
まずは転職活動の流れをチェック!
転職活動はどのくらいかかる? 期間や流れは?
まずは転職活動の大まかな流れについて、確認していきましょう。
応募から退職までにかかる期間はおよそ3カ月
転職活動は、実際に始めてから次の会社で働きはじめるまで、およそ3カ月かかります。
具体的な転職の流れと、それぞれのフェーズにかかる期間は以下のとおりです。

まずは情報収集から
転職活動は「情報収集」から始まります。
求人サイトを見たり、実際に転職エージェントに登録したりすることで、転職市場にどのような求人があるのか分かるだけではなく、給与や休みなどの待遇面の情報から、どのような職場環境で働きたいのかをイメージをふくらませることができます。
自己分析・キャリアの棚卸しも忘れずに
同時に「自己分析」と「キャリアの棚卸し」もしておきましょう。
自己分析といっても、むずかしく考える必要はありません。まずは、なぜ転職したいと考えたのか、転職でかなえたいことは何か、改めて整理してみましょう。
仕事を選ぶ上で自分がいちばん大事にしたいことを明確にしておかないと、給料や会社のブランドなど目先の魅力に惑わされてしまうことになりかねません。本当はプライベートを大事にしたいのに、給料の高さに惹かれて今よりも激務の会社に入ってしまったなどということにならないよう注意しましょう。
次にキャリアの棚卸しです。これまでの仕事を振り返って、どのような業務を通して、どんなスキル・能力を身につけてきたのか、どういった場面で力を発揮できるのか、自身の強みについても確認しておきましょう。
面接は通常2.3回行われる
気になる会社が見つかれば「履歴書・職務経歴書を作成」し、「求人に応募」します。書類選考通過後は「面接」に進みます。通常2〜3回程度行われ、最終面接に合格すれば、晴れて「内定」となります。
なお、企業によっては、内定が出た後に、労働条件の確認や年収交渉などを行う「オファー面談」の機会が設けられることもあります。
応募から内定は早くて3週間、通常1ヶ月程度
近年は人手不足ということもあり、企業としては応募者の転職へのモチベーションが高いうちに採用したいと考えているため、選考はスピーディに進むことが多いようです。
求人の応募から内定までは早くて3週間、通常でも1ヶ月程度というケースが多いでしょう。
ただし、複数の企業に応募する場合は、スケジュールの調整なども必要になるため、応募から内定まで1~2カ月かかることもあります。
内定をもらって入社を決めたら「退職」の手続きをしなければなりません。円満な退職に向けて、業務の引き継ぎも丁寧に行いたいところです。
退職までは1~2ヶ月を見積もっておく
就業規則で「退職時は1カ月前には伝える」などと決められている会社も多いため、退職を申し出てから転職先に入社するまでは1~2カ月かかると見積もっておくと良いでしょう。
※法律上は退職の意志を伝えてから最短2週間で辞められます
会社を辞めるのは「転職先を決めてから」
転職しようか悩んでいる人のなかには、「今後の予定は決まってないが、今すぐ会社を辞めたい」と考えている人もいるかもしれません。
ですが、会社を退職するのは、転職先が決まってからにしたほうが良いでしょう。なぜなら、次の転職先が決まっていないまま退職すると、転職活動がうまくいかないケースが多いからです。
まず、離職すると国から失業給付がもらえますが、受け取れるのは退職からおよそ1カ月後。その間は貯金を切り崩しながらの生活になるため、どうしても再就職への焦りが生まれやすくなります。
「早く次の職場を決めなければ…」と、転職活動を終わらせることが目的になってしまい、とにかくすぐに転職できるところに転職を決めてしまうことになりかねません。そうなると、転職はしたものの「思っていたのと違う」と、短期間での退職に繋がる可能性もあります。

また、一度離職してから、なかなか次の就職先が決まらなかった場合、職歴に空白期間(ブランク)ができてしまいます。理由を説明できればもちろん問題ありませんが、企業によっては空白期間があるだけで書類選考が通りづらくなることも。
たとえば、パワハラを受けているなど、早急に辞めるべき状況であれば別ですが、お金と心に余裕を持つためにも、辞めるのは転職先を決めてからにしましょう。
▼それでも退職してから転職したいという人は…
転職には「するリスク」と「しないリスク」がある
転職したい…と思うのは、きっと今の会社になにかしらの不満や不安を感じているからでしょう。そうであれば「今よりも良い会社に行きたい」と思うのは当然のこと。
ですが、実際には、数ある会社の中から自分に本当に合うところを見つけるのはそう簡単ではありませんし、転職した人すべてが「転職してよかった!」と言える選択ができている訳ではありません。
その一方で「転職したほうが良いのかな…」と思いつつ、何も行動せずに今の会社に居続けることにも実はリスクがあります。
つまり、転職には「するリスク」もあれば「しないリスク」もあるということ。だからこそ、それぞれのリスクを知って、自分は転職したほうがいいのか、それとも今の会社にとどまったほうがいいのか、しっかり考えた上で行動することが大切です。

それぞれのリスクについてくわしく解説します。
転職することによるリスク
転職することによるリスクは、一言でいうと「今、手にしている財産」を失うことです。転職を考えるだけの不満や不安があっても、今の会社のすべてが不満だという人は少ないのではないでしょうか。転職を考える際には、転職することで失うものにも目を向けておく必要があります。
転職で失うものとしては、下記のようなものが挙げられます。
転職することで失うもの
- 収入や福利厚生
- 人間関係、社内外のネットワーク
- 慣れ親しんだ職場環境や社風
1収入、福利厚生
会社に雇用されているからこそ得られる収入や福利厚生。月々決まった額が振り込まれる給与は、まさに「安定性」を得ていると言い換えることもできるでしょう。
ですが転職すると、場合によって収入や手当・有給などの福利厚生が今よりも悪くなる可能性も。なかでも給与は業界や会社の水準で決まることも多いため、転職先によっては下がる可能性もあります。
2人間関係、社内外のネットワーク
人間関係もその会社で長く働き続けることで得られるものの一つ。何かあったときに頼れる社内の同期や先輩、何かと融通を利かせてくれる取引先の担当者など、仕事を円滑に回すために不可欠な社内外のネットワークも、貴重な財産です。
当然、転職すればそれまでの人間関係はリセットされてしまいます。新しい環境で、同僚や取引先などとの関係性をイチから築いていかなければなりません。
3慣れ親しんだ職場環境や社風
会社が変われば、職場の環境や社風も変わります。転職したいと思うほどの不満があっても、今の職場や会社の雰囲気に何かしらの居心地の良さや愛着をまったく感じていないという人は少ないのではないでしょうか。
新しい職場に行けば、それもすべて失うことになります。まったく違う組織に入っていくのですから、「今まで常識だと思っていたことが通用しない」「考え方や価値観にあわない」といった「やりにくさ」のようなものを感じることもあるでしょう。
転職しないことによるリスク
対する「転職しないことによるリスク」は、ずばり、世の中の変化に適応できない存在になってしまうことです。
長く勤めていれば、少しずつ仕事の進め方のコツも掴めるようになり、個人としての生産性は高くなるはず。ですが、それは「その会社の中」の話。一歩外に出たときに一個人として通用するスキルが身につけられていない、なんてこともあるでしょう。
定年までその会社で働き続けることができれば問題ないかもしれませんが、そのような保証はどこにもありません。仮に、倒産やリストラによって転職市場に出て行かざるを得なくなった場合、どこでも通用するスキルや能力が身についていなければ、受け入れてくれる企業がどこにもないという状況に陥りかねません。
転職に対して漠然とした不安を持っていたり、自分のスキルや能力に自信がなかったりするために、「本当は転職したいのに踏み出せない」といった方もいるかもしれません。
人は本来、変化を恐れる生き物ですから、そのような不安を感じるのは当然のことです。ですが、「本当は転職したいのに…」といった思いを抱え続けることで失うものもあるのです。それは、ウェル・ビーイング(心身ともに満たされ幸せな状態)な状態です。
人生の多くを占める「仕事」が充実していないと、心身ともに健康が損なわれる原因になります。プライベートにまで悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
リスクを減らすには「転職市場で高く売れる人」になる

転職には、するリスク・しないリスクの双方がありますが、「転職市場で高く売れる人」、つまり市場価値の高い人になることで、それらのリスクを軽減することができます。
会社や業務が変わっても通用する専門性やスキル・能力を身につけ、現職で成果を出していれば、今よりも条件のいい会社に転職することも可能です。転職で失うものよりも、得られるもののほうが大きいと確信できるのであれば、リスクにとらわれて過度な不安を感じることもなくなるでしょう。
また、転職をキャリア構築のための有効な手段としてうまく活用し、自分にとって理想的なキャリアを築くことも可能になるはずです。
自分の強み・専門性を知ることが第一歩
転職市場で高く売れる人材になるには、自分の強みや専門性がどこにあるのかを知ることが大切です。同時に、応募先の企業が抱えている課題がどんなもので、どのような人材を求めているのか、つまり企業の採用ニーズを把握する必要があります。
採用はマッチングがすべて。企業の採用ニーズに合わなければ、どれだけ優れた専門性やスキルを持っていても、採用されることはありません。
自分を高く売るためには、応募先の採用ニーズを把握した上で、自分にはどんな専門性やスキル・能力があって、何ができるのか、そして応募先の企業にどのように貢献できるのかを明確にアピールできなければならないからです。
まずは求人サイトなどで、どのような求人があるのかを見てみましょう。具体的には、年収や求められる経験・スキルとはどのようなものなのか、自分にマッチしそうな案件がどれくらいあるかをチェックしてみることをおすすめします。
下記では、転職にまつわる情報収集の手段とポイントを紹介します。自分の求めている情報にあわせて、早速活用してみましょう。
情報収集 | の手段ポイント |
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求人サイト |
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スカウトサイト スカウトサイトについてくわしく |
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転職エージェント |
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リファラル(知人紹介) |
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転職活動にまつわるQ&A

ここからは、転職活動にまつわるよくある疑問を紹介します。
転職におすすめの時期とは?
1~3月と10~12月はおすすめのタイミング
ほとんどの企業は、年間を通して中途採用を行っています。新卒採用とは異なり、職種やポジションごとの応募が基本であり、退職者による突発的な人員募集なども多いので、希望に合う求人が見つかりさえすれば、いつでも転職活動を始められます。
ただ、求人の選択肢が増えるという点では、有効求人倍率が高くなる1~3月と10~12月(総務省のデータより)は転職におすすめなタイミングのひとつ。
1~3月は冬のボーナス支給後にあたり、転職者も増えるため、企業側も4月入社を目指した採用活動に注力するタイミングです。
一方10~12月は夏ボーナスの受け取り後や上半期を過ぎた時期など、一つの区切りと捉えた退職者が増える傾向にあるため、企業の採用活動が活発になります。
おすすめの時期についてくわしく転職活動が現職にバレることはある?
バレることはないが、業務に影響しないように進めるべき
在職中に転職活動を行っていることが、今の会社にバレることは基本的にはありません。
しかし、転職活動に集中するあまり日常の業務効率が露骨に落ちたり、面接などで急な休みが続いたりする場合は「転職活動しているのでは?」と勘ぐられてしまうことはあるかもしれません。
もちろん転職活動をするかどうかは労働者の自由です。しかし、現にまだその会社に属している以上は、日常業務に影響がない範囲で進め、円満退職を目指すのが社会人としての務めと言えます。
なお、特に人材不足の会社では、強い引き止めを受けたり、話をはぐらかされたりして、退職が難航するケースもあります。最終的に転職すると決めたなら、強い意思をもって退職交渉に臨む必要があります。
引き止めにあったらどうする?対処法はこちら休職中に転職活動をしても大丈夫?
すること自体は可能。ただしトラブルになる可能性も
休職中に転職活動をすること自体は可能で、法的な罰を受けることはもちろんありません。
しかし、会社側としては、療養していると思っていた社員が転職活動をしていたと分かれば不信感を持つでしょうし、職場の人間関係にも悪い影響を及ぼす可能性がないとは言い切れません。
体調を崩すなどして休職している場合には、まずは療養し、復職を目指すことが大切なので、どうしても転職したいのであれば、心身ともに調子を整えて復職した上で、行うのがベター。また、復職が難しい場合は一度離職を検討したほうが、トラブルにならず穏便に済む可能性もあります。
休職中に転職活動をするときの注意点