書き方・テンプレート 販売職(接客スタッフ・店長)の職務経歴書
販売職(接客スタッフ・店長)の職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。最新の販売職の採用事情に精通したキャリアアドバイザーのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
販売職の職務経歴書テンプレート
販売職は「会社名・所属店舗・実績」がポイント
販売職(接客スタッフ・店長)の書類選考は非常にシンプル。「会社名」「所属店舗」「実績」の3点が、合否を分ける重要なポイントとされています。
そもそも販売職は職業柄、履歴書・職務経歴書の内容以上に面接での印象が重視される傾向にありますが、そこに拍車をかけているのが、アフターコロナで急増するインバウンド需要。人手不足解消に向け、「選考スピードを上げて効率よく人を集めたい」という企業が増えています。
そのため、自社に近い知名度・客層・規模の会社や店舗での勤務経験があれば、あるいはそこできちんと実績を残していれば、「ひとまず面接で話してみよう」と考える採用担当者が多いのです。
よって販売職の職務経歴書は、これら3点の情報を中心に「職務経歴」欄がしっかり書けていればOK。
それ以外の「保有資格」「自己PR」などの欄は、時間がない場合は「記載ナシ」でも合否に影響しないケースが多いでしょう。
それでは早速次の章から、最重要項目である「職務経歴」欄の書き方・ポイントを見ていきましょう。
「職務経歴」欄には、5つの情報を書く!
販売職(接客スタッフ・店長)の職務経歴書において、「職務経歴」欄は合否を分ける最重要項目です。とはいえ何も難しいことはなく、事実をありのまま正しく記入するだけでOK。
「会社名」「所属店舗」「実績」を含む下記の5つの項目を、勤務してきた企業や店舗ごとに漏らさず記載しましょう。
項目 | ポイント |
会社名 | 省略せず、正式名称で |
所属ブランド・店舗名 | 省略せず、正式名称で |
役職/人員構成 | 各役職の内訳・人数も詳細に |
業務内容 | 「接客・販売」以外の業務もすべて書き出す |
実績 |
予算達成率は店舗/個人の両方を書く ※予算設定がない場合は表彰歴や顧客満足度など、他者と比較してアピールできる成果を記載 |
採用担当者はこれらの情報をチェックし、自社との親和性や、販売職としての能力・スキルのレベル感を精査しています。

キャリア
アドバイザー
ブランドの差は「実績」でカバーする
特に現職とは商材や客層(客単価)が異なる企業に応募する場合、「実績」は重要です。
少しシビアな話になってしまいますが、現職と応募先で知名度や客単価などに差があるほど、どうしても転職のハードルは高くなります。
ただしそのような場合でも、たしかな実績があればポテンシャルが評価され、書類選考を通過できる確率がグンとアップします。
こんな経験・実績はさらに高評価
下記のような経験・実績がある場合、さらなる評価アップにつながります。ほかの応募者から抜きん出るためにも、あてはまるものがあれば記載しておくことをおすすめします。
外商対応の経験
得意先への訪問同行や催事・販売会への参加など、百貨店の外商対応の経験がある場合、「業務内容」の項目に忘れずに記載しましょう。
外商対応の経験は、富裕層に対する接客スキルのアピールにつながることはもちろん、将来的な販路拡大が期待できる外商部との人脈を評価され、印象アップにつながるケースがあるからです。
マネジメントの経験
店長や副店長、リーダーなど、ほかのスタッフをマネジメントした経験がある場合も、「役職」や「業務内容」の項目に書き添えておきましょう。
将来的な店長候補として、評価アップにつながる可能性があります。
顧客との関係構築力が伝わる実績
顧客との関係構築力が伝わる下記のような実績がある場合、予算達成率とあわせて記載しておきましょう。
〈顧客との関係構築力が伝わる実績の例〉
- VIP顧客(年間購入額XXX万円以上)をXX名保有
- 高価格帯アイテム(単価500万~1000万以上)の販売
- (接客スキルなどに関する)社内表彰や外部コンテストなどでの受賞歴
…など
販売職の実績は、いかにロイヤリティの高いリピーターを増やし、くり返し利用・購入してもらえるかにかかっています。
上記のような経験があれば、その資質や能力を期待され、高評価につながる可能性があります。
▼「職務経歴」欄についてさらにくわしく
資格・自己PR・志望動機を書くべきケースがある
※一部の方向け※
くり返しになりますが、販売職(接客スタッフ・店長)の書類選考で重視されるのは、「会社名」「所属店舗」「実績」の3点の情報を含む「職務経歴」欄。
そのためそれ以外の項目は、原則書かなくても問題ありません。
ただし、「保有資格」「自己PR」「志望動機」については、下記のようなケースで加点につながる可能性があるため、自分に該当するものがないか、ひととおり確認しておきましょう。
保有資格(語学)
もし下記の2つの資格・スキルがある場合、「保有資格・スキル」欄を追加した上で書いておきましょう。
宝石鑑定関連の資格
宝石鑑定関連の資格は、特にラグジュアリーブランドをはじめ、ジュエリー(宝飾)を扱う企業で評価アップにつながるケースがあります。
特に下記の2つの資格は、知名度が高く取得も難しいため高評価です。
TOEIC700点以上の語学力
TOEIC700点(英検2級)以上の語学力があれば、点数(級数)と取得年月を記載した上で、「接客・クレーム対応が可能」と書き添えておきましょう。
アフターコロナによる外国人観光客の急増にともない、店頭で接客・クレーム対応ができる人材ニーズが高まっているからです。
なお、中国語や韓国語を使える場合は、同様に記載します。
▼「保有資格・スキル(語学)」欄についてさらにくわしく
自己PR
「現職と応募先で、知名度・客単価・規模などに差がある」「あまりいい実績を残せていない」など、先述の「職務経歴」欄の記載内容に自信がない場合、「自己PR」欄を追加してもいいでしょう。
たとえ経歴に自信がなくても、自己PRを通じて「課題解決や目標達成に向けた取り組みや工夫」を伝えることで、ポテンシャルを評価してもらえる可能性があります。
販売職がアピールしたい3つの能力
もし「自己PR」欄を追加する場合、下記の3つの能力をアピールするのがおすすめ。
書く際は、これらの能力の裏付けとして「顧客と関わるなかで、目標達成に向けて・どんな取り組みや工夫をして・どうなったのか」について、順序立てて説明しましょう。
言わずもがなですが、販売職の業務には顧客のニーズや購買習慣をふまえた接客や店舗スタッフとの協力体制が必要不可欠であり、その基礎となる関係構築力(コミュニケーション能力)は何よりも重視されます。
関連して、顧客からのさまざまな要望・クレームに柔軟かつスピーディに対応する課題解決力も大切です。
さらに、予算達成に向けて自ら適切な納期設定・スケジュール管理を行い、主体的に行動できる目標達成力も、販売職においては重宝される能力でしょう。
▼エピソード例
- (関係構築力)来店時にタイミングを見計らって声がけし、顧客のライフスタイルや好み、過去の購入履歴を把握した上でスタイリングを提案することで、リピーターの獲得や新作の定価購入につなげた経験
- (課題解決力)顧客が希望する商品が在庫切れだった際、すぐに他店舗の在庫を確認し、取り寄せの手配をした上で、すぐに用意できる類似商品を紹介したり、取り寄せ商品の到着時には新作の紹介をしたりすることで、顧客満足度の向上につなげた経験
- (目標達成)SNSでの商品紹介、複数商品の提案、ダブル接客でのクロージング…などの取り組みによって、予算の達成や改善につなげた経験
…など
▼「自己PR」欄についてさらにくわしく
志望動機
志望動機も自己PR同様、経歴に自信がない場合は追記しておくことをおすすめします。
仕事やブランドに対する熱意や思い入れ、入社意欲の高さが伝わり、イメージアップにつながるケースがあります。
志望動機はどう書けばいい?
志望動機の構成は「1)結論(志望した理由)」→「2)その背景やエピソード」→「3)入社後の意気込み」です。
まずは一文目で応募先に惹かれたポイントや応募を決めた理由(結論)を簡潔に述べ、次にそう考えた背景やきっかけについて、これまでの経験やエピソードと絡めてくわしく書きます。最後は熱意や入社後の意気込みを伝えて締めましょう。
志望動機の書き方についてさらにくわしく知りたい場合は、下記の記事もあわせて確認してください。
志望動機に盛り込みたい2つの要素
2)で具体的な背景やエピソードに言及する際は、下記の2つの要素を盛り込むのがポイント。
前者については、商品のデザインや素材に対するこだわり、シーズンごとのコレクションのコンセプトなどを調べます。
後者については、実際に店舗に足を運んだ上で、スタッフの表情・雰囲気やコミュニケーションの取り方(接客スタイル)、サービス内容を自分なりに分析してみましょう。
その上で、惹かれた点や共感したポイントを具体的に伝えることが大切です。
▼販売職の志望動機の書き方・例文
販売職は面接対策も入念に
冒頭でも述べたとおり、販売職(接客スタッフ・店長)は職業柄、書類の内容以上に面接での印象が重視されます。
下記の記事から、面接でよくある質問や入退室のマナー、服装などを確認しておきましょう。
この記事の担当者

「転職Hacks」編集部
株式会社クイック
株式会社クイックが運営する、転職活動にまつわる情報サイト「転職Hacks」の編集部。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策などのノウハウ記事、キャリアの悩みを解消するインタビュー・コラムを掲載中。
