歩合給
内容
歩合給とは、売上高や販売数量などの実績に比例して支給される給与の形式のことです。歩合給は完全に成果に応じて給与が決まるため、会社にとってはリスクの少ない給与形式です。一方、労働者の側からしても、歩合給は給与が0円になるリスクもありますが、成果に応じて高い給与を得る可能性があります。歩合給は、成果の測定が簡単にできる外交員や販売員、タクシー運転手などに採用されています。個人の成果と報酬が比例し連動するため、公正な給与形式ではありますが、個々の労働者が短期的な成果に走るあまりに顧客志向を失うなどのデメリットがあるとされています。
なお、上記のような歩合制のみでの給与形式を「フルコミッション（完全歩合制）」と言いますが、フルコミッションでの雇用契約は法律違反となります。これは労働基準法第27条（出来高払制の保障給）「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」ためで、これに反せずにフルコミッションでの契約を結ぶためには業務委託という形態をとらなければなりません。
したがって、雇用契約のなかに歩合給を盛り込む場合には、一定の収入を確保する固定給に歩合給を上乗せする形となる複合型の給与形式を採用することとなります。多くの場合は、固定給で安定した収入に歩合給が加算されるという形態になっています。販売職や、外勤の営業職などの給与によく見ることができます。このような、固定給と歩合給の複合型の給与形式は、社員の生活を安定させる一方で、社員の仕事への意欲を引き出すために採用されています。
