選考のプロに直撃! 履歴書はパソコン・手書き、どっちがいい?
転職活動で必ず必要になる履歴書。「パソコン作成」と「手書き」どっちが良いのか、迷ってしまいますよね。
その真相について、転職支援を行う株式会社クイックのキャリアアドバイザーに直撃。それぞれの良い点・悪い点や、実際に作成するときのポイントもまとめています。
履歴書はパソコン作成と手書き、
どっちがいい?
「パソコン作成」が主流になりつつある
履歴書は近年、パソコン作成が主流になりつつあります。
というのも、企業側はパソコンで作成した履歴書の方が、データとして管理しやすいと考えているためです。このような時代の風潮から、手書きした履歴書を郵送するのではなく、パソコンで作成した履歴書データをメールで送ることも多くなっています。
中には、パソコン作成の履歴書を提出させることで「Wordなどの基本的なツールを問題なく使えるのか」といったITスキルを判断している企業もあるようです。
株式会社クイックのキャリアアドバイザーによると、以下の業界では実際にパソコン作成が主流でした。
- 電機・機械業界
- 建設業界
- 自動車業界
- 製薬・医療機器業界
- アパレル/コスメ業界
パソコンを使う仕事や企業・社員の年齢が若い会社もパソコン作成が主流
パソコンを使う業務がメインの仕事や企業に応募する場合も、履歴書はパソコンで作成するのが基本です。
また、スタートアップやベンチャーなどの社員の年齢が比較的若い会社も、効率主義的であるところが多く、パソコンで作成しても問題ないでしょう。
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指定がなければ「手書き」でもOK
パソコン作成の指定がなければ、履歴書は手書きで作成してもまったく問題はありません。
ただし、企業側の管理の問題や提出方法によってはパソコン作成が好ましい場合も。事前の説明がなく不安であれば採用担当者にメールなどで確認するのが無難です。
なお、飲食業界や理美容業界など、対人の仕事がメインでパソコンを使用する機会が少ない業界では、履歴書は手書きが好まれる傾向が強いようです。
株式会社クイックのキャリアアドバイザーによると、以下の業界では履歴書は手書き作成が基本でした。
- 看護業界
- 介護業界
社員の年齢層が高い企業、地方の中小企業は手書きが良い場合も
このほか、社員の年齢層が高い企業や地方の中小企業も、従来通り「履歴書は手書きのほうが良い」と考えるところが多いので注意。
「わざわざ手書きするということは、入社への熱意があるのだろう」「手書きの文字が丁寧だから、仕事も丁寧にこなしてくれるはずだ」と考える企業も少なくありません。
▼手書き用の履歴書の購入場所は…
パソコン作成と手書き
~良い点・悪い点~
履歴書の「パソコン作成」と「手書き」それぞれの良い点・悪い点を紹介します。
どちらにするか迷っている場合は、企業への提出方法なども踏まえた上で選択しましょう。
パソコン作成の場合
○パソコン作成の良い点
パソコン作成の場合、万が一間違えても簡単に修正できるため、手書きのように下書きや書き直しの手間がなく、効率的に作成することができます。
また、データを複製できるのも大きなメリット。名前や住所、学歴・職歴欄などはそのままで、「志望動機」や「自己PR」などの自由記述欄のみ書き換えて他の応募先に転用することができます。
✕パソコン作成の悪い点
パソコン作成の履歴書を郵送する場合、印刷の手間がややネックとなるでしょう。
特にコンビニで印刷する場合は備え付けの用紙になるため、手書き用の履歴書よりもペラペラで安っぽい印象に。紙質で合否が決まることはありませんが、見栄えも気になるという人は、履歴書専用の用紙を使って自宅で印刷するのがおすすめです。
手書きの場合
◯手書きの良い点
手書きの履歴書はパソコンよりも手間がかかるため、それだけで熱意や意欲があると評価してもらえることも。文字の丁寧さやきれいさが、さらなる印象アップにつながることもあるでしょう。
また、用紙とペンさえあればすぐに作成できるのも良い点。パソコンやプリンターなどの準備も必要なく、履歴書用紙はコンビニや文具店など身近なところで手に入ります。
✕手書きの悪い点
手書きのウィークポイントは、書き損じのリスクが高く複製もできないため、応募企業ごとに作成の労力がかかるところ。
また、手書き文字は良くも悪くも印象を左右するため、文字が汚い場合はそれだけで良からぬ評価につながりかねません。とはいえ、あくまで大事なのは内容なので、できるだけ丁寧に書くように気をつければ問題はないでしょう。
コラム:履歴書が手書きの場合、他の書類も手書きするべき?
企業からの指定がない限り、履歴書や職務経歴書、送付状など提出する書類の作成方法を揃える必要はありません。「履歴書は手書きだが、職務経歴書や送付状はパソコン作成」でもOKです。
ただし、履歴書も職務経歴書も使い回しは厳禁。志望動機や自己PRなどは毎回、応募企業にあった内容に書き換えましょう。
「職務経歴書」と「送付状」のテンプレートやくわしい作成方法は、下記の記事で紹介しています。手書きしたいという人も、ぜひチェックしてください。
「パソコン作成」する場合のポイント4つ
ここでは、履歴書をパソコンで作成するときに気をつけるべき4つのポイントを紹介します。
1|証明写真の貼り方に注意
パソコン作成の場合、提出方法によって証明写真の貼り付け方が異なります。状況別に確認しましょう。
郵送・持参する場合
パソコン作成した履歴書を印刷して郵送・持参するときは、証明写真も一緒にプリントアウトするのは好ましくありません。証明写真ボックスや写真館で撮った証明写真を、印刷した履歴書に直接のりづけしましょう。
証明写真を撮るときの服装や髪型、おすすめの撮影場所について、くわしくは下記の記事で解説しています。
メールで提出する場合
パソコン作成した履歴書をメールで提出する場合は、パソコン上で履歴書のファイルに証明写真のデータを貼り付けて送ってください。
写真データの準備方法や実際の貼り付け方については、下記の記事でくわしく解説しています。
2|フォントと文字サイズは統一する
パソコン作成の場合、履歴書内でフォントと文字サイズを統一するのが原則です。
フォントは明朝体を使用するのが基本。Windowsなら「MS明朝」、Macでは「ヒラギノ明朝」がおすすめです。
文字サイズは基本的には10.5ptもしくは11ptにして、名前や学歴・経歴は欄の大きさに合わせて14pt~18ptにすると良いでしょう。
▼フォントと文字サイズについてくわしく
なお、文字数やサイズを調整するために、テンプレートの枠のサイズを勝手に変更するのはNG。パソコンでのデータ確認時にうまく表示されなかったり、印刷時に切れてしまう可能性があります。
3|自由記入欄では3~4行ごとに改行する
志望動機や自己PRなど、自由記述欄は3~4行ごとに改行を入れましょう。余白が生まれ、ぐっと読みやすくなるでしょう。
4|出来上がったものは一度印刷する
パソコン作成の場合は出来上がったものを一度試しに印刷し、見栄えをチェックするのがおすすめ。その際、書いた内容を声に出しながら読むと、誤字脱字の確認もできます。
「手書き」する場合のポイント4つ
ここでは、履歴書を手書きするときに役立つ4つのポイントを紹介します。
1|最初に捺印、最後に日付の記入
履歴書が完成した後の捺印で失敗すると、いちから書き直すことになってしまうため、印鑑は一番最初に押しておくのが鉄則。
押す位置や印鑑の種類については、下記の記事をチェックしてください。
一方で、履歴書の左ページの右上にある「日付欄」は、すべての欄の記入が済んだあと、最後に記入するようにしましょう。郵送の場合はポストへの投函日、メールの場合は企業への送信日、手渡しの場合は持参日を書きます。
同梱書類の日付や西暦和暦についての疑問など、くわしくは下記の記事で解説しています。
2|必ず下書きをする
履歴書を手書きする場合、いきなりペンで書き始めるのはNG。まずはシャープペンシルで下書きをしてから上からなぞるようにして書くか、見本となる履歴書を作り見ながら書くようにしましょう。
ミスをしてしまっても、修正液や修正テープなどを使用することはマナー違反です。間違えた場合はイチから書き直すようにしましょう。
3|黒のゲルインクボールペンを使う
履歴書を手書きする場合は、水に強くにじみにくい黒のゲルインクボールペンを使いましょう。ペン先が0.7mmのものだと、大きな字でもバランスが取れるのでおすすめです。
にじみにくく裏写りが少ない油性ボールペンでもよいですが、かすれることが多いので注意。水性ボールペンは水に濡れるとインクがにじんで消えてしまうため、使わないほうが良いでしょう。
フリクションなどの消せるボールペンを使用するのもNGです。応募先企業に届いたころには、摩擦で文字が消えてしまっている可能性があります。
種類 | 特徴 |
◎…ゲルインクボールペン | 水に強くにじみにくい |
△…油性ボールペン | 裏写りが少ないが、かすれることが多い |
×…水性ボールペン | 水に濡れるとインクがにじむ |
×…フリクション | 摩擦で消える可能性がある |
おすすめのボールペンについて、くわしくは下記の記事で解説しています。
4|証明写真の裏に名前を書く
手書きで履歴書を作成する場合、証明写真をのりで貼り付ける必要があります。そのため、万が一はがれてしまっても誰のものかわかるように、証明写真の裏には自分の名前をフルネームで記入しましょう。
証明写真の裏面はつるつるとした特殊な材質となっているため、ゲルインクボールペンではなく、油性のマジックペンを使用するのがベター。
下記の記事では、見本画像付きでくわしく解説しています。
おさえておきたい!履歴書の提出マナー
履歴書の作成にともなって、チェックしておきたいのが「企業への提出マナー」。提出方法別に確認しましょう。
▼郵送する場合(封筒の宛名の書き方もチェック)
▼メールで送る場合(ファイル名の付け方も確認)
▼持参する場合
さらに下記の「履歴書の書き方ガイド」では企業への提出マナーだけではなく、履歴書のすべての欄の書き方を解説しています。これから履歴書を作成する人は、チェックしてください。