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転職トレンド 金融ビジネス最前線

総論 -近年の金融転職マーケット-

融業界における人材の流れを振り返ってみると、1990年代後半から2000年頃までは、日本市場で存在感を増した外資系金融機関が幅広い人材採用を行った時期でした。日系の銀行や証券会社からは、多くの人材が転職やヘッドハンティングによって外資系金融機関に流出しました。それに対抗するため、日系の金融機関でも引き抜かれては困る一部のスペシャリストを対象に、外資系並の厚待遇で処遇する人事制度が導入されていきました。 その後、ITバブルの崩壊やアメリカでの株価下落をきっかけとして、2001年前半頃から、外資系企業の採用が抑制される傾向が現れはじめます。そして、同年に発生した「9.11」のニューヨーク・テロ事件がこの流れを決定的なものにしました。金融業界での採用マーケットは一気に「冬の時代」に突入したわけです。この時期には、ランキング上位の証券アナリストや、ピーク時には年間1億円近い報酬を得ていたベンチャーキャピタリストといったハイレベルな人材でさえ転職が困難な状況に陥りました。 しばらく低迷した金融転職のマーケットでしたが、2003年12月期に主な外資系金融機関の本国決算が好調だったことを受け、日本でも数年ぶりに採用枠の増加というトレンドが現れてきました。これに遅れること数ヶ月、日系の金融機関もまた、まとまった数の中途採用を開始します。これによって、転職マーケットは、それまでの冬の時代から一気に春が訪れました。日系・外資系を問わず、金融業界にも再度人材の流動化時代が到来したのです。 そして、過去なかったほどの超売り手市場の時代がやってきました。それまで人員削減一辺倒だったため、その分を取り返すべく若手スタッフクラスから働き盛りの中堅クラス、シニアクラスまで、すべての年代、ほとんどの職種で人材の積極的な採用が始まりました。 まず年代別で見ると、20代はもっとも活発に採用が行われた層です。ちょうど新卒の時期に就職氷河期といわれた年代であり、組織バランス的にも不足していました。また、新卒で金融業界に就職した人でも、長期にわたる金融業界の停滞から、将来性を悲観して退職してしまった人が多かった年代でもありました。30代は即戦力の年代であり、業界が好調な事業拡大時にはこの層の強化も欠かせません。40代の求人も多数ありました。 業界が低迷した時期にあいついで行った早期退職者の募集で、実は必要な人材ほど流出していたのです。また、20代のスタッフクラスを大量採用した結果、教育やマネジメントができる層へのニーズも顕在化しました。 業界別では、まず積極的に動いたのは銀行でした。バブル後に公的資金を受け入れたメガバンクなどが、その返済を完了したことで採用にも自由度が高まったためです。また、証券・生命保険などの業界においては、2004年前後からの株式マーケットの好転が大きく影響しました。証券業界では、市場の活性化に対応できるだけの人員を確保する必要に迫られ、また株価の上昇によって逆ザヤが解消し財務状況が改善した生保も人材強化に意欲を見せるようになったのです。 しかし、2007年夏以降になると、この超売り手市場にも若干のかげりが表れてきました。この時期、複数の大手金融機関の人事責任者から同じような話をお聞きしたものです。 ここ数年の中途採用の積極化によって、どうしても確保しなくてはならなかった最低限の人材は確保できたこと。 今後はすべてのポジションで積極採用を行うのではなく、必要な事業領域、必要な部門だけに絞り込んで強化していく方針であること。また、この2〜3年で大量に採用した新卒がしだいに戦力化してきたため、以前ほど第二新卒クラスの採用を行う必要がなくなった…といったことです。 そして、07年後半には、この状況にさらに追い討ちをかける大きな問題が表面化してきました。ご存知「サブプライムローン問題」です。これによって多くの外資系企業が採用計画に見直しをかけました。


-転職活動にはきめ細かい情報収集を-

うした流れを総合してみると、2008年の転職マーケットは、予断を許さない年といえそうです。1年ほど前まで、各社で積極的な採用が行われていたM&Aや不動産ファンド関連職種などでも、当時との温度差がかなり出てきています。 これまでは、銀行なら銀行、証券なら証券と業界が同じであれば募集職種も応募要件も同じ…といった傾向が見られましたが、ここにきて、すべての銀行、すべての証券が同じポジションを募集するといった状況ではなくなってきました。各社とも、強化部門とそうでない部門にメリハリをつけた採用を模索するようになっているのです。 このことは、転職をお考えの方にとっては、以前にも増してしっかりした情報収集が必要となっていることを意味します。ある職種の方が大和證券を受けて好感触を得たとしても、同じようなポジションの募集が野村證券でもあるとは限りません。






これからの転職は、大きく変動しつつある転職マーケットの情報を正確につかみ、それを分析し必要なアクションを起こしていくことが求められます。私ども「金融チーム」では、こうした全体的な流れから個別の詳しい求人情報のご提供まで、お一人の活動ではなかなか収集できない情報をきめ細かく提供させていただきます。実りのある転職活動にするために、ぜひ一度ご相談いただければと思っております。