中途・新卒向けや業界別の例文も 品質管理の志望動機の書き方
履歴書や面接で必ず聞かれる志望動機。応募先企業や職種に関する理解度・志望度の高さをきちんと伝える必要があります。
この記事では、「品質管理」に応募するときの志望動機の書き方を解説。「中途・未経験者」「中途・経験者」「新卒者」などの経験別の例文や、食品会社や製薬会社、化粧品会社など業界・業種別の例文も掲載しています。
品質管理の志望動機の書き方
まず、すぐにできる品質管理の志望動機の書き方を紹介します。
志望動機を組み立てるには、下記の3つの要素が必要になります。
それでは、志望動機に盛り込む3つの要素について、くわしく見ていきましょう。
※履歴書に書くときは貴社、面接で答えるときは御社を使います。例文や具体例は履歴書・面接のどちらにも対応しています。状況に応じて貴社・御社を使い分けてください。
1.志望理由(結論)
志望動機の冒頭にはまず「なぜ品質管理志望なのか」「なぜこの会社で働きたいのか」という志望理由を、結論として簡潔に書きます。
品質管理はさまざまな会社にある職種のため、特に「なぜこの会社を選んだのか」は重要です。「○○という企業理念に共感した」「独自の取り組みをしている」など、魅力を感じた点を明確にしましょう。
企業ならではの魅力を見つけるためには、志望先企業のホームページや採用サイトなどにある「経営理念」「求める人物像」などをチェックし、力を入れている取り組み・事業、求められる資質や能力を調べます。
応募先の企業の特色について書く際は、その企業の商材を例に出すと具体的な内容になり説得力が増します。
〈具体例〉
- 留学経験を活かして海外輸入食品・製品の品質管理職を目指し、オーガニック食品・製品輸入のパイオニアである貴社を志望した
- 品質管理職の補助として業務を行ったことをきっかけに、三次元測定機の使用経験を活かせる地元の企業で働きたいと思うようになり、貴社を志望した
志望動機の書き出しに迷ったときは、下記の記事を参考にしてください。
2.その結論に至った具体的なエピソード
冒頭で志望理由の結論を述べたあとは、その結論に至った具体的なエピソードを書きます。理由・背景を説明することで、志望動機の説得力が増します。
その企業を知った・興味を持ったきっかけとなるエピソードや、仕事に対する価値観など「自分ならでは」の要素を組み合わせて「たくさんの企業がある中で、なぜ応募先を選んだのか」を説明しましょう。
〈具体例〉
- 前職の食品加工会社では5年間事務として働いていた。海外輸入食品を取り扱う中で、食品の品質管理における日本と海外の法律・文化の違いを知り、輸入食品・製品の品質管理に興味を持つようになった。
貴社は日本ではまだ一般化していないオーガニック食品・製品輸入のパイオニアであり、「世界にあふれる魅力的な製品を日本の日常に届ける」という理念にも共感している。 - 前職では、工作機械に使用されている潤滑給油ポンプの部品製造に携わり、品質管理を担当したこともあった。コロナ禍でなかなか帰省できない日々が続き「今後は地元で過ごしたい」という思いが芽生え、Uターン転職を考えたところ、貴社で三次元測定機の使用経験がある品質管理職を募集していると知り、これまでのキャリアを活かせるチャンスと思い、応募した。
貴社の「お客様・地域に認められてはじめて仕事ができる」をモットーに顧客第一・地元貢献を大切にしている点がとても魅力的だと思っている。
3.採用後の意気込み
志望動機の締めは、これまでの経験やスキルを応募先でどのように活かせるのかを説明します。
経験者の場合は前職で得たスキルや経験の活かし方を記載すると、入社後にどんなポジションでどのように働けるのか、採用担当者が想像しやすくなります。
新卒や未経験者の場合は大学生活やアルバイト、ゼミやサークル活動で得たスキルや経験の活かし方を具体的に伝えるとよいでしょう。
〈具体例〉
- 前職の事務では、海外留学経験を活かし、品質管理職の補助として海外メーカーから取扱商品情報を取り寄せ、書類作成などを担当することがあった。この経験を活かし、一日でも早く貴社で即戦力として活躍したいと思っている。
- 前職では、ミスを減らして効率を上げることで生産性向上に貢献しようと考え、製造の過程で過去に起こったトラブルを洗い出し、傾向と対策をまとめて部門に共有した。この取り組みによって製造過程のミスが減り、品質管理部門からも感謝された。
貴社でも自分の仕事を通して会社全体に貢献できるよう尽力する。
コラム:品質管理の仕事内容と適性
品質管理と一口にいっても仕事内容は多岐に渡り、専門的な知識・技術以外にもさまざまな能力が求められます。
志望動機で品質管理として仕事の適性があることをアピールしたい場合は、下記の能力が伝わるような経験はないかを考え、具体的なエピソードをもとに盛り込みましょう。
▼仕事内容
- 製品の検査・分析
- トラブルの原因究明
- 製造部門への品質教育の実施
- ・生産性向上のための取り組み など
▼求められる適性
- クレーム対応能力
- 製品の問題発見・解決能力
- 消費者のニーズを把握できる洞察力や観察力
- チームを円滑に作用させるコミュニケーション能力 など
【経験別】品質管理の志望動機の例文
ここからは品質管理の志望動機の例文を経験別に紹介します。
中途・未経験者の場合
〈例文〉
- 品質管理の面から服・アパレル業界に携わることで、お客様に最高の状態の商品を届けたいと思い、貴社への転職を志望しました。
- 前職ではアパレル業界で5年間ほど、販売・接客に関する仕事に携わりました。その中で、製造過程で衣類が乱雑に扱われている実態を知り、お客様に最高の状態で届けられていないのではないかと思うようになりました。
この経験から「製造工程から自分の目で確認し、より良いものを提供したい」という思いが強くなり、転職を決意しました。貴社の説明会で伺った「常にクオリティの高い商品を提供するために、お客様の声を逐一商品改良に活かしている」という姿勢に魅力を感じています。 - 前職では店長補佐として、納品スケジュール管理や、店舗でできる簡易的な検品業務・補修対応などを行っていました。この経験を品質管理職の検査業務や進捗管理、補修対応などに活かし、より良い商品の開発・製造に関わっていきたいと考えています
未経験から品質管理へ転職する場合、他業種・他職種から品質管理の仕事に転職する理由を明確にすることが重要です。
これまでどんな経験をし、その中で「なぜ品質管理の仕事に就きたいと思ったのか」が伝わる志望動機が求められます。
中途・経験者の場合
〈例文〉
- 品質改善・向上の体制が整っている貴社で品質管理として働きたいと思い、志望しました。
- 化学薬品を取り扱う工場で5年ほど品質管理を担当しました。経験を積むにつれて、大勢の人の手に取っていただける一般消費者向け製品の品質管理を手掛けたいという気持ちが強くなり、化粧品業界への転職を決意しました。
中でも貴社の製品はすべて自社工場で作られていて、品質管理の結果をすぐに製品に反映することができる体制があるため、よりお客様のニーズに合った製品の提供に貢献できる点に魅力を感じています。 - 前職では試験課に所属し、品質管理や安全性試験を行っていました。通常業務と並行して試験コストの削減にも取り組み、20XX年には前年度比〇%削減に成功しました。
貴社でもこの経験を活かして「人々の暮らしに新しい価値と笑顔を」という理念の実現に貢献できるよう尽力して参ります。
品質管理経験者の方は、「今までの経歴や実績」と「品質管理職としてどのようにステップアップしたいか」を伝えることがポイントになります。
即戦力として活躍することが期待されているため、前職でどのような仕事をしてきたのかアピールし、できることを具体的に伝えることが大切です。
また、すでに持っている能力だけでなく、さらにスキルアップしていきたいという姿勢を打ち出すことで、採用担当者に好印象を与える志望動機を作成することができます。
新卒者の場合
〈例文〉
- 食品の安全性担保に力を入れている貴社で品質管理職として働きたいと思い、志望しました。
- 私は学生時代にデパートの生鮮食品売り場でアルバイトをしていたときに、閉店後や開店前に消費期限や賞味期限切れの食品がないか、傷んでいる食品がないかを確認する「商品管理」も担当しました。
期限切れの商品を販売してしまうとお客様の健康を損ねるだけではなく、店に対する信頼を失うことになってしまいます。そのため非常に責任のある仕事だと思い、商品管理の仕事にやりがいを感じておりました。
この経験から、社会人になっても食品の品質管理に携わりたいと思い、食品メーカーの中でも商品の安全性を担保するための仕組みづくりに力を入れている貴社を志望しました。 - アルバイトでは、少しでも食品の状態に疑問を持ったら社員に確認を取り、不適切な商品が消費者の手に絶対に渡らないように工夫していました。貴社の業務においても同僚や他部署の方と連携し、品質の維持・向上に貢献したいと思っております。
新卒者の場合は、自分の経験や人となりと品質管理の仕事を結びつけた志望動機を作成することが大切です。
品質管理に興味を持ったきっかけを具体的なエピソードを交えて説明しましょう。
【業界・業種別】品質管理の志望動機の例文
ここからは業界・業種別に品質管理の志望動機の例文を紹介します。
食品会社の場合
〈例文〉
- 品質管理職として長年愛される食品の味・信頼を守る仕事がしたいと思い、貴社を志望しました。
- 私はもともと貴社の○○食品の大ファンで、高校生のときに参加した工場見学をきっかけに「将来は美味しい食品の開発や販売に携わる仕事がしたい」と考えるようになりました。
大学で専攻していた栄養学の食品の安全性に関する講義で「当たり前に誰もが安心して食べられる」ために品質管理が重要であることを知りました。これを機に、自分も安心できる商品の提供に関わりたいという思いが強くなり、この度応募いたしました。 - 学生時代に栄養学部で学んだ食品添加物やアレルギーの知識は、貴社の品質管理の仕事にも活かせると考えます。前職で培った現場を支える能力と、食品に関する知識を活かして貴社の品質管理職として、食の安全を守っていきたいです。
食品会社の品質管理部門では商品の評価・改善だけでなく、生産ラインの稼働状況や原材料の消費量のチェックなど、工場全体の管理が行われており、以下のスキルが求められています。
- 食品へのアレルギーや添加物に関する知識
- 消費者庁の「食品表示法」に関する知識
- 工場全体を俯瞰してみるスキル
- 問題解決に向けたコミュニケーション能力
食品会社の品質管理は、人々の口に入る食品の製造にかかわる非常に責任の重い仕事です。
仕事のスキルだけでなく、業務に対し真摯に取り組む姿勢や責任感をアピールし、あなたの仕事に対する熱意を伝えましょう。
化学・製薬会社の場合
〈例文〉
- 顧客のニーズに応える医薬品づくりに携わりたいと思い、貴社の品質管理職を志望しました。
- 私はMRとして4年間、医師や医療従事者に対し商品の説明や指導、販売を行ってきました。
多くの医薬品の中から患者様や病院のニーズに合った商品を提案できる魅力的な仕事でしたが、今後のキャリアプランを考えた際に「学生時代に学んでいた分析化学の知識をもっと直接的に活かせる仕事がしたい」と思うようになり、製品の分析・検査を行う品質管理の仕事を志すようになりました。
貴社は「信頼と挑戦の医薬で世界の人々の健康に貢献する」という理念のもと徹底した品質管理と検査を行っているため、品質管理として一流を目指せるのではないかと考えました。 - 学生時代に培った分析化学の知識とMRとしての経験を活かし、高品質な薬品の安定供給に貢献していきたいです。いち早く貴社に貢献できるよう努めますので、よろしくお願いいたします。
人々の生命や健康にかかわる薬品を取り扱う化学・製薬会社は、厳格な品質管理が定められるため、専門的な知識やスキルを有している人材を求めています。
以下のような化学・製薬会社の品質管理ならではのスキルをひとつでも身につけておけると良いでしょう。
- 化学・製薬に関する専門的なスキル
- 外国の原料や医薬品を取り扱うための英語力
- 医薬品等品質管理基準(GMP)
過去の経験からあなたの能力をきちんとアピールし、会社にとって必要な人材と思われるような志望動機を作成することが大切です。
化粧品会社の場合
〈例文〉
- 肌トラブルに悩むお客様にも届けられる化粧品づくりに品質管理職として携わりたいと思い、貴社を志望しました。
- 前職で化粧品メーカーの営業担当として小売店への提案業務を行っていた際に、製品の一部に不良品があったことから一斉回収し、販売店にも一般のお客様にも不安を与える結果となりました。この件をきっかけに「品質を守ることは、ステークホルダーすべてを守ること」だと強く実感し、品質管理職への転職を決意しました。
また、私は肌が弱く、合わない化粧品による肌荒れに悩まされることもあったため、「すべてのお客様のために、安心安全な商品を届ける」という貴社の企業理念には強く共感しております。 - 大学時代は工学部応用化学科に所属し、香料を研究していたので、この知識を化粧品に用いる素材の選定、組み合わせ方や改善に活かせるのではないかと考えております。お客様が安心して使用でき、また生き生きと輝き続けられるよう、貴社の品質管理職として貢献していきたいです。
化粧品会社の品質管理を目指す方の志望動機には、以下のポイントが含まれていると良いでしょう。
- 応用化学に関する知識
- 化粧品や薬品の研究・企画・開発経験
- 商品に対する熱い思い
化粧品は肌に直接触れるものであるため、製品の安全性が重要です。それだけでなく「使い続けたい」と思ってもらえるように、心地よい香りや使用感など複合的な観点から工夫した製品を製造しなければなりません。
そのため、より良いものを提供していきたいという強い思いを伝えられると良いでしょう。
志望動機が完成したあとは…
志望動機が完成したあとは、履歴書の提出マナーを提出方法別におさらいしておきましょう。
▼郵送するとき
▼メールで送るとき
▼面接に持参して手渡しするとき
下記の「履歴書の書き方ガイド」では、印刷の仕方やよくある疑問についてもまるっと解説してるので、ぜひチェックしてみてください。