お金をもらって資格が取れる!? 職業訓練校とは

転職に役立つスキルや資格を身に付けたいと考えている方に役立つのが職業訓練校。無料で授業が受けられる上、受講手当などお金が受け取れる可能性もあります。

知って得する職業訓練校の概要や受講方法、講座の種類についてまとめました。

転職に役立つ職業訓練校とは?

職業訓練校では無料で知識・技術が身に付けられる

職業訓練校は、失業中の人が再就職するための公共職業訓練を行う施設です。国や自治体が主体となって運営しており、年間30万人に利用されています。

職業訓練校を利用するメリット

  • 簿記やパソコンから介護や建築まで幅広い講座が開設されている
  • 受講料は無料
  • 条件を満たせば補助金などの優遇が受けられる場合がある

受講期間は2~6ヶ月が多く、1~2年間のコースも一部存在します。主に求職者を対象としていますが、退職予定がある場合は在職中でも申し込み・試験の受験は可能です。

公共職業訓練の受講要件は3つ

職業訓練の受講要件は以下の3つです。

  1. 受講開始日からさかのぼって1年以内に公共職業訓練を受講していない
  2. ハローワークに求職の申し込みをしている(離職者訓練のみ)
  3. ハローワーク所長の受講推薦または受講指示が受けられる(離職者訓練のみ)

雇用保険受給者でなければ受講できないというのはよくある誤解で、実際は、雇用保険受給者でなくても職業訓練は受けられます。ただし、雇用保険を受給している場合は、原則基本手当の受給日数が所定給付日数の2/3以上残っていることが求められます。

職業訓練校に申し込める時期は決まっている   

職業訓練校に申し込める時期は訓練機関によって異なります。コース別の入学時期はおおむね以下の通りです。

  • 6ヶ月未満のコース
    1年中(4月>10月>1月>7月の順に多い)
  • 6ヶ月のコース
    4月または10月(まれに1月・7月)
  • 1年以上のコース
    4月

訓練への応募受付はだいたい入学の2~3ヶ月前(4月入学の場合1~2月)に行われます。うっかり応募時期を逃さないよう注意して応募スケジュールを立てましょう。

公共職業訓練の種類

公共職業訓練は対象者ごとに3つの種類に分けられています。それぞれについてご説明します。

離職者訓練

求職者を対象とした最も一般的な公共職業訓練です。テキスト代などの実費を除き、受講料は基本的に無料

求職者は公共職業訓練の主対象であり、条件を満たせば失業保険の受給期間延長や通所手当(交通費)の交付などの援助が受けられます。

在職者訓練(キャリアアップ講習)

主に中小企業の在職者を対象として、平日夜や土日に行われる有料の公共職業訓練。多くの場合、1回数百~数千円程度の受講料がかかります(テキスト代等除く)。

訓練期間は2~5日で、訓練の内容は実地する主体が国か都道府県かで異なります。国は専門的な「ものづくり」の知識・技術を、都道府県は初心者向けの訓練や地域の実情に合った訓練を実地することが多いです。

学卒者訓練

中学・高校卒業者を対象とした有料の公共職業訓練です。学ぶ内容の専門性ごとに普通課程・専門課程・応用課程に分けられ、それぞれ数十万円の入学金と年間授業料がかかります(テキスト代等除く)。

訓練期間は普通課程の場合1~2年で、専門課程・応用課程の場合2年と定められています。

職業訓練校では補助金がもらえる!?

失業手当を多くもらうことができる

職業訓練校に通うことで、失業手当の受給期間が訓練期間の終了まで延ばされるため、合計でもらえる失業手当が増加します。また、通常自己都合退職者には3ヶ月の給付制限がかけられますが、それが解除されすぐに失業手当を受け取れるようになります。

例えば33歳、年収360万円のAさんが自己都合退職してすぐに1年のコースを受講し始めた場合、1年間の合計で約208万円の失業手当がもらえます(本来は最大150日で約85万円)。

自己都合退職の失業保険について、詳しくはこちら

受講手当や通所手当を受け取ることができる

公共職業訓練では受講手当や通所手当(交通費)が受け取れます。

受講手当は日額500円で、最大40日分(2万円)が受け取れます。

通所手当は上限が4万2,500円/月で、電車を利用する場合は一番安い経路の1ヶ月定期代分の金額が支払われます。その他の場合は以下の基準で支払われます。

その他の場場合(車・オートバイ・自転車)

  • 2km~10km…月3,690円
  • 10km~…月5,850円
  • 15km~…月8,010円(特定の地域のみ)

失業保険の受給手続きが楽になる

公共職業訓練を受講すると毎月末の失業認定日に訓練校側が失業保険の受給手続きを一括して代行してくれるようになります。通常は、自分で決めた失業認定日のたびに書類を用意してハローワークに通わなければなりません。

コラム:雇用保険未加入者が対象の求職者支援訓練とは?

求職者支援訓練は雇用保険未加入者の早期就職を国が支援する制度です。受給条件は以下の4点。

  1. 雇用保険被保険者・雇用保険受給資格者ではない
  2. 就労の意思と能力がある
  3. ハローワークに求職の申し込みをしている
  4. 職業訓練が必要だとハローワークが認めた

訓練には基礎能力を取得するための「基礎コース」と、より実践的な能力を取得するための「実践コース」があり、1コースの期間は3~6ヶ月と定められています。

雇用保険未加入者は公共職業訓練と求職者支援訓練のいずれも受けることができますが、それぞれで選べるコースは違います。公共職業訓練には手に職を付けられる技術系のコースが、求職者支援訓練には事務・ITなど社会人基礎的なコースが多い傾向にあります。

詳しくは以下のサイトをご活用ください。

また条件を満たした求職者には月々10万円の「職業訓練受講給付金」が支給されます。

公共職業訓練を受講する流れ

離職者訓練を受ける場合の5ステップ

ここでは、ハローワークで求職の申し込み(失業保険の申請)を済ませた求職者が行うべき5ステップをご紹介します。求職の申し込みを済ませるまでの手順についてはこちらをご参照ください。

【1】訓練校とコースを選ぶ

まずは訓練校とコースを選びます。

それらを選ぶための指標として、以下の3点を意識すると良いでしょう。

  1. 自宅からの通学時間
  2. 訓練期間の長さ
  3. 受講を通して身に付けたいスキル・資格

判断基準となる情報はハローワークの掲示板やパンフレットから得られます。また、各都道府県のホームページにも職業訓練のコースにまつわる情報があります。「公共職業訓練の都道府県別訓練コース検索」を活用して、まずは最寄りのハローワークが受講者を募集している訓練コースを見てみましょう。

コラム:ハローワークの職業相談とは?

ハローワークの職業相談窓口では、離職者訓練のコース選びにまつわるアドバイスを受けることができます。受講したい訓練がすでに決まっている場合はその訓練を受けたい理由を説明し、申し込みのアドバイスを受けましょう。

受講したい訓練がまだ決まっていない場合は、自分の理想の働き方について相談員に話すことでそのために必要なスキルや資格が取得できるコースを教えてもらえます。

※ハローワークの活用法についてより詳しくは、「ハローワークで転職! 流れや相談できることを知ろう」をご参照ください。

【2】職業訓練校の説明会に参加する

受講したいコースが大体絞れたら、職業訓練校の説明会(見学会)に参加しましょう。各職業訓練校では説明会が開かれており、実習風景を見学したり訓練の概要を聞いたりすることができます。申し込みは直接訓練校に問い合わせるか、管轄のハローワークの「訓練相談窓口」に赴くことで行えます。

訓練校の説明会に参加することには、以下のようなメリットがあります。

  • 訓練校の環境や授業の内容について実感を持って知ることができる
  • 訓練校にやる気をアピールできる

訓練校には数ヶ月~2年という長い期間通い続けることになります。入学してから後悔のないよう、特別な理由がない限りは説明会に参加して、自分がそこに通い続けられるか検討することをおすすめします。

【3】入学を申し込む

公共職業訓練の入学申し込みは、ハローワークで行えます。以下の書類3点を準備して、受講したい訓練校を管轄するハローワークに向かいましょう。

  1. 受講申込書
  2. 写真(4×3cm)
  3. 雇用保険受給資格者証

受講申込書は、ハローワークでもらえる訓練校のパンフレットについてきます。パンフレットは東京など一部の地域ではサイトからダウンロードすることができます。

受講申込書見本(東京都)

雇用保険受給資格者証は以下2点の確認のために用いられます。

  1. 応募者に職業訓練を受ける資格があるか
  2. 応募者の失業保険の所定給付日数はどれだけ残っているか

これらは、公共職業訓練が受けられるかどうかの判別に必ず必要な情報です。ただし、応募時点で雇用保険受給資格者証を持っていない場合は、その旨を伝えれば後日の提出も認められます。

雇用保険受給資格者証見本

 

申し込みが終わると「公共職業訓練合格後の手続きについてのマニュアル」がもらえます。合格後もたびたび参照するので、大切に取っておいてください。

【4】選考試験を受ける

Web系・医療事務・介護など人気が高いコースは倍率が2~3倍になることがあり、応募者を絞るために選考試験が行われます。試験の内容は書類選考や数学や国語についての学力テストや適性検査が多いですが、Web系であればシステムなど専門的な知識が問われる場合もあります。

また、面接が行われることもあり、以下のような質問がなされるようです。

  • なぜ、この訓練コースを志望したか?
  • 学んだ内容を、今後どのようにキャリアに生かしたいか?
  • これまでどのような就職活動を行ってきたか?
  • 職業訓練を受けて、就職する意思はあるのか?

職業訓練校の説明会に参加していると、このような質問に説得力を持って具体的に答えることができます。やはり、説明会への参加には大きなメリットがあるといえるでしょう。

【5】入学手続きを済ませる

見事選考を突破したら、合格したコースを管轄するハローワークで入学手続きを行い、「就職支援計画」の交付を受けましょう。公共職業訓練受講者は、この就職支援計画に基づいて、再就職のあっせんを受けることになります。

合格通知証は、受講申込書に書いた自宅の住所に送られてきます。ジョブカードは、ハローワークを最初に利用する際に受け取れます。

<入学手続きに必要なもの>

  • ジョブカード(ハローワークカード)
  • 選考結果通知書
  • 写真(4×3cm)
  • 雇用保険受給資格者証
  • 公共職業訓練合格後の手続きについてのマニュアル

在職者訓練を受ける場合の3ステップ

在職者訓練は以下の手順で受けられます。

【1】訓練校とコースを選ぶ
     ↓
【2】入学を申し込む
     ↓
【3】受講料を振り込む(無料のコースの場合はテキスト代のみ負担) 

離職者訓練の場合と比べて非常に手続きはシンプルです。入学の申し込みも直接ハローワークに足を運ばず、FAXや郵送で行うことができます。定員を超えて申し込みがあった場合選考はありませんが、キャンセル待ちとなります。

役立つ職業別・職業訓練校のコース7選

役立つ職業別に職業訓練で受講できる7つのコースをまとめました。役立つ職業とともに東京都で開講されているコース例もご紹介します。

あくまで一例であり、時期や地域によっては講座の内容が異なることがあることをあらかじめご了承ください。

広い職業で役立つコース

Word・Excelといったパソコンソフトの使い方や社会人として最低限の常識など、どんな職業でも役立つスキルが学べるコースです。

<役立つ職業>
ほとんどすべて
(働いたことがない方・退職してからブランクがある方向け)

<コース例>
ジョブセレクト科

機械関係の職業で役立つコース

溶接・CAD・プラスチック加工など工業分野で役立つスキルが学べるコースです。

<役立つ職業>
■金属加工業
■技術者
■建築業
■機械設計士
■CADオペレータ

<コース例>
板金溶接科

電機関係の職業で役立つコース

電機や通信などインフラ設備を相手にした設置や管理のスキルが学べるコースです。

<役立つ職業>
■電気・通信工事作業者
■設備管理技術者(ビル・病院・ホテル・工場など)
■ネットワークエンジニア
■防災・警備会社職員

<コース例>
電気・通信工事科

塗装・印刷関係の職業で役立つコース

塗装の技術やDTP印刷の知識など、建築デザインや出版に関わるスキルが学べるコースです。

<役立つ職業>
塗装業(金属・木工・建築など)
■DTPオペレータ
■印刷会社職員

<コース例>
グラフィック印刷科

建築・造園関係の職業で役立つコース

外装から内装、庭園まで建築物の内外で役立つ施工技術や設計技術が学べるコースです。

<役立つ職業>
左官
■建築会社・内装工事会社・設備会社・表具店・リフォーム会社の技術者
■造園施工者・土木工
■造園土木工事管理者
■配管士
■CADオペレータ

<コース例>
内装施工科

介護関係の職業で役立つコース

介護サービスや福祉用具の販売、介護施設の環境整備など高齢者・傷病人の介護を行うために必要な技能が学べるコースです。

<役立つ職業>
介護士
■介護・福祉用品販売会社の職員
■福祉住環境関連企業の職員

<コース例>
介護サービス科

ファッションなどその他の職業で役立つコース

ファッション・調理・ITなど、さまざまな職業で役立つ多彩なコースが職業訓練校には用意されています。

<役立つ職業>
アパレル企業の職員
■パタンナー
■調理士
■プログラマーなど

<コース例>
ファッションリテール科

まとめ

職業訓練校を受講し、技術を身につけることで、より良い転職を目指してステップアップすることができます。また、受講中に失業手当や補助金がもらえるのも魅力です。

自分が描くキャリアパスと照らし合わせて、受講するコースを見極め、積極的に活用してみてください。

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