経理
仕事概要
大企業から個人経営の商店に至るまで、あらゆる企業は経営の状態を常に把握しておく必要があります。また株式公開企業であれば、経営活動の結果を経営者や社内の従業員だけではなく、社外の利害関係者にも公開する義務があります。以上のような目的のために、毎日の経営活動(お金の流れ)を統一されたルールに従って全て帳簿に記録・整理し、財務諸表を作成する業務、税務申告、財務、経理管理に関わる業務を経理と言います。経理部門で行われている仕事は、簿記の方法を用いて処理されています。 昨今の企業活動のグローバル化に伴い、国内にある外資系企業で勤務される方や海外に進出する日系企業で勤務する方が非常に多くなっています。また証券市場のボーダーレス化に伴う外国企業への投資を検討する投資家も多く存在します。しかし外国企業の財務諸表を見た場合、財務諸表作成基準は各国で異なります。そのため近年では国際的に基準を統一し、どの国の企業であっても統一された基準で会計処理がされる流れにあります。国際会計基準(IAS)がそれにあたり、その基本にあるのが米国会計基準(USGAAP)です。 【経理の具体的な業務】
- ○ 現金・預金の出納や手形・小切手の管理や売掛金の回収、買掛金の支払い、仕訳など、日々のお金の流れを記録、管理する業務
- ○ 月次決算・年次決算・四半期決算業務
- ○ 外部報告する財務諸表作成業務(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)
- ○ 決算書を元に法人税、消費税申告の作成業務
- ○ 会計事務所、監査法人との折衝業務
- ○ 販売管理、予算策定、キャッシュフロー予測など、会社業績を内部経営層に報告する管理会計業務
必要な能力・経験
経理の仕事に就くには、簿記の能力が必要とされます。簿記の能力を計るものとして日本商工会議所が主催する検定試験があり、1級から2級までのレベルに応じて受験できます。一般的には事業会社において、この検定試験で3級以上の簿記能力が求められます。会計事務所や会計コンサルティング、税理士法人では公認会計士・税理士など取得難易度の高い資格が要求されます。 また米国公認会計士(USCPA)は外資系企業での経理財務、国際ビジネスコンサルティング、国際税務、 資産運用アドバイザーなどグローバルに活躍できる国際資格としてニーズが高まっています。 国際的な会計基準統一の流れに伴い、会計システムの統一化も顕著に見られます。会計管理機能が充実したERPパッケージを導入することが、最も効率的な課題解決策の一つであり、ERP導入経験者や利用経験者も市場価値が高いといえます。
転職事情・アドバイス
経理で転職をする場合は資格の有無と同様に、経験年数に応じた業務領域が重要視されます。一般的に20歳代前半(ポテンシャルレベル)であれば仕訳支払といった日常簿記から月次決算までのご経験、20歳代後半から30歳代半ば(スタッフ〜リーダーレベル)であれば半期・年次決算業務や管理会計業務、予算策定、税務申告経験などがそれぞれ求められます。 公開企業であれば有価証券報告書、決算短信など開示資料作成業務の経験者、製造業であれば原価計算業務の経験が要求されます。 最近では、新規株式公開(IPO)に向けて準備をしている企業からのニーズが急増していることが特徴として挙げられます。新規株式公開に伴って、事務業務全般の作業量がかなり増加することがその理由です。また、急成長中の企業でも同じことが言えるでしょう。 経理の求人は、募集に際して求められるスペックがはっきりしているため、それを見極めることが重要になります。