ポイント&サンプル 「経理」の職務経歴書の書き方
職務経歴書に書くべき内容は、職種によって異なります。このページでは、経理職向けに、職務経歴書を書くときのポイントや、例文をご紹介します。
経理で盛り込みたい4つの内容
経理の経歴・実力を効果的に伝えるためには、職務経歴書に下記の4つの情報を含めることが重要です。
職務経歴書の中でも特に【職務要約】【職務内容】【自己PR】を記入する際、これらの情報を意識するようにしてください。
それぞれどの欄にどのように書けばいいのか、くわしく見ていきましょう。
1.どのような業務経験があるのか
これまで経験してきた業務内容をイメージしてもらうための情報です。【職務経歴】の「職務内容」に、担当していた業務内容を箇条書きしましょう。
業務範囲を伝えるためにも、日次業務と決算を行う月次業務・年次業務は分けて書くのがポイント。各業務のおおよその経験期間もあわせて書くようにしましょう。
▼【職務経歴】の「職務内容」の記入例
日次業務(約X年)
- 現金出納管理/預金口座管理
- 立替経費精算
- 帳簿や伝票などの管理
- 請求書の作成
- 会計ソフトへの手入力作業
- 取引先の与信管理
月次業務(約X年)
- 月次の決算業務
- 月次決算書の作成
- 予算実績管理
- 取引先への請求・支払い
- 従業員の給与計算・支払い
年次業務(約X年)
- 年次の決算業務
- 年次決算書の作成
- 法人税などの申告・納税
- 償却資産の申告
- 年末調整
- 株主総会での開示資料の作成
- 次年度の予算立案
2.どのようなメンバーと働いていたのか
【職務経歴】の「職務内容」欄には、経理部署の人数も書きましょう。
部署に複数人いる場合は、自分がどのような業務を担当していたのかを書いた上で、他のメンバーとの関わり方(どのような業務配分で進めていたのか)も記載するのがポイントです。
▼【職務経歴】の「職務内容」の記入例
- 経理財務部〇〇課配属。●名の部門で主に下記業務を担当
- 経理部(●名)に配属され、主に以下の業務を担当。年次決算業務についてチェック後、主任に報告
経理主任やリーダーの経験がある場合は【職務経歴】の「職務内容」欄に記載した上で、くわしい実績や成果を【職務経歴】の「実績」欄や【自己PR】でアピールしましょう。
3.どのようなスキルを持っているのか
経理の仕事で活かせるスキルや資格はすべて【活かせる経験・スキル・知識・資格】欄に記入しましょう。ExcelやWordなどだけではなく、使用していた会計ソフトも書いておくと、入社後に即戦力となれることをアピールできます。
▼【活かせる経験・スキル・知識・資格】欄の記入例
〈活かせる経験〉
- 会計ソフト(〇〇〇〇、〇〇〇〇)の使用経験
〈PCスキル〉
- Access…データベースの入力と修正、クエリ作成、テーブルデザイン
- Excel…IF関数、VLOOKUP関数、ピボットテーブル、グラフの作成
- Word…表作成やタブ揃え、段組み、ビジネス文書の作成
- PowerPoint…図表作成、アニメーション
〈資格〉
- 普通自動車運転免許(20XX年○○月取得)
- 日本商工会議所簿記検定2級(20XX年○○月合格)
- 給与計算実務能力検定2級(20XX年○○月合格)
- ビジネス会計検定2級(20XX年○○月合格)
- Microsoft Office Specialist Excel 365&2016(20XX年○○月合格)
4.どれだけの実績・成果を挙げたか
作業の効率化や業務改善に取り組んだ経験などは【職務経歴】の「実績」欄に記入しましょう。
▼【職務経歴】の「実績」の記入例
- 部署ごとに分かれていた帳票を統一し、計上ミスを削減した。
- 請求納期および支払い納期を社員に通知・連絡する仕組みを構築。請求や支払いの遅延や漏れが改善した。
- 日次業務と月次業務を一通り経験し、20XX年より経理部署●名のフォローアップ・教育研修を任された。
- ◯年間にわたって月次決算を担当していた経験から、年次決算業務担当に抜擢。株主総会での開示資料の作成や年次決算、次年度の予算立案を担当するようになった。
実績を実際のエピソードとあわせて具体的に説明したい場合は【自己PR】欄に書きます。この際、「課題→解決するための手段→結果」という流れを意識しましょう。
▼【自己PR】欄の記入例
- 請求書の提出漏れが多かったサービス開発部で、カレンダーシステムで提出日のリマインドが通知されるように設定。また、1週間前から前日までにメールにて広報することによって提出漏れがゼロになり、スケジュール遵守と業務効率化を実現しました。
- 社内サイト内に、請求書などの重要書類の利用方法や作成手順を解説するコーナーを新設。利用時にすぐ印刷し使用できるようにしたことに加え、質問連絡も減ったことで約10%(時間換算)の業務効率化に貢献しました。
「経理」の職務経歴書サンプル
4つのポイントに基づいて作成した、経理職の「職務経歴書」の例文・サンプルを用意しました。
経理ならではのポイント
担当していた業務内容は「通称」で表現する
経理の業務内容は企業間での違いがほとんどないため、誰が読んでもどんな仕事を指しているのかわかるよう、「職務内容」欄に書く業務内容は「通称」で表現しましょう。応募先との相性を判断してもらいやすくなります。
ルーチンワークが多いからこそ、自主性をアピールする
ルーチンワークが多い職種だからこそ、他の部署と円滑にやり取りを進めるために自主的な工夫を行った経験は、アピールポイントの1つになります。小さな働きでもいいので、日々の業務の中で課題を改善した経験を書けると良いでしょう。
コミュニケーション力があることが伝えると高評価
経理職は日常的に会話をする人やタイミングが限定的なため、コミュニケーション力があることが伝えられると高評価。同じ部署のメンバーへの進捗共有や、他部署への依頼・周知など、人との関わり方について書けそうなエピソードがないか考えてみましょう。
経理事務、補助・アシスタントの場合は?
経理事務や補助、アシスタントは、経理職よりも担当する業務の種類が限られているからこそ、【職務経歴】の「職務内容」欄には業務内容をくわしく書くようにしましょう。
【職務経歴】の「職務内容」の記入例
現預金管理
…銀行への預金口座確認業務。現金出納帳の残高と手元有高の照合。
伝票整理
…領収書類は受け取り後すぐに月別にファイリング。
仕訳入力
…会計ソフト〇〇〇〇を使用。手入力で1日あたり約●件を対応。
また、企業は今まで経験していない業務でも、今後しっかりと遂行するポテンシャルがあるのかを見ているため、【職務経歴】の「実績」欄や【自己PR】には、自主性や積極性が伝わるエピソードを書くようにしましょう。
【職務経歴】の「実績」や【自己PR】に書くエピソード例
- 他部署からのよくある質問内容と解決方法をExcelにまとめていた。
- 計上ミスがないように、独自にダブルチェックを行っていた。
- 業務上、効率化できそうな点を主任や経営層に提言していた。
- スケジュールを遵守するために、日次・週次・月次で業務計画を立てていた。
- 他部署の方との円滑に対応できるようなコミュニケーションをとっていた。
職務経歴書が完成した後は…
職務経歴書の印刷・送付の注意点をまとめました。
こちらのページを参考にして、書類を提出しましょう。