門戸が広がる外資系金融機関
外資系金融機関への転職を検討されている方にとって、今こそが絶好のタイミングだといえるのではないでしょうか。
外資系金融機関の門戸が確実に広がっている背景には、実は日系金融機関の採用意欲の活発化があります。従来は中途採用に消極的だった日系金融機関が、この数年間抑制してきた新卒採用の穴埋めのために第二新卒クラスを積極的に採用しているほか、金融再生の過程で抜けたベテラン層の補充にも意欲を燃やしています。そのため外資系金融機関と転職市場で激しく競合するようになり、対抗する外資系企業側もじっくり構えていれば良いという訳にはいかなくなりました。
その結果、募集条件を緩和する、これまで以上の好条件を提示する、面接回数を減らしてスピードアップする…など、転職を希望されている方にとって非常に有利な状況が生まれています。業種的にも銀行、証券、生損保、金融系コンサルティングファーム…など幅広く採用の活発化が見られ、若手からエグゼクティブ層まで様々なポジションで人材が求められています。
心配いらない語学力、離職率
転職経験のない方が外資系と聞いて不安に感じるのは、英語力と離職率の問題でしょう。まず英語ですが、これは想像されるほど高いレベルが要求されている訳ではありません。部長、課長クラスを除けば、英語力を全く問わない外資系企業も数多くあります。この1~2年の景気回復で増員基調にある企業ではこの傾向にますます拍車がかかっています。
業界でいえば、銀行や証券は比較的英語力を求めることが多いようですが、それでも20代のジュニアクラスなら「メールの読み書きができれば可」という程度です。
日本での活動が長い会社では社内文書を日本語化したり、海外の本社に日本語のできるスタッフを置いたりもしています。
また離職率についても、実態として一定の離職者はいるものの心配するほどではない、といったレベルです。まことしやかに語られる「ある日突然解雇された」「会社にいづらくさせられ退職に追い込まれた」といった例は極めて稀なケースです。もともと外資系金融機関には、転職によってキャリアアップしていこうという志向を持った人材が多く集まっている傾向があります。そのためキャリアアップのための自主的な転職(退職)も含めればある程度の離職率になりますが、日系企業も含めリストラで早期退職が相次いだ時期には、外資系金融機関の方が離職率が低いというデータもあった程です。
また、無闇な解雇が“訴訟リスク”につながると考える米国系の会社では、避けられない人員削減の場合にも、半年以上前に通知したり、割り増し退職金(パッケージ)を支払うなど、非常に慎重に対応しているのが一般的です。
外資系金融機関が求める人、職種
- ・公認会計士
- ・不動産鑑定士
- ・アクチュアリー
- ・USCPA
- ・CFA/証券アナリスト
では、どのような方が外資系企業に向いているといえるのでしょうか。実は日系も外資系も求める人材に大きな違いはないようですが、あえていうなら個人の責任で仕事ができる方、ということになるかもしれません。
たとえば、平日に定時退社したら休日に自発的に出勤して埋め合わせるといった自律的な働き方のできる方です。マネージャーの場合なら、ただ管理するだけでなく自分から率先して動けるプレイングマネージャー
タイプ。上からの指示を待たないと仕事ができない、上司に合わせて残業してしまう…といった方は外資系企業には向かないといえそうです。
また、職種に関しても様々な募集がありますが、若手ほど選択肢の幅が広く、年齢が上がれば募集もピンポイントになっていく傾向が見られます。その中でも特に注目していただきたいのは、監査、SOX法(企業改革法)関連、コンプライアンス、不動産金融関連(特にアセットマネージャー、ソーシング担当)…などです。これらは近年になって重要性が高まってきた職種のため、市場に実務経験者が少ないのが特徴です。つまり、経験者ばかりでなく関連した知識を身につけている方などにも十分にチャンスがあるといえます。

- ・M&A
- ・ストラクチャードファイナンス、証券化
- ・公開引受、引受審査
- ・コーポレートファイナンス
- ・プロジェクトファイナンス
- ・ベンチャーキャピタリスト
- ・プライベートエクイティ

- ・アナリスト
- ・ストラテジスト、エコノミスト
- ・ファンドマネージャー
- ・ポートフォリオマネージャー
- ・ディーラー、トレーダー
- ・クライアントサービス
- ・商品開発

- ・PB(プライベートバンカー)
- ・法人営業(金融法人・事業法人)
- ・個人営業
- ・投信マーケター

- ・アクイジション
- ・AM(アセットマネージャー)
- ・PM(プロパティマネージャー)
- ・デューデリジェンス
- ・不動産証券化、ノンリコースローン

- ・リスク管理
- ・法務、コンプライアンス
- ・内部監査
- ・金融システム
- ・金融工学
- ・投資銀行
- ・アセットマネジメント
- ・プライベート・エクイティ・ファンド
- ・ベンチャーキャピタル
- ・不動産ファイナンス
- ・生命保険/損害保険会社
- ・格付会社
人材紹介会社をうまく活用して下さい
人事部が仲立ちする日系企業に対して、外資系金融機関の場合は部門別採用が多いのが特色です。そのためオープンな求人情報が出回りにくく、主にヘッドハンターや人材紹介会社(エージェント)を通して募集されることが多いようです。
この分野への転職を検討されている場合には、是非お気軽に人材紹介会社にご登録いただければと思います。また、年俸交渉なども、個人ではタイミングの図り方が分かりにくいものですが、人材紹介会社では、企業毎にどこで切り出せばいいかという情報を事例を通してつかんでいます。
転職に成功された方の例を分析しますと、主に2パターンに分かれるようです。まず、半年~1年程度かけてご自身のスキルや志向に沿う案件が出るのをじっくり待っていただいたパターン。これは専門性の高い職種、あるいはマネージャークラス以上のポジションに多いようです。もう一つは、3~4ヶ月の期間に集中して多くの企業に当たり、希望と実際の求人をすり合わせていくパターン。若手の方や、職種でいえば営業、マーケティング、管理部門…といった比較的求人情報が豊富なケースです。
外資系金融機関の求人が活発な状況は、現在の増員計画が充足し、新卒が戦力化する1~2年後まで売り手市場で推移すると予測されます。したがってある程度ゆとりと自信を持って転職活動に取り組んでいただけると思いますが、スタートが早いに越したことはありません。まずは情報収集のためにも、ご登録から転職活動を開始されることをお勧めいたします。
転職成功例

担当コンサルタント豊田 仁
日系不動産会社のアクイジションから、外資系投資銀行グループのアクイジションへ

性別 | 男性 | 給与 | 1200万円 |
---|---|---|---|
年齢 | 46歳 | 出身大学 | 私立大学卒 |
前職 | 日系不動産会社のアクイジション | ||
保有資格 | 一級建築士、宅地建物取引主任者 |

転職後 | 外資系投資銀行グループのアクイジション |
---|---|
給与 | 1500万円+パフォーマンスボーナス(300万アップ) |

転職の目的が年収UPということもあり、外資系に絞ったご提案をさせていただきました。前職での大手ゼネコンでの開発業務や、日系不動産投資会社でのアクイジションといった経験が強みとなる方でした。一方で英語力に不安を感じられていたため、英語力を求めず、なおかつ前職の経験が活かせるポジションを探した結果、今回の転職に結びつきました。ご希望どおり年収もUPし、非常にご満足いただけました。

担当コンサルタント豊田 仁
外資系コンサルティングファームのコンサルタントから、外資系投資銀行の投資銀行部門へ

性別 | 男性 | 給与 | 600万円 |
---|---|---|---|
年齢 | 26歳 | 出身大学 | 国立大学卒 |
前職 | 外資系コンサルティングファームのコンサルタント | ||
保有資格 | TOEIC950、日商簿記2級 |

転職後 | 外資系投資銀行の投資銀行門 |
---|---|
給与 | 750万円(150万アップ) |

金融業界は未経験とのことでしたが、高い英語力が強みとなりました。また、企業側がポテンシャルの高い若手を積極的に採用していた時期にあったことと、業界未経験ながら大学でファイナンスを学ばれていたことが考慮され、転職成功に結びつきました。外資系企業の中でも人材を育てるスタンスが強い企業なため、将来の成長も期待できる環境です。