バレたときのリスクとは 一年未満の職歴も履歴書に書かないとだめ?

転職活動で履歴書を書くときに、会社の在籍期間が一年未満と極端に短い職歴について「わざわざ履歴書に書かなくても問題ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。

実際のところ、会社に在籍した期間が一年未満であっても、職歴として履歴書に書かなければいけないのでしょうか? 一年未満の職歴を書かなかったときのリスクや、パート・アルバイト・派遣の場合についても説明します。

Q.履歴書に一年未満の職歴を書かないってアリ?

A.ナシ。職歴は期間を問わずすべて書く

転職活動を行う場合、職歴は会社に在籍した期間に関係なくすべて履歴書に書かなければなりません

「3カ月以内の職歴は書かなくていい」「半年以上の職歴なら書く」といった話を耳にすることもあるかもしれませんが、これらは正しい情報ではありません。

たとえ1日であっても会社に所属して働いた経験があるなら、職歴として履歴書に書く必要があります。

職歴の書き方についてくわしく

一年未満であってもすべての職歴を書くべき理由

数日、数カ月など極端に短い職歴であっても、次の3つの理由からすべて履歴書に書かなければなりません。

【「一年未満」であってもすべての職歴を書くべき3つの理由】・前後の職歴でごまかすと経歴詐称になるから/・職歴に空白期間があると面接で質問されるから/・隠しても社会保険の加入履歴でバレるから

自分にとって都合が良いように職歴を変えることは、上記の理由から社会人としての信用を失うリスクが伴います。

下記で、くわしく解説していきます。

前後の職歴でごまかすと経歴詐称になるから

一年未満の職歴をなかったことにするために、前後の職歴の在籍期間を実際よりも長く書きたい人もいるでしょう。しかし、このような対応は経歴詐称に当たります

経歴詐称が発覚すると最悪の場合、内定の取り消しや入社後の処分の対象になるリスクも。仮に処分がなかったとしても、会社側からの評価や信頼が落ちて、会社に居づらくなる可能性があります。

職歴に空白期間があると面接で質問されるから

一年未満の職歴をなかったことにするために、あえて何も書かず、数カ月間の空白がある職歴欄のまま提出しようと考える人もいるかもしれません。しかし、職歴にブランクがあると多くの場合、面接の段階で「空白期間に何をしていたのか」と質問されます

このとき、空白期間に働いていたことがバレると「職歴が短いことが後ろめたいと思って隠していた」と解釈されてしまう可能性があります。短い職歴であっても最初から堂々と履歴書に書いてあるほうが、面接官の心証は良くなるでしょう。

隠しても社会保険の加入履歴でバレるから

一年未満の職歴をなかったことにして内定をもらえたとしても、入社手続きの際に社会保険の加入履歴をきっかけにバレるリスクがあります。

入社が決まったら、社会保険の加入手続きをするために、雇用保険被保険者証を会社に提出する必要があります。雇用保険被保険者証には前職の企業名や退職日などが記載されているため、履歴書の内容とズレがあると経歴詐称を疑われてしまい、入社早々会社からの信用を失うことになります。

短期離職が多く、職歴欄が足りないときの対処法

短期での転職が多く、すべての職歴を書いたら通常の記入欄に収まらないという方もいるかもしれません。

そのような場合は、以下のように書き方や履歴書の様式を変えても問題ありません。

  • 配属先や業務内容を書かない
  • 「入社」と「退職」を1行にまとめる
  • 「現在に至る」と「以上」を同じ行にする
  • 学歴を「高校卒業」から記入する
  • 直近の職歴以外を職務経歴書に記載する
  • 学歴・職歴欄の大きな履歴書を使う

上記のくわしい記入例はこちら

Q.そもそも一年未満の職歴ってマイナスイメージ?

A.「早期退職の回数が少ない」「退職理由を説明できる」なら問題ない

一年未満の職歴がひとつくらいあっても、会社を辞めた理由をしっかり説明できるのであれば問題ありません

特に新卒で入った会社を早期退職した場合、スキルや経験がなくても第二新卒としてポテンシャル採用で受け入れている会社はたくさんあります。

しかし、一年未満での転職を何度も繰り返していると「入社してもすぐ辞めるのではないか」というマイナスイメージを持たれてしまう可能性があります。

そのような場合は志望動機や退職理由を誤解されないように工夫し、採用担当者になるべくポジティブな印象を持ってもらえるようにしましょう。

早期退職が多い場合の志望動機・退職理由の例

1社目は長時間勤務や休日出勤が続いたことで体調を崩してしまったため、半年で退職いたしました。その後○○資格を取得し、2社目はその資格を活かせる職種を希望しました。

配属は資格と関係のない営業部署になりましたが、配属先で最大限貢献しようと新規顧客開拓に尽力し、販路拡大・課内売上目標の達成などの成果を出すことができました。しかし、やはり○○資格を活かして働きたいという思いが強くなり、再度転職を決意しました。

なお、転職支援を行うキャリアアドバイザーに話を聞いたところ、転職回数が同年代に比べて多い人や、経験した職種が複数ある人は、応募書類を通して企業から2つのことを特に見られているそう。

下記の記事では、応募書類作成時に注意すべきポイント書き方を紹介しています。あわせてチェックしてみましょう。

Q.パート・アルバイトの一年未満の職歴も履歴書に書くべき?

A.社会人になってからのパート・アルバイト経験はすべて書く

学校を卒業した後や正社員として就職した会社を辞めた後に、パート・アルバイトとして働いたことがある場合は、たとえ一年未満の職歴であってもすべて履歴書に書くのが基本です。

前述の「一年未満であってもすべての職歴を書くべき理由」で説明したとおり、書かないと経歴詐称に当たるリスクがあります。

また、面接で過去の経歴を聞かれた際にぼろが出てしまったり、従業員が多い企業でアルバイトしていた場合には社会保険の履歴からバレたりする可能性もあるでしょう。

なお、学生時代のアルバイト経験は、履歴書に書く必要はありません

履歴書へのアルバイト経験の書き方

Q.派遣の一年未満の職歴も履歴書に書かないといけない?

A.派遣の経験も職歴になるためすべて書くべき

学校を卒業した後や正社員で働いた後に派遣社員として働いた経験がある場合、一年未満の職歴であってもすべて履歴書に書く必要があります。

前述の「一年未満であってもすべての職歴を書くべき理由」で説明したとおり、経歴詐称に当たるリスクがあり、面接や社会保険の履歴でウソがバレる可能性も高いからです。

複数の派遣先で勤務を経験した場合は、省略せずにすべての勤務先を書きましょう

職歴欄が足りなくなりそうな場合は下記のように、派遣元・派遣先を記載した行に派遣期間もカッコ書きすれば、その分の行が使えるようになります。

面接での退職理由の答え方が不安な人は…

一年未満の職歴を履歴書に書いたら、「面接で退職理由をどう説明したらいいんだろう」「正直に伝えたら不採用になるかも」と不安に思う方もいるかもしれません。

しかし、上手な答え方のポイントを押さえればそんなに心配する必要はありません。

以下の記事を参考にしながら答え方を練習して、堂々と面接に臨みましょう。

この記事の執筆者

「転職Hacks」編集部

株式会社クイック

株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。

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