整力・交渉力のほか、原価低減などに向けた情報収集/分析能力をアピールするのがおすすめです。関係部署を巻き込んだり取引先と価格交渉を行ったりした経験、市場調査や分析を行った経験などについて、エピソードを具体的にご記載ください。
以上
購買・調達の職務経歴書では実務経験が重要
購買・調達の職務経歴書において、最も重視されるのは「実務経験」です。
「購買・調達」部門には「良いものを安く仕入れる」という各社共通のミッションがありますが、扱う製品・商材やその金額は企業によって千差万別。
そのため採用担当者は、応募者が「何の製品向けの・どのような商材を・どれくらい扱っていたのか」、そして「どれだけのコストカットを実現したのか」がわからないことには、「自社でお願いしたい購買・調達業務を担える人材かどうか」を判断できず、不採用になりかねません。
よって購買・調達の職務経歴書では「職務経歴」欄を中心に、対象製品や担当品目、原価低減の実績などについて、くわしく・定量的に記載するのが鉄則です。
1)購買・調達の「職務要約」
重要度:★★★★・
応募先にマッチする経験を書く
「職務要約」欄には、応募先で求められている経験を中心に記載するのが鉄則。
例えば「●●材や△△材の発注先選定・価格決定」「新規サプライヤーの発掘・指導・育成」など、求人の「仕事内容」や「必須/歓迎条件」などに記載されているキーワードをそのまま盛り込むのがポイントです。
購買・調達の書類選考で合否の決め手となるのは後述の「職務経歴」欄ですが、採用担当者が最初に目を通すのは、あくまで「職務要約」欄。
まずはここでザックリ「求めている経験・知識がありそう」と感じてもらわないことには、そもそもその先を読まれずに不合格になってしまうリスクがあるのです。
▼「職務要約」欄についてさらにくわしく
2)購買・調達の「職務経歴」
重要度:★★★★★
購買・調達の職務経歴書において、「職務経歴」欄は最も重要な項目。ここの内容次第で合否が決まるといっても過言ではありません。
なぜなら採用担当者はこの欄から応募者の実務経験を確認し、その内容・レベル感が「自社の購買・調達ポジションとマッチするか」を厳しくチェックしているからです。
そのため、実務経験の内容・レベル感が漏れなく・正確に伝わるよう、「職務経歴」欄には下記の項目を記載しましょう。
顧客情報や経験年数も盛り込む
対象製品(※直接材の場合)や担当品目については、顧客情報(どこ向けの製品か)や経験年数までくわしく記載するのがポイント。採用担当者が自社との親和性を判断しやすくなります。
顧客情報については例えば「●●社向けのエンジンECU、パワーコントロールユニット、制御ユニットに使用される電子部品、機構部品(5年)」など、できれば具体的な企業名、難しい場合は「日系大手完成車メーカー向けの~」など、国や規模がわかるように記載しましょう。
また、習熟度を伝えるために対象製品・担当品目ごとに経験年数も併記することも忘れずに。

キャリア
アドバイザー
部署やプロジェクトなどによって担当の製品・商材に移り変わりがあった場合、製品・商材ごとに表組みの行を分け、時系列で記載してもOKです。
こんな経験はさらなる高評価に
下記のような経験がある場合も、「職務経歴」欄に必ず記載しましょう。
応募要件になっている企業ではもちろん、そうでない場合も、ポテンシャルを評価され加点につながるケースがあります。
仕入先の新規開拓の経験は、原価低減をしたい多くの企業でニーズが高いことはもちろん、仕入先候補のリサーチや評価、価格交渉のスキルや主体性などが伝わります。
また、同じく原価低減に向けて海外サプライヤーとの取引を行う企業も増えているため、海外出張・駐在の経験や、英語でのやり取り経験も高評価につながる要素です。
購買管理システムの開発・導入経験も好印象。近年、業務効率化に向けて取り組む企業が増えているからです。

キャリア
アドバイザー
若手で実績がない場合は「取り組み・工夫」を追記
特に若手など、アピールできるような実績がない場合、「職務経歴」欄の最後に「取り組み・工夫」の項目を設けるのもおすすめ。
原価低減に関して「どんな課題に対し、何をしたのか」という過程を伝えることで、ポテンシャルを評価してもらえるケースがあるからです。
ただし、文量は1~2文程度であくまで簡潔に。エピソードの詳細は後述の「自己PR」欄に記載しましょう。
▼「職務経歴」欄についてさらにくわしく
3)購買・調達の「保有資格・語学」など
重要度:★★・・・
購買・調達の書類選考で重視されるのは先述の「職務経歴」欄であり、「保有資格・スキル」欄や「活かせる経験・知識・技術」欄が合否に影響することは考えにくいでしょう。
書けることがない場合、項目ごと削除しても問題ありません。ただし、企業によっては加点につながるケースがあるため、下記のうち該当するものがないか確認しておきましょう。
保有資格・スキル
TOEIC600~700点以上の語学力、あるいは英語を使った実務経験がある場合、点数と使用場面・頻度について記載しておきましょう。
海外とのやり取りが発生する企業・ポジションでは、高評価につながります。
▼「保有資格・スキル(語学)」欄についてさらにくわしく
活かせる経験・知識・技術
例えば「価格交渉に関する経営層へのプレゼン経験」「購買管理システムの導入経験」など、特にアピールしたい経験・スキルや、「職務経歴」欄や「自己PR」欄で書ききれなかった経験・スキルがある場合、ここに記載しておきましょう。
特にない場合、先述の「職務経歴」欄に記載した経験・スキルを一言のフレーズに言い直し、箇条書きにしておくのもおすすめです。
▼「活かせる経験・知識・技術」欄についてさらにくわしく
4)購買・調達の「自己PR」
重要度:★★★・・
実務経験が重視される購買・調達の職務経歴書において、「自己PR」欄が合否に大きく影響することは考えにくいものの、加点につながるケースがあるため、必ず記載しましょう。
特に若手など、実務経験や実績がそれほどない場合は、「自己PR」欄で課題解決(原価低減など)に向けた取り組み・工夫(過程)を伝えることで、ポテンシャルを評価してもらえるケースがあります。
購買・調達がアピールしたい2つの能力
購買・調達の「自己PR」欄では、下記の2つの能力をアピールするのがおすすめ。
書く際は、これらの能力の裏付けとして「何の課題・業務に対し・どのような取り組みや工夫をして・どれだけの成果につながったのか」について、順序立てて説明しましょう。
購買・調達のポジションで何よりも求められるのが、調整力や交渉力。
必要な資材・部品について開発/製造部門とすり合わせをしたり、原価低減策について提案したりといった社内折衝はもちろん、仕様・価格・納期、取引条件に関してサプライヤーと交渉を行う機会も多いからです。
また、担当商材のマーケット状況や適正価格についてのタイムリーな情報収集や、原価低減に向けた仕入データの分析やVE提案のスキルも重宝されるでしょう。
▼エピソード例
- (調整力・交渉力)突発的な受注により原材料の不足が発生した際、製造部門と生産スケジュールの再調整を行ったり、営業部門に顧客に対する納期調整や代替案の提案について打診したりすることで納期遅延を最小限に抑えた経験
- (調整力・交渉力)適正価格や市場動向に関するリサーチ、分析データや数量保証契約の提示により、サプライヤーとの良好な関係性を維持しつつ原価低減につなげた経験
- (情報収集/分析力)国内外の市場動向、原材料価格の変動要因(為替、原油価格、地政学的リスクなど)についての定期的モニタリングにより、原材料価格が上がる前に購入した経験
- (情報収集/分析力)同業他社の購買コストやサプライヤー選定基準についてのベンチマーク分析をふまえて契約を見直し、購入費を抑えた経験
…など
▼「自己PR」欄についてさらにくわしく
履歴書の作成も忘れずに!
転職の書類選考では、職務経歴書とあわせて履歴書の提出を求められることが一般的。
まだ着手していない場合、まずは下記の記事から自分に合ったテンプレートをダウンロードしましょう。
ダウンロードできたら、下記の記事から書き方・ポイントを確認し、早速作り始めてみましょう。
この記事の担当者

「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。
