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生保 -変化する業界構図。求められる仕事も変化している-

らく続いた逆ザヤによる収益の悪化、それに伴う経営破綻。さらには、その経営破綻による信用力の低下からより一層の「生保離れ」を招いてしまう…。こうした悪循環が続いていた状態から、ようやく一筋の光が見えてきた…というのが、現在の生命保険業界が置かれている状況ではないでしょうか。まさに、これからどうしていくのかが問われている、生保業界にとっては勝負の時期といえそうです。 業界内の勢力図も大きく変化しました。旧来型販売方法の象徴といわれた「GNP(義理・人情・プレゼント)」の世界から脱却し成功を収めたカタカナ生保。また、高度なマーケティング手法により、日本でも一定のシェア獲得に成功したアリコジャパンを中心とするAIGグループやアメリカンファミリーなど。これらの勢力の伸張がもたらした販売スタイルやチャネルの変化は、生保業界の求人状況にも大きな影響をもたらしています。 現在、もっとも注目度が高い職種は、こうした新しい販売スタイルを支える「商品開発」「マーケティング」「トレーナー」といったポジションであり、これらの職種経験者は引く手あまたといった状況です。 ただ、この2〜3年の動きを見ると、カタカナ生保以上に日系の大手生命保険会社の採用が非常に活発になっています。今や日系生保も新しい商品開発や販売方法に力を入れ始めていることの表れだといえるでしょう。 また、2007年12月22日に保険商品の銀行窓口での販売が全面解禁されたことも、今後の同業界に大きな影響を与えそうです。新たな販路の拡大を狙う生命保険会社と、手数料収入による収益増をめざす銀行の思惑は一致しており、銀行窓販は数年以内に生保販売チャネルの柱となると見る向きもあります。 これを受けて、生保各社の人材が銀行に出向して販売を担当する、あるいは生保出身者が銀行に転職するといった、これまであまり見られなかった人材の動きも出てきています。 一方、2007年初頭に表面化した保険金不払い、支払漏れ問題により、生命保険各社はその実態調査や契約者への説明などの対応に追われ、収益を落とすということもありました。この苦い経験から、コンプライアンス体制の構築、商品内容の見直し、銀行に対するサポート体制をどうするかといった課題の解決は不可欠であり、まずは足場を固めることが求められています。そのため、転職市場においても、上記のような様々な課題に取り組むことができる方へのニーズも強まっています。

生保 -コンサルタントから-

綻する生保、もしくは破綻の可能性がある生保がなくなってきたことから、そうしたネガティブな理由による転職希望者は激減しました。現状では、それぞれの分野で一定の専門知識を身につけた方が、大幅な年収アップやキャリアアップを実現するような転職のケースも多数みられるようになってきました。 ここでは、ある大手生保の人事担当者から聞いた言葉をご紹介しましょう。「業界での経験豊富な方が、これまでの実績をアピールして応募してこられることはよくあります。たしかに営業スキルもマネジメント能力も素晴らしい方はいらっしゃいます。しかし、私たちが今、本当に求めているのは、その成功経験をベースにしながら、企業として業界として今後どういう改革、工夫をしていけばいいのかを提案してくれる人なのです」。 生保業界は、従来型の仕事だけではやっていけない、しかしながら同時に新しいチャレンジが出来る業界に変りつつあるのではないでしょうか。