ストラクチャードファイナンス
仕事概要
ストラクチャー(仕組み)を使った資金調達手法を広く意味します。 資金需要のある企業が、自己資産をSPC等の事業体に譲渡し、資産譲渡を受けた事業体はその資産から生じるキャッシュフローをもとに、債権を発行する仕組みです。代表的な例は、IPP(卸電力事業)やPFIといった事業向けのプロジェクトファイナンスであり、不動産の証券化、M&Aのためのファイナンス、航空機や船舶向けのリースファイナンス等もその一例です。不動産の証券化(セキュリタゼーション)については、狭義ではストラクチャードファイナンスを使った資産流動化の動きを意味します。
必要な能力・経験
金融の自由化・規制緩和により、業務が拡大した銀行にとって人材の流動化が広まりつつあります。投資銀行業務の一つであった、M&Aをはじめとする花形業務も転職市場において流動化が相次いでいます。ストラクチャードファイナンス業務も例外ではありません。 企業の財務分析や課題発見、デリバティブの手法を用いた企業の財務改善業務、証券化の経験などをされてきた方は、即戦力となり、高く評価されるでしょう。
転職事情・アドバイス
最近の金融規制緩和による金融市場発展に伴い、M&A、PE、企業再生などを含めた投資銀行関連業務での募集案件が多くあります。ストラクチャードファイナンス業務においては、投資銀行はもとより不動産金融業界からのニーズもあり、転職先の選択肢は数多いでしょう。 現状では、近年の不動産金融隆盛から、不動産金融業界での求人ニーズが目立っています。転職者の方の例を挙げますと、不動産鑑定や不動産証券化関連業務の経験を活かし、不動産投資顧問会社でストラクチャードファイナンス職として採用されるケースが多く見受けられます。不動産鑑定を経験された転職者側の考えとして、不動産評価だけではなく、証券化ビジネス、不動産投資などへと業務の幅を拡大したいという希望が叶ったといえるようです。