書き方・テンプレート SE(システムエンジニア)の職務経歴書
SE(システムエンジニア)の職務経歴書の書き方や、書く上でのポイント・注意点を解説します。IT業界の最新動向や採用事情に精通したキャリアアドバイザーからのコメントも掲載中。
無料でダウンロードできるテンプレートもご用意したので、ぜひ活用してください。
SE(システムエンジニア)の職務経歴書テンプレート
SE(システムエンジニア)の職務経歴書
書き方のポイントまとめ
SE(システムエンジニア)が職務経歴書を書く上での心得
とにかく大事なのは経験・スキルをくわしく・具体的に伝えること
SE(システムエンジニア)が職務経歴書を書く上で何よりも大切なのは、下記の4点をできる限りくわしく・具体的に伝えることです。
なぜならSE(システムエンジニア)は、企業によって扱うシステムや顧客の業種が千差万別であり、採用してもらえるかどうかは「これまでの開発経験や技術・知識の内容・レベル感が、応募先の企業で求められるものにフィットするか」がすべてだから。
採用担当者は、例えば「要件定義から担当したのはどれくらいの規模のシステムだったのか」「Javaを使った実務経験は何年あるのか」などをシビアにチェックしているため、経験・スキルの内容やレベル感の記述が曖昧だと、「よくわからないから不採用」という判断になってしまうのです。
では一体、何をどのように書いていけばいいのか、項目ごとにくわしく解説していきます。
1)職務要約
重要度:★★★☆☆
応募先にフィットする経験・スキルを5行前後でまとめる
職務経歴書冒頭の「職務要約」欄は、その先を読み進めてもらうためのフックとなる部分。
忙しい採用担当者にパッと見で自社との共通点を見つけてもらい、まずはざっくりと「採用要件を満たしていそう」と感じさせることが大切です。
そのため、応募先の企業・ポジションにフィットするものを中心に、これまで関わったシステムや顧客の業種、担当フェーズやチーム内での役割について、5行前後で端的にまとめましょう。
キャリア
アドバイザー
幅広い担当領域・マネジメント経験は好印象
SE(システムエンジニア)の場合、上流から下流まで広く経験していることや、リーダー・マネジメント経験が評価される傾向があります。
そういった経験があれば「職務要約」欄でも触れておくのがおすすめです。
▼「職務要約」欄についてさらにくわしく
2)職務経歴
重要度:★★★★★
「職務経歴」欄は、SE(システムエンジニア)の職務経歴書における最重要項目であり、ここをいかにくわしく・具体的に記入できるかで合否が決まると言っても、過言ではありません。
採用担当者は、「職務経歴」欄から応募者の経験してきたシステムの内容や開発環境(OSや言語)、規模感や担当フェーズなどをくまなくチェックすることで、その内容やレベル感が自社で求めるものとフィットするかを精査しているからです。
SE(システムエンジニア)が「職務経歴」欄を記載する上で、注意したい3つのポイントを紹介します。
1)システム内容や開発環境などをくわしく記載する
応募先との共通点を見つけてもらえるよう、できる限りくわしく・具体的に、下記の項目をPJごとに記入しましょう。
なかでも「PJ・システムの目的・概要」や「主な業務内容」は、抽象的になりがち。開発の背景や目的、そのPJのなかで自分自身の担当範囲や役割は何だったのか、イメージが湧くようにできる限り詳細に記載します。
キャリア
アドバイザー
「実績・取り組み」は無理に数字を入れなくてOK
SE(システムエンジニア)は職業柄、成果を定量的に示すことが難しいため、無理に「実績・取り組み」欄に数字を盛り込む必要はありません。
その代わり、経験や技術といったハードスキルだけでは推し量れない、思考・行動パターンやスタンスなどのソフトスキルが見られているため、業務改善やチームビルディングに向けて主体的に意識したこと・やったことを記載しておきましょう。
その際、自己PRに通ずる内容にするのがポイントです。
2)PJは新しいものを最上部に
SE(システムエンジニア)は直近のPJでの職務内容が重視されるため、PJは新しいものから順に記載するのが鉄則。
SE(システムエンジニア)としての経験年数が長い場合、古いものは簡易的に書いたり、逆に新しいものや応募先にアピールしたい経歴は詳細に書いたりと、メリハリをつけて記載しても問題ありません。
職務経歴書の枚数は20代なら2枚、30代なら3枚と、「年代×1枚」が目安です。
3)「テクニカルスキル」をまとめて書く
SE(システムエンジニア)の場合、経験のあるOS・言語・DB(テクニカルスキル)について、種類と使用期間、使えるレベル感を「職務経歴」欄の最下部にまとめておくのが一般的です。
「職務経歴」欄とあわせて、採用担当者に自分のスキル感をさらに具体的にイメージしてもらえます。
▼「職務経歴」欄についてさらにくわしく
3)保有資格・スキル/語学/活かせる経験・知識・技術
重要度:★☆☆☆☆
「職務経歴」欄の補助として、伝えきれないことを書く
資格やスキル、語学力などについて記載する項目です。SE(システムエンジニア)は「職務経歴」欄が最重要項目であり、この部分が厳しくチェックされることはありません。
ただ、「職務経歴」欄では伝えきれない経験・スキルを書いておくことで、プラスアルファのアピールにつながるケースも。書けることがあれば漏らさず記入しておきましょう。
保有資格・スキル
SE(システムエンジニア)で最も重視されるのはあくまで実務経験であり、資格の有無や内容が採用基準になることはほとんどありません。
ただし、例えば下記のような、トレンドでニーズの高い分野の資格・高難易度の資格を持っている場合、技術力のアピールにつながるでしょう。
〈とくに高評価につながりやすい資格の例〉
- AWS認定資格(認定デベロッパーや認定ソリューションアーキテクトなど)
- Cisco認定資格(CCSAやCCNPなど)
- SAP認定コンサルタント資格(ソリューションコンサルタントやテクノロジーコンサルタントなど)
- 情報処理技術者試験(応用情報技術者やシステムアーキテクトなど)
…など
語学
外資系のパッケージベンダーなどに応募する場合、英語スキルは必須。TOEICなどの語学力を証明する資格・試験は忘れずに記載しましょう。
その際は「英語ネイティブとの会議が可能」など、「実務においてどれくらいのレベル感で使えるのか」についても併記しておくのがポイント。
▼「保有資格(語学)」欄についてさらにくわしく
活かせる経験・知識・技術
もし「職務経歴」欄に書ききれなかった経験・スキルがあれば、この欄に記載しておきます。例えば銀行など、特定の業種のシステム開発に長年携わってきた場合、「銀行業務に関する全般的な知識」などと書くことができるでしょう。
また、「職務経歴」欄に書いた内容のまとめとして、「Javaフレームワークを用いたWebアプリケーション開発」「データベース(Oracle)の論理、物理設計」などと、改めて一言で表現するのもOK。
いずれにせよ、SE(システムエンジニア)においてはそこまで重要度が高い項目ではないので、あくまで「職務経歴」欄を詳細に書くことを意識しましょう。
▼「活かせる経験・知識・技術」欄についてさらにくわしく
4)自己PR
重要度:★★★★☆
応募先で求められる「ソフトスキル」をアピールする
SE(システムエンジニア)の場合、「職務経歴」欄に次いで重要なのが「自己PR」欄。経験や技術などのハードスキルは「職務経歴」欄で十分伝わるので、「自己PR」欄ではむしろ、働く上での思考・行動パターンやスタンスなどのソフトスキルについて言及しましょう。
システム開発はチームワークが大前提になるからこそ、採用担当者は「自己PR」欄からソフトスキルを読み取り、応募者がブリリアントジャークではないかを確認しているからです。
そのため、「自己PR」欄では自分の強みであるソフトスキルのうち、応募先の企業・ポジションで求められるものを1~3個程度ピックアップして、見出しを立てましょう。
そしてそれぞれのソフトスキルの根拠として「業務や課題に対して、そのソフトスキルをどう活かし、何をしてどんな結果が得られたのか」について、順序立てて丁寧に説明します。
SE(システムエンジニア)がアピールしたい2つのソフトスキル
例として、SE(システムエンジニア)がとくにアピールしたい2つのソフトスキルを紹介します。
1)品質担保や課題解決に向け、自ら考え行動する力
SE(システムエンジニア)がまずアピールしたいソフトスキルとして、PJを俯瞰的に捉え、品質の担保や、より本質的な課題解決に向けて主体的に考え行動できる力があります。
具体例としては「成果物の品質担保に向け、自ら過去の障害事例を参考に標準化資料、チェックリストを策定の上、チームに展開した」など、主体的に業務改善や課題解決に取り組んだエピソードを記載すると効果的です。
IT業界は巨大なピラミッド構造であり、受託開発をするケースが多くありますが、上流や大手にいくほど忌避されるのが「『作業者』になってしまうこと」。
指示されたことをそのとおりに「こなす」だけでは、トラブルや手戻りがつきものであるシステム開発において、臨機応変に対応しパフォーマンスを最大化させることはできません。
また、大手のSIerやITコンサルタントなどに転職する場合、ますます上流工程の仕事がメインになるため、必然的にこうした能力が求められるのです。
2)調整力や巻き込み力
顧客折衝やチーム内でのコラボレーションが多いSE(システムエンジニア)には、調整力や巻き込み力といったコミュニケーション能力も求められます。
具体的には「意見の衝突やトラブルが起きた際に矢面に立って問題解決に向けて動けること」「その際に1人で抱え込まず、周囲のメンバーに協力を仰げること」などを指します。
例えば、顧客から実現不可能な要望や本質的ではない要望などを受けた場合に、QCD(品質・コスト・納期)をふまえて落とし所を探ったり、品質の担保や納期遵守に向けてメンバーや協力会社を巻き込んだり…といったエピソードとともにアピールできるとよいでしょう。
キャリア
アドバイザー
ドキュメンテーション能力も見られている
SE(システムエンジニア)は、職務経歴書全体の見やすさや誤植についても特に注意が必要です。
ドキュメンテーションスキルはSE(システムエンジニア)の基礎能力にあたるため、無駄が多くページ数が6枚以上になっていたり、「てにをは」の間違いや誤字脱字があったりすると、それだけでマイナス評価につながることも。とくに大手やコンサルほど、この傾向は強くなります。
職務経歴書をひととおり完成させたら、読み手にとって見やすく・ミスなくまとめられているか、提出前に入念にチェックしましょう。
▼「自己PR」欄についてさらにくわしく