つては、主に「日系銀行から外資系金融機関へ」という流れで人材が動いていましたが、2003年後半から2004年にかけて変化が現れました。NPL処理に一定の目処がついたこと、大企業の業績回復を背景に景気が上向いたことなどにより、メガバンクを中心とした大手銀行各社が、ほぼ同時期に中途採用を活発化させたのです。かつては「人材の供給元」であった日系の銀行が、「積極的に中途採用を行う存在」となったことは、金融業界の転職マーケットに大きなインパクトを与えました。それまで一方的な「買い手市場」であった転職マーケットが、一気に「売り手市場」へと変化したのです。 しかし、現状は誰にとっても「売り手市場」であるわけではありません。年代別では人物重視の20代、一定の専門性が欠かせない30代、契約社員としての求人が多い40代…など、雇用形態の多様化も含め、かなりのむらが見られます。また、一部の高度なスペシャリストには複数の大手銀行がラブコールを送る一方、なかなか経験を生かせるポジションがみつからないケースがあったりと、二極分化が激しいことも銀行業界の転職マーケットの特徴といえます。 こうした銀行業界における注目職種としては、「M&A」「企業再生」「事業再編」といった従来からの人気職種に加え、「リテールマーケティング」や「内部統制・リスク管理」といった仕事があげられます。逆に、数年前の花形職種であった「デリバティブ」「ストラクチャード・ファイナンス」といった職種は、募集が減少しました。 外資系銀行に転職する際に気になる英語力ですが、20代のスタッフクラスでは「TOEIC750〜850」、30代のマネージャークラスになると「TOEIC850以上」が目安となります
銀行 -積極的な中途採用を始めた、日系メガバンク-
か
銀行 -コンサルタントから-
現
在最も注目したいトピックは、2004年からメガバンクや大手信託銀行などで始まった「数百人規模での営業職を中心とした中途採用」というトレンドです。銀行出身者だけでなく、広く証券や保険といった金融業界全体の経験者を対象にしており、採用自体も順調に推移。また入行した人材も、それぞれの専門性を生かしながら期待以上の活躍を見せているようです。
この大規模採用・人材流動化のトレンドが定着すると、これまでの金融機関で一般的であった「新卒採用→終身雇用」というシステムが完全に過去のものになると言われており、なかでも最も保守的と言われた銀行の人事制度を大きく変える起爆剤になりそうです。