動産ファイナンス(不動産金融)」という言葉がよく使われるようになったのは、まだここ数年のことといっていいでしょう。それ以前の不動産ビジネスは、物件の仲介や売買、開発などを主体とする業界でした。しかし、米国で不動産投資信託(REIT)が注目を集め、また不動産と金融を結びつける手法としての「不動産の証券化」が知られるようになってくると、新しいイメージの不動産ファイナンスという業界へと発展しました。 時を同じくして、不動産の流動化を促進する各種の法改正、大手金融機関の不良債権処理にともなう不動産の売買、またJ-REIT市場の誕生、企業の減損会計導入による不動産所有リスクの高まり…など、様々な要因によって不動産物件の動き自体も活発化しており、しばらくは目が離せない業界といえそうです。 比較的新しい業界だけに、募集されている職種についても、「アクイジション」「デューデリジェンス」「アセットマネージャー」…など、耳になじみのないものが多いのが特色です。しかも、これらの仕事は不動産投資の成否を左右する重要なポジションであるため、企業側は原則的に即戦力となれる経験者を求めています。 たとえば、デューデリジェンス職の募集条件を調べてみると、同職種の経験者がベストですが、不動産鑑定事務所で鑑定業務にあたる不動産鑑定士や鑑定士補など、内容的に近い経験がある方も可能性があります。 キャリアが豊富な方であればシニアクラスを対象にした求人もありますので、他業界に比べると幅が広いのも特徴です。また、外資系企業でも特別に英語力を求めない求人が多く、専門分野の経験・知識さえあればチャンスがある業界だといえるのではないでしょうか。 この業界への転職成功例としては、前職が同業、または信託銀行、銀行、大手ゼネコン、不動産ディベロッパー、不動産鑑定事務所などがあげられます。
不動産ファイナンス -新しく活発な業界。経験豊富なシニアクラスの求人も-
不動産ファイナンス -コンサルタントから-
目の不動産ファイナンス業界ですが、今後は好業績を続ける企業とそうでない企業に二極化していくことが予想されています。この業界での転職を成功させるには、それぞれの企業の実力や将来性などをしっかりと見きわめることが重要となってくるのではないでしょうか。
ここでは、企業を判断する際のポイントとして3点をあげておきます。(1)物件に関する情報ネットワークが確かか。特に、仕入れ時の目利きの力はとても重要です。(2)資金力、信用力に強みを持っているか。実際に物件を購入するには資金力、あるいは資金を調達するための信用力が不可欠です。(3)他社にはない強みや特色を持っているか。開発型投資ができる企画力があるか、あるいはホテルや物流といった特化したビジネスに知識やノウハウを持っているか。…このあたりは、企業研究でぜひ押さえておきたいところです。さらに、ファンドに投資している投資家にどのような層(機関投資家など)が含まれているのかといったデータまで調べることができれば、その企業の市場での位置づけなどをより正確に判断できるでしょう。
逆に、過去の運用実績などは判断材料にはなりにくいと思われます。というのも、近年の不動産投資をとりまく状況には一種のバブル的要素があったため、企業の実力とは関係なく好成績を残している場合があるためです。今後は実力を伴わない企業は淘汰されていくことも予想されますので、より中身に注目していく必要があります。
いずれにしても、求人情報も含めこの業界について詳しくお知りになりたい方は、ぜひクイック人材紹介部(金融チーム)にお問い合わせ、ご相談下さい。