正社員とアルバイトの例文を紹介 飲食店の志望動機はどう作る?
履歴書や面接で必ず聞かれる志望動機。応募先企業や職種に関する理解度・志望度の高さをきちんと伝える必要があります。
この記事では、飲食店に応募するときの志望動機を、正社員・アルバイトに分けて紹介します。
飲食店の志望動機の書き方
まず、すぐにできる飲食店の志望動機の書き方を紹介します。志望動機を組み立てるには、下記の3つの要素が必要になります。
それでは、志望動機に盛り込む3つの要素について詳しく見ていきましょう。
※履歴書に書くときは貴社、面接で答えるときは御社を使うのが一般的ですが、飲食店の場合は履歴書では貴店、面接では御店を使います。例文や具体例は履歴書・面接のどちらにも対応しています。状況に応じて貴店・御店を使い分けてください。
1.志望理由(結論)
志望動機の冒頭にはまず「なぜ志望先の飲食店で働きたいのか」という志望理由を、結論として簡潔に書きます。
記載内容を決めるためには、事前に志望先の飲食店の公式サイトなどに記載されている経営方針やコンセプト、「求める人物像」などを調べます。実際に志望先の飲食店で食事をしてみて、お店の特徴や雰囲気、接客を確認するのも良いでしょう。
最近ではSNSで情報発信している飲食店も多いので、投稿内容からお店づくりやメニューに対するこだわりなどを調べることもできます。
こうしてリサーチを進めた上で、志望先のどんな部分に魅力を感じているのか、あるいはどんな部分に適性を感じたのかを説明しましょう。
〈具体例〉
- お客様のニーズを的確に満たしている貴店で働くことで、外食が楽しい・この店は外食しやすいと思ってくれる人を増やしたいと思ったから。
- 業界内でも斬新な接客スタイルを取り入れている貴店の運営方針に魅力を感じたから。
志望動機の書き出しに迷ったときは、下記の記事を参考にしてください。
2.その結論に至った具体的なエピソード
冒頭で志望理由の結論を述べたあとは、志望先の飲食店を選ぶに至った具体的なエピソードを書きます。理由・背景を説明することで、志望動機の説得力が増します。
その飲食店にちなんだ具体的なエピソードや、接客やメニュー、店内の設備などに対して感じたこと、お店やその母体となる企業の経営方針への共感など「自分ならでは」の要素が伝えられるとベスト。
「たくさんの飲食店がある中でなぜ志望先を選んだのか」が伝わり、より説得力のある志望動機に近づきます。
〈具体例〉
- 親戚の子どもたちと外食に行くことがよくあるが、子ども連れでもOKなお店選びに苦労することがある。貴店を訪れたとき、子ども用の椅子や食器をすぐに提供してくれたり、子連れのお客様とそうでないお客様のエリアを分けたりといった工夫がみられ、店舗設備や接客に感銘を受けた。
- 以前勤務していた飲食店ではスタッフの接客レベルにバラつきがあることや、シフト調整がうまくいかないことが課題だった。貴店ではいち早く配膳ロボットを取り入れ、こうした問題の解消に取り組んでいると感じた。
3.採用後の意気込み
志望動機の締めは、これまでの実績やスキルを志望先の飲食店でどのように活かせるのかを説明します。
前職で得たスキルや経験の活かし方を具体的に伝えると、採用後にどんなポジションでどんな働き方ができるのか、採用担当者が把握しやすくなります。
新卒や未経験の場合は、経験者に比べると活かせる経験やスキルが少ないため、意気込みを伝えて志望度の高さをアピールしましょう。
〈具体例〉
- 大学時代にアパレル店でアルバイトをし、店舗空間・ディスプレイの整備などを行っていたため、その経験を活かしてあらゆるお客様が外食を楽しめる環境づくりに励みたい。
- 前職ではスタッフの教育指導を担当していたため、貴店でお客様に愛されるような気配りのできるスタッフ研修の企画や対応マニュアルの整備などを行って貢献したい。
【雇用形態別】飲食店の志望動機例文
ここからは飲食店の志望動機の例文を、正社員とアルバイトに分けて紹介します。
正社員の場合
飲食店の正社員は、ホールでの接客やキッチン業務以外に、社員やアルバイトのシフト管理、スタッフの採用活動、食材・備品の発注、売上の管理といった事務作業を担当することがあります。
経験者
〈ホールスタッフに応募するときの例文〉
- アットホームな雰囲気を大切にする貴店の経営方針に共感したため、今回の求人に応募いたしました。
- 以前、貴店を訪れたことがあり、常連さんたちがまるで家族のように仲良く会話していたことが印象に残っています。スタッフの方々は、新規のお客様と常連さんたちがコミュニケーションをとれるように会話を誘導するといった、和やかな雰囲気づくりのための接客をされていて、そのバランスのとれたコミュニケーションスキルに感動いたしました。社会人になると交友関係が広がる機会が限られてしまう人も珍しくない中、貴店のようなアットホームなお店があることで新たな人のつながりが生まれていくと感じ、私もそうした場を作っていきたいと思いました。
- 前職ではアルバイトスタッフの採用面接やシフト管理、食材の発注なども担当しておりました。貴店でもその経験を活かしながらお客様が楽しめる環境を作っていきたいです。
〈キッチンスタッフに応募するときの例文〉
- 前職のキッチン経験を活かしながら調理スキルを高めたいと思い、志望いたしました。
- 前職ではイタリアンのキッチンを担当しておりましたが、売上や業務効率化のためにメニュー数が厳選されており、調理スキルの成長に限界を感じることがありました。貴店は数あるイタリアンの中でもメニューが豊富で、新メニューの開発を定期的に行っていると伺ったため、肉料理の調理とソース作りなどの前職の調理スキルを活かしながら、さらなる調理経験を積める環境だと感じました。
- 食材それぞれの最適な調理方法について学ぶために、開業支援企業主催の講座に参加した経験もあるため、そうした知識を活かして貴店でも即戦力になれるよう尽力いたします。
経験者の場合は、志望先の飲食店のどのような特徴・経営方針に惹かれたのかを説明するとともに、前職の経験をどのように活かすのかを具体的に記載しましょう。
未経験者
〈未経験で応募するときの例文〉
- お酒にこだわりのある貴店で、飲食店のメニュー考案経験を活かしたいと考え、志望いたしました。
- 前職では酒類販売店の営業として、さまざまな飲食店にお酒を卸してきましたが、お店で提供するお酒について相談を受けることがよくあり、メニューを提案することもありました。その内容について「お客様に喜ばれた」と評価をいただける機会が多かったことから、お酒を売るだけではなく、お酒を楽しむ場にもっと深く関わりたいと思うようになり、中でもお酒のラインナップが豊富で、お客様の反応をダイレクトに感じられる貴店で働きたいと考えました。
- 前職で培ったお酒に関する知識のほか、ソムリエの資格も取得しているため、それを活かして貴店のお客様がよりお酒を楽しめるようなお店づくりに努めたいです。
未経験の場合は、他業種から飲食店に転職しようと考えた理由に加えて、志望先の飲食店で前職のスキルや経験をどう活かすのかを、わかりやすく伝えます。
飲食業界は未経験でも応募可能な求人が多いものの、接客経験のほか、調理師やソムリエ、製菓衛生師など、飲食に関する資格を持っていると志望動機に活かしやすいでしょう。
アルバイトの場合
飲食店のアルバイトは、基本的にホール業務やキッチン業務を担当するケースが一般的。これまでの経験によっては新人の指導、シフト管理などを任されることもあります。
経験者
〈例文〉
- お客様とより近い距離感で接客ができる点に魅力を感じたため、今回の求人に応募いたしました。
- 以前の店舗ではレジカウンター業務を担当しておりましたが、お客様とコミュニケーションを取る機会がどうしても限られてしまい、提供できるサービスに限界があると感じていました。貴店はテーブルごとにスタッフを割り振るという接客スタイルで、以前利用したときに担当スタッフの方と楽しく会話することができて印象的だったため、自分もそうした接客にチャレンジしたいと思うようになりました。
- 前職で基本的な接客マナーや事務処理スキルは身に付いています。それらを活かして、貴店でお客様に気持ち良く過ごしていただけるよう、さらなる接客スキルを学んでいきたいです。
飲食店経験者の場合は、志望先の飲食店のどのような特徴・接客に惹かれたのかに加え、前職の経験をどのように活かせるのかを具体的に説明します
未経験者
〈例文〉
- 貴店のスタッフの方のあたたかい接客に感激し、私もそのような接客でお客様を喜ばせたいと考え、今回の求人に応募いたしました。
- 幼い頃から貴店に家族と訪れる機会が多くあったのですが、あるスタッフの方がすぐに私たち家族の顔を覚えてくれ、食品アレルギーのある兄弟にも常に気遣ってくださいました。食品アレルギーがあると外食の選択肢が限られてしまうのですが、おかげで私たち家族にとって貴店は安心して外食が楽しめるお店となりました。その経験から、私もアレルギー持ちのお客様でも安心して外食を楽しめるような接客をしたいと考えました。
- もともと人と話すのが好きで、さまざまな年齢層に合わせたコミュニケーションが得意なので、それを活かして貴店の即戦力になれるよう頑張りたいです。
未経験者の場合は、経験者に比べると活かせる経験やスキルが少ないため、意気込みを伝えて志望度の高さをアピールしましょう。
アルバイトの場合はホールスタッフを担当することが多いため、接客業務で求められるコミュニケーション能力や会話力があると、評価につながります。
コラム:行ったことのない飲食店の志望動機は?
行ったことのない飲食店に応募したい場合、できれば応募前に足を運び、実際の雰囲気や接客をチェックしたほうが良いでしょう。
ただ、遠方に住んでいるなどの事情でどうしても行けない場合は、志望先の飲食店で働きたい理由に加えて、来店したことがある系列店でのエピソードなどを盛り込みましょう。
加えて、志望先の飲食店の公式サイトやSNSでお店のコンセプトやこだわり、経営方針などをしっかり確認しておきます。
〈例文〉
- 貴店の系列である◯◯店のスムーズな接客に感動し、お客様が快適な時間を過ごすための接客スキルを身につけたいと感じたため、今回の求人に応募いたしました。
- 以前、◯◯店で友人と食事した際、大皿料理を人数分に分けた状態で提供していただいたり、椅子の上に置いていたバッグが汚れないようにカバーをかけてくださったりと、スムーズかつ自然な気遣いが感じられる接客に感動いたしました。貴店は系列チェーン全体で接客マニュアルを徹底していると公式サイトで拝見し、私もお客様が心地よく食事を楽しめるような接客をしたいと感じるようになりました。
- 前職ではアクセサリーの販売スタッフとして、主に女性のお客様をメインに接客をしておりました。貴店も女性に人気のお店という評判なので、前職の経験を活かして頑張りたいです。
志望動機が完成したあとは…
志望動機が完成したあとは、履歴書の提出マナーを提出方法別におさらいしておきましょう。
▼郵送するとき
▼メールで送るとき
▼面接に持参して手渡しするとき
下記の「履歴書の書き方ガイド」では、印刷の仕方やよくある疑問についてもまるっと解説してるので、ぜひチェックしてみてください。